オケラ 朮

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae オケラ属

別 名 ウケラ(古名)
英 名 southern tsangshu
学 名 Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam.
Atractylodes lancea (Thunb.) DC. 広義Atractylis lyrata var. ternata (Kom.) Koidz
Atractylodes ovata var. tenera (Koidz.) Kom.
オケラの花
オケラのピンクの花
オケラの蕾
オケラの総苞
オケラの痩果
オケラの痩果2
オケラの葉2
オケラ
オケラ葉
オケラ痩果と冠毛
花 期 9~10月
高 さ 30~80㎝
生活型 多年草
生育場所 日当たりの良い山野
分 布 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア
撮 影 新城市  15.9.28
学名に混乱があり、Atractylodes ovataをオオバナオケラとしていることがよくある。オオバナオケラはAtractylodes macrocephalaである。Atractylodes ovataは Atractylodes lancea と同義語とされている。日本のオケラはAtractylodes japonicaとされていたがAtractylodes ovata var. ternata と同義語である。Flora of ChinaやGRINでは広義にとらえ、Atractylodes lancea(ホソバオケラの学名)にAtractylodes japonicaを含めている。
 短い根茎があり、漢方薬として利用される。茎は細く、木のように堅くなる。葉は互生し、下部の葉は長さ8~11㎝、3~5裂し、縁には刺状の鋸歯がある。根生葉は花時には枯れてない。葉は秋の終りに黄色くなって落ちる。雌雄異株。頭花は直径約2㎝、筒状花だけからなり、やや紅色を帯びた白色、まれにピンク色もある。雄株は雄花、雌株は両性花であり、花冠の先は5裂する。総苞は長さ10~12㎜の鐘形。総苞片は7~8列。魚の骨のような特徴ある形をした総苞外片が、2列に総苞を包む。総苞外片を苞葉と解説している図鑑もある(2列の総苞外片は外苞葉 outer bract と内苞葉 inner bractといい、その内側に総苞があり、総苞片が多数ある )。痩果は長さ5~6㎜の円柱形、白毛が密生し、冠毛がある。冠毛は枝分かれして羽毛状、帯褐色、基部が合着し、長さ8~9㎜。
 ホソバオケラ Atractylodes lancea (Thunb.) DCは中国原産であり、江戸時代に渡来し、栽培されている。中国名は苍术(cang shu)という。根茎は塊状、葉幅が狭く、上部で枝分かれしない。茎は単一か束生、枝分かれしないか又は上部で数個に枝分かれする。葉身は長さ8~12㎝、幅5~8㎝。葉柄は長さ0.5~8㎝。総苞は幅1~1.5㎝。花冠は帯白色~帯黄色。痩果は倒卵形、長さ約5㎜、白毛がある。冠毛は褐色~汚白色、長さ7~9㎜。
 オオバナオケラ Atractylodes macrocephala Koidz.
は中国原産、中国名は白术( bai shu)。中部の茎葉は長さ4.5~7㎝、幅1.5~2㎝。葉柄は長さ3~6㎝。総苞は幅3~4㎝。花冠は紫赤色、長さ約1.7㎝。痩果は倒円錐形、長さ約7.5㎜、白毛がある。冠毛は汚白色、長さ約1.7㎝。

オケラ属

  family Asteraceae - genus Atractylodes

 多年草。根茎がある。根茎は1形の不定根をもつ。葉は不分裂~羽状深裂、縁は小刺があるか、先に刺のある歯をもつ。苞葉 bract (最も外側の葉状のものを除いて)はくし状に羽状全裂~羽状深裂する。花托は平ら又は凹面、密に線形の鱗片で覆われる。小花は両性。痩果は倒卵形~卵形、扁平、先は切形。冠毛は1列につく剛毛、羽状、全て1型、基部は輪状に合着する。
 世界に約6種あり、東アジアに分布する。

