オケラ 朮
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae オケラ属
別 名 | ウケラ(古名) |
中国名 | 关苍术 guan cang shu |
英 名 | southern tsangshu |
学 名 |
Atractylodes ovata (Thunb.) DC. 狭義 synonym AAtractylodes lancea (Thunb.) DC. 広義 synonym Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam. 狭義 |
花 期 | 9~10月 |
高 さ | 30~80㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 日当たりの良い山野 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア |
撮 影 | 新城市 15.9.28 |
多年草、高さ30~80cm。根茎は横に這い、節があり太く短く、芳香がある。茎は直立し、木のように堅く、単生または数本の茎が叢生し、不分枝または上部で分枝し、すべての茎や枝は無毛。基部の茎葉は花時に枯れて脱落する。葉は不分裂またはしばしば3~5裂し、長さは5~11㎝。中部および下部の茎葉は3~5羽状全裂、または最上部と最下部の葉は分裂しないものが混じり、側裂片は1~2対、楕円形~倒卵形~長倒卵形~倒披針形、長さ3~7㎝×幅2~4㎝、先は鋭形~短い尖鋭形~円形。頂裂片は側裂片より大きいかまたははるかに大きくあるいは同長で、楕円形~長楕円形~倒卵形、長さ4~9㎝×幅2~6㎝。すべての葉は薄く、紙質、両面が同色で、緑色、無毛、縁または裂片の縁に針状の縁毛または刺のある小さな歯があり、中部および下部の茎葉には長さ5~8㎝の葉柄がある。雌雄異株。頭花は茎頂や枝先に頂生し、直径2~2.5㎝、基部に苞葉が2列つく(外苞葉 outer bract と内苞葉 inner bract)。苞葉は長さ1.5~3㎝、針刺状に羽状全裂する(魚の骨状)。総苞は鐘形、直径10~15㎜。総苞片は7~8列、最外と外側の総苞片は三角状卵形または楕円形、長さ3~5mm。中部の総苞片は楕円形、長さ6~8㎜。内側の総苞片は長楕円形、長さ10~12㎜。すべての総苞片の上部は鈍形、縁には蜘蛛毛があり、内側の総苞片の上部は紫赤色になる。小花は約10~20個つき、筒状、長さ1.2㎝、白色~淡紅紫色または黄色、花冠の先は5深裂し、雌しべ(花柱)の先端は膨らみ、膨らみの基部に集粉毛がある。雌株の雌の小花は花柱の先が2裂し、反り返り、雄しべは欠く。雄株の小花は花柱の先が閉じたままで、伸びるときに集粉毛により葯筒から花粉を押し出す。痩果は倒卵形、長さ5~6㎜、密に白色の長い直毛(柔毛)で覆われる。冠毛は剛毛、淡黄色~褐色(帯褐色)、羽毛状、長さ8~9㎜、基部で合着して輪になる。花期は8~10月。果期は9~10月。タイプ標本は日本で採取された
ホソバオケラ Atractylodes lancea (Thunb.) DC 狭義は中国原産であり、江戸時代に渡来し、栽培されている。中国名は苍术(cang shu)という。根茎は塊状、葉幅が狭く、上部で枝分かれしない。茎は単一か束生、枝分かれしないか又は上部で数個に枝分かれする。葉身は長さ8~12㎝、幅5~8㎝。葉柄は長さ0.5~8㎝。総苞は幅1~1.5㎝。花冠は帯白色~帯黄色。痩果は倒卵形、長さ約5㎜、白毛がある。冠毛は褐色~汚白色、長さ7~9㎜。
オオバナオケラ Atractylodes macrocephala Koidz.は中国原産、中国名は白术(bai shu)。中部の茎葉は長さ4.5~7㎝、幅1.5~2㎝。葉柄は長さ3~6㎝。総苞は幅3~4㎝。花冠は紫赤色、長さ約1.7㎝。痩果は倒円錐形、長さ約7.5㎜、白毛がある。冠毛は汚白色、長さ約1.7㎝。
オケラ属
