パパイアはパパイア科パパイア属の常緑小高木。果実が果物のパパイアと呼ばれる。世界の熱帯、 亜熱帯で広く栽培され、国内でも沖縄や鹿児島などを中心に栽培されている。熟したパパイアが果物 として食べられる他、未熟の青パパイアが野菜として食べられる。

パパイア属

　family　Caricaceae － genus Carica

　小高木又は低木。葉は類掌状。葉身は掌状中裂、まれに全縁。花は単性又は両性。雄花は花冠裂片が長円形又は線形、 敷石状又はねじ曲げられる。花糸は短い。不稔の子房は錐形。雌花は花冠裂片が線状長円形。雄しべは無く、 子房は柄が無く、1室。胚珠は数個～多数。側膜胎座。柱頭は5個、膨れるか又は線形。果実は大きく、多肉。種子は多数、卵形又はわずかに扁平、仮種皮がある。胚は扁平。子葉は長く、楕円形。
　世界に3種があり、中央アメリカ原産であり、世界中の熱帯地域で広く栽培されている。

パパイア属の主な種と園芸品種

1 Carica papaya L.　 パパイヤ　蕃瓜樹
　　synonym Papaya carica Gaertn.　
　　synonym Papaya papaya (L.) H.Karst.
　中央アメリカ(メキシコ、ベリーズ、コロンビア、コスタリカエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、ベネズエラ)原産。英名はpapaya , papaw , pawpaw。中国名は番木瓜 fan mu gua。別名はモクカ、バンモクカ、チチウリ。
　高木又は低木、高さ8～10m。茎は単純、托葉状の鱗片を螺旋状につける。葉柄は中空、長さ 60～100㎝。葉身は長さ約60㎝、普通、掌状に5～9裂し、裂片は羽状中裂。雄花序は垂れ下がり、 長さ1m以下。雄花は花柄がない。花冠筒部はクリーム黄色、長さ1.6～2.5㎝、花冠裂片は披針 形、約・長さ1.8㎝×幅0.45㎝。雄しべは5本が長く、5本が短い。短雄しべは花糸がほとんど 無い。花糸は白色、白色の綿毛がある。雌花は普通、単生又は散房状集散花序につき、花柄は 短いか又はほとんど無い。咢片は長さ約1㎝。花冠裂片はクリーム黄色、長円形又は披針形、 長さ5～6.2㎝×幅1.2～2㎝。子房は卵形。柱頭は深裂 、繊維状に近い。両性花は花冠筒部が 長さ1.9～2.5㎝。花冠裂片は長円形、約・長さ2.8㎝×幅0.9㎝。雄しべは1又は2輪に、5又は 10本つく。子房は雌花より小さい。果実は熟すと橙黄色又は黄色、円筒形、卵状円筒形、又は ほぼ球形、長さ10～30㎝。果肉は柔らかく、良い香りがある。種子は多数、熟すと黒色、卵形 。2n = 18。
品種)　Aurora' (PBR) , 'Babaco' , 'Co-1' , 'Coorg Honey Dew' , 'Formosa' , 'Hawaii Ouro' , 'Know-you No 1' , 'Punjab Sweet' , 'Pusa Delicious' , 'Pusa Dwarf' , 'Pusa Giant' , 'Pusa Majesty' , 'Ranchi' , 'Red Lady' , 'Simla' , 'Solo' , 'Sunrise' , 'Sunset' , 'Surya Pink Flesh' , 'Sweet Honey Dew' , 'T.R. Hovey' , 'Tainung No 1' , 'Tainung No 2' , 'Venezuelan' , 'Vista Solo' , 'Washington' , 'X-77'

2 Carica aprica V.M.Badillo
ペルー原産。

3 Carica augusti Harms
ペルー原産。

参考