ロサ・ヌトカーナ
Flora of Mikawa
バラ科 Rosaceae バラ属
英 名 | Nootka rose, Nutka rose , bristly rose, wild rose |
学 名 | Rosa nutkana C. Presl |
花 期 | 5~6月 |
高 さ | 0.5~2m |
生活型 | 落葉低木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 帰化種 北アメリカ西部原産 |
撮 影 | 蒲郡市 12.6.4 |
やや大きめの一重のピンク色の花を咲かせる北アメリカ西部原産のバラ。
刺は茎に対につき、真っすぐ、曲がることもある。葉軸には毛や腺毛がある。小葉は2~3対、わずかに毛があり、頂小葉は長さ15~50(60)㎜、広楕円形~卵形、中間以下で幅が最も広く、葉先は鈍形。花は1~6個ずつつき、直径5~8㎝、芳香が強い。花柄は長さ1~2㎝、無毛、腺毛、有毛など変化がある。花托筒は普通、幅5~7㎜、無毛又は腺毛があり、首部は幅3~6㎜。萼片は非常に長く、花弁より長く、中間で細くなり、腺毛がある。花弁は長さ15~25㎜、ピンク色。雌しべは普通30~60個。偽果は幅(10)13~20㎜、球形、萼片が残り直立する。食べられるが苦い。痩果は普通、長さ4.5~6㎜。n=21
バラは園芸品種が非常に多く、日本で栽培されている種類も非常に多い。ピンク色の一重花のバラも多く、見分けるのは難しい。次に主なものをあげる。
タカネバラ(タカネイバラ) Rosa acicularis subsp. acicularis var. nipponensis = Rosa nipponensis は本州(中部以北)、四国(剣山、東赤石山)に自生する。高さ1~2m。小葉は3~4対、長1~3㎝、長楕円形~惰円形、、先は鈍形。葉軸は刺や腺毛が多い。托葉は中間まで葉柄に合着し、上部は耳状に広がり、先は鈍く、縁に腺毛がある。花は花弁5個、直径4~5㎝、紅紫色~淡紅色。雄しべは多数、花糸に白毛が密生する。花托筒(萼筒)は紡錘形、無毛。萼片は内面と縁に綿毛が密生する。花柄は腺毛がある。偽果は洋梨形、長さ1.5~2㎝。2n=14
オオタカネバラ(オオタカネイバラ)Rosa acicularis subsp. aciculari は北海道、本州(中部以北の日本海側)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパに分布。刺蔷薇 ci qiang wei 。枝が赤褐色~紫褐色、刺がある、小葉は2~3対、長さ1.5~5㎝、幅0.8~2.5㎝の広惰円形~長楕円形、頂小葉の先が尖り、側小葉の先はやや鈍頭、縁の鋸歯はやや粗い。葉軸に腺毛と小刺がある。托葉は縁が腺のある鋸歯状、上部は広卵形、先が尖る。花は5弁、直径3.5~5㎝、 ピンク色。花柄は腺毛が密生する。花托筒は惰円形、普通、無毛、まれに腺毛がある。萼片は全縁、外面に腺毛、わずかな剛毛があり、内面に軟毛が密生する。偽果は長さ約2㎝、幅1~1.5㎝の洋梨形~倒卵形、赤色に熟す。2n=28,56。アメリカにはRosa acicularis subsp. sayiが分布する。
サンショウバラRosa hirtula は本州(神奈川県、山梨県、静岡県)に分布する。高さ5~6m。小葉は4~9対、長さ1~3.㎝の惰円形~長楕円形。花は直径5~6㎝、淡紅色の5弁。花托筒(萼筒)は扁球形、刺が密生する。萼片の縁には大きな裂片がある。花柄にも強い刺がある。
カラフトイバラ Rosa marretiiは海道~本州(長野県、群馬県)、朝鮮、ロシアに分布。小葉は3~4対、幅がやや狭い長楕円形。葉軸には軟毛が密生し、小刺が混じる。葉裏はやや灰白色、脈上に軟毛があり、ときに黄色の腺点がある。托葉は全縁、縁に腺毛と毛がある。花は直径3~4㎝、紅紫色。花托筒は球形、無毛。花柄は普通、無毛。偽果は直径約1㎝の球形~卵形。
イザヨイバラ Rosa roxburghii 中国原産。缫丝花 sao si hua 、刺梨。刺はほぼ真っすぐ、対につく。小葉は2~7対、楕円形~長楕円形、まれに倒卵形、 長さ1~2㎝、幅0.6~1.2㎝、縁は鋭い単鋸歯。花はピンク色~ローズレッド~帯赤色、直径4~6㎝、花弁5個又は八重、半八重。花托筒は扁球形、密に剛毛がある。萼片に刺がある。偽果は緑赤色、扁球形、直径1.5~2㎝。
