ルリヒナギク 瑠璃雛菊

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae フェリシア属

別 名 ブルーデージー
中国名 蓝雏菊 lan chu ju
英 名 kingfisher daisy , blue daisy , blue felicia bush , shrubby felicia , bush felicia , blue felicia , blue marguerite , blue daisy bush , Paris daisy
学 名 Felicia amelloides (L.) Voss
ルリヒナギクの蕾
ルリヒナギクの花
ルリヒナギクの総苞
ルリヒナギクの茎
ルリヒナギク
ルリヒナギクの花横
ルリヒナギクの葉
花 期 3~11月
高 さ 20~40(100)㎝
生活型 多年生
生育場所 栽培種
分 布 在来種  本州(福島県以南)、四国、九州,、沖縄、中国、台湾、インド、ブータン、スリランカ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、オーストラリア、オセアニア
撮 影 西尾市 21.4.1
ルリヒナギクはキク科フェリシア属の観賞用の栽培種。ブルーデージーと呼ばれる。
多年生(普通、少なくとも5年以上)、常緑、矮性低木、高さ30~60(100)㎝、幅約50㎝になる。密に分枝し、しばしば茎が暗赤色を帯び、茎や毛に細かい硬い毛があり、しばしば、サンドペーペーのような感触がある。葉は対生、多少、楕円形、上面は暗緑色、下面は薄緑色(栽培種の斑入りは緑色と白色の斑入り)。頭花は直径約30㎜、花序柄は18㎝以下。多くのデージーとは違い、夜に花を閉じない。総苞は緑色。周辺小花は約12個、雌性、スカイブルー色、まれにモーブ色(藤色)(白色、淡青色、ピンク色、紫色の品種もある)。中心小花は多数、黄色、両性。全ての小花は冠毛をもち、冠毛は多数の硬い、白色の剛毛が1個の輪につく。果実は痩果、暗褐色で微細な毛がある。各痩果は冠毛と一緒に落ち、冠毛がパラシュートのような働きをする。花期は野生では不確かであるが、通年、主に春~夏初旬。日本では高さ20~40㎝程度、花期は春~秋。

フェリシア属

  family Asteraceae - genus Felicia

 小低木又は多年草、又は1年草、しばしば樹脂道(resin channels)をもつ。頭花は普通、頂生、明瞭な花序柄があり、放射状頭花(radiate)。総苞は半球形又は円筒形、総苞片は(2)3~4列。周辺小花は雌性。中心小花は両性と雄性、狭い鐘形、5裂する。花托にパレアはある。花柱の枝は三角形の付属体をもつ。葯は上部の付属体が基部が鈍く、鈍い三角形。痩果は倒卵形、扁平、側面に肋があり、しばしば毛があり、腺は無い。冠毛は多数の毛又は剛毛、1列、宿存又は脱落性。
 世界に約85種があり、アフリカに分布し、1種がアラビア地域に分布する。

フェリシア属の主な種と園芸品種

1 Felicia aethiopica (Burm.f.) Grau  フェリシア・アエチオピカ
 南アフリカ原産。英名はwild aster , dwarf Felicia , wilde-aster。
 小型の低木、高さ50(100)㎝以下。茎の樹皮は帯赤色。茎には普通、粗毛~腺毛がある。葉は互生、基部だけで対生し(まれにシュートでも対生)、まばらにつき、ほぼ無柄、楕円形~倒卵形、長さ5~20mm×幅2~8mm、硬い革質、葉は普通、開出し、しばしば、茎の下部で弱く下向きに曲がり、縁は下向きに巻き、無毛~強い剛毛と腺毛と中間的なものもある。頭花は単生、長い花序柄の上につき、葉の高さを超え、花序柄は先近くに腺がある。総苞は直径8mm以下。内総苞片は倒披針形、長さ約5mm、幅約1mm、肋があり、剛毛が少しある。外総苞片は披針形、長さ約6㎜×幅1㎜、3本の沈み込んだ樹脂道(resin ducts)があり、葉と同じ毛があり、様々な剛毛と腺毛ももつ。周辺小花は約12~14個、舌部は青色のストラップ、約・長さ11㎜×幅1.5mm、青色(スカイブルー色)。中心小花は両性、花冠は黄色、長さは約4mm、5本の花糸と葯が筒に統合する。花糸の両枝に三角形の付属体がある。痩果は黒色、卵形~楕円形、約・長さ約3mm×幅1.5mm、1本のうねがあり、無毛又はまれに先付近に少数の剛毛があり、平滑。冠毛は剛毛、長さ4mm、風で分散する。花期は通年。
品種) 'Tight & Tidy'
1-1 Felicia aethiopica subsp. ecklonis (Less.) Grau
 痩果は全体に毛がある。

