世界中で栽培され、原産地と考えられていた南アメリカ（ブラジル）でも自生種は見つかっていない。日本には江戸時代に渡来。天保13年（1842年）オランダ・センニチ(セリヤーハン・アルマモクト)　尾張の伊藤圭介が長崎の弟子から送られた種子を植え栽培したと記録されている。葉にはサンショのような香りがある。世界中で香辛料や民間薬用に使われる。頭花の中央が褐色になるものと、黄色一色のキバナオランダセンニチを過去には変種として分類していたが、現在は分けない。
　1年草。茎は傾伏～普通、直立、節から根は出さず、無毛。葉柄は長さ2～6.4㎝、無毛～ごくまばらに軟毛があり、狭い翼がある。葉身は卵形～デルタ形、長さ5～10㎝×幅4～8㎝、普通、両面とも無毛、基部は切形～短い漸線形、縁は歯状、先は短い尖鋭形～普通鋭形。頭花は筒状小花頭花（discoid capitulum ）、長さ10.5～23.5㎜×幅11～17㎜。花序柄は長さ3.5～12.5㎝、無毛～ごくまばらの軟毛がある。総苞片は15～18個、3列、草質、全縁～波状縁、まばらに縁毛がある。外総苞片は5、6個、長さ5.8～7.3㎜×幅2.1～2.8㎜、普通、狭い卵形～披針形、又はやや卵形、鋭形。花托は長さ5.3～21.5㎜×幅3.5～8.5㎜。小花は400～600個、花冠は長さ2.7～3.3㎜、黄色、5裂。筒部は長さ0.5～0.7㎜×幅0.2～0.4㎜、裂片は長さ0.3～0.6㎜×幅0.2～0.4㎜。雄しべは長さ1.4～1.7㎜。痩果は長さ2～2.5㎜×幅0.9～1.1㎜、中～密に縁毛があり、真っすぐな尖った毛がある。冠毛は2個、ほぼ等しい剛毛で、長い毛は長さ0.5～1.5㎜、、短い毛は長さ0.3～1.3㎜。花期は4～7月。2n=52, 60, 78。

オランダセンニチ属

　 family　Asteraceae － genus Acmella

　1年草又は多年草。葉は対生、幅の広いロゼット状。頭花は単生又は集散花序に数個、放射状頭花、円盤状又は円板状。総苞は±半球形～卵形。総苞片は1～3列、ほぼ等形又は外側の列は広がり、長く、全縁又は不規則な歯がある。花托は円錐形、パレアは痩果とともに落ち、 ± 舟形、膜質～薄膜質、それぞれ±等しく、小花を抱える。周辺小花はあれば2又は3裂し、様々な色になる。中心小花は花冠が黄色又は橙色4又は5裂する。痩果は縁毛があり、無毛、又はときにコルク質になる。周辺消化の痩果は広卵形又は楕円形、3角(かど)がある。中心小花の痩果は楕円形、強く扁平、冠毛は無く、10本の芒に似た剛毛がある。x=13。
　世界に約30種があり、汎熱帯性。

