ノビネチドリ 延根千鳥
Flora of Mikawa
ラン科 Orchidaceae ノビネチドリ属
学 名 |
Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski synonym Galearis camtschatica (Cham.) X.H.Jin, Schuit. & W.T.Jin synonym Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudo |
花 期 | 5~7月 |
高 さ | 30~60㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山野内 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、ロシア |
撮 影 | 稲武町 03.5.24 |
川の中の砂地に咲いていたものであり、翌年には見られなくなった。和名の由来は根が横に延びることから。
多年草、高さ30~60㎝。根はあまり肥厚せず長さ10㎝×太さ0.8㎝・以下、掌状(手形状)にならず、多数の細い紐状の根と少数のやや肥厚した円柱状の根がある。ひも状に伸びるため、延根とよばれる。葉は茎の下部に互生し、5~10枚つき、長さ7~15㎝×幅9㎝以下、広楕円形~楕円形~狭長楕円形、3(~5)脈が目立ち、葉面には縦に折り目があり、葉の基部は茎を抱き、縁が波状に縮れ、先は鈍形~鋭形。花の苞は狭三角状披針形、先は尖鋭形、上部の苞は短い。総状花序は長さ17㎝×幅4㎝・以下、花が密に多数つく。花は淡紅紫色、直径約5㎜。背萼片は長円状卵形、長さ7㎜×幅3㎜以下。側萼片は2個、長さ約5(~6)mm、側花弁より大きい。唇弁はくさび状広卵形、長さ7㎜以下、先はごく浅く3裂し、側裂片が中裂片より長く、先が尖り、内曲する。距は長さ約2(~5)㎜×幅0.5㎜以下、前に曲がる。蒴果は長さ1.6㎝以下。2n=40 , 36~38(Sokolovskaya、1960)。花期は5~7月
学名はYListおよびWorld Flora Onlineではノビネチドリ属、Kewscienceではカモメラン属とされている。
地上生の多年草。根は先端がひも状に伸長し、一部が肥厚する。茎は直立し、全体に多数の葉をつける。葉は楕円形~狭長楕円形、縁は波状に縮れる。花序は総状花序、頂生し、花を多数つける。花は小型で淡紅紫色。背萼片と側花弁によりずい柱をとり囲む。唇弁はくさび状広卵形、先端は浅く3裂する。距は短く、前方に湾曲する。粘着体は裸出する。柱頭は左右に分裂する。
世界に1種ノビネチドだけ、日本、朝鮮半島、サハリン、カムチャツカ半島に分布する。
synonym Galearis camtschatica (Cham.) X.H.Jin, Schuit. & W.T.Jin
synonym Orchis camtschatica Cham.
synonym Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudô
synonym Platanthera camtschatica (Cham.) Makino
日本(北海道、本州の東北地上・関東地方・中部地方、四国。九州)朝鮮、ロシア原産。林内、林縁に生える。
多年草、高さ30~60㎝。根はあまり肥厚せず長さ10㎝×太さ0.8㎝・以下、掌状(手形状)にならず、多数の細い紐状の根と少数のやや肥厚した円柱状の根がある。ひも状に伸びるため、延根とよばれる。葉は茎の下部に互生し、5~10枚つき、長さ7~15㎝×幅9㎝以下、広楕円形~楕円形~狭長楕円形、3(~5)脈が目立ち、葉面には縦に折り目があり、葉の基部は茎を抱き、縁が波状に縮れ、先は鈍形~鋭形。花の苞は狭三角状披針形、先は尖鋭形、上部の苞は短い。総状花序は長さ17㎝×幅4㎝・以下、花が密に多数つく。花は淡紅紫色、直径約5㎜。背萼片は長円状卵形、長さ7㎜×幅3㎜以下。側萼片は2個、長さ約5(~6)mm、側花弁より大きい。唇弁はくさび状広卵形、長さ7㎜以下、先はごく浅く3裂し、側裂片が中裂片より長く、先が尖り、内曲する。距は長さ約2(~5)㎜×幅0.5㎜以下、前に曲がる。蒴果は長さ1.6㎝以下。2n=40 , 36~38(Sokolovskaya、1960)。花期は5~7月
1-1 Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski f. leucantha Toyok. シロバナノビネチドリ
