ピティロディア・テルミナリス 

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Flora of Mikawa

シソ科 Lamiaceae ピティロディア属

別 名 フェアリーピンク
英 名 native-foxglove
学 名 Pityrodia terminalis (Endl.) A.S.George
ピティロディア・テルミナリスの花2
ピティロディア・テルミナリス花
ピティロディア・テルミナリスの花横
ピティロディア・テルミナリスの咢
ピティロディア・テルミナリスの茎
ピティロディア・テルミナリス
ピティロディア・テルミナリスの花序
ピティロディア・テルミナリス葉
花 期 5~11月
高 さ 50~100㎝
生活型 常緑低木
生育場所 栽培種
分 布 外来種 オーストラリア(西オーストラリア州)原産
撮 影 西尾市  19.4.20
ピティロディア・テルミナリスはシソ科ピティロディア属の観賞用のオーストラリア原産の低木。フェアリーピンクの名で流通している。フェアリーピンクは日本で選抜された品種。花の色は野生でも白色~ピンク色~濃ピンク色~赤ワイン色まで変化する。
 低木、高さ0.5~1m。枝や葉は白色又は灰色の羊毛状の毛に密に覆われる。葉は対生、長円形~狭楕円形、長さ2~3.5㎝×幅0.8~1.5㎝、厚く、柔らかく、小さなブツブツに覆われるが、羊毛状の毛の厚い層に隠れて見えない。花は白色~ピンク色~濃ピンク又は赤ワイン色(北部で赤ワイン色、Lake Grace付近で白色)、5個以下のグループで葉腋につく。花柄は密に毛があり、長さ3~5㎜。苞と小苞は外側に毛があるが、内側は無毛。咢片は5個、長さ1~1.5㎝、基部は結合し、短い筒を形成し、外側には羊毛状の毛があり、内側は無毛。5個の花弁は筒を作って結合し、長さ15~20㎜×上半部で幅8~10㎜、先に5裂片をもつ。筒部は外側に毛が散在するが、内側は子房近くの毛の輪以外は無毛。下側の花弁の裂片は多少、円形で、他の4裂片の大きさの約2倍あり、4裂片は大きさがほぼ同じ。雄しべは4本、花冠筒部より短く、1対は他よりわずかに短い。果実は有毛、熟すと2つに割れる。花期は5~11(12)月。

ピティロディア属

 family Lamiaceae- genus Pityrodia

 常緑低木、刺は無い。茎は節間が中実、高さ0.15~3.5m。若い枝は円柱形又は4稜形。托葉は無い。葉は茎葉、葉柄は有又は無、十字対生又は3輪生。葉身は小型~中型、革質又は膜質、芳香が有又は無、全縁、縁は平ら又は巻き(ときに深く外巻きし)、半円柱形~線形~披針形~長円形~卵形~楕円形~倒卵形、羽状脈、細脈が二次脈を繋ぐ。葉の上面は無毛(で粘り)又は有毛~絨毛があり、下面は(普通)羊毛状の毛があり、ときに、星状毛がある。雌雄同株、単性花は無い。花序は集散花序又は総状花序、又は葉のある穂状花序、又は花が単生、頂生又は腋生。2個の苞があり、小苞がある。花は左右相称、5数性。咢は杯形、5裂し、宿存し、花後に大きくならない。咢片は三角形~卵形~線形~長円形。花冠は合弁花、広鐘形(下部は筒形)、5裂し、裂片は鈍く、覆瓦状、多少、2唇形又は2唇形でなく不等形、外側は有毛(ときに、まばらに腺があり)、内側も有毛(子房の周りに輪状に密に毛があり、ときに前側の列片までまばらに広がる)、コントラストのある斑紋をもち、白色、ピンク色~白色、紫色~青色、紫色と~ンク色、青色、橙色~赤色、脱落性。花冠は5裂、上唇は2裂、下唇は3裂する。裂片は全縁、広がり、又は上唇の裂片はときに直立し、前側の裂片は他より大きい。雄しべは4本、稔性、花冠筒部の基部付近又は筒部の途中につき、2強雄しべ。花糸は無毛、糸状。葯は背着、縦の隙間から裂開し、2室、付属体が下側の端にある。花柱は1個。柱頭は2個。子房は上位、2又は4室。中軸胎座。胚珠は室に2個又は1個。果実は核果、肉質でなく、非裂開、2核をもつ。種子は1~4個。
 世界に41種があり、全てオーストラリアの固有種である。西オーストラリア州、ノーザンテリトリー(準州)、クイーンズランド州に分布し、西オーストラリア州に27種(25種が固有)がある。