オランダセンニチ属の主な種と園芸品種

1 Acmella brachyglossa Cass.　ヤリセンニチモドキ　槍千日擬
　中央アメリカ、南アメリカ、カリブ海諸島原産。中国名は短舌花金纽扣 duan she hua jin niu kou。台湾に帰化している。
　1年草、高さ10～30㎝。茎は普通、直立、ときに傾伏、たまに節から根を出し、緑色又は赤色～暗紫色、無毛～軟毛がある。葉柄は長さ5～37㎜、まばら～中程度に軟毛があり、狭い翼がある。葉身は狭卵形～卵形、長さ1.8～10㎝×幅0.8～6㎝、両面とも無毛～まばらに軟毛があり、基部は漸尖形、縁は波状縁～粗い歯状、先は普通、尖鋭形又は鋭形。頭花は放射状頭花、単生、卵形、長さ6.3～13㎜×幅6.5～9.5㎜。花序柄は長さ4～12.8㎝、まばらに軟毛がある。花托は長さ5～11㎜×幅1～2㎜。パレアはわら色又はしばしば早い花の段階では紫赤色を帯び、長さ3.5～4.6㎜×幅0.5～0.9㎜。周辺小花は5～8個、花冠は淡黄色、長さ2～3.1㎜、筒部は0.9～1.5㎜、小舌は長さ0.5～1.7㎜×幅0.5～1.5㎜。中心小花は105～220個、淡色4～5裂、長さ1.5～2.1㎜、筒部は0.4～0.7㎜、のど部は長さ1～1.5㎜、裂片は三角形、長さ0.2～0.4㎜×幅0.2～0.3㎜。痩果は暗褐色～黒色、長さ1.8～2.3㎜、表面は剛毛があり、密に真っすぐに尖った縁毛があり、コルク状の縁ではない。冠毛はほぼ等長の2本の剛毛、長い毛は長さ0.5～1.1㎜、短い毛は長さ0.3～1㎜、花期は3～10月。

2 Acmella ciliata (Kunth) Cass.　ヌマツルギクモドキ　沼蔓菊擬
　南アメリカ原産。英名は天文草 tian wen cao。英名はfringed pod toothache plant。
　多年草、高さ30～80㎝。茎は普通、傾伏～斜上、節から根を出す、緑色～村彩色。葉身は卵形～広卵形、長さ2.3～7.5㎝×幅1～5.9㎝、両面とも無毛～まばらに軟毛があり、基部は普通切形又は心形、縁は小歯状～粗い歯状、先は鋭形。頭花は放射状頭花。単生又は2～3個、頂生又は腋生。花序柄は長さ1～7.4㎝、まばら～中に軟毛がある。総苞片は7～10個、2列。外総苞片は3～5個、狭～広卵形又は亜鉛系、長さ4～6.9㎜×幅1～2.3㎜。内総苞片は3～6個、披針形～卵形～楕円形、長さ2.8～6.1㎜×幅1～2.9㎜。花托は長さ3.8～7.4㎜×幅0.8～1.9㎜。パレアはわら色、長さ3～4.5㎜×幅0.4～0.8㎜。周辺小花は5～10個、花冠は黄橙色、長さ2.5～6.5㎜、筒部は長さ0.9～2㎜、小舌は長さ1.2～4.7㎜×幅1.1～3㎜。中心小花は90～177個、黄橙色、花冠は5裂、長さ1.5～2㎜、筒部はm長さ0.3～0.6㎜、のど部は長さ1～1.5㎜、裂片は三角形、長さ0.2～0.4㎜×幅0.2～0.3㎜。痩果は黒色、長さ1.4～2.2㎜×幅0.5～1㎜、肩は無く、目立つコルク状の縁があり、縁にはまばら～中程度に縁毛がある。冠毛は普通、無く又はときに2個の非常に短いほぼ等長の剛毛があり、剛毛は長さ1㎜より長い。花期は通年。2n=78。

