オオベニゴウカン 大紅合歓

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Flora of Mikawa

マメ科 Fabaceae ベニゴウカン属

別 名 アカバナブラシマメ、カリアンドラ
英 名 powderpuff-tree , red powder-puff
中国名 朱缨花 zhu ying hua
学 名 Calliandra haematocephala Hassk.
オオベニゴウカンの蕾
オオベニゴウカン花序2
オオベニゴウカンの花序
オオベニゴウカンの雄しべ
オオベニゴウカンの幹
オオベニゴウカン
オオベニゴウカン葉
オオベニゴウカンの葉表
オオベニゴウカンの葉裏
花 期 12~5月
高 さ 1~3m
生活型 落葉低木
生育場所 栽培種
分 布 外来種 南アメリカ(ボリビア)原産
撮 影 浜松フラワーパーク   20.2.17.
 オオベニゴウカンは南アメリカ(ボリビア)原産の観賞用栽培種。
 低木又は小高木、落葉性、高さ1~3m。小枝は褐色、円筒形、粗い。托葉は宿存し、卵状披針形。葉柄は長さ1~2.5㎝。羽片は1対、長さ8~13㎝。小葉柄は長さ約1㎜。小葉は7~9対、斜めの披針形、長さ2~4㎝×幅7~15㎜、縁にまばらに細い長軟毛があり、中脈は上側の縁に接し、基部は斜め、先は鈍形、微突形。頭状花序は腋生、直径3~5㎝(花糸を含み)。花序柄は長さ1~3.5㎝。萼は鐘形、長さ約2㎜。花冠は帯紫色。花冠筒部は長さ3.5~5㎜、5裂する。裂片は後屈し、長さ約3㎜、無毛。雄しべは多数、緋色(scarlet)、非常に鮮やか。雄しべ筒(stamenal tube)は白色、長さ約6㎝以下、口部の内側に、錐形の付属体をもつ。花糸は濃赤色、長さ約2㎝。豆果は鈍い褐色、線状倒披針形、長さ6~11㎝×幅5~13㎜、バルブは弾力的、熟すと縫合線に沿って先から基部まで開き、後屈する。種子は5~6個、褐色、長円形、長さ7~10㎜×幅約4㎜。花期は8~9月(日本では12~5月)。果期は10~11月。

ベニゴウカン(カリアンドラ)属

  family Fabaceae - genus Calliandra
 
 低木又は小高木、普通、刺は無い。葉は2回羽状複葉、腺は無い。托葉はしばしば宿存し、又はときに刺状、稀に無い。羽片は1~数対。小葉は対生、小さく、多数、又は大きく、少数~ただ1対。頭状花序は球形で腋生、又は総状花序で頂生。花は(5~)6数性、雌雄混株。萼は鐘形、萼歯がある。花弁は中間まで統合し、ときに異形、長い筒形の花冠をもつ。雄しべは多数(100本以下)、赤色又は白色、雄しべ筒に±統合し、長く突き出し、華やか。葯はほとんど、腺毛がある。子房は無毛、胚珠は多数。花柱は糸状。豆果はわずかにかま形、ひも形、平ら、硬い革質、しばしば基部まで狭く、縁は厚くなり、2バルブがあり、バルブは弾力的で、先から基部まで開き、内側は連続する。種子は倒卵形又は円形、扁平、馬蹄形痕(pleurogram:種皮の柵状層に線状のU字形の切れ目として現れ、特にマメ科の植物では重要な発芽開始機能的価値を持つ)があり、仮種皮は無い。属名の Calliandra は、ギリシャ語の kalos(美しい)と andros(雄しべ)に由来し、この植物の目立つ絹のような赤い美しい雄しべに由来する。
 世界に約200種があり、主に、アメリカの熱帯、亜熱帯に分布し、少数がインド、マダガスカル、ミャンマーに分布する。

