ニラバラン 韮葉蘭

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Flora of Mikawa

ラン科 Orchidaceae ニラバラン属

中国名 葱叶兰 cong ye lan
英 名 onion-leaved orchid , common onion-orchid , microtis
学 名 Microtis unifolia (Foorst.) Reichb. fil.
ニラバランの花序
ニラバランの花序2
ニラバランの花3
ニラバランの蕾
ニラバラン
ニラバラン花
ニラバラン花2
ニラバランの花序基部
花 期 5~9月
高 さ 15~30cm
生活型 多年草
生育場所 斜面の草地、湿った日当たりの良い牧草地
分 布 在来種  日本(本州福島県以南、四国、九州、沖縄、南西諸島)、中国、台湾、マレーシア、インドネシア、フィリピン、、ニューカレドニア、オーストラリア、タスマニア、太平洋諸島(ニュージーランド、チャタム諸島、ケルマデック諸島、ソロモン諸島、トゥアモトゥ諸島、バヌアツ)原産
撮 影 田原町 22.5.18
多年草、高さ15~30cm。塊茎は小さく、長さ4~7㎜×幅3~6㎜。葉は直立またはほぼ直立し、長さ16~33㎝×幅0.2~0.3㎝、向軸側(内側)に溝がある。花序は普通、10個以上の花がつき、葉の中間より下の開口部(縦の短い切れ目)から出現し、葉の先の高さより高くなる。花序軸は長さ2.5~5㎝。花苞は狭卵状披針形、長さ1~2㎜。花は緑色または淡緑色。子房および小花柄は合わせて長さ2~3.5㎜。背萼片は凹面状で、フードを形成し、広楕円形、約・長さ2㎜×幅1.5㎜、先は鈍形。側萼片は、ほぼ長円形または狭楕円形、約・長さ1.5×幅0.8mm。花弁は狭長円形、約・長さ1.2㎜×幅0.5㎜、先は鈍形。唇弁は狭楕円状舌形、長さ1.5~2㎜×幅約1.2㎜、わずかに肉質、基部にノッチのあるカルスがある。ずい柱は非常に短い。蒴果は長さ約4㎜×2~2.5㎜。花期および果期は5~9月。2n=44, 88。

ニラバラン属

  family Plantaginaceae - genus Dopatrium

 多年草、地上生、小さい。塊茎はほぼ球形、直径1㎝以下、肉質。根は針金のように硬く、糸状。茎は直立し、細く、節に膜質の低出葉がある。葉は根生し、単生、円筒形、細く、中空、無毛、基部が抱茎、無柄。花序は頂生、総状花序、花は数個~多数つき、葉の開口部から出現する。花苞は小さく、鞘状。花は倒立し、小さい。子房はうねがあり、無毛。小花柄は非常に短い。背萼片は離生、直立し、側萼片に似るが、それよりも大きく、ずい柱を超えて僧帽形になり、側萼片は離生、広がる。花弁は離生、萼片より小さい。唇弁はずい柱の基部につき、普通、内面に基部のカルスがあり、全縁またはときに、先が凹形、距は無い。ずい柱は非常に短く、肉質、先または側部に2翼がある。葯は直立、2室。柱頭は全縁、四稜形。花粉塊(pollinia)は4個、2対につき、顆粒状-粉状((granular-farinaceous))、短い 花粉塊柄(caudicle)と粘着体(viscidium)がある。蒴果は直立する。英名はonion orchid。
 世界に約14種あり、主にオーストラリアとニュージーランドに分布し、1種(ニラバラン)は熱帯および亜熱帯アジアに広がる。

ニラバラン属の主な種と園芸品種

1 Microtis unifolia (G.Forst.) Rchb.f. ニラバラン 韮葉蘭
  synonym Microtis parviflora auct. non R.Br.
  synonym Microtis formosana Schltr. ex Makino et Nemotosynonym
 日本(本州福島県以南、四国、九州、沖縄、南西諸島)、中国、台湾、マレーシア、インドネシア、フィリピン、、ニューカレドニア、オーストラリア、タスマニア、太平洋諸島(ニュージーランド、チャタム諸島、ケルマデック諸島、ソロモン諸島、トゥアモトゥ諸島、バヌアツ)原産。中国名は葱叶兰 cong ye lan。英名はonion-leaved orchid , common onion-orchid , microtis。斜面の草地、湿った日当たりの良い牧草地に生える。
 多年草、高さ15~30cm。塊茎は小さく、長さ4~7㎜×幅3~6㎜。葉は直立またはほぼ直立し、長さ16~33㎝×幅0.2~0.3㎝、向軸側(内側)に溝がある。花序は普通、10個以上の花がつき、葉の中間より下の開口部(縦の短い切れ目)から出現し、葉の先の高さより高くなる。花序軸は長さ2.5~5㎝。花苞は狭卵状披針形、長さ1~2㎜。花は緑色または淡緑色。子房および小花柄は合わせて長さ2~3.5㎜。背萼片は凹面状で、フードを形成し、広楕円形、約・長さ2㎜×幅1.5㎜、先は鈍形。側萼片は、ほぼ長円形または狭楕円形、約・長さ1.5×幅0.8mm。花弁は狭長円形、約・長さ1.2㎜×幅0.5㎜、先は鈍形。唇弁は狭楕円状舌形、長さ1.5~2㎜×幅約1.2㎜、わずかに肉質、基部にノッチのあるカルスがある。ずい柱は非常に短い。蒴果は長さ約4㎜×2~2.5㎜。花期および果期は5~9月。2n=44, 88。

2 Microtis parviflora R.Br.
 インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド原産。英名はslender onion-orchid。
 花茎は高さは20~50㎝、細く~丈夫で、多少、肉質。葉は直立し、長さ20~50㎝、普通、花序を超え、中空、先は尖る。花序のかなり下で鞘が開く。花は10~80個つき、緑色、直立、密な総状花序は普通、長さ3~16㎝。子房は倒卵形~多少、楕円形、長さ3~5mm。小花柄は短く、丈夫または細く、茎からよく開出する。背萼片は卵形~円形、長さ約2㎜mm、フード状になり、先は短い直線状または反り返る。側萼片は線状長円形、背萼片よりわずかに短く、ほとんどが鋭形、後屈し、曲がる。花弁は披針形、背萼片より短く、ほぼ鋭形、背萼片によって多少、隠れる。唇弁は下向きに曲がり、半円形、多少、心形、長さ1~2㎜、縁は全縁または波打ち、先は鈍形または鋭形で短い先端の尖りが下向きに曲がる。薄板(lamellate)は基部にカルスの目立つ対を備え、卵形、ときに、唇弁の下側に膨らむ小さな小袋をわき腹にもち、先のカルスは無いか、または微細なパピラのある区域になる。ずい柱は明瞭な円い翼のような耳をもつ。花期は1~2月(オーストラリア)。

参考

1) Flora of China
 Microtis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=120684
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Microtis
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:29988-1
3) World Flora Online
 Microtis
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000024257;jsessionid=0B87BE86A26BA74E42286DB5B8B56383
4) World Checklist of Vascular Plants
 Microtis
https://wcvp.science.kew.org/
5) PlantNET - FloraOnline
 Microtis unifolia
https://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=gn&name=Microtis
6) Flora of Victoria
 Microtis
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/92e9fdc4-ae26-4508-821d-d31dd4243af0
7) New Zealand Plant Conservation Network
 Microtis unifolia
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/microtis-unifolia/
8) Flora of New Zealand
 Microtis R.Br.
https://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Microtis.html