2 Felicia amelloides (L.) Voss ルリヒナギク 瑠璃雛菊
 南アフリカ原産。中国名は蓝雏菊 lan chu ju。英名はkingfisher daisy , blue daisy , blue felicia bush , shrubby felicia , bush felicia , blue felicia , blue marguerite , blue daisy bush , Paris daisy 。別名はブルーデージー。
 多年生(普通、少なくとも5年以上)、常緑、矮性低木、高さ30~60(100)㎝、幅約50㎝になる。密に分枝し、しばしば茎が暗赤色を帯び、茎や毛に細かい硬い毛があり、しばしば、サンドペーペーのような感触がある。葉は対生、多少、楕円形、上面は暗緑色、下面は薄緑色(栽培種の斑入りは緑色と白色の斑入り)。頭花は直径約30㎜、花序柄は18㎝以下。多くのデージーとは違い、夜に花を閉じない。総苞は緑色。周辺小花は約12個、雌性、スカイブルー色、まれにモーブ色(藤色)(白色、淡青色、ピンク色、紫色の品種もある)。中心小花は多数、黄色、両性。全ての小花は冠毛をもち、冠毛は多数の硬い、白色の剛毛が1個の輪につく。果実は痩果、暗褐色で微細な毛がある。各痩果は冠毛と一緒に落ち、冠毛がパラシュートのような働きをする。花期は野生では不確かであるが、通年、主に春~夏初旬。日本では高さ20~40㎝程度、花期は春~秋。
品種) 'Astrid Thomas' , 'Balpinperi' (PBR) , 'Balpinsno' , 'Blue Eyes' , 'Dfe , 'Felblu' , Felicitas Azur Blue , Pinwheel™ Periwinkle , Pinwheel™ Snow , 'Read's Blue' , 'Read's White' , 'Santa Anita' , 'Santa Anita Alba' , 'Santa Anita' large flowered , 'Santa Anita Variegated' (v) , 'Variegata' , 'Wigetablue' (PBR)

3 Felicia amoena (Sch.Bip.) Levyns フェリシア・アモエナ
 南アフリカ原産。英名は blue daisy。海岸の砂地と内陸に見られる。
 ほとんどが2年草又は多年草、高さ約25㎝。様々な毛があり、ときに腺毛があり、ときに基部は木質、土壌に触れると節から根を出し、枝を斜上する。葉は対生、又状分枝のすぐ上、さらに上につく。頭花は花序柄の先につき、花序柄は長さ12㎝以下。頭花は直径2~3㎝。周辺小花は12~25個、スカイブルー色。中心小花は多数、黄色。3亜種があり、葉と総苞の幅が異なり、頭花の大きさと周辺小花の数と腺毛をもつことが異なる。花期は6~10月。
品種)  'Variegata' (v)
3-1 Felicia amoena subsp. amoena
 ほとんどが2年草、ときに基部が少し木質になり、多年草。直立し、高さ25㎝以下。枝は豊富、しばしば根元近くに密集し、地面に触れると簡単に節から根を出し、上部の枝は斜上する。 葉は茎の上で対生から互生に変化し、根元で数個、対生になり、上部の葉は互生するが、各枝の下部の1~2対は再び、対生する。葉の大きさは環境に大きく左右され、長さ4㎝×幅2.5mm・以下、線形~槍形、先は鈍形又はわずかに尖り、剛毛があり、ときに古くなると無毛になり、縁は下向きに巻く。花は花序柄の先につき、花序柄は長さ12㎝以下、先近くは密にフェルト状の毛がある。花は枝の頂部にほとんどが、3個一緒に出現する。総苞は比較的、大きく、直径7mm以下。総苞片は2列につき、線形~槍形、長さ約5㎜×幅0.5~0.6mm、先にブラシ状の毛の束がつく。外総苞片は幅0.5㎜、クモ毛状の剛毛がある。内総苞片は幅0.6mm、わずかに剛毛があり、中肋が目立つ。周辺小花は頭花に25個以下つき、暗青色、舌部(straps)は長さ約12mm×幅約2㎜。中心小花は両性、花冠は黄色、長さ3mm以下。葯は5個、花冠の中心で筒に統合し、小花が開くと花柱が突き抜けて伸びる。花柱の両枝に三角形の付属体がある。小花の花冠基部を取り囲んで多数の白色の冠毛の剛毛があり、冠毛は長さ約3mm。痩果は暗褐色、乾き、1種子をもち、非裂開、倒卵形、約・長さ2.5mm×幅1.2mm、縁に沿って目立つうねがあり、表面に鱗片があり、短い又状の毛がある。
3-2 Felicia amoena subsp. latifolia Grau
 高さ約15~20cm。葉は幅が広く、槍形~狭卵形、長さ4~2.8(5.8?)㎝×幅4.5~10㎜、軟毛がある。総苞片は長さ約5.5mm×幅0.9~1.2mm。中心小花は古くなるとしばしば暗赤色に変わる。花は青色、紫色、又はピンク色。2n=16。
3-3 Felicia amoena subsp. stricta (DC.) Grau
 常に多年草、基部は木質。腺毛があり、わずかに粘る。葉は小さく、幅が狭く、先が尖り、長さ1~2.8㎝×幅2~4mm、ほとんどが対生する。総苞は比較的小さく、直径約5mm、総苞片は長さ4㎜しかない。周辺小花は約12個、長さ8㎜×幅1.5mm。