白花品種。
多年草、地上生、小型~中型。根茎は這い、普通は短い。根はひげ根~肉質。茎は直立し、円柱形、基部の近くに筒状の鞘がある。葉は根生葉または茎葉、1~2枚つき、互生、まれにほぼ対生、基部は狭くなり、抱茎の鞘になる。花序は直立し、頂生、総状花序、緩く、花が1個~数個つき、無毛。花の苞は目立ち、披針形~卵形、葉状。花は逆さまになり(resupinate)、偏側生または偏側生でなく、華やかで、小型~中型。子房は捻じれ、小花柄があり、無毛。萼片は離生、無毛。背萼片は直立し、しばしば凹面状。側萼片と花弁は普通、背萼片と輻合し、フードを形成する。唇弁は単純または不明瞭に3裂し、基部に距があり、またはまれに距が無い。ずい柱は丈夫。葯は直立し、基部はずい柱の先にしっかりとつき、2個の平行または散開した葯室がある。花粉塊は2個、顆粒状粉状(granular-farinaceous)、小塊があり(sectile)、それぞれが細い花粉塊柄(caudicle)によって粘着体(viscidium)につく。それぞれの粘着体は粘着性のある球体に包まれ、、両方の球体は嘴状体(rostellum)の腕の折り畳みによって形成された通常の嚢(bursicle)に包まれる。柱頭の裂片は合流し、凹面状、嘴状体の下にある。嘴状体はわずかに突き出し、2本の腕がある。ずい柱の両側に耳が2個あり、耳は翼状。蒴果は直立する。
世界に約10種あり、主に北温帯に分布し、亜熱帯アジアと北アメリカの高山地域に広がる。
日本(北海道、本州の中国地方以北、四国)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は卵唇盔花兰 luan chun kui hua lan。別名はカモメソウ、イチヨウチドリ。林内、低木の茂み(scrub)に生える。
多年草、高さ9~19㎝。根茎は肉質。茎は細く、基部に1~2個の筒状の膜質の鞘があり、葉は1枚つく。葉は緑色、広楕円形、広卵形、またはほぼ円形、長さ5~9㎝×幅2.5~5㎝、質が厚く、基部は急に狭まり2つ折りの鞘になり、先は鈍形または鈍状円形。花序は長さ5~12㎝、細く、直径約1㎜。花序軸は花茎の先で枝分かれし、花が(1~)2個つく。花の苞はほぼ対生し、長円状披針形~狭卵形、長さ1~2.5㎝、先は鈍形~ほぼ鋭形。花は広がり、ピンク色、比較的大きい。子房は円筒形、小花柄を含んで長さ9~13㎜、細い。背萼片は直立し、ピンク色で、広披針形~長円状卵形、凹面状、長さ6~9㎜×幅3~4㎜、3脈があり、先は尖鋭形。側萼片は広がり、ピンク色、卵状披針形、斜め、長さ7~10㎜×幅2.5~3㎜、3脈があり、先は尖鋭形。花弁は直立し、背萼片とともにフードを形成し、淡ピンク色~白色、狭長円形~線状披針形、長さ6~9㎜×幅1.2~2㎜、1脈があり、先はほぼ鈍形。唇弁は広がり、単純、卵状円形、長さ7~10㎜×幅4~6㎜、花弁より長く、基部は狭まり、爪部になり、距があり、縁は不規則な波状歯があり、先は鈍状円形。ディスクは淡ピンク色、紫色の斑点、パピラがある。距は垂れ下がり、わずかに前に曲がり、線状円筒形、細く、長さ6~9㎜、子房とほぼ同長で、基部に向かって漸尖し、先はほぼ鋭形。花期は5~6月、果期は7~8月。2n=42。
2 Galearis fauriei (Finet) P.F.Hunt オノエラン 尾上蘭
日本固有種。本州中北部および紀伊半島に分布する。山地から亜高山の岩場や草地、湿地の比較的日当たりのよい乾燥した場所に生える。和名は山の尾根筋に生えることから。
多年草。茎は高さ10~15㎝。根はあまり肥厚せず、ひも状。全体無毛。茎の基部に、葉が2(3)枚、やや対生状につく。葉は無柄、長さ6~10㎝×幅1.5~4㎝、長楕円形、光沢があり、基部は鞘となり茎を抱く。頂生の総状花序にやや密に花を普通、3~6個、偏側生につける。花は白色、直径約1㎝、やや釣鐘状に開く。萼片および花弁は長さ8~10mm。唇弁はくさび形、全縁またはわずかに3裂し、基部に濁黄色のW字形の斑紋があり、W字の奥は薄い黄色。距は短く、長さ3~4mm。葯隔は広い。花粉塊の粘着体は裸出する。花期は6~8月。
3 Galearis camtschatica (Cham.) X.H.Jin, Schuit. & W.T.Jin ノビネチドリ 延根千鳥
synonym Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski
synonym Orchis camtschatica Cham.
