モモイロタンポポ 桃色蒲公英
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae フタマタタンポポ属
別 名 | センボンタンポポ |
中国名 | 桃色蒲公英 tao se pu gong ying |
英 名 | pink hawk's-beard , red hawksbeard , red hawk's-beard , pink dandelion |
学 名 | Crepis rubra L. |
花 期 | 4~6月 |
高 さ | 4~40㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 園芸種 |
分 布 | 栽培種 地中海地域原産 |
撮 影 | 浜松市 18.5.11 |
タンポポに似ていて、花がピンク色。花茎が分枝する。
1年草、高さ4~40㎝、直根は浅い。茎は1~8本、傾伏~斜上、花茎状、下部で分枝し、毛がほとんど無いか又は細かい毛がある。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある。根出葉の葉身は倒披針形又は逆向き羽状分裂(runcinate)、長さ2~15㎝、幅0.5~3㎝、基部は漸尖、縁は羽状分裂~歯状、先は鋭形、表面には粗毛がある。頭花は1(~2)個、普通、1個、花柄は花茎状。副咢(calyculi)は8~10個、卵状披針形。小苞は無毛、長さ4~8㎜。総苞は円筒状環形、長さ11~15㎜、幅4~7㎜。総苞片は8~14個、内側が暗色、披針形、長さ10~12㎜、縁は帯黄色、先は鋭形、外面はまばら~密に腺毛がある。内面には細かい伏毛がある。小花は40~100個、花冠はピンク色又は白色、長さ16~17㎜。痩果は2形、暗褐色、紡錘形。外側のものは曲がり長さ8~9㎜、粗い嘴がある。内側の痩果は真っすぐ、長さ12~21㎜、細かい嘴があり、10本のうねがあり、鋭い針骨状(spiculate)。冠毛は黄白色~汚白色、長さ5~8㎜。2n=10。花期は4~6月。
多年草、2年草、1年草。根茎又は直根をもつ。茎は有葉又は無葉。葉は羽状又は分裂せず、縁は全縁又は歯状。合成花序は、散房花序状、円錐花序状、総状花序状、まれに単生の頭状花序。頭花は直立し、中型~大型。総苞は円筒形~鐘形。総苞片は数裂、外総苞片は±覆瓦状、中心に向かって次第に長くなり、長いものは内総苞片の長さの1/4~2/3。内総苞片は普通、長さが等しく、線状披針形、外面には短毛及び(又は)腺毛があり、まれに無毛。内面は無毛又は伏した絹毛がある。花托は無毛[まれにパレア又は剛毛がある]。小花は黄色[まれに赤紫色]。痩果は円筒形~紡錘形、10~20個の等長の細かい小刺をもつか又は平滑で無毛のうねがあり、先は明瞭に細くなり、くびれ又は嘴になる。冠毛は白色~淡黄色、柔らかい~硬く、ざらざらし、宿存又は早落性。x = 3, 4, 5, 6, 11.
世界に約200種あり、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカに分布する。
ヨーロッパ、アジア(ジョージア)原産。北アメリカに帰化している。日本でも帰化が観察されている。英名は green crepis , smooth hawksbeard , smooth hawk's-beard。別名はナイトウニガナ。
1年草又は2年草、高さ10~90㎝、直根は浅い。茎は1(~6+)本、直立~平伏し、普通、1本(普通1本の丈夫なリーダーがあり、ときに多数になり、側部のものは細い)、下部又は全体に剛毛がある。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある(葉柄の基部は茎を抱く)。葉身は披針形~倒披針形、逆向き羽状分裂(runcinate)又は 頭大羽状分裂(lyrate)、長さ5~30㎝、幅1~4.5㎝、縁は羽状分裂~鋭い歯状(鉄片は離れ、不等形)、先は鈍形~鋭形、微突形、表面は無毛又はまばらに剛毛がある。毛は黄色、下部の茎葉は耳形で抱茎。頭花は10~15(~30)個、散房花序状につく。副咢(calyculi)は8個、線形、 細かい毛状又は腺毛があり、小苞は長さ2~4㎜。総苞は円筒形~こま形、長さ5~8㎜、幅3~6㎜。総苞片は8~16個、披針形、長さ6~7㎜、縁は薄膜質、先は鋭形、外面は腺毛と腺のある剛毛がある(剛毛は黒色、普通、2列につく)。内面は無毛。小花は20~60個、花冠は濃黄色(外面は帯赤色)、長さ8~12㎜、有毛。痩果は褐黄色、紡錘形、長さ1.5~2.5㎜、先は狭くなり(嘴にはならない)、10本のうねがあり(無毛又は剛毛がある)。冠毛は白色、綿毛状、長さ3~4㎜(ほとんど総苞片を越さない)。2n=6。花期は5~11月。