3 Acmella oleracea (L.) R.K.Jansen　オランダセンニチ　和蘭千日
　　synonym　Spilanthes acmella var. oleracea (L.) C.B.Clarke
　原産地不明。中国名は桂圆菊 gui yuan ju 。英名はBrazilian cress , Para cress , toothache plant , Sichuan buttons , buzz buttons , tingflowers , electric daisy。タマゴボールの名で販売されている。
　世界中で栽培され、原産地と考えられていた南アメリカ（ブラジル）でも自生種は見つかっていない。日本には江戸時代に渡来。天保13年（1842年）オランダ・センニチ(セリヤーハン・アルマモクト)は尾張の伊藤圭介が長崎の弟子から送られた種子を植え栽培したと記録されている。葉にはサンショのような香りがあり、辛味がある。世界中で香辛料や民間薬用に使われる。頭花の中央が褐色になるものと、黄色一色のキバナオランダセンニチを過去には変種として分類していたが、現在は分けない。
　1年草。茎は傾伏～普通、直立、節から根は出さず、無毛。葉柄は長さ2～6.4㎝、無毛～ごくまばらに軟毛があり、狭い翼がある。葉身は卵形～デルタ形、長さ5～10㎝×幅4～8㎝、普通、両面とも無毛、基部は切形～短い漸線形、縁は歯状、先は短い尖鋭形～普通鋭形。頭花は筒状小花頭花（discoid capitulum ）、長さ10.5～23.5㎜×幅11～17㎜。花序柄は長さ3.5～12.5㎝、無毛～ごくまばらの軟毛がある。総苞片は15～18個、3列、草質、全縁～波状縁、まばらに縁毛がある。外総苞片は5、6個、長さ5.8～7.3㎜×幅2.1～2.8㎜、普通、狭い卵形～披針形、又はやや卵形、鋭形。花托は長さ5.3～21.5㎜×幅3.5～8.5㎜。小花は400～600個、花冠は長さ2.7～3.3㎜、黄色、5裂。筒部は長さ0.5～0.7㎜×幅0.2～0.4㎜、裂片は長さ0.3～0.6㎜×幅0.2～0.4㎜。雄しべは長さ1.4～1.7㎜。痩果は長さ2～2.5㎜×幅0.9～1.1㎜、中～密に縁毛があり、真っすぐな尖った毛がある。冠毛は2個、ほぼ等しい剛毛で、長い毛は長さ0.5～1.5㎜、短い毛は長さ0.3～1.3㎜。花期は4～7月。2n=52, 60, 78.。

4 Acmella oppositifolia (Lam.) R.K.Jansen⇒　ヒマワリモドキ属(Heliopsis)

　　synonym　Heliopsis buphthalmoides (Jacq.) Dunal　[Kewscience]

　　synonym　Anthemis oppositifolia Lam.
　　synonym　Spilanthes oppositifolia (Lam.) D'Arcy
　メキシコ、中央アメリカ(グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ)、南アメリカ(ベネズエラ、コロンビア、ブラジル、仏領ギアナ、エクアドル、ボリビア、ペルー)原産。メキシコ（スペイン語)名はk'utumbuy, sajum (maya)。英名はopposite-leaved para cress。アルゼンチン（Rio Mayo area）には最近、導入された。
　多年草。湿った場所に生え、マット状になり、しばしば密に群落をつくる。花は黄色、まれに白色になる。花期、果期とも2～6月。
　多年草、高さ40㎝以下。茎は下部で傾伏、下部の節から不定根を出し、斜上し、無毛～密に毛がある。葉は対生、葉柄は長さ4㎝以下。葉身は普通、卵形、長さ0.8～9.5㎝×幅0.3～3㎝、基部は漸尖～切形、先は普通、鋭形、縁は鋸歯状又は歯状、両面とも無毛又は有毛。頭花は放射状頭花、単生又は枝先に分かれてつく。花序柄は長さ1～4㎝。総苞は半球形、長さ3.5～4㎜×幅5～6㎜。総苞片は6～16個、2列、全縁～波状縁又は不規則に歯があり、緩く又は密に縁毛がある。外総苞片は狭卵形～広卵形、膜質。内総苞片は広卵形～倒卵形、草質又は膜質。花托は長さ2.5～4.5㎜のパレアを持つ。周辺小花は5～19個、花冠が黄色、小舌は広楕円形、長さ2～7.5㎜、3歯がある。中心小花は花冠が筒形、長さ1.5～2.8㎜、5裂し、黄色。痩果は無毛～密に縁毛があり、周辺の痩果は長さ1～2㎜×幅0.4～1㎜、中心の痩果は長さ1.1～2.4㎜×幅0.4～1.1㎜。冠毛は無く、1～3個の不等形の縁がある。

5 Acmella repens (Walter) Rich. ex Pers.　ヌマツルギク　沼蔓菊

　　synonym　Spilanthes americana (L. f.) Hieron. var. repens (Walter) A.H. Moore

　　synonym　Acmella repens (Walter) Rich. ex Pers.