family Asteraceae - genus Atractylodes多年草、雌雄異株、地下に塊状の根茎がある。葉は互生し、不分裂~羽状深裂、縁に小刺または縁毛があり、または三角形の刺歯がある。頭花は同形、同一の小花をもち、茎や枝先に単生し、明らかな花序状にはならない。全ての頭花は雌しべと雄しべが発達した両性花、または全て両性花、あるいは全てが雌花で、雄しべは退化し発達しない。花托は平ら又は凹面、密に線形の鱗片で覆われる。小花は筒状、白色、黄色または紫赤色で、先は5深裂する。苞葉(bract)はほぼ2列、羽状全裂、深裂、または中裂。総苞は鐘形、広鐘形または円筒形。総苞片は多列、覆瓦状につき、全縁、ただし普通、縁毛があり、先は鈍形または円形。花托は平ら、密に鱗片がある。花糸は無毛、離生、葯は基部の付属体が矢尻形。花柱の枝は短く、三角形、外側に短柔毛(集粉毛)がある。痩果は倒卵形または卵形、扁平、先は切形、縁は無く、面に密に前向きに伏した長い直毛があり、基部に付着面があり、平ら。 冠毛は1列、羽状で、基部で合着し輪になる。
世界に4種あり、東アジアに分布する。
タイプ種(Type species)はAtractylodes lancea (Thunb.) DC.
学名は4種にまとめられているが、薬用に使われ、成分が問題となるため、現在でも6種の分類が使われている。一部の学名に混乱があり、Atractylodes ovataをオオバナオケラとしていることがよくある。オオバナオケラはAtractylodes macrocephalaである。Atractylodes ovataはAtractylodes japonicaと同義語とされている。日本のオケラはAtractylodes japonicaとされていたがYListではAtractylodes ovataを採用している。KewscienceやFlora of ChinaではAtractylodes lancea(ホソバオケラ)を広義にとらえ、Atractylodes japonica(Atractylodes ovata)を含めている。またシナオケラも同義語とされている。
オケラ属は鄂西苍术、オケラ(关苍术)、ホソバオケラ(苍术)、シナオケラ(北苍术)、チョウセンオケラ(朝鲜苍术)、オオバナオケラ(白术)の6種である。根茎が漢方薬に使用され、広く栽培され、生薬名は白朮(ビャクジュツ)と蒼朮(ソウジュツ)である。白朮はオオバナオケラやオケラの根茎を乾燥したものであり、蒼朮はホソバオケラ、シナオケラの根茎を乾燥したものである。精油含量の高いものは保存した根茎に白色の針状結晶が出るといわれる。く
オケラ属の主な種
1 Atractylodes carlinoides (Hand.-Mazz. ) Kitam.中国(湖北省西部Zigui郡)原産。中国名は鄂西苍术 e xi cang shu。斜面に生える。
多年草。高さ30~50cm。根茎は水平。茎は単生、通常赤紫色、枝分かれしない。葉は紙質、緑色、両面は同色、無毛。根生葉はロゼットをつくり、葉柄がある、葉身は楕円形~倒披針形、長さ15~21×幅3~4cm、羽状浅裂または羽状中裂、裂片は三角形、側裂片は6~9対。頂裂片は最も大きい。茎葉は数個つき、無柄、楕円~披針形、長さ5~12㎝×幅1~3㎝、羽状浅裂または羽状深裂、先端には長い棘がある。苞葉は羽状深裂。頭花は1または2個。総苞は鐘形、直径2.5~3㎝。 総苞片は少なく、覆瓦状。外側の総苞片は±狭楕円形、長さ7~11㎜×幅3~4㎜。中部の総苞片は徐々に長くなる。最も内側の総苞片は線形~広線径、約・長さ21㎜×幅3mm。花冠は黄色、長さ約1.3㎝。痩果は倒卵形、長さ約6㎜。冠毛は白色、長さ7~8mm。花期及び果期は9月。
2 Atractylodes koreana (Nakai) Kitam. チョウセンオケラ 朝鮮朮