ベニゴウカン属の主な種と園芸品種

1 Calliandra brevipes Benth. トキワネム 常盤合歓
  synonym Calliandra selloi (Spreng.) J.F.Macbr.
 ブラジル南東部、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン北部原産。英名はpink powderpuff。 中国名は香水合欢 xiang shui he huan , 细叶粉扑花 xi ye fen pu hua。頭花はピンク色で、芳香がある。
 常緑低木。自由分枝し、枝が硬く、小さな葉(microphyllidious)の低木、高さ±1.5~2m、暗褐色の前年と葉の落ちた古い茎は暗褐色(fuscous)、若い小枝、葉柄及び花序柄は小さな、ときに密に、褐色の微軟毛があり、葉は表裏、2色で、密につき、表面は無毛、ときに、微細な縁毛があり、上面は光沢のある暗緑色、下面は淡色で鈍い。頭花は単生、前年の長いシュートの葉腋又は短いシュートの葉腋につくものは花序柄がある。葉序は2列生(distichous)。托葉は三角状披針形~デルタ形、長さ0.6~2㎜、背面は無毛、1~7脈があり、乾いて宿存する。葉は小葉が(20~)23~45個つく。葉柄は細く、長さ(1~)1.5~4.5(~5)㎜×幅0.3~0.45㎜、付属体は卵状三角形、長さ0.4~1㎜。長い羽片の軸は (12~)15~35(~38)㎜、長い葉間の裂片は長さ0.3~1(~1.2)㎜、小葉枕(pulvinules)は長さ0.1~0.2㎜、葉身は軸に対して無柄。葉は軸の両端で漸減、他は類等長、外形は線形~線状長楕円形、基部は斜めの類切形、真っすぐ又は優しく内向きに曲がり、先は鈍形又は類微突形。大きい葉身は長さ3.5~5.5(~6.5)㎜×幅0.4~1.4(~1.6)㎜、長さは幅の(3.2~)4~6倍、中脈は類中心にあり、普通、(浅見で)不分岐、他の脈は埋没し又はかすかにわかる程度。花序柄は長さ(4~)5~14(~22)㎜、中間を越えて1個の苞がある。頭花は(専門的には散形花序だが、しばしばあいまい)、花が7~12個つき、花托はこん棒形(claviform)又は類球形、長さ1~2㎜。苞は卵状三角形、長さ0.3~0.9㎜、内向きに曲がり、宿存する。各頭花の花は普通、異形、周辺花(peripheral fls)は短い花柄があり、末端の花(terminal fls)は無柄、幅が広いが、変化しない雄しべ群の残りより長くない。周辺花は花柄が長さ(4~)5~14(~22)㎜。花被は無毛又はごく薄く小さな微軟毛があり、青白い萼は士15本の条線がある。花冠はピンク赤色、偶数又はほぼ偶数。萼は鐘形又は筒状鐘形、長さ0.9~1.8㎜×幅1~1.6㎜、萼歯は幅が広く、類内向きに曲がり、長さ0.2~0.5㎜。花冠は長さ4~6.6㎜、花冠裂片は卵形、長さ1.4~2.3㎜。雄しべ群は18~25数性、長さ(22~)25~32㎜、花弁と雄しべの接合組織(stemonozone)は長さ0.35~0.6㎜、筒部は2.2~4㎜、房飾り(tassel)は下部が帯白色、先がピンク色~深紅色(例外的に全て白色)。子房は無毛。周辺花の花柱は線形、切形。末端の花(terminal fl)の花柱は先が膨れ、長さ0.22~0.3㎜。豆果の莢は長さ4.5~6㎝×幅0.7~0.8㎝、粗い縁のバルブは堅く、皮革質、無毛、弱い横波(cross-venulose)がある。種子は知られていない。花期は7~9月。
品種) 'Pink Lilian'