4 Felicia bergeriana (Spreng.) O.Hoffm. ex Zahlbr.  フェリシア・ベルゲリアナ

 南アフリカ原産。 英名はkingfisher daisy。
 1年草、中位に頑健、直立し、高さ25㎝。枝は普通、上向き。茎は垂直な剛毛と腺で覆われる。葉は全て対生、槍形、楕円形、スプーン形、又は倒披針形、長さ3.5㎝×幅0.6~1㎝・以下、全縁又は短い歯があり、無柄又は葉柄が不明瞭で、長い毛で覆われる。頭花は花序柄の先に単生、花序柄は長さ8㎝以下、少数の互生する小さな苞をつける。総苞は直径5mm以下、総苞片は2列につき、全て同長、長さ約3.5㎜。外総苞片は槍形、幅約1mm。内総苞片は倒卵形、幅約1.5mm、縁が紙質、剛毛と腺毛で覆われる。各頭花に周辺小花は約12個、舌部(strap)は青色、約・長さ7mm×幅1.5mm。中心小花は多数、黄色、長さ2.5mm以下、周辺小花に続く中心小花は両性、中央の中心小花は雄性。花冠の基部の周りに、約10本のすぐに廃棄される白色の突き出る冠毛があり、冠毛は長さ約1.5~2.5㎜。痩果はやがて黄褐色~赤褐色になり、乾き、1種子を入れ、非裂開、比較的大きく、長さ約3mm、幅約3㎜、倒卵形、表面は無毛、縁のうねには強い直立する長さ1mm以下の毛がある。種皮は鱗片で覆われる。最も内側の中心小花の痩果は無毛。 品種) 'Cub Scout'

5 Felicia heterophylla (Cass.) Grau  フェリシア・ヘテロフィラ
 南アフリカ原産。英名はtrue-blue daisy。
1年草、マット形に広がり、高さ35㎝以下、枝は基部近くに多い。葉は対生し、倒披針形、長さ10~50mm×幅約5㎜、基部は狭くなり、翼のある葉柄に続き、縁は全縁、まれに不明瞭な歯があり、縁に毛があり、表面に剛毛がある。葉脈は1本の主脈があり、不明瞭な2本の脈が両側にあり、幅の広い葉にはときに、主脈が3本ある。頭花は青色の周辺小花と青色の中心小花からなり、単生。花序柄は長さ15㎝以下、溝があり、腺毛があり、葉腋に直立する。周辺小花は雌性。中心小花は両性と雄性(heterogamous:異性花)。総苞は直径約8㎜。総苞片は2列、長さ約7mm、縁は紙質。外総苞片は槍形、幅約1.5mm、粗く腺毛がある。内総苞片は倒卵形、少数の腺毛がある。周辺小花は約13個、濃青色、基部は有毛の筒部、先の舌部は長さ約15mm×幅5㎜。周辺小花の痩果は冠毛が無い。中心小花は両性、長さ約5mm。花粉はクリーム色。葯は濃青色、先に短い三角形の付属体がある。中心小花の痩果は帯白色の冠毛があり、冠毛は多数の剛毛、長さ約5mm、下部1/4に短い歯があり、さらに上は羽毛状になり、側枝は長さ約0.3㎜。痩果は長さ4.5㎜×幅2mm、楕円形~倒卵形、黄褐色、鱗片があり、縁に沿って太いうねがあり、長さ0.7mmの毛がある。2n=10。花期は春(8~10月)。
品種) 'The Blues' , 'Spring Merchen'

6 その他ハイブリッド
品種) Bellicia Blue , Cape Town Blue , capensis 'Variegata' , Felicitara Blue = 'Wigetablue' (PBR) , Friends Pure White (Friends Series) , 'Pretty Blue' , 'Ralph Gould' pendulous , 'Rookery Blue' , 'Snowmass' , 'Summer Melody'

参考

1) PlantZAfrica
 Go to Plants of the Week Advanced SearchFelicia aethiopica
http://pza.sanbi.org/felicia-aethiopica
2) Kewscience
 Felicia Cass.
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:329383-2