朝鮮、中国原産。中国名は朝鲜苍术 chao xian cang shu。生薬名は朝鲜蒼朮(チョウセンソウジュツ)、別名はショソウジュツ、ナンマンオケラ、北鮮蒼朮(ホクセンソウジュツ)。茂み、乾いた斜面に生える。
多年草。高さ25~50㎝。根茎は長く、丈夫。茎は単生または束生、無分岐または先で分岐し、無毛。葉は±厚い紙質、緑色、両面がほぼ同色、無毛、分裂せず、先は尖鋭形~ほぼ鋭形。根生葉と最下部の茎葉は花時に枯れる。下部と中部の茎葉は±狭楕円形~卵状披針形、長さ3.5~10㎝×幅2~4㎝、基部は円形で半抱茎。上部の茎葉は似ているが、小さい。頭花は1個~数個。総苞は鐘形~倒円錐状鐘形、直径約1㎝。総苞片は覆瓦状、外面は無毛、先は鈍形~円形。外総苞片は卵形、長さ2~4㎜×幅1~2㎜。中間の総苞片は次第に長くなる。最も内側の総苞片は±狭倒披針形、約・長さ11㎜×幅4mm。花冠は白色、長さ約8mm。痩果は倒卵形、長さ約4㎜。冠毛は褐色、長さ6~7mm。花期および果期は7~8月。
3 Atractylodes lancea (Thunb.) DC. オケラ 朮 (ホソバオケラ 細葉朮)広義
synonym Atractylodes chinensis (Bunge) Koidz. [YList シナオケラ]synonym Atractylodes lancea var. chinensis (Bunge) Kitam. [YList シナオケラ]
synonym Atractylodes ovata (Thunb.) DC. [YList オケラ]synonym Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam. オケラ
日本、韓国、中国、ロシア、ベトナム原産。中国名は苍术 cang shu 。草原、森林、茂み、岩の裂け目に生える。中国で広く栽培されている。
多年草、高さ (15~)30~100㎝。根茎は太く、水平又は斜上する。茎は単生又は叢生し、不分枝又は先で少数分枝し、ほぼ無毛。葉は±堅い紙質、緑色、両面同色、無毛又は下面にまばらにクモ毛がある。根生葉は花時に枯れる。下部と中部の茎葉は葉柄があるが、下部の茎葉はときにほぼ無柄になる。葉柄は長さ0.5~8㎝。葉身は長さ8~12㎝×幅5~8㎝、分裂せずまたはほとんど基部まで3~5(~9)羽状分裂し、羽片は分裂せず又はときに基部近くで少数の刺のある裂片をもつ。裂片は±狭楕円形~倒披針形~倒卵形、長さ3~9㎝×幅2~6㎝、基部は楔形、先は短い尖鋭形~円形。上部の茎葉は似ているが、小さい。外側の苞葉は少数、葉状。内側の苞葉は多数、1形、小さくなるかまたはくし状につき、羽状の刺があり、突き出るが、総苞を完全には隠さない。総苞は鐘形、直径1~1.5㎝。総苞片は多数、覆瓦状、縁にクモ毛があり、先は円形~鈍形、外総苞片は卵形、長さ3~6㎜×幅1~3㎜、中総苞片は次第に長くなり、最も内側の総苞片は楕円形~線形、長さ11~12㎜×幅2~4㎜。花冠は白色又は帯黄色、長さ0.9~1.2㎝。痩果は倒卵形長さ約5㎜、白色の毛がある。冠毛は褐色~汚白色、長さ7~9㎜。花期および果期は6~10月(Flora of China)。
日本のオケラはAtractylodes japonicaまたはAtractylodes ovataと分類されていたが、現在では広義にAtractylodes lancea (Thunb.) DC.(ホソバオケラ)に含められる。YListでは現在もAtractylodes ovataとして分類している。
(1) Atractylodes ovata (Thunb.) DC. オケラ 朮
synonym Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam.
synonym Atractylodes ovata (Thunb.) DC. var. ternata (Kom.) Kom.
synonym Atractylodes lyrata var. ternata (Kom.) Koidz.