2 Calliandra eriophylla Benth. ベニゴウカン 紅合歓
 USA(カリフォルニア州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州)、メキシコ原産。英名はfairy-duster , mock mesquite , pink fairy-duster。中国名は艳红合欢 yan hong he huan , fairyduster。別名はヒゴウカン(姫紅合歓)、ヒネム(緋合歓)
 寒冷地では普通、落葉。よく分枝し、広がった低木で、高さ0.6(~1)m以下、刺は無い。茎は薄灰色~帯白色。若い茎と小枝は密~中位に毛があり、短い白色の毛をもつ。葉は野生では間隔が開いた2回羽状複葉で、羽片は2~4対、各羽片は7~9(たまに10)対の長さ2~3(3.5)㎜の小葉(2回羽状の)をもつ。花は華やか、密に球形の頭花につき、直径4~5㎝。花冠は長さ5~6㎜、不明瞭。雄しべは目立ち、ピンク色、ローズ色、又は赤紫色、長さ18~22㎜。果実は直立し、線形、莢はビロード状、長さ3~7(8)㎝×幅5~7㎜、縁が厚くなる。種子は3~8個。花期は2~4月、果期は9~10月。

3 Calliandra haematocephala Hassk. オオベニゴウカン 大紅合歓

  synonym Prunus phaeosticta (Hance) Maxim.
 南アメリカ(ボリビア)原産。中国名は朱缨花 zhu ying hua。英名はpowderpuff-tree , red powder-puff。別名はアカバナブラシマメ。中国、台湾で栽培されている。
 低木又は小高木、落葉性、高さ1~3m。小枝は褐色、円筒系、粗い。托葉は宿存し、卵状披針形。葉柄は長さ1~2.5㎝。羽片は1対、長さ8~13㎝。小葉柄は長さ約1㎝。小葉は7~9対、斜めの披針形、長さ2~4㎝×幅7~15㎜、縁にまばらに細い長軟毛があり、中脈は上側の縁に接し、基部は斜め、先は鈍形、微突形。頭花は腋生、直径約3㎝(花糸を含めて)。花序柄は長さ1~3.5㎝。萼は鐘形、長さ約2㎜。花冠は帯紫色、花冠筒部は長さ3.5~5㎜、5裂し、花冠裂片は下屈し、長さ約3㎜、無毛。雄しべは多数、緋色(scarlet)、非常に鮮やか。雄しべ筒(stamenal tube)は白色、長さ約6㎝以下、口部の内側に、錐形の付属体をもつ。花糸は濃赤色、長さ約2㎝。豆果は鈍い褐色、線状倒披針形、長さ6~11㎝×幅5~13㎜、バルブは弾力的、熟すと、縫合線に沿って先から基部まで開き、後屈する。種子は5~6個、褐色、長円形、長さ7~10㎜×幅約4㎜。花期は8~9月(日本では12~5月)。果期は10~11月。
品種) 'Alba'ホワイト・パウダーパフ , 'Nana'