オケラ属の主な種

1 Atractylodes koreana (Nakai) Kitam.  チョウセンオケラ 朝鮮朮
 朝鮮、中国原産。中国名は朝鲜苍术 chao xian cang shu

2 Atractylodes lancea (Thunb.) DC.  ホソバオケラ 細葉朮
  synonym Atractylodes ovata (Thunb.) DC [YList オケラ]
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は苍术 cang shu 。江戸時代に渡来し、栽培されている。
 根茎は塊状、葉幅が狭く、上部で枝分かれしない。茎は単一か束生、枝分かれしないか又は上部で数個に枝分かれする。葉身は長さ8~12㎝、幅5~8㎝。葉柄は長さ0.5~8㎝。総苞は幅1~1.5㎝。花冠は帯白色~帯黄色。痩果は倒卵形、長さ約5㎜、白毛がある。冠毛は褐色~汚白色、長さ7~9㎜。

【オケラを含む広義のAtractylodes lancea 】
 多年草、高さ (15~)30~100㎝。根茎は太く、水平又は斜上する。茎は単生又は叢生し、不分枝又は先で少数分枝し、ほぼ無毛。葉は±堅い紙質、緑色、両面同色、無毛又は下面にまばらにクモ毛がある。根生葉は花時に枯れる。下部と中部の茎葉は葉柄があるが、下部の茎葉はときにほぼ無柄になる。葉柄は長さ0.5~8㎝。葉身は長さ8~12㎝×幅5~8㎝、分裂せず又はほとんど基部まで3~5(~9) 羽状分裂し、羽片は分裂せず又はときに基部近くで少数の刺のある裂片をもつ。裂片は±狭楕円形~倒披針形~倒卵形、長さ3~9㎝×幅2~6㎝、基部は楔形、先は短い尖鋭形~円形。上部の茎葉は似ているが、小さい。外側の苞葉は少数、葉状。内側の苞葉は多数、1形、減るか、くし状につき、羽状の刺があり、突き出るが、総苞を完全には隠さない。総苞は鐘形、直径1~1.5㎝。総苞片は多数、覆瓦状、縁にクモ毛があり、先は円形~鈍形、外総苞片は卵形、長さ3~6㎜×幅1~3㎜、中総苞片は次第に長くなり、最も内側の総苞片は楕円形~線形、長さ11~12㎜×幅2~4㎜。花冠は白色又は帯黄色、長さ0.9~1.2㎝。痩果は倒卵形長さ約5㎜、白色の毛がある。冠毛は褐色~汚白色、長さ7~9㎜。花期と果期は6~10月。
2-1 Atractylodes lancea (Thunb.) DC. var. chinensis (Bunge) Kitam.  シナオケラ
  synonym Atractylodes chinensis (Bunge) Koidz.
 中国名は北苍术

3 Atractylodes macrocephala Koidz.  オオバナオケラ 大花朮
  synonym Atractylodes ovata auct. non (Thunb.) DC.
 中国原産。中国名は白术 bai shu

4 Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam.  オケラ 朮
  synonym Atractylodes ovata (Thunb.) DC. var. ternata (Kom.) Kom.
  synonym Atractylodes lyrata var. ternata (Kom.) Koidz. 
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は关苍术
 多年草。高さ30~80㎝。短い根茎があり、漢方薬として利用される。茎は細く、木のように堅くなる。葉は互生し、下部の葉は長さ8~11㎝、3~5裂し、縁には刺状の鋸歯がある。根生葉は花時には枯れてない。葉は秋の終りに黄色くなって落ちる。雌雄異株。頭花は直径約2㎝、筒状花だけからなり、やや紅色を帯びた白色、まれにピンク色もある。雄株は雄花、雌株は両性花であり、花冠の先は5裂する。総苞は長さ10~12㎜の鐘形。総苞片は7~8列。魚の骨のような特徴ある形をした総苞外片が、2列に総苞を包む。総苞外片を苞葉と解説している図鑑もある(2列の総苞外片は外苞葉 outer bract と内苞葉 inner bractといい、その内側に総苞があり、総苞片が多数ある )。痩果は長さ5~6㎜の円柱形、白毛が密生し、冠毛がある。冠毛は枝分かれして羽毛状、帯褐色、基部が合着し、長さ8~9㎜。花期は9~10月。
※Flora of ChinaやGRINでは広義にとらえ、Atractylodes lancea(ホソバオケラの学名)にAtractylodes japonicaを含めている。

参考

1) Flora of China
 Atractylodes
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=103101
2)GRIN
  Atractylodes
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=5978
3) Plants of the World Online | Kew Science
  Atractylodes
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:7797-1