オウゴンハギはマメ科コロニラ属の栽培種。学名は以前はCoronilla glaucaとされていたが、現在はCoronilla valentina subsp. glaucaとされている。写真はコロニラ・バレンティナ・バリエガータの名で流通している斑入り品種。
　常緑低木、無毛。茎は高さ150㎝以下、直立し、中実、節間は短く円筒形、分化はなく、分枝し、褐色の肋がある。葉は短い葉柄があり、小葉は(1) 2～3対。托葉は長さ(1.5)2.7～4.5[6]mm、披針形～楕円状披針形[卵形]、±抱茎、膜質又は半草質、融合し、脱落性。小葉は長さ7～25㎜×幅3～15mm、小葉柄があり、±広倒卵形、先は切形、しばしば、小凹形(ノッチがあり)で短突起があり、縁は薄膜質ではなく、ときに頂小葉はやや大きい。花序は頭状、花が4～13個つく。花序柄は対応する葉の長さの1～2倍、円筒形。小苞は長さ0.4mm、普通、脱落性。花柄は長さ2.6～5㎜、普通、咢より長い。咢は長さ2.8～4.2mm、±パピラがある。上唇は長さ0.7～1.5mm、下唇より長い。下唇は長さ0.3～0.5mm×幅0.6～0.8㎜の歯をもつ。花冠は黄色、長さ7～12mm、無毛。旗弁は長さ(8) 8.5～10mm×幅7～8mm、卵形、しばしば凹形、やや耳があり、爪部は長さ3～3.5㎜。翼弁は長さ10～14㎜×幅4.5～5㎜、旗弁や竜骨弁より長く、楕円形、爪部は長さ3～3.5m。 竜骨弁は鋭形、長さ7～8㎜×幅2～2.5㎜、90度で曲がり、爪部は長さ3～3.5mm。雄しべは10本、9本が融合し、1本は分離。花柱は長さ4.5～4.8 (5)mm。果実は非裂開、紡錘形、やや扁平、長さ9～40 (65)㎜、2角度で真っすぐ吊下がり、セグメント(莢節)は1～8[10]個、関節で離れ、長さ3.5～8(9.5)mm、真っすぐ。種子は長さ1.7～2mm×幅3.7～4.2mm、横に円筒形～横に卵形、帯褐色。2n=24,24+0-1 B; n=12。花期は3～6月。

コロニラ属

　 family　Fabaceae － genus Coronilla

　[1年草]多年草、小低木、刺は無い。葉は互生、奇数1回羽状複葉。托葉は普通、明瞭、分離又は融着。小歯は普通、3～数個。花序は腋生の散形花序、花序柄があり、花は普通、10～20個つく。花は白色～ピンク色～紫色～黄色。花冠は筒部が鐘形～半球形、2唇形、下唇は広く、3個の歯をもち、上唇は浅く2裂。花弁はほぼ等長、密につく。旗弁は円形、翼弁は卵状長円形、竜骨弁は上向きに曲がり、披針形、鋭形。雄しべは2体雄しべ。花糸は9本、融着し、1本が分離。花柱は無毛。果実は非裂開、線形～披針形、セグメント(segments：豆莢の節)は1～12個。種子は数個。 x = 6。
　世界に約25種あり、地中海地域、北アフリカ、中央～南部ヨーロッパ、西アジアに分布する。

コロニラ属の主な種と園芸品種

1 Coronilla scorpioides (L.) W.D.J.Koch　 ツリシャクジョウ　標準 　地中海沿岸地域原産。annual scorpion vetch。
　1年草、無毛、粉白を帯びる。茎は高さ5～55㎝、円筒形、分化した肋は無く、基部から分枝し、 中央の枝は直立し、側部の枝は斜上する。葉は肉質、茎の基部の葉は葉柄があり、単小葉。上部の葉は単小葉又は3小葉、まれに5小葉。托葉は長さ1.5～3(4.6)mm、抱茎、膜質、融合し、宿存する。茎の下部の葉の小葉は長さ10～35(55)㎜×幅6～30(35)㎜、楕円形～ほぼ円形、まれに倒披針形～へら形、小葉の全体にしばしば、短突起があり、縁は狭い軟骨質、側小葉は長さ1～11㎜×幅1.3～16mm、類抱茎、腎形～ほぼ円形、葉の基部に配置され、托葉に似ている。頂小葉は長さ6～45㎜×幅4～32㎜、側小葉より大きく、楕円形～ほぼ円形、まれに卵形。花序は花が2～3(5)個。花序柄は長さ18～42mm、腋の葉の長さと同長か又は長く、円筒形。小苞は長さ0.6mm以下、普通、脱落性。花柄は長さ0.5～1.5mm、咢の長さより短い。咢は長さ1.5～2.5(2.7)mm、±粉白を帯び、パピラがあり、上唇は長さ0.4～0.5m、下唇より長い。下唇の歯は長さ約0.2～0.8㎜。花冠は黄色、旗弁はしばしば紫色になる。旗弁は長さ(3.5) 4.5～5.5(6)㎜×幅2～3mm、類へら形、凹形、わずかに短突起があり、漸尖し、爪部は長さ約1.5mm。咢の中に含まれる。翼弁は長さ4～5(6)㎜×幅2～2.5mm、旗弁よりやや短く、竜骨弁と同長、楕円形、爪部は長さ約1.5mm。竜骨弁は長さ4～5㎜×幅0.7～1㎜、ほとんど90度に曲がり、爪部は長さ約1.5mm。花柱は長さ1.8～2.1㎜。果実は長さ18～75㎜、吊下がり、強く反り返り、4稜形、よく見える横の区分があり、セグメントは2～10個。セグメントは長さ3～8㎜、弱く曲がる。種子は長さ1～1.1㎜×幅3～3.8mm、横向きの円筒形、褐色～帯黄色。2n=12; n=6。