　　synonym　Acmella oppositifolia (Lam.) R.K.Jansen var. repens (Walter) R.K.Jansen

　　synonym　Anthemis repens Walter
　　synonym　Ceratocephalus repens (Walter) Kuntze
　　synonym　Spilanthes repens (Walter) Michx.
　1975年に日本で初めて福岡市内で野生化が確認された。繁殖力が強く、主に関東以西の水田などに野生化している。茎は平伏～稲などに絡みついて立ち上がり、長さ20～80㎝、肉質、円柱形、土に触れたところから不定根を出す。切断された茎から栄養繁殖し、水田雑草とされている。葉は濃緑色、上面にわずかに光沢がある。頭花は葉腋に単生、直径2.5～3㎝、黄色。舌状小花は黄色。中心小花は橙黄色。花序柄は長い。普通、頭花中央の中心小花が高く盛り上がる。花期は9～11月。日本で増えているものは種子ができない。
　USA(アラバマ州、アーカンソー州、フロリダ州、ジョージア州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ノースカロライナ州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、テネシー州、テキサス州）、メキシコ、ボリビア、コロンビア、コスタリカ、キューバ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、 ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、ベネズエラ原産。英名はopposite Leaf spotflower , oppositeleaf spotflower。荒地、湿った場所(川の土手、池の縁、湿った溝など水のたまる場所)[又は乾いた場所]に生える。
　多年草、茎は這って平伏し、土に触ると根を出す。ときに水に浮いた茎は水中に根を出す。茎は緑色～帯赤色、毛がある。葉は対生、葉柄は長さ3～40+㎜。葉身は卵形～披針状卵形、有毛、約・長さ20～40(～100)㎜×幅10～35㎜、縁は歯状～小歯状又は全縁。頭花は頂生、単生。花序柄は長い。花托は円錐形～半球形。周辺小花は5～20個、黄色。中心小花は25～100個、黄色。痩果は黒色、長さ1～2.5㎜、縁毛は有又は無、毛先は真っすぐ。冠毛は無く又は1～2(～3)本の剛毛。2n=52。花期は7～11月。

6 Acmella paniculata (Wall. ex DC.) R.K.Jansen　センニチモドキ　千日擬
　中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、ラオス、マレーシア、タイ、ミャンマー、ベトナム、インドネシア、フィリピン原産。中国名は金钮扣 jin niu kou
　1年草。高さ30㎝以下又はそれ以上。茎は枝分かれし、直立又は斜上、、まれに節から根を出す。葉柄は長さ1～2㎝。葉身は卵形～卵状披針形、長さ2～4㎝×幅1～2.5腺と、3脈があり、基部は楔形、縁は全縁又は粗い鋸歯、先は鋭形。頭花は筒状小花頭花（discoid capitulum ）、単生、長生又は腋生、長さ8.4～12.5㎜× 幅6.9～10㎜。花序柄は長さ2.5～16㎝、まばらに軟毛がある。総苞片は9～12個、2列、卵状披針形、長さ約6㎜、草質、無毛。花托は長さ5～8㎜×幅1.1～3 ㎜、先は尖鋭形。小花は90～200個、花冠は筒状、小さく4又は5裂。痩果は倒卵形、3角(かど)があり、長さ約3㎜、縁はざらつき、先はわずかに落ち込む。冠毛は2個、ほぼ等長に剛毛、長い毛は長さ0.5～1.1㎜、短い毛は長さ0.4～0.9㎜、花期は4～11月。2n=26。