ロサ・エグランテリア Rosa eglanteriaはヨーロッパ~コーカサス・ヒマラヤ原産。若葉にリンゴのような香りがある。刺は鉤j状。花は明るいピンク色、花弁の基部が白色。果実は長楕円。
ロサ・カニナ Rosa canina はヨーロッパやアフリカ北西部、西アジアに分布する。刺は小さな鉤状。花は普通、淡ピンク色。
ロサ・ガリカ Rosa gallica ヨーロッパ、西アジア原産。茎には刺と腺毛がある。小葉は1~3対、。花は芳香があり、枝先に1~4個つき、花弁は5個、濃いピンク色。偽果は球形~卵形、直径10~13㎜。
ロサ・ニティダ Rosa nitida は北アメリカ原産。-40℃の極寒地にも耐える。枝は赤色の刺が密生する。小葉は3~4対、幅が狭く、表面に光沢があり、秋に赤色、黄色、紫色に変わる。花は芳香が強く、直径約3㎝、ピンク色。偽果は球形、直径1㎝以下、赤色に熟す。
ロサ・ペンドゥリナ Rosa pendulina ヨーロッパの中部~南部に分布。英名は Alpine rose。花は濃い淡桃色、芳香がある。
ロサ ポミフェラ Rosa pomifera(Rosa villosa)はヨーロッパ、西アジア原産。高さ0.75~1.5m。小葉は2~3対。花は直径4~5㎝、ピンク色。偽果は卵形~球形、直径約2.5㎝、表面に腺毛があり、萼片が直立して残る。ローズヒップの収穫のために栽培され、別名はapple rose。
ロサ・モリス Rosa mollisヨーロッパ、西アジア原産。直立し、高さ0.5~1.5m。小葉は2~3対、葉裏に腺毛がある。花はピンク色、1~3個、枝先につき、直径4~5㎝。花柄が短い。偽果は球形、無毛。
ロサ・ルビギノーサ Rosa rubiginosa はヨーロッパ、西アジア原産。刺は鉤状。若葉にリンゴのような香りがある。小葉は2~4対、円形~卵形、鋸歯縁、腺毛が多い。花は2~7個、房状につき、直径1.8~3㎝、花弁は5個、ピンク色、基部が白色。雄しべは黄色、多数。偽果は球形~惰円形、直径1~2㎝。
ロサ・ブランダ Rosa blanda北アメリカの東部~中部が原産。花はピンク色、5弁、芳香が強い。刺が少なく、茎の基部にわずかにあるだけで、英名はsmooth rose。
ロサ・ヴァージニアナ Rosa virginiana 北アメリカ東部原産。葉は秋に黄色や赤色に紅葉する。茎には鉤状の刺がある。花は3~6個、束生し、ピンク色、直径4.5~7.5㎝。偽果は扁球形。
刺は茎に対につき、真っすぐ、曲がることもある。葉軸には毛や腺毛がある。小葉は2~3対、わずかに毛があり、頂小葉は長さ15~50(60)㎜、広楕円形~卵形、中間以下で幅が最も広く、葉先は鈍形。花は1~6個ずつつき、直径5~8㎝、芳香が強い。花柄は長さ1~2㎝、無毛、腺毛、有毛など変化がある。花托筒は普通、幅5~7㎜、無毛又は腺毛があり、首部は幅3~6㎜。萼片は非常に長く、花弁より長く、中間で細くなり、腺毛がある。花弁は長さ15~25㎜、ピンク色。雌しべは普通30~60個。偽果は幅(10)13~20㎜、球形、萼片が残り直立する。食べられるが苦い。痩果は普通、長さ4.5~6㎜。n=21
バラは園芸品種が非常に多く、日本で栽培されている種類も非常に多い。ピンク色の一重花のバラも多く、見分けるのは難しい。次に主なものをあげる。
タカネバラ(タカネイバラ) Rosa acicularis subsp. acicularis var. nipponensis = Rosa nipponensis は本州(中部以北)、四国(剣山、東赤石山)に自生する。高さ1~2m。小葉は3~4対、長1~3㎝、長楕円形~惰円形、、先は鈍形。葉軸は刺や腺毛が多い。托葉は中間まで葉柄に合着し、上部は耳状に広がり、先は鈍く、縁に腺毛がある。花は花弁5個、直径4~5㎝、紅紫色~淡紅色。雄しべは多数、花糸に白毛が密生する。花托筒(萼筒)は紡錘形、無毛。萼片は内面と縁に綿毛が密生する。花柄は腺毛がある。偽果は洋梨形、長さ1.5~2㎝。2n=14