synonym Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudô
synonym Platanthera camtschatica (Cham.) Makino
日本(北海道、本州の東北地上・関東地方・中部地方、四国。九州)朝鮮、ロシア原産。林内、林縁に生える。
多年草、高さ30~60㎝。根はあまり肥厚せず長さ10㎝×太さ0.8㎝・以下、掌状(手形状)にならず、多数の細い紐状の根と少数のやや肥厚した円柱状の根がある。ひも状に伸びるため、延根とよばれる。葉は茎の下部に互生し、5~10枚つき、長さ7~15㎝×幅9㎝以下、広楕円形~楕円形~狭長楕円形、3(~5)脈が目立ち、葉面には縦に折り目があり、葉の基部は茎を抱き、縁が波状に縮れ、先は鈍形~鋭形。花の苞は狭三角状披針形、先は尖鋭形、上部の苞は短い。総状花序は長さ17㎝×幅4㎝・以下、花が密に多数つく。花は淡紅紫色、直径約5㎜。背萼片は長円状卵形、長さ7㎜×幅3㎜以下。側萼片は2個、長さ約5(~6)mm、側花弁より大きい。唇弁はくさび状広卵形、長さ7㎜以下、先はごく浅く3裂し、側裂片が中裂片より長く、先が尖り、内曲する。距は長さ約2(~5)㎜×幅0.5㎜以下、前に曲がる。蒴果は長さ1.6㎝以下。2n=40 , 36~38(Sokolovskaya、1960)。花期は5~7月
3-1 Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski f. leucantha Toyok. シロバナノビネチドリ
白花品種。
Galearis
Galearis
Neolindleya
Neolindleya camtschatica (Cham. & Schltdl.) Nevski
Galearis
多年草、高さ30~60㎝。根はあまり肥厚せず長さ10㎝×太さ0.8㎝・以下、掌状(手形状)にならず、多数の細い紐状の根と少数のやや肥厚した円柱状の根がある。ひも状に伸びるため、延根とよばれる。葉は茎の下部に互生し、5~10枚つき、長さ7~15㎝×幅9㎝以下、広楕円形~楕円形~狭長楕円形、3(~5)脈が目立ち、葉面には縦に折り目があり、葉の基部は茎を抱き、縁が波状に縮れ、先は鈍形~鋭形。花の苞は狭三角状披針形、先は尖鋭形、上部の苞は短い。総状花序は長さ17㎝×幅4㎝・以下、花が密に多数つく。花は淡紅紫色、直径約5㎜。背萼片は長円状卵形、長さ7㎜×幅3㎜以下。側萼片は2個、長さ約5(~6)mm、側花弁より大きい。唇弁はくさび状広卵形、長さ7㎜以下、先はごく浅く3裂し、側裂片が中裂片より長く、先が尖り、内曲する。距は長さ約2(~5)㎜×幅0.5㎜以下、前に曲がる。蒴果は長さ1.6㎝以下。2n=40 , 36~38(Sokolovskaya、1960)。花期は5~7月
学名はYListおよびWorld Flora Onlineではノビネチドリ属、Kewscienceではカモメラン属とされている。
ノビネチドリ属
family Orchidaceae - genus Neolindleya地上生の多年草。根は先端がひも状に伸長し、一部が肥厚する。茎は直立し、全体に多数の葉をつける。葉は楕円形~狭長楕円形、縁は波状に縮れる。花序は総状花序、頂生し、花を多数つける。花は小型で淡紅紫色。背萼片と側花弁によりずい柱をとり囲む。唇弁はくさび状広卵形、先端は浅く3裂する。距は短く、前方に湾曲する。粘着体は裸出する。柱頭は左右に分裂する。
世界に1種ノビネチドだけ、日本、朝鮮半島、サハリン、カムチャツカ半島に分布する。
ノビネチドリ属の主な種と園芸品種
1 Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski 延根千鳥synonym Galearis camtschatica (Cham.) X.H.Jin, Schuit. & W.T.Jin
synonym Orchis camtschatica Cham.