4 Calliandra riparia Pittier カリアンドラ・リパリア
  synonym Calliandra schultzei Harms
 南アメリカ(パナマ、ガイアナ、ベネズエラ、コロンビア)原産。英名はdwarf powderpuff, pink powderpuff, river calliandra。半落葉樹林または薄い常緑樹林に自生し、しばしば標高50~750mの岩の多い川岸に群落を形成する。広く栽培され、中央アメリカ、ブラジルのアマゾン川流域、ボリビア、ブラジル東部、バハマ諸島、アンティル諸島では標高1330mの地域までで栽培または帰化している。原産地でも自生と観賞用の植栽かを区別することは不可能とされている。
 樹冠性の低木で、高さ1.5~6m、青白い斜生の(plagiotropic)枝と、長いシュートを持つ。成熟すると頂部が平らか傾き、若い枝、花序柄、および特に葉腋には微細柔毛(pilosulous)があり、直立または内側に湾曲した、灰色または帯黒色の長さ0.2~0.7mmの毛がある。一次葉の基部につく托葉は三角状披針形~披針状尖鋭形または披針状尾形、長さ(3~)4~11mm×幅1.2~2.7mm、条線状に9~17本の脈があり、乾くと青白く脆くなるが、自然に分離することはない。葉は硬い緑色の、はっきりと表裏2色に分かれておらず、上面は無毛だが、薄く繊毛があることが多い。葉は比較的繊細ではなく(押した標本では完全に展開していることが多い)。葉序は2列性である。葉は小葉が7~11(~13)個。葉柄は長さ4~15(~18)mm、中間の直径は0.4~0.85(~l)mm。羽片も葉軸は長さ(2.5~)3~6(~6.5)cm、長い葉の内部の節間は(2.5~)3~7mm。葉枕は長さ0.4~0.8(~0.9)mm×幅0.5~0.8mm、しわがある。葉は広線形または線状楕円形、基部は半心形、真っすぐまたはほぼ真っすぐであり、先は三角形の小突起形または微細な微突起形。長い葉は長さ12~22mm×幅(2.2~)2.5~4.6(~6)mm、長さは幅の(3.5~)3.8~5.7(~6.5)倍、頂端の1対は最後から2番目(penultimate)の葉より長くなく、葉脈は掌状羽状で、まっすぐな中脈が葉身を ±1:1.5~1.75 に分割し、内側の後部一次脈はほぼ葉身の中央まで、または短く超え、1~2(~3)本の外側の脈は次第にずっと短くなり、二次脈と網状細脈は両面ではっきり目立つ。頭花は単独で発生するかまたは例外的に対につき、1次の葉腋から直接、またはしばしば非常に短い短枝(brachyblasts)の葉腋から生じる。花序柄は長さ(9~)10~32(~36)mm、中間付近またはその下に1~2個の苞があり、ときに苞がない。頭花は12~14(~?)個つき、棍棒形の花托は長さ±2~3mm(ときに1花が花序柄の下部につく)。苞は錐形または線形、長さ0.8~2.2mm、3~4脈があり、宿存する。開花時の苞はすべて強く斜上し、花被についてはほぼ準同形(subhomomorphic)であるが、雄しべはほとんどが準同形から雄しべ筒の長さと幅が強く分化したものまで変化する。小花柄は外側が変色し、長さ0.1~0.8mm×幅(0.3~)0.4~0.8mm。花被は無毛、萼には鋭く細かい条線があり、花冠にはないかわずかに条線がある。周辺花(peripheral fls)の雄しべ筒は花冠と同長または±2倍の長さで、1~数個の中心花(central fls)雄しべ筒は周辺花よりしばしばずっと長くなるが、常にとは限らず、先端が広がる。筒部はすべて青白く、またはかすかにピンク色、房状のピンク色または深紅色(carmine)である。萼は長さ2~2.6(~2.8)mm×幅0.9~1.5mm、萼歯はしばしば不均等で、長さ0.25~0.6mmである。花冠は4または5数性で、帯緑色または帯白色、長さ(5~)5.5~8mm、花冠裂片は卵状三角、長さ1.1~2.3mm。雄しべは12~20数性、長さ31~42mm。周辺花の花冠筒部は長さ6.5~11mm、中心花では長さ14~31mm、開口部が直径3~5mmに拡張する。子房は開花時に無毛である。豆果(莢)は垂直方向に堅く斜上し、長さ6~8cm×幅0.8~1.1cm、縫合部に沿って無毛または繊毛がある。バルブは堅く革質で、斜めまたはほぼ水平に細脈があり、縫合部の内面は裂開により露出し、幅は0.9~1.1mmである。種子は全体的に見て、長さ7.3~9.8mm×幅4.5~5.4mm、種皮は淡褐色でしばしば暗色の斑点があり、のある種皮は馬蹄形痕(pleurogram)を欠く。[Memoirs of the New York Botanical Garden]
品種) 'Rose Cascade'