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国(黒竜江省、吉林省、遼寧省)、ロシア原産。中国名は关苍术 guan cang shu。根茎が漢方薬として利用される。生薬名は白朮(ビャクジュツ)または和白朮(ワビャクジュツ)、別名は関蒼朮(カンソウジュツ)、韓蒼朮(カンソウジュツ)、和蒼朮(ワソウジュツ)。丘の中腹、森林、茂みに生える。
多年草、高さ30~80cm。根茎は横に這い、節があり太く短く、芳香がある。茎は直立し、木のように堅く、単生または数本の茎が叢生し、不分枝または上部で分枝し、すべての茎や枝は無毛。基部の茎葉は花時に枯れて脱落する。葉は不分裂またはしばしば3~5裂し、長さは5~11㎝。中部および下部の茎葉は3~5羽状全裂、または最上部と最下部の葉は分裂しないものが混じり、側裂片は1~2対、楕円形~倒卵形~長倒卵形~倒披針形、長さ3~7㎝×幅2~4㎝、先は鋭形~短い尖鋭形~円形。頂裂片は側裂片より大きいかまたははるかに大きくあるいは同長で、楕円形~長楕円形~倒卵形、長さ4~9㎝×幅2~6㎝。すべての葉は薄く、紙質、両面が同色で、緑色、無毛、縁または裂片の縁に針状の縁毛または刺のある小さな歯があり、中部および下部の茎葉には長さ5~8㎝の葉柄がある。雌雄異株。頭花は茎頂や枝先に頂生し、直径2~2.5㎝、基部に苞葉が2列つく(外苞葉 outer bract と内苞葉 inner bract)。苞葉は長さ1.5~3㎝、針刺状に羽状全裂する(魚の骨状)。総苞は鐘形、直径10~15㎜。総苞片は7~8列、最外と外側の総苞片は三角状卵形または楕円形、長さ3~5mm。中部の総苞片は楕円形、長さ6~8㎜。内側の総苞片は長楕円形、長さ10~12㎜。すべての総苞片の上部は鈍形、縁には蜘蛛毛があり、内側の総苞片の上部は紫赤色になる。小花は約10~20個つき、筒状、長さ1.2㎝、白色~淡紅紫色または黄色、花冠の先は5深裂し、雌しべ(花柱)の先端は膨らみ、膨らみの基部に集粉毛がある。雌株の雌の小花は花柱の先が2裂し、反り返り、雄しべは欠く。雄株の小花は花柱の先が閉じたままで、伸びるときに集粉毛により葯筒から花粉を押し出す。痩果は倒卵形、長さ5~6㎜、密に白色の長い直毛(柔毛)で覆われる。冠毛は剛毛、淡黄色~褐色(帯褐色)、羽毛状、長さ8~9㎜、基部で合着して輪になる。花期は8~10月。果期は9~10月。タイプ標本は日本で採取された(中国植物志など)。
(2) Atractylodes lancea (Thunb.) DC. ホソバオケラ 細葉朮 狭義
synonym Atractylodes chinensis (DC.) Koidz. シナオケラ
北朝鮮、中国(江蘇省、浙江省、安徽省、江西省、湖北、河北省、山東省等 黒竜江省、遼寧省、吉林省、内モンゴル自治区、河北省、山西省、甘粛省、陝西省、河南省、江蘇省、浙江省、江西省、安徽省、四川省、湖南省、湖北省など)、ロシア原産。中国名は苍术 cang shu、別名は赤朮、茅朮、南蒼朮、漢蒼朮。山腹の野生の草原、森林、茂み、岩の割れ目などに生える。中国の薬園などで広く栽培されている。日本へは江戸時代に渡来し、佐渡ケ島などで栽培され、古立蒼朮(コダチソウジュツ)、佐渡蒼朮(サドソウジュツ)と呼ばれた。生薬名は蒼朮(ソウジュツ)。
多年草。 根茎は平伏または斜上し、太くて長いか、普通、塊状の不規則な数珠形で、わずかに湾曲し、ときに分岐し、表面は灰褐色、肉質はしっかりしており、断面には橙黄色または茶褐色の油溜まりが多数散在し、長時間露光すると白色の微細な針状結晶が析出し、特有の香りがあり、やや甘味、辛味、苦味があり、同じ太さで同じ長さまたはほぼ同じ長さの多数の不定根がある。茎は直立し、高さ(15~20)30~100㎝、単生または少数の茎が叢生し、普通、下部または中部以下が紫赤色、不分枝または上部で分枝し、まれに下部で分枝し、すべての茎や枝はまばらに蜘蛛毛で覆われるかまたは無毛。