synonym Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudô
synonym Platanthera camtschatica (Cham.) Makino
日本(北海道、本州の東北地上・関東地方・中部地方、四国。九州)朝鮮、ロシア原産。林内、林縁に生える。
多年草、高さ30~60㎝。根はあまり肥厚せず長さ10㎝×太さ0.8㎝・以下、掌状(手形状)にならず、多数の細い紐状の根と少数のやや肥厚した円柱状の根がある。ひも状に伸びるため、延根とよばれる。葉は茎の下部に互生し、5~10枚つき、長さ7~15㎝×幅9㎝以下、広楕円形~楕円形~狭長楕円形、3(~5)脈が目立ち、葉面には縦に折り目があり、葉の基部は茎を抱き、縁が波状に縮れ、先は鈍形~鋭形。花の苞は狭三角状披針形、先は尖鋭形、上部の苞は短い。総状花序は長さ17㎝×幅4㎝・以下、花が密に多数つく。花は淡紅紫色、直径約5㎜。背萼片は長円状卵形、長さ7㎜×幅3㎜以下。側萼片は2個、長さ約5(~6)mm、側花弁より大きい。唇弁はくさび状広卵形、長さ7㎜以下、先はごく浅く3裂し、側裂片が中裂片より長く、先が尖り、内曲する。距は長さ約2(~5)㎜×幅0.5㎜以下、前に曲がる。蒴果は長さ1.6㎝以下。2n=40 , 36~38(Sokolovskaya、1960)。花期は5~7月
1-1 Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski f. leucantha Toyok. シロバナノビネチドリ
白花品種。
カモメラン属
family Orchidaceae - genus Galearis多年草、地上生、小型~中型。根茎は這い、普通は短い。根はひげ根~肉質。茎は直立し、円柱形、基部の近くに筒状の鞘がある。葉は根生葉または茎葉、1~2枚つき、互生、まれにほぼ対生、基部は狭くなり、抱茎の鞘になる。花序は直立し、頂生、総状花序、緩く、花が1個~数個つき、無毛。花の苞は目立ち、披針形~卵形、葉状。花は逆さまになり(resupinate)、偏側生または偏側生でなく、華やかで、小型~中型。子房は捻じれ、小花柄があり、無毛。萼片は離生、無毛。背萼片は直立し、しばしば凹面状。側萼片と花弁は普通、背萼片と輻合し、フードを形成する。唇弁は単純または不明瞭に3裂し、基部に距があり、またはまれに距が無い。ずい柱は丈夫。葯は直立し、基部はずい柱の先にしっかりとつき、2個の平行または散開した葯室がある。花粉塊は2個、顆粒状粉状(granular-farinaceous)、小塊があり(sectile)、それぞれが細い花粉塊柄(caudicle)によって粘着体(viscidium)につく。それぞれの粘着体は粘着性のある球体に包まれ、、両方の球体は嘴状体(rostellum)の腕の折り畳みによって形成された通常の嚢(bursicle)に包まれる。柱頭の裂片は合流し、凹面状、嘴状体の下にある。嘴状体はわずかに突き出し、2本の腕がある。ずい柱の両側に耳が2個あり、耳は翼状。蒴果は直立する。
世界に約10種あり、主に北温帯に分布し、亜熱帯アジアと北アメリカの高山地域に広がる。
カモメラン属の主な種と園芸品種
1 Galearis cyclochila (Franch. et Sav.) Soó カモメラン 鴎蘭日本(北海道、本州の中国地方以北、四国)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は卵唇盔花兰 luan chun kui hua lan。別名はカモメソウ、イチヨウチドリ。林内、低木の茂み(scrub)に生える。
多年草、高さ9~19㎝。根茎は肉質。茎は細く、基部に1~2個の筒状の膜質の鞘があり、葉は1枚つく。葉は緑色、広楕円形、広卵形、またはほぼ円形、長さ5~9㎝×幅2.5~5㎝、質が厚く、基部は急に狭まり2つ折りの鞘になり、先は鈍形または鈍状円形。花序は長さ5~12㎝、細く、直径約1㎜。花序軸は花茎の先で枝分かれし、花が(1~)2個つく。花の苞はほぼ対生し、長円状披針形~狭卵形、長さ1~2.5㎝、先は鈍形~ほぼ鋭形。花は広がり、ピンク色、比較的大きい。子房は円筒形、小花柄を含んで長さ9~13㎜、細い。背萼片は直立し、ピンク色で、広披針形~長円状卵形、凹面状、長さ6~9㎜×幅3~4㎜、3脈があり、先は尖鋭形。側萼片は広がり、ピンク色、卵状披針形、斜め、長さ7~10㎜×幅2.5~3㎜、3脈があり、先は尖鋭形。花弁は直立し、背萼片とともにフードを形成し、淡ピンク色~白色、狭長円形~線状披針形、長さ6~9㎜×幅1.2~2㎜、1脈があり、先はほぼ鈍形。唇弁は広がり、単純、卵状円形、長さ7~10㎜×幅4~6㎜、花弁より長く、基部は狭まり、爪部になり、距があり、縁は不規則な波状歯があり、先は鈍状円形。ディスクは淡ピンク色、紫色の斑点、パピラがある。距は垂れ下がり、わずかに前に曲がり、線状円筒形、細く、長さ6~9㎜、子房とほぼ同長で、基部に向かって漸尖し、先はほぼ鋭形。花期は5~6月、果期は7~8月。2n=42。
