フフェバリウム・スクアムロスム

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Flora of Mikawa

ミカン科 Rutaceae フェバリウム属

別 名 キリンの木
英 名 forest phebalium , scaly phebalium
学 名 Phebalium squamulosum Vent.
フェバリウム・スクアムロスムの花序
フェバリウム・スクアムロスムの花
フェバリウム・スクアムロスム咢片
フェバリウム・スクアムロスム葉
フェバリウム・スクアムロスム幹
フェバリウム・スクアムロスム
フェバリウム・スクアムロスムの花序横
フェバリウム・スクアムロスム小枝
フェバリウム・スクアムロスム葉裏
花 期 3~4月
高 さ 1~3m
生活型 常緑低木
生育場所 栽培種
分 布 外来種  オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州)原産
撮 影 西尾市  21.3.23
フェバリウム属はミカン科のオーストラリア固有属で日本ではキリンの木と呼ばれている。約30種あるが、このうち2種のフェバリウム・スクアムロスムとフェバリウム・ホワイティが日本でも栽培されている。写真は花が小さく葉の幅が狭いフェバリウム・スクアムロスム。ゴールデングロウの名でも流通している。
 低木、高さ約3m以下。小枝は平滑、鉄錆色の鱗片(ferruginous-lepidote)がある。葉は紙質又は皮革質、狭楕円形~楕円形~倒卵形、先は切形又は小凹形、上面は無毛~まばらに星状鱗片があり、平滑又はまれに細かくザラつき、中肋はわずか~深く凹む。下面は密に銀色~鉄錆色の鱗片又は星状毛があり、縁は全縁又はときに小円鋸歯があり、平坦~反曲~ 外巻き。花序は頂生、花が(3~)5~10(~)個、散形状に束生する。花序柄は無いか又は短い。花柄は長さ3~8mm。咢は短く、半球形又は類こま形、長さ0.5~1.2mm、鱗片があり、平滑~いぼ状。花弁は覆瓦状、楕円形、長さ2~4.5mm、黄色~クリーム色、銀色~鉄錆色の鱗片が外側にある。雄しべは突き出る。葯は黄色。花盤は見えない。子房には鱗片がある。袋果は直立、先は切形又はわずかに丸く、長さ約3.5mm。

フェバリウム属

 family: Rutaceae -genus Phebalium

 低木又は小高木、無毛、又は単純毛~盾状又は星状の毛又は鱗片(鱗状毛 lepidote)をもつ。葉は互生、単葉、縁は全縁又は歯状。花序は腋生又は頂生の。集散花序又は円錐花序、又は花が単生する。花は両性、5数性(まれに8数性)。咢片は合着し、不分裂又は5裂の杯形、まれに分離。花弁は敷石状又は覆瓦状、分離又はまれに統合、果時に宿存又は宿存しない。雄しべは10本、離生、散開する。心皮は普通、5個、1室、基部で融合又は分離、普通、嘴をもち、花柱が融合し、子房のほぼ中間から立ち上がる。柱頭は花柱からわずかに異なり又は頭状。胚珠は各室に2個。果実は袋果、横のうねはなく、先は丸く又は嘴がある。種子は各袋果に1個(まれに2個)、爆発的に放出し、弾力のある内果皮をもつ。  世界に約30種があり、オーストラリアに分布し、オーストラリアのノーザンテリトリー以外の全ての州に分布する。

フェバリウム属の主な種と園芸種

1 Phebalium squamulosum Vent. フェバリウム・スクアムロスム
 クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州原産。英名はforest phebalium , scaly phebalium。別名はキリンの木。日本では'Golden Glow'ゴールデングロウの名で流通している。
 低木、高さ約3m以下。小枝は平滑、鉄錆色の鱗片(ferruginous-lepidote)がある。葉は紙質又は皮革質、狭楕円形~楕円形~倒卵形、先は切形又は小凹形、上面は無毛~まばらに星状鱗片があり、平滑又はまれに細かくザラつき、中肋はわずか~深く凹む。下面は密に銀色~鉄錆色の鱗片又は星状毛があり、縁は全縁又はときに小円鋸歯があり、平坦~反曲~ 外巻き。花序は頂生、花が(3~)5~10(~)個、散形状に束生する。花序柄は無いか又は短い。花柄は長さ3~8mm。咢は短く、半球形又は類こま形、長さ0.5~1.2mm、鱗片があり、平滑~いぼ状。花弁は覆瓦状、楕円形、長さ2~4.5mm、黄色~クリーム色、銀色~鉄錆色の鱗片が外側にある。雄しべは突き出る。葯は黄色。花盤は見えない。子房には鱗片がある。袋果は直立、先は切形又はわずかに丸く、長さ約3.5mm。花期は早春。