5 Calliandra tergemina (L.) Benth. カリアンドラ・テルゲミナ

 北アメリカ(メキシコ)、中央アメリカ(ベリーズ、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、トリニダード・トバゴ、ウィンドワード島)、南アメリカ(コロンビア、ベネズエラ)原産。英名はred powderpuff plant, miniature powder-puff。小名「tergermina」は「3対の」を意味し、葉柄ごとに3枚の小葉があることに由来する。太平洋岸および北中部の標高275~1400mのマツ・オーク林に時々生える。
 大葉(macrophyllidious)の低木および細い高木、高さ(0.6~)1.5~6(~10)mで開花する。若い小枝は平滑、淡色、節が無い(annotinous)。樹皮は縦に裂け、紙質の帯状に剥がれる。新しい枝は腹側の葉腋と花序柄に微軟毛がある以外は無毛であることがしばしばであるが、植物全体に様々な微軟毛または微細柔毛がある場合もある。一次葉の基部につく托葉は狭三角形または披針形、長さ1~4.5(~5.5)mm、条線状に4~9(~13)本の脈があり、脱落する。短いシュートの托葉は一般に小さく、より宿存するが、宿存する場合は外側が白くなり脈がなくなる。葉序は2列性。葉は羽片が1対(Lf-formula:i/1 (-2ただしランダムの場合のみ、例外的にほぼ全ての葉にみられる)。小葉は各羽片に2対つき、下部の小葉は1枚失われ、3~4枚、頂小葉の方が大きい。葉柄は長さ(2~)5~28(~34)mm×幅0.3~0.85(~1.1)mm、頂部の付属体は剛毛状(setiform)または披針形。長い羽片は葉軸が長さ(2.5~)3.5~24(~34)mmで、下部の小葉は基部から1~4.5(~6)mm の位置に挿入される。小葉枕は長さ0.3~1.1mm×幅0.3~1.1mm、交差する網目状しわがあり、ときにしわが不明瞭である。小葉は膜質または日当たりの良い場所ではほぼ皮質、表裏2色であり、上面は鈍い緑色、下面はより淡色。小葉は斜めの倒卵形、半倒卵形、半倒卵形、または非対称の楕円状(倒)披針形で、基部は浅い半心形、先は鈍形で微細な微突形、または三角状亜鋭形、または円形で浅く凹形になり微細な微突形、またはごく短い鈍い尖鋭形、上部の1対の小葉は長さ(1.3~)1.6~7.5(~8)cm×幅(0.5~)0.6~3cm、例外的に長さ8~12mm×幅3~6mmになり、長さは幅の(1.4~)1.8~3.4(~3.8)倍であり、葉脈は普通掌状羽状で、後側の2~3本の一次脈の内側の脈は、少なくとも葉身中央まで、通常は葉身中央をはるかに越えて内曲して斜上し、二次脈と網状脈は突出(prominulous)または埋没する(subimmersed)程度が様々にで、小葉形(microphyll forms)ではまれに1脈になる。頭花は直立し、直径1.5~2.5cm、細い花序柄があり、ほとんどが短い藁状(thatched)の短芽(brachyblasts)腋~柔軟な(pliant)長いシュートの同時期に存在する葉(coeval lvs)腋に単生するか、またはいくつかは1次の葉腋に直接生じる。花序柄は長さ(5~)11~40mm×幅0.3~0.7 mm、中間より上(まれに中間より下)では苞が無または有。頭花は花が(8~)12~21(~26)個つく。花托は長さ1~3mm。苞は通常三角状錐形または線状披針形、長さ0.7~2mm、例外的に長さ3 mm以下の剛毛状または長さ0.4mmの三角状で、1~3脈があり、宿存する。花序は潜在的に、実際ほとんど常に2形性であり、1個またはそれ以上の(亜)頂生の花序が稔性であり、萼がより広く広がり、さらに突出した雄しべ筒と、雄しべ内蜜腺(intrastaminal nectary)があり、すべての花被片は帯緑色または帯白色、またはピンク色~鮮やかな紅色であり、4または5数性、通常は無毛だが、不規則に小伏剛毛(stigulose)または微細柔毛があり、萼筒のみ、または花冠筒部にも(裂片にはない)顕著な条線がある。周辺花:小花柄は長さ0~0.8mm。萼は鐘形、長さ0.6~3.6(~4)mm×幅0.4~1.4(~1.5)mm。萼歯は微細な鈍形~錐形で鋭形、長さ0.1~0.9(~1)mm。花冠は長さ(4)4.3~9(例外的に10, 12)mm、花冠裂片は長さ0.7~2mm。雄しべは(8, 10)12~28数性(ベネズエラのララでは42数性)、接合組織(stemonozone)は長さ1mm以下、花冠筒部は長さ4~7(例外的に~10)mm、房部(tassel)は全体が赤紅色か、または下部が淡色で先端がピンク色、または全体が白色がかった黄白色(white-ochroleucous)。花糸はときに筒部より上で合流して様々な数の束になることがある。子房(ほとんどが不稔)は開花時に無毛。豆果(莢)は斜生(plagiotropic)または地向性(geotropic)で、硬く直立せず、広義には狭倒披針形で、下方で細く、基部は柄状になり、長さ(4.5~)5.5~15cm×幅0.6~1.4 cm、無毛または稀に微細柔毛があり、よく稔ると5~9種子になる。種子はふっくらとした扁平な楕円形で、概観は長さ7~11mm×幅3.5~5.5mm、種皮は平滑またはしわくちゃ(crumpled)で、被毛があり、しばしば外皮に暗色の斑点があり、馬蹄形痕があり(pleurogrammic)または無く、馬蹄形痕がある場合は狭いU字形である。花期は10月~5月、果期は12月~3月[Memoirs of the New York Botanical Garde]。