7 Acmella uliginosa (Sw.) Cass.　ヒメセンニチモドキ　姫千日擬
　アフリカ、アメリカ、アジアの熱帯に分布。香港や台湾に帰化している。中国名は沼生金纽扣 zhao sheng jin niu kou 。
　1年草、高さ10～30(～50)㎝。茎は1本又は基部から数本。直立又は斜上、たまに傾伏、緑色～紫色、無毛～軟毛がある。葉柄は長さ0.5～1.5㎝、まばら～中程度に軟毛があり、翼は無く又は狭い翼がある。葉身は披針形～狭卵形～卵形、長さ1.3～5㎝×幅0.3～2.5㎝、両面とも無毛～まばらに軟毛があり、基部は漸尖形～楔形、縁は波状～歯状、まばらに縁毛があり、先は鋭形～尖鋭形。頭花は放射状頭花、単生又は2～3個、頂生、卵形、長さ5～8㎜×幅4～6㎜。花序柄は長さ1.2～3㎝、まばらに軟毛がある。花托は長さ3～6㎜×幅0.5～1㎜。パラエはわら色、開花初期にときに紫色を帯び、長さ2.5～3.5㎜×幅約0.5㎜。周辺小花は4～7個、花冠は黄色～橙黄色、長さ1.5～3.5㎜、筒部は長さ0.5～1.5㎜、小舌は3歯があり、長さ1～2㎜×幅0.5～1.5㎜。中心小花は68～148個、黄色～橙黄色、4数性、花冠は長さ1～1.6㎜、筒部は長さ0.2～0.5㎜、のど部は長さ0.7～1.2㎜、裂片は三角形、長さ0.2～0.3㎜×幅約0.2㎜。痩果は黒色、長さ1.2～1.8㎜、中～密に縁毛があり、先が真っすぐな毛がある。冠毛は2本のほぼ等長又は不等長の剛毛、長い毛は長さ0.2～0.7㎜、短い毛は長さ0.1～0.5㎜。花期は通年。2n=52。

ヒマワリモドキ属

　 family　Asteraceae － genus Heliopsis

　多年草[一年草]、高さ30～150㎝。 茎は直立または地を這い、基部で分枝するか、または全体に±分枝する。葉は茎葉、対生し、葉柄がある。葉身は基部から伸びる±3脈があり、三角形または卵形～披針形、基部は±楔形～ほぼ切形、縁は鋸歯または粗い歯があり、表面は無毛または毛がある。頭花は放射状(radiate)または円盤型(discoid)、単生する。総苞はこま形～半球形、直径8～14mm。総苞片は宿存し、12～20個が2～3列につき、卵形または長円形、±等長、外側の総苞片は内側の総苞片よりもより葉状になる。花托は凸状から円錐形、パレアがあり、（パレアは徐々に落ち、帯黄色、重複し、硬くなる）。周辺小花は[0] 5～20個、雌しべがあり、稔性、花冠は黄色～オレンジ色、小舌は宿存性、無柄、紙質になる。中心小花は30～150+個、両性、稔性、花冠は黄色または褐色～紫色、筒部は狭円筒形の喉部よりもはるかに短く、花冠裂片は5個、三角形。痩果は褐色～黒褐色、ほぼ円柱形または不明瞭な3(周辺小花の痩果)または4(中心小花の痩果)の角(かど)があり、翼はない。冠毛は無または宿存し、コロニラ形(coroniform：不規則に切れ込んだ王冠と1～3個の歯状の鱗片)。x=14。
　世界に約18種があり、北アメリカ、メキシコ、中央アメリカ、南アメリカ (ボリビアまで)に分布する。

ヒマワリモドキ属の主な種と園芸品種

1 Heliopsis gracilis Nuttall

　　synonym　Heliopsis helianthoides (Linnaeus) Sweet var. gracilis (Nuttall) Gandhi & R. D. Thomas

　　synonym　Heliopsis laevis Persoon var. minor Hooker
　　synonym　Heliopsis minor (Hooker) C. Mohr
　USA東南部原産。英名はSmooth or pinewoods oxeye。開けた斜面の林、特に松林に生える。
　多年草、高さ30～40(～80)㎝。根茎は匍匐性、長さ4～10+㎝×太さ1～2㎜、根茎の節間は約20+㎜。茎は1～2本+、わら色～赤褐色、無毛。葉身は卵状披針形～披針形、長さ4～8㎝×幅1.5～3㎝、縁は規則的に歯があるかまたはほぼ全縁、先は尖鋭形、下面は無毛又は不明瞭な短毛があり、上面はわずかに細かくザラつく。頭花は1～3(～5)個。花序柄はほとんどが長さ10～15㎝。総苞は直径7～15mm。総苞片は縁と先に細かい毛があり、内面にはあまりない。パレアは披針形、先は鈍形、面は無毛。周辺小花は6～8(～13)個、花冠は黄金色、小舌は長さ10～22㎜×幅4～8㎜。中心小花は10～20+個、花冠は淡褐色～黄色(裂片はくすんだ黄色)、長さ3.5～4㎜、無毛。痩果は暗褐色、長さ4～5㎜、無毛又は縁に微毛があり、平滑又はほぼ平滑。冠毛はコロニラ形(coroniform：不規則に切れ込んだ王冠と1～3個の歯状の鱗片)。花期は春～夏。