2 Galearis fauriei (Finet) P.F.Hunt オノエラン 尾上蘭
日本固有種。本州中北部および紀伊半島に分布する。山地から亜高山の岩場や草地、湿地の比較的日当たりのよい乾燥した場所に生える。和名は山の尾根筋に生えることから。
多年草。茎は高さ10~15㎝。根はあまり肥厚せず、ひも状。全体無毛。茎の基部に、葉が2(3)枚、やや対生状につく。葉は無柄、長さ6~10㎝×幅1.5~4㎝、長楕円形、光沢があり、基部は鞘となり茎を抱く。頂生の総状花序にやや密に花を普通、3~6個、偏側生につける。花は白色、直径約1㎝、やや釣鐘状に開く。萼片および花弁は長さ8~10mm。唇弁はくさび形、全縁またはわずかに3裂し、基部に濁黄色のW字形の斑紋があり、W字の奥は薄い黄色。距は短く、長さ3~4mm。葯隔は広い。花粉塊の粘着体は裸出する。花期は6~8月。
3 Galearis camtschatica (Cham.) X.H.Jin, Schuit. & W.T.Jin ノビネチドリ 延根千鳥
synonym Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski
synonym Orchis camtschatica Cham.
synonym Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudô
synonym Platanthera camtschatica (Cham.) Makino
日本(北海道、本州の東北地上・関東地方・中部地方、四国。九州)朝鮮、ロシア原産。林内、林縁に生える。
多年草、高さ30~60㎝。根はあまり肥厚せず長さ10㎝×太さ0.8㎝・以下、掌状(手形状)にならず、多数の細い紐状の根と少数のやや肥厚した円柱状の根がある。ひも状に伸びるため、延根とよばれる。葉は茎の下部に互生し、5~10枚つき、長さ7~15㎝×幅9㎝以下、広楕円形~楕円形~狭長楕円形、3(~5)脈が目立ち、葉面には縦に折り目があり、葉の基部は茎を抱き、縁が波状に縮れ、先は鈍形~鋭形。花の苞は狭三角状披針形、先は尖鋭形、上部の苞は短い。総状花序は長さ17㎝×幅4㎝・以下、花が密に多数つく。花は淡紅紫色、直径約5㎜。背萼片は長円状卵形、長さ7㎜×幅3㎜以下。側萼片は2個、長さ約5(~6)mm、側花弁より大きい。唇弁はくさび状広卵形、長さ7㎜以下、先はごく浅く3裂し、側裂片が中裂片より長く、先が尖り、内曲する。距は長さ約2(~5)㎜×幅0.5㎜以下、前に曲がる。蒴果は長さ1.6㎝以下。2n=40 , 36~38(Sokolovskaya、1960)。花期は5~7月
3-1 Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski f. leucantha Toyok. シロバナノビネチドリ
白花品種。
参考
1) Flora of ChinaGalearis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=113161
2) Plants of the World Online| KewscienceGalearis
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30128517-2
3) World Flora OnlineNeolindleya
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000025748
Galearis
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000015210
4) Плантариум определитель растений онлайнNeolindleya camtschatica (Cham. & Schltdl.) Nevski
https://www.plantarium.ru/page/view/item/24904.html
5) World Checklist of Vascular PlantsGalearis
https://wcvp.science.kew.org/