5-1 Calliandra tergemina (L.) Benth. var. emarginata (Humb. & Bonpl. ex Willd.) Barneby ヒメベニゴウカン 姫紅合歓

  synonym Calliandra emarginata (Humb. & Bonpl. ex Willd.) Benth.

  synonym Calliandra deamii (Britton & Rose) Standl.
  synonym Calliandra langlassei Harms
  synonym Calliandra mexicana Brandegee
  synonym Calliandra purpusii Brandegee
  synonym Calliandra rupestris Brandegee
  synonym Calliandra seemannii Benth.
  synonym Calliandra sinaloana (Britton & Rose) Standl.
  synonym Calliandra tetraphylla (G.Don) Benth.
  synonym Calliandra tolimensis L.Uribe
  synonym Calliandra uribei Killip & Dugand
  synonym Calliandra yucatanensis (Britton & Rose) Standl.
 北アメリカ(メキシコ)、中央アメリカ(ベリーズ、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ)、南アメリカ(コロンビア、ベネズエラ)原産。灌木林、低木林、オーク林の空き地、亜山岳林の河畔または乾燥した尾根に生息し、通常、1~1050mの乱れた林縁や道端に繁茂し、1100~1500mでも記録されている。民族植物学的には薬用として用いられ、花を砕いて水に混ぜ、眼の炎症や皮膚の潰瘍を治療する。葉のエキスは内科疾患にも処方される。
 低木および高木、高さ(0.6~)1~6(~10)mで開花し、無毛または細かい微細柔毛(pilosulous)がある。葉柄は長さ(4~)5~28mm×幅0.4~0.85 mm。葉は膜質~紙質、無毛または無毛で繊毛があり、あるいは片面または両面に微細柔毛があり、上部の1対の小葉は長さ(1.3~)1.6~7.5(~8)cm×幅(1.4~)1.8~3.4(~3.8)cm。変種小名emarginataは、成熟した頂小葉の先が凹形であることを指す。花序柄は長さ16~40mm×幅0.4~0.7mm。花被は無毛または弱く小伏剛毛がある(strigulose)かまたは微細柔毛がある(pilosulous)。萼は長さ1.2~3.6(4)mm×幅0.7~1.4(1.5)mm、萼歯は長さ0.1~0.9(1)mm。花冠は長さ(4~)4.6~9mm(例外的に11、12)mm。花糸は一般に白色で先端がピンク色、例外的に全体が白色で、ランダムに濃い赤カーマイン色(red-carmine)を帯びる。豆果(莢)は長さ6~15cm×幅0.6~1.4cm、通常は無毛だが、ときに細かい微細柔毛がある。種子は概観で長さ8.5~11mm×幅3.5~5.5mm、ほぼ常に馬蹄形痕がある(pleurogrammic)。フロリダではほぼ一年中生育する。花期はほぼ通年、主は11~5月。[Memoirs of the New York Botanical Garden]
品種) 'Minima'
5-2 Calliandra tergemina var. tergemina
 中央アメリカ(トリニダード・トバゴ、ウィンドワード島)、南アメリカ(コロンビア、ベネズエラ)原産。標高300 m以下の、干ばつ地域の性落葉低木林およびサバンナの縁辺部に生える。開墾された牧草地に侵入することもある。
 低木および小高木で、ほとんどが高さ4m未満。葉柄は非常に細く、直径0.3~0.5mm。葉は質が薄く、3cmを超えることはめったになく、斜めの倒卵形~不等な楕円状(倒)披針形、先は鈍形または鋭形。花序柄は長さ(5~)11~28mm×幅0.3~0.4mm。小花柄は最も長くて 長さ0.25mm、通常は0mm。花被は無毛。萼は長さ0.6~1.2mm×幅0.4~0.75(~l)mm、萼歯は長さ0.1~0.4mm。花冠は長さ4.3~7mm。花糸は2色で、上部はピンク色。豆果(鞘)は長さ5.5~12cm×幅0.65~0.8cm。種子は概観が長さ7~9mm×幅3.5~5.5mm、馬蹄形痕(pleurogram)は無い。花期は8~2月。おそらく年間を通じて不定期に開花する。[Memoirs of the New York Botanical GardenSource]