2 Heliopsis helianthoides (L.) Sweet　キクイモモド　菊芋擬　広義
　USA原産。英名はfalse sunflower, oxeye, ox-eye , smooth oxeye。別名はシュッコンヒメキクイモ。
　多年草、高さ(40～)80～150㎝。匍匐性の根茎から長さ4㎝×2～6㎜、根茎の節間は大部分2～10㎜。茎は1～10本以上、わら色～赤褐色、無毛又は毛がある。 葉身は卵形～三角状披針形、長さ6～12(～15)㎝×幅2～6(～12)㎝、縁は規則的～不規則で粗い歯状、先は鋭形～尖鋭形、表面は無毛～まばらに毛がありまたは中程度～密に細かくザラつき、またはザラつく。頭花は1～15+個。花序柄は長さ9～25㎝。総苞は直径12～25㎜。総苞片は無毛になる～縁と先と外面に密に軟毛がある。パレアは披針形～長円形、先は鈍形、面は無毛。周辺小花は10～18個、花冠は黄金色、小舌はほとんどが長さ2～4㎝×幅6～13㎜。中心小花は10～75+個、花冠は帯黄色～褐黄色(裂片は筒部より明るく)、長さ4～5㎜、無毛。痩果は長さ4～5㎜、無毛または角(かど)に毛があり、平滑。冠毛は無または2～4個の小さな歯状の鱗片がある。2n=28 (変種不明)。
　北アメリカに2変種がある。
　T. R. Fisher (1957) が指摘したように、var. helianthoidesとvar. scabra との間に中間の形質のものが発生し、これらおよび人工交配種は花粉の染色性と正常な減数分裂の対がわずかな低下するだけである。中間の形質のものは、ミズーリ州、イリノイ州、ニュー イングランド州で特に一般的であり、同所性の地域の他の場所でも遭遇する可能性がある。キーキャラクターに加えて、var. helianthoides は一般に葉柄が長く、頭花が小さく、花序柄が短く、var. scabraより開けた生息地には少ない(less-open habitats)。(Flora of North America)。
　日本でもキクイモモドが栽培されているが、var. helianthoidesとvar. scabraとは区別されていない。日本で普通、見られるのは葉にザラつきの多いvar. scabraと思われる。属名はヒマワリモドキ属ともされる。
2-1 Heliopsis helianthoides var. helianthoides　ヒマワリモドキ　向日葵擬
　　synonym　Heliopsis helianthoides var. solidaginoides (Linnaeus) Fernald
　USA東部に分布。 開けた森、茂み、沼地、牧草地、道路の土手、荒地に生える。
　葉身は卵形、長さ8～12(～15)㎝×幅4～8(～12)㎝、下面は無毛またはまばらに毛があり、上面は無毛または微細なザラつきがある。葉柄が長く、頭花が小さく、花序柄が短い。花期は晩春～夏。
品種)　'Asahi' , 'Balhelisun'PBR , 'Benzinggold' , 'Bleeding Hearts' , 'Burning Hearts' , 'Double Sunstruck' (d) , 'Helios Fireball' , 'Helios Sunset' , 'Hohlspiegel' , 'Inhelsodor'PBR , 'Limelight'(sunflower 'Lemon Queen') , Loraine Sunshine ('Helhan'PBR) (v) , 'Mid West Dream' , 'Midwest Dreams' , 'Prairie Sunset' , 'Red Shades' , 'Summer Pink' (v) , 'Summer Sun' , 'Sunstruck' , 'Super Dwarf' , 'The Monarch' , Tuscan Gold ('Inhelsodor'PBR) , 'Tuscan Sun' , 'Venus'