ピティロディア属の主な種

1 Pityrodia dilatata (F.Muell.) Benth. ピティロディア・ディラタータ
  synonym Quoya dilatata F.Muell.
  synonym Chloanthes dilatata F.Muell
 オーストラリア(西オーストラリア州)原産。
 低木、高さ0.3~0.6m。茎は直立し、分枝し、白色の羊毛状の毛に密に覆われ、多少、綿毛状、枝や咢の上は葉の上より短く、古くなると、ときに消える。葉は対生し、長さ1~3㎝、倒卵形又は長円状へら形、中間の下で狭くなり、基部で広がり茎を抱き、厚く、上面に水疱状の突起があってしわががあり、下面は網状、他は平ら又は平らに近い。花は全て、腋生、ほとんどが短い花柄の上に単生し、ときに、途切れる長い葉のある穂状花序を作る。小苞は短く、線形。咢は長さ8~10㎜、基部まで5深裂し、咢片はややへら形、膜質、外側にごく厚い羊毛状の毛がある。花冠は橙赤色、長さ18~20㎜、筒部は上部が徐々に膨らむが、Chloanthesのある種ではほとんど膨らまない。拡大部の上側の裂片は直立し、先が鋭形、側裂片は後屈し、最も下の(前側の)裂片は他の裂片より大きく、後屈する。雄しべの上側の対は花冠筒部と長さがほぼ等しく、下側の対は長い。葯室には小さな付属体がある。子房は小さな無毛の盤の上にごく密に絨毛がある。胚珠は真ん中の上に、やや長い直立した珠柄につくか又は先付近に無柄でつく。果実は見られない。花期はオーストラリアで9~11月(日本では5~6月頃)[参考2]。

2 Pityrodia terminalis (Endl.) A.S.George ピティロディア・テルミナリス
   basionym Dasymalla terminalis Endl.
  synonym Quoya racemosa Turcz.
  synonym Quoya stachyodes F.Muell.
  synonym Pityrodia racemosa (Turcz.) Benth.
 オーストラリア(西オーストラリア州)原産。英名はnative foxglove。
 低木、高さ0.5~1m。枝や葉は白色又は灰色の羊毛状の毛に密に覆われる。葉は対生、長円形~狭楕円形、長さ2~3.5㎝×幅0.8~1.5㎝、厚く、柔らかく、小さなブツブツに覆われるが、羊毛状の毛の厚い層に隠れて見えない。花は白色~ピンク色~濃ピンク又は赤ワイン色(北部で赤ワイン色、Lake Grace付近で白色)、5個以下のグループで葉腋につく。花柄は密に毛があり、長さ3~5㎜。苞と小苞は外側に毛があるが、内側は無毛。咢片は5個、長さ1~1.5㎝、基部は結合し、短い筒を形成し、外側には羊毛状の毛があり、内側は無毛。5個の花弁は筒を作って結合し、長さ15~20㎜×上半部で幅8~10㎜、先に5裂片をもつ。筒部は外側に毛が散在するが、内側は子房近くの毛の輪以外は無毛。下側の花弁の裂片は多少、円形で、他の4裂片の大きさの約2倍あり、4裂片は大きさがほぼ同じ。雄しべは4本、花冠筒部より短く、1対は他よりわずかに短い。果実は有毛、熟すと2つに割れる。花期は5~11(12)月。

参考

1) Flora Base the Western Australian Flora
 Pityrodia R.Br.  
https://florabase.dpaw.wa.gov.au/browse/profile/22004
 Pityrodia terminalis (Endl.) A.S.George  
https://florabase.dpaw.wa.gov.au/browse/profile/6821
2)Flora Australiensis
 A Description of the Plants of the Australian Territory
 pityrodia flora 8 P.dilatata
3)GRIN
 Pityrodia  
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=9464
4) Wildflowers of Southern Western Australia
 著者: Margaret G. Corrick、 Bruce Alexander Fuhrer
 p45 Pityrodia terminalis
5) Factsheet - Pityrodia salviifolia - Australian Tropical Rainforest Plants
 Pityrodia salviifolia  
http://www.anbg.gov.au/cpbr/cd-keys/RFK7/key/RFK7/Media/Html/entities/