6 Calliandra tweedii Benth. カリアンドラ・トウィーディー

  synonym Calliandra pulcherrima (Paxton) Planch.
 南アメリカ(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ)原産。英名はMexican flamebush。標高800m以下の低木林、河畔林、地表に露出している岩石の露頭付近に生える。ときに砂浜にも見られる。原産地では観賞用に栽培されることが多く、19世紀初頭以降は両半球の温帯および熱帯地域でも栽培されている。
 高さ1~3(~)5mの樹木状の低木~小高木。枝は広く広がり、矮小化して岩場に散在する。若い幹、葉腋、花序柄には様々な細柔毛(pilose)または微細柔毛(pilosulous)があり、毛は真っ直ぐまたは絡み合い灰色または帯白色、小枝はすぐにほぼ無毛になり、しばしば年をとると白くなる(blanched)。幅の狭い葉は両面が無毛または背面に薄く微細柔毛があり、通常は繊毛があり、長さ0.6~1.4mmの細かい白色の毛があり、全体が無毛であることは少ない。コンパクトな散形花序形の頭花は単生し、その基部に紙質の条線のある脱落する(efoliate=exfoliate)托葉があり、同時に出る葉の葉腋の短シュートの基部近くから生じる。柔らかい新葉と目立つ赤い頭花は、毎年の成長の更新で±同時期に拡大する。葉序は2列性。托葉は紙質、褐色で多数条線があり、ほとんど、広~狭披針形または楕円形、長さ4~16mm、緩く退縮し、落葉する。複葉型は羽片が(2~)3~5(~6)対、小葉が25~42対[Lf-formula (ii-)iii-v (-vi)/25-42(^-5)]。成熟時の葉軸(lf-stks)は長さ(2~)2.5~6.5(~8)cm、葉柄は長さ0.5~2cm、長い羽片節間(interpinnal segments)は長さ0.6~1.5cm、腹側の溝は羽片間で途切れる。羽片はほぼ等長で、長いものは2~5(~6.5)cm、長い小葉節間の長さは0.5~1.3mm。小葉は葉軸に対して無柄で、その両端は小さくなる(decrescent)。小葉枕(pulvinules)は長さ0.15~0.25mm。葉身は浅い耳状半心形の基部から線形で、先は鋭形または三角状小突起形、真っすぐまたはほぼ真っすぐ、。葉軸中央付近の葉身は長さ5.5~10mm×幅1~1.8mm、長さは幅の5~6.4倍、葉脈は単脈またはわずかに羽状、中心付近の中脈は、通常上面で沈み込み、下面は淡色でわずかに突出する。花序柄は長さ2~4(~5)cm、中央下部に長さ3~9mmの披針形または狭楕円形の条線のある苞がつく。頭花は±8~16個の花がつき、花は中程度に異形(heteromorphic)、周辺花(peripheral fls)はほぼ無柄~明瞭な小花柄があり、1個以上のほぼ頂生の花はやや長いが無柄で明瞭に幅が広く、雄しべはほとんど変化しない。最も外側の花の苞は1~3個つき、線形で長さ2~4mm。外側の花の小花柄は長さ0.5~4mm。全部の花の花被は通常全体に微細柔毛があるが、形状や表面を覆い隠すほど厚くはない。萼はときに下部が鱗片状になることがあり、常にかすかな条線がある。花冠は外側に脈がない。周辺花:萼はこま形(turbinate)、長さ(3~)3.6~6.8(~7.5)mm、萼歯は披針形またはまれに卵形、長さ(1.3~)1.5~3mm。花冠はこま形、長さ(5~)6~9(~9.5)mm、花冠裂片は長さ1.6~3(~3.6)mm。