2-2 Heliopsis helianthoides var. scabra (Dunal) Fernald　キクイモモドキ　菊芋擬

　　synonym　Heliopsis scabra Dunal

　　synonym　Heliopsis helianthoides subsp. occidentalis T. R. Fisher

　　synonym　Heliopsis helianthoides var. occidentalis (T. R. Fisher) Steyermark

　USA中部～東部に分布。英名はNorth American ox-eye , hardy zinnia , rough heliopsis , oxeye sunflower。別名は宿根姫向日葵(シュッコンヒメヒマワリ)。開けた森、大草原、古い牧草地、畑の端、牧草地、道路の堤防、溝に生える。
　葉身は三角形～狭卵状披針形、長さ6～12㎝×幅2～5㎝、面は中程度～密に微細なザラつき～ザラつきがある。花期は晩春～初秋。
品種)　 'Asahi' , Ballerina('Spitzentänzerin')='Ballet Dancer'='Ballerina' , 'Benzinggold' , 'Bleeding Hearts' , 'Bressingham Doubloon' (d) , 'Burning Hearts' , 'Desert King' , 'Fire Twister'PBR , 'Funky Spinner' , 'Gigantea' , Golden Double Hybrids (mixed) , Golden Plume('Goldgefieder') , Goldgreenheart , 'Goldgrünherz' , 'Goldspitze' , 'Hohlspiegel' , 'Incomparabilis' , 'Jupiter' , 'Karat' , 'Light of Loddon' , 'Lohfelden' , 'Magnifica' , 'Mars' , 'New Hybrids' , 'Orange King' , 'Patula' , 'Prairie Sunset'PBR , 'Prima Ballerina' , 'Sommernächte' , 'Sommersonne' , 'Sonnenglut' , 'Sonnenschild' , 'Spitzentänzerin' , 'Summer Nights' , 'Summer Pink' , 'Summer Stripe' , Summer Sun , 'Sunburst' (v) , 'Venus' , 'Waterperry Gold' , 'Winter Sun'[Loraine Sunshine]('Helhan'PBR) , 'Wüstenkönig'

3 Heliopsis parvifolia A. Gray
　USA,メキシコ原産。英名はmountain oxeye。開けた岩山の斜面、峡谷に生える。
　多年草、30～50(～80)cm。茎は±直立したてい茎(caudices)から1～10本以上出て、わら色～帯赤色、無毛又はわずかに毛がある。葉身は三角状披針形、長さ(1.5～)3～6 ×幅0.8～3 cm、縁は不規則な歯状(下部の歯が大きい)～ほぼ全縁、先は尖鋭形～鈍形、表面はまばらに毛があるか無毛。頭花は1～10+個。花序柄は長さ(6～)15～30 cm。総苞は直径12～20mm。総苞片は縁と先に密に軟毛があり、外面は無毛になる。パレアは披針形～長円形、先は鋭形、面は無毛。周辺小花は9～11個、花冠は黄金色（若いとき）～淡黄色（古くなると）、小舌は長さ(1～)2～3cm×幅5～14mm。中心小花は8～50+個、花冠は緑黄色～黄褐色(裂片は筒部より明るい)、長さ3～4.5㎜、無毛。痩果は長さ4.5～5 mm、無毛、しわ状～亜いぼ状突起がある。冠毛は無い。2n=28。花期は晩春～初秋。

4 その他園芸品種
品種)　'Bit of Honey' , 'Bressingham Doubloon' , 'Summer Green'

参考

1) GRIN
　Acmella. 　 2) Flora of China
　Acmella 　 3)Acmella repens - Species Page - APA: Alabama Plant Atlas
　Acmella repens 　 4）Flora Argentina | Especies |
　Acmella oppositifolia (Lam.) R.K. Jansen