基部の葉は花期に脱落し、中部と下部の茎葉は長さ8~12㎝×幅5~8㎝、3~5(7~9)羽状深裂または中裂し、基部は楔形または広楔形、ほぼ無柄で、広がって半抱茎、または漸尖して長さ3.5㎝以下の葉柄になる。頂裂片は側裂片と不等長またはほぼ等長、円形~倒卵形~斜めの卵形~卵形または楕円形で、幅1.5~4.5㎝。側裂片は1~2(3~4)対つき、楕円形~長楕円形または倒卵状長楕円形、幅0.5~2㎝、ときに中部および下部の茎葉は不分裂になり、中部以上または上部の茎葉のみが不分裂で、倒長卵形~倒卵状長楕円形~長楕円形、ときに、基部または基部付近に1~2 対の三角形の刺のある歯または浅裂して刺のある歯がある。またはすべての茎葉は不分裂で、中部の茎葉は倒卵形~長倒卵形~倒披針形~長倒披針形、長さ2.2~9.5㎝×幅1.5~6㎝、基部は楔形で、漸尖して長さ0.5~2.5㎝の歯柄になる。上部の葉の基部には、ときに、刺のある三角形の裂片が1~2対ある。すべての葉は質が硬く、紙質、両面が同色の緑色、無毛、縁や裂片に針状の縁毛または三角形で刺または重刺がある。頭花は茎枝に頂生、単生するが、明らかな花序状にならず、多数または少数 (2~5 個)の頭花がつく。総苞は鐘形、直径1~1.5㎝。苞葉は針状に羽状全裂または深裂する。総苞片は5~7列(層)、覆瓦状につき、総苞の最外片と外片は卵形~卵状披針形、長さ 3~6㎜、総苞中片は長卵形~長楕円形~卵状長楕円形、長さ6~10㎜、総苞内片は線状長楕円形または線形、長さ11~12㎜。すべての総苞片は頂部が鈍形または円形、縁にまばらな蜘蛛毛があり、中内片または内片の上部がときに、赤紫色になる。小花は白色、長さ9㎜。痩果は倒卵円形、密に白色の伏した長い直毛があり、ときに薄くなる。冠毛は剛毛、褐色または汚白色、長さ7~8㎜、羽毛状、基部は結合して輪になる。花期および果期は6~10月。タイプ標本は日本で採取された。(中国植物志)
頭花が大きく、小花を含めて長さ20~22㎜、小花は長さ10~11㎜あり、総苞片は8列、外片は頗る短かい。地下茎の横断面には白色の針状結晶が出る(参考5)。
(3) Atractylodes lancea (Thunb.) DC. var. chinensis (Bunge) Kitam. シナオケラ 志那朮
synonym Atractylodes chinensis (Bunge) Koidz.中国(吉林省、遼寧省、河北省、山東省、山西省、陝西省、內蒙古自治区等)原産。中国名は北苍术 bei cang shu、別名は槍頭菜、山刺菜。中国植物志では分類されていない。生薬名は北蒼朮(ホクソウジュツ)、別名は津蒼朮、山蒼朮。
外形は頗るホソバオケラに類似し、区別が困難であるのでホソバオケラの変種とされた。ホソバオケラの野生品と比較(熱河省承徳、興安南省のものと、山西省分水、緩遠省武川の峠等で採集された標品)すると、シナオケラは頭花が小さく、小花を含めて長さ12~16㎜、小花は長さ6~9㎜である。総苞片は7列。地下茎の横断面には白色の針状結晶が出ない(参考5)。 多年草、高さ40~50㎝。根茎は肥大し、節のある円筒形、表面は黒褐色、肉質は緩く、断面に黄褐色の油室が点在し、香りは淡く、味は辛く苦い。茎は単一または上部でわずかに分枝する。葉は互生し、無柄。下葉の葉はさじ形、基部には翼のある葉柄があり基部はくさび形~円形、縁には不連続な刺のある歯牙があり、歯は平らで、革質、平滑。頭花は茎の先に頂生し、基部の苞葉は披針形、縁は長い櫛歯状、頭花よりやや短い。総苞は長い杯形。総苞片は7~8列、微毛がある。花は筒状、花冠は白色。痩果は長く、密に銀白色の柔毛があり、冠毛は羽状。花期は7~8月。果期は8~10月(百度百科)。
4 Atractylodes macrocephala Koidz. オオバナオケラ 大花朮
synonym Atractylodes ovata auct. non (Thunb.) DC.