雄しべは26~46数性、長さ32~48mm、接合組織(stemonozone:花弁と雄しべの接合部)は長さ0.5~1.8mm、筒部は2~4.5(~5)mmで、内部は肥厚せず、房部(tassel)は全体が赤色。上部の花:無柄またはほぼ無柄、萼は広鐘形で直径±2.5~3mm。花冠は長さ8.5~11.5mm。雄しべは52数性、接合組織は長さ1~2mmで、内部が肥厚し(おそらく蜜源)、子房はほぼ無柄、開花時には無毛または微細なパピラがある。豆果(莢)は横から見ると線状倒披針形、長さ5.5~9cm×幅0.6~0.7cm、全体に微細柔毛があり、大きな縫合肋は縦方向に浅い溝があり、深く窪んだバルブには垂直方向に粗い細脈がある。種子は見られない。花期は9~2月、4月、7月。おそらく年間を通じて断続的に開花する。U.S.A.では12月~5月。[Memoirs of the New York Botanical Garden]
 U.S.A.では観賞用に栽培され、カリフォルニア州都市部南部、おそらくフロリダ州とテキサス州にも分布する(Isely, 1972)。高さ2mに達する低木。幼木には軟毛があり、成熟すると通常は扁平になる。葉は羽片が約4対、小葉は15~20対で、長楕円形でわずかに鎌形、明瞭な脈があり、長さ4~6mm。托葉は卵形、宿存し、多数の条線があり、長さ5mm。頭花は直径6cmまで、深紅色、腋生し、単生し、花序柄があり、葉が展開する頃に開花することが多い。花は短い小花柄があり、花被には軟毛があり、花冠は約6mm。豆果は軟毛があり、長円状倒披針形、長さ3~6cm×幅4~6mm、太い縫合線がある。U.S.A.では花期は12~5月。[Memoirs of the New York Botanical Garden]
品種) 'With Love'

7 ハイブリッド
品種) 'Dixie Pink' , 'Pink Pixie' , Sarita = 'Cascada Desiertica , 'Sierra Starr' ,

参考

1) Flora of China
 Calliandra
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105091
2) GRIN
 Calliandra
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=1887
3)Plants of the World Online | Kewscience
 Calliandra
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331445-2
4) The Jepson Herbarium
 Calliandra eriophylla
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=16644
5)Calliandra brevipes Benth. - WFO Monographs Details - The William ...
 Calliandra brevipes Benth.
http://sweetgum.nybg.org/science/world-flora/monographs-details/?irn=15955
6)SEINet Portal Network - Calliandra eriophylla
 Calliandra eriophylla Benth.
http://swbiodiversity.org/seinet/taxa/index.php?taxauthid=1&taxon=1233&cl=3