オオタカネバラ(オオタカネイバラ)Rosa acicularis subsp. aciculari は北海道、本州(中部以北の日本海側)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパに分布。刺蔷薇 ci qiang wei 。枝が赤褐色~紫褐色、刺がある、小葉は2~3対、長さ1.5~5㎝、幅0.8~2.5㎝の広惰円形~長楕円形、頂小葉の先が尖り、側小葉の先はやや鈍頭、縁の鋸歯はやや粗い。葉軸に腺毛と小刺がある。托葉は縁が腺のある鋸歯状、上部は広卵形、先が尖る。花は5弁、直径3.5~5㎝、 ピンク色。花柄は腺毛が密生する。花托筒は惰円形、普通、無毛、まれに腺毛がある。萼片は全縁、外面に腺毛、わずかな剛毛があり、内面に軟毛が密生する。偽果は長さ約2㎝、幅1~1.5㎝の洋梨形~倒卵形、赤色に熟す。2n=28,56。アメリカにはRosa acicularis subsp. sayiが分布する。
サンショウバラRosa hirtula は本州(神奈川県、山梨県、静岡県)に分布する。高さ5~6m。小葉は4~9対、長さ1~3.㎝の惰円形~長楕円形。花は直径5~6㎝、淡紅色の5弁。花托筒(萼筒)は扁球形、刺が密生する。萼片の縁には大きな裂片がある。花柄にも強い刺がある。
カラフトイバラ Rosa marretiiは海道~本州(長野県、群馬県)、朝鮮、ロシアに分布。小葉は3~4対、幅がやや狭い長楕円形。葉軸には軟毛が密生し、小刺が混じる。葉裏はやや灰白色、脈上に軟毛があり、ときに黄色の腺点がある。托葉は全縁、縁に腺毛と毛がある。花は直径3~4㎝、紅紫色。花托筒は球形、無毛。花柄は普通、無毛。偽果は直径約1㎝の球形~卵形。
イザヨイバラ Rosa roxburghii 中国原産。缫丝花 sao si hua 、刺梨。刺はほぼ真っすぐ、対につく。小葉は2~7対、楕円形~長楕円形、まれに倒卵形、 長さ1~2㎝、幅0.6~1.2㎝、縁は鋭い単鋸歯。花はピンク色~ローズレッド~帯赤色、直径4~6㎝、花弁5個又は八重、半八重。花托筒は扁球形、密に剛毛がある。萼片に刺がある。偽果は緑赤色、扁球形、直径1.5~2㎝。
ロサ・エグランテリア Rosa eglanteriaはヨーロッパ~コーカサス・ヒマラヤ原産。若葉にリンゴのような香りがある。刺は鉤j状。花は明るいピンク色、花弁の基部が白色。果実は長楕円。
ロサ・カニナ Rosa canina はヨーロッパやアフリカ北西部、西アジアに分布する。刺は小さな鉤状。花は普通、淡ピンク色。
ロサ・ガリカ Rosa gallica ヨーロッパ、西アジア原産。茎には刺と腺毛がある。小葉は1~3対、。花は芳香があり、枝先に1~4個つき、花弁は5個、濃いピンク色。偽果は球形~卵形、直径10~13㎜。
ロサ・ニティダ Rosa nitida は北アメリカ原産。-40℃の極寒地にも耐える。枝は赤色の刺が密生する。小葉は3~4対、幅が狭く、表面に光沢があり、秋に赤色、黄色、紫色に変わる。花は芳香が強く、直径約3㎝、ピンク色。偽果は球形、直径1㎝以下、赤色に熟す。
ロサ・ペンドゥリナ Rosa pendulina ヨーロッパの中部~南部に分布。英名は Alpine rose。花は濃い淡桃色、芳香がある。
ロサ ポミフェラ Rosa pomifera(Rosa villosa)はヨーロッパ、西アジア原産。高さ0.75~1.5m。小葉は2~3対。花は直径4~5㎝、ピンク色。偽果は卵形~球形、直径約2.5㎝、表面に腺毛があり、萼片が直立して残る。ローズヒップの収穫のために栽培され、別名はapple rose。
ロサ・モリス Rosa mollisヨーロッパ、西アジア原産。直立し、高さ0.5~1.5m。小葉は2~3対、葉裏に腺毛がある。花はピンク色、1~3個、枝先につき、直径4~5㎝。花柄が短い。偽果は球形、無毛。
ロサ・ルビギノーサ Rosa rubiginosa はヨーロッパ、西アジア原産。刺は鉤状。若葉にリンゴのような香りがある。小葉は2~4対、円形~卵形、鋸歯縁、腺毛が多い。花は2~7個、房状につき、直径1.8~3㎝、花弁は5個、ピンク色、基部が白色。雄しべは黄色、多数。偽果は球形~惰円形、直径1~2㎝。
ロサ・ブランダ Rosa blanda北アメリカの東部~中部が原産。花はピンク色、5弁、芳香が強い。刺が少なく、茎の基部にわずかにあるだけで、英名はsmooth rose。
ロサ・ヴァージニアナ Rosa virginiana 北アメリカ東部原産。葉は秋に黄色や赤色に紅葉する。茎には鉤状の刺がある。花は3~6個、束生し、ピンク色、直径4.5~7.5㎝。偽果は扁球形。