synonym Atractylis macrocephala (Koidzumi) Nemoto
synonym Atractylodes macrocephala var. hunanensis Y. Ling.
中国原産。中国名は白术 bai shu。生薬名は白朮(ビャクジュツ)、別名は唐白朮(トウビャクジュツ)。中国で広く栽培され、根茎が薬用に使われ、特有の芳香がある。草原、森林に生える。頭花がオケラより大きく、花冠は濃赤紫色。
多年草。高さ20~60㎝。根茎は太い。茎は基部から分枝し、無毛。葉は紙質、無毛。中部の茎葉は有柄、葉柄は長さ3~6㎝。葉身はほぼ基部まで3~5片に分裂し、側裂片は全縁または2深裂し、倒披針形~±狭楕円形、長さ4.5~7㎝×幅1.5~2㎝。頂裂片は最も大きい。上部の茎葉は似ているが、小さい。外側の苞は無柄、楕円形~狭楕円形、縁は全縁。 内側の苞は羽状全裂。頭花は6~10個。総苞は広鐘形、直径3~4㎝。総苞片は多数、覆瓦状、縁には白色の蜘蛛毛があり、先は鈍形。外側の総苞片は卵形~三角形、長さ6~8㎜×幅3~4㎜。最も内側の総苞片は披針形~広線形、長さ11~20mm×幅2~3㎜。花冠は紫赤色、長さ約1.7㎝。痩果は倒円錐形、長さ約7.5㎜、白色の毛がある。冠毛は汚白色、長さ約1.7㎝。花期および果期は8~10月。2n=24。
检索表(中国植物志)
1 葉は分裂しない................................................................................................(2)
1' 葉は羽状中裂または浅裂して側裂片が多数(6~9対)、または頭大羽状深裂または中裂して側裂片が1~2(3~4)対、または3~5羽状全裂................(3)
2 葉は普通、披針形または卵状披針形、ときに、卵形または楕円形、質は厚く、紙質または厚紙質、葉の下部または中央部分が最も広い
2' 葉は倒卵形~長倒卵形~倒披針形~長倒披針形、質は硬く、硬い紙質、葉の上部または中央部分で最も幅が広い
3 葉は羽状中裂~浅裂、または頭大羽状深裂~中裂....................................(4)
3' 葉は3~5羽状全裂............................................................................................(5)
4 葉は羽状中裂~浅裂、側裂片は三角形
4' 葉は頭大羽状深裂~中裂、側裂片は楕円形~長楕円形~倒卵状長楕円形
5 頭花は大きく、総苞は直径3~4㎝、小花は赤紫色
5' 頭花は小さく、総苞は直径1~1.5㎝、小花は黄色~白色
参考
1) Flora of ChinaAtractylodes
Atractylodes
Atractylodes
オオバナオケラ
北村四郎:支那産 菊科植物考(其二)
Atractylodes DC
苍术属药用植物的研究