世界に広く帰化し、日本には江戸時代に渡来したとされ、観賞用に栽培されたものが逸出している。また、これとは別に後年、侵入したものが各地で急増し、畑の雑草となっている。
　茎は直立し、分枝し、全体に無毛。葉は長さ4～20㎝、幅2～13㎝の卵形～長楕円形、縁が不規則に切れ込む。葉柄は長さ1.5～6㎝。花は花柄の先に葉と対生して単生する。花冠は直径2.5～4（5）㎝の鐘形、先が浅く5裂して平開し、裂片が淡青色～青色、筒部が白色、筒部の奥に濃青色の班紋がある。萼は下部が突き出て尖り、花後は果実をゆるく包んで下向きになる。果実は直径約1㎝の球形、萼と同じ淡褐色に熟す。種子は長さ約2㎜の扁平な円盤形。

オオセンナリ属

　 family　Araucariaceae － genus Nicandra

　1年草、単純毛と腺毛をもつ。葉は歯柄がある。葉身は単葉。花は単生、腋生又は又状枝につき、花柄があり、放射相称。咢は鐘形、5深裂。花冠は鐘形、浅裂し、裂片は卵形。雄しべは突き出ず、花冠筒部につく。花糸は細い。葯は楕円形、縦に裂開する。子房は3～5室、胚珠は多数。花柱は糸状。柱頭はほぼ頭状、3～5裂する。果時の咢は明瞭に大きくなり、宿存し、果実を包み、裂片は心状矢じり形、それぞれ基部に2個の耳のある裂片をもつ。液果は球形、乾く。種子は腎形状円盤形、扁平、穴があり、胚はかなり曲がり、類周縁状、子葉は類円筒形。
　世界に1種、世界中で栽培されている。

オオセンナリ属の種と園芸品種

1 Nicandra physalodes (L.) Gaertn.　オオセンナリ　大千成
　南アメリカ（ペルー）原産。中国名は假酸浆 jia suan jiang。英名はshoo-fly plant , apple of Peru , apple-of-Peru , broadleaf-nightshade , shooflyplant 。　世界に広く帰化し、日本には江戸時代に渡来したとされ、観賞用に栽培されたものが逸出している。また、これとは別に後年、侵入したものが各地で急増し、畑の雑草となっている。
　1年草。高さ30～150㎝。茎は直立し、分枝し、全体に無毛。葉は長さ4～20㎝、幅2～13㎝の卵形～長楕円形、縁が不規則に切れ込む。葉柄は長さ1.5～6㎝。花は花柄の先に葉と対生して単生する。花冠は直径2.5～4（5）㎝の鐘形、先が浅く5裂して平開し、裂片が淡青色～青色、筒部が白色、筒部の奥に濃青色の班紋がある。萼は下部が突き出て尖り、花後は果実をゆるく包んで下向きになる。果実は直径約1㎝の球形、萼と同じ淡褐色に熟す。種子は長さ約2㎜の扁平な円盤形。花期は6～10月。

品種)　'Alba' , 'Black Chinese Lantern' , 'Black Pod' , 'Blacky' , 'Splash of Cream' (v) , 'Violacea'

参考

1) GRIN
　Nicandra physalodes
　https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomydetail.aspx?25243
2) Plants of the World Online | Kew Science
　Nicandra physalodes
　http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:816832-1
3) Flora of China
　Nicandra
　http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=125280