1-1 Phebalium squamulosum subsp. alpinum (Benth.) Paul G.Wilson
 英名はAlpine phebalium。
 小型~直立する低木、高さ約1.3m以下。下部の小枝は地面に伏すことが多い。葉は皮革質、長円形~長円状楕円形、長さ7~15mm×幅1.5~3.5mm、先は鈍形~円形、上面は平滑、光沢があり、若い時に薄く、鱗片がある。下面は密に銀色又は鉄錆色の鱗片がある。咢や花弁には鉄錆色の鱗片がある。花期は夏。
1-2 Phebalium squamulosum subsp. argenteum Paul G.Wilson
 英名はsilvery phebalium
 葉は皮革質、長円状楕円形~広楕円形~長円状倒卵形、長さ15~70mm×幅3~10mm、先は円形、上面は若い時に鱗片があり、中肋は浅く凹む。下面には銀色の鱗片がある。咢や花弁には銀色の鱗片がある。花期は春。
1-3 Phebalium squamulosum subsp. ozothamnoides (F.Muell.) Paul G.Wilson
 英名はmountain phebalium
 小型~直立する低木、高さ約1m以下。葉は皮革質、長円状楕円形~広楕円形~広倒卵形~楔形~類円形、長さ7~11(~16)mm×幅2~7mm、先は円形、上面はふけだらけ~無毛、平滑~細かくザラつき、中肋は凹まない。下面は平滑、銀色又は鉄錆色の鱗片があり、縁は縁は全縁~反曲~ 外巻き。咢や花弁には銀色又は鉄錆色の鱗片がある。花期は春~夏。
1-4 Phebalium squamulosum subsp. squamulosum
 英名はforest phebalium
 低木、高さ約3m以下。葉は紙質又は類皮革質、長円形~楕円形、長さ15~50mm×幅2~9mm、先は鋭形~切形~小凹形、上面は平滑、まれにわずかにザラつき、腺のあるいぼは無い。咢と花弁には銀色又は錆色の鱗片がある。花期は春。花柱は普通、無毛だが、基部に鱗片があるものもある。咢は典型的には切形、広三角状の歯をもつものもある。地域的な形も見られるが、この亜種の広域的な分布による変化である。

2 Phebalium whitei Paul G.Wilson フェバリウム・ホワイティ
  synonym Chaenostoma polyanthum Benth.
 クイーンズランド州原産。英名はWhite's Phebalium , granite belt phebalium。花が鮮黄色で大きく、よく栽培されている。
 常緑低木、通常高さ50~60(100)cm、低木。枝に銀色~鉄錆色の鱗片がある。 葉は革質、楕円形、長さ10~70mm×幅約15mm。葉柄は幅3~6mm。 葉の上面は暗緑色、平滑、光沢があり、下面は銀色の鱗片で覆われる。花は無柄の散形花序につき、6個以下。花柄は太く、長さ2~4mm。咢は半球形、高さ約2.5mm、幅約3.5 mm、銀色と鉄錆色の鱗片に覆われる 花弁は鮮やかな黄色、楕円形~卵形、長さ約9mm×幅3mm、外面に銀色と鉄錆色の鱗片がある。花期は1~5月(オーストラリア7~11月)。White's Phebalium

参考

1) Flora of Victoria
 Phebalium  
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/fd5c0005-997f-48d2-884f-caeaff3e1c83l
2) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE -PlantNET - FloraOnline
 Genus Phebalium  
https://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=gn&name=Phebalium