2 Coronilla valentina L.　コロニラ・バレンチナ
　　synonym　Coronilla valentina subsp. valentina L.
　地中海沿岸地域原産。英名はMediterranean crownvetch , shrubby scorpion-vetch , scorpion vetch , bastard senna。
　常緑低木、高さ80㎝以下。葉は羽状複葉、小葉は倒卵形。花は散形花序につき、鮮やかな黄色、熟したもものような強い芳香が昼間にあり、夜まで匂う。花期は5～8月。
品種)　'Clotted Cream' , 'Cotswold Cream' (v) , 'Creamed Corn'
2-1 Coronilla valentina subsp. glauca (L.) Batt. 　オウゴンハギ　黄金萩
　　basionym　Coronilla glauca L.
　地中海沿岸地域原産。英名はMediterranean crownvetch , glaucous scorpion-vetch , sea-green。
　常緑低木、無毛。茎は高さ150㎝以下、直立し、中実、節間は短く円筒形、分化はなく、分枝し、褐色の肋がある。葉は短い葉柄があり、小葉は(1) 2～3対。托葉は長さ(1.5)2.7～4.5[6]mm、披針形～楕円状披針形[卵形]、±抱茎、膜質又は半草質、融合し、脱落性。小葉は長さ7～25㎜×幅3～15mm、小葉柄があり、±広倒卵形、先は切形、しばしば、小凹形(ノッチがあり)で短突起があり、縁は薄膜質ではなく、ときに頂小葉はやや大きい。花序は頭状、花が4～13個つく。花序柄は対応する葉の長さの1～2倍、円筒形。小苞は長さ0.4mm、普通、脱落性。花柄は長さ2.6～5㎜、普通、咢より長い。咢は長さ2.8～4.2mm、±パピラがある。上唇は長さ0.7～1.5mm、下唇より長い。下唇は長さ0.3～0.5mm×幅0.6～0.8㎜の歯をもつ。花冠は黄色、長さ7～12mm、無毛。旗弁は長さ(8) 8.5～10mm×幅7～8mm、卵形、しばしば凹形、やや耳があり、爪部は長さ3～3.5㎜。翼弁は長さ10～14㎜×幅4.5～5㎜、旗弁や竜骨弁より長く、楕円形、爪部は長さ3～3.5m。 竜骨弁は鋭形、長さ7～8㎜×幅2～2.5㎜、90度で曲がり、爪部は長さ3～3.5mm。雄しべは10本、9本が融合し、1本は分離。花柱は長さ4.5～4.8 (5)mm。果実は非裂開、紡錘形、やや扁平、長さ9～40 (65)㎜、2角度で真っすぐ吊下がり、セグメント(莢節)は1～8[10]個、関節で離れ、長さ3.5～8(9.5)mm、真っすぐ。種子は長さ1.7～2mm×幅3.7～4.2mm、横に円筒形～横に卵形、帯褐色。2n=24,24+0-1 B; n=12。花期は3～6月。
品種)　'Brockhill Blue' , 'Citrina' , 'Lauren Stevenson' , 'Pygmaea' , 'Sulphurea' , 'Variegata'(Variegated Glaucous Scorpion-Vetch) , 'XXS'
2-2 Coronilla valentina subsp. pentaphylla (Desf.) Batt.
　　basionym　Coronilla pentaphylla Desf.
2-3 Coronilla valentina subsp. speciosa (Uhrovd) Quézel & Santa ex Greuter & Burdet
　　basionym　Coronilla speciosa Uhrova

参考

1) World Flora Online
　Coronilla 2) Plants of the World Online | Kew Science
　Coronilla 3) The Jepson Herbarium
　Coronilla valentina subsp. glauca 4) 032. legum. 7(2)829-970(nuevo).qxd - Flora Iberica
　1. Coronilla 5) Flora Vascular
　Coronilla