2 Crepis coreana (Nakai) H.S.Pak ヒロハコウゾリナ 広葉髪剃菜
朝鮮、中国原産。中国名は宽叶还阳参 kuan ye huan yang shen。林内、林縁、牧草地、草原に生える。
多年草、高さ22~55㎝、短い±斜めの根茎をもつ。茎は1本、直立し、中間又は下部から分枝し、まれに分枝せず、まばらにクモ毛があり、ときに黒色の堅い毛が混じり、とくに合成花序でみられる。根出葉は花期にある。葉柄は長さ1.5~11.5㎝、翼がある。葉身はへら形~楕円形、長さ4~8㎝、幅2~3.5㎝、無毛又はまばらにくも毛があり、縁は鋭い櫛状の歯~まれに頭大羽状中裂、基部は楔状漸尖、先は鈍形~円形~鋭形。下部の茎葉は葉柄が長さ3.5~6㎝、翼があり、基部はほぼ茎を抱くか又は抱かない。葉身は楕円形長さ7~13㎝、幅2~2.5㎝、縁は鋭い櫛状の歯があり、他は根出葉に似る。中間の茎葉は無柄、楕円形、長さ7~11.5㎝、幅2~4㎝、基部は心形、茎を抱き、先は鋭形~尖鋭形、他は根出葉に似る。上部の茎葉は中間の茎葉に似るが、茎の上部では小さく、先はより尖鋭形。合成花序は散房花序状、少数~数個の頭花をつける。頭花は多数の小花をもち、花序柄は長さ1.5~4㎝又はそれ以上。総苞は暗緑色~帯黒色、広円筒形~鐘形、長さ1~1.3㎝、幅0.7~1㎝。総苞片は外面が無毛又はまばらに白色の毛があり(とくに先に多く)又は中脈に黒色の長毛があり、先は鋭形。外総苞片は狭い三角形~披針形、最も長いものは約6(~7)㎜。葯は筒部が長さ3.5~4㎜。痩果は±円筒形~紡錘形、長さ4~6㎜。冠毛は白色、長さ約63㎜。花期、果期は7~9月。
3 Crepis crocea (Lam.) Babcock シラゲタンポポ 白毛蒲公英
中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は北方还阳参 bei fang huan yang shen。山の斜面、黄土の丘、荒れ地に生える。
多年草、高さ8~30㎝、ロゼット状、直根があり、しばしばシュートをつける。てい幹(caudex)は長さ0.5~2㎝、1本又は普通、非常に短い枝があり、1又は少数の葉のロゼットをもち、以前の葉の基部が褐色になる。茎は1本又は少数、細く、斜上~直立、単純又は1~少数の又状、クモ毛があり、黄色の長い毛を持ち、短くて強い腺毛と腺の無い毛をもち、特に先にあり、普通、±葉はつかない。ロゼットの葉は多数、倒披針形~楕円形、長さ2.5~10㎝、幅1~2.5㎝、浅く、羽状中裂~羽状全裂し、両面とも白色のクモ毛と強い帯黄色の腺毛を持ち、基部は漸尖し、葉柄のような部分になり、縁は波状の歯状又は全縁。側裂片は狭い三角形~披針形~類線形、先は鋭形。最終裂片は三角形~披針形、先は鋭形。茎葉は0~3個、小さく、分裂せず、無柄、他はロゼットの葉に似る。頭花は各茎に1~4個つき、小花は多数。総苞は狭鐘形、長さ1~1.5㎝、幅0.7~1㎝。総苞片は果時に緑色、外面はクモ毛と中脈に黄色~黄緑色の強い、長又は短腺毛及び腺の無い毛をもつ。外総苞片は線状披針形、最も長いものは長さ5~8㎜。内総苞片は12~14個つき、外面に弱い伏毛があり、縁は明瞭な薄膜質、先は鋭形。葯は筒部が長さ4.5~5.5㎜。痩果は暗褐色~黒褐色、紡錘形、長さ5~6㎜、真っすぐ又はやや曲がり、10~15本のうねがあり、先は漸尖。冠毛は白色、長さ7~8㎜。花期、果期は5~8月。
4 Crepis gymnopus Koidz. エゾタカネニガナ 蝦夷高嶺苦菜
日本固有種。北海道原産。エゾコウゾリナによく似るが、茎が細く、総苞に黒い剛毛が見られない。
多年草、高さ20~45㎝。 葉は全て根出葉、数個つき、長さ8~15㎝、さじ形、縁に突起状の鋸歯があり、両面とも無毛。茎葉はなく、上部に小さな苞葉がある。花茎は細く、上部で分枝し、枝先に頭花を2~10個つける。頭花は直径約2㎝、全て舌状小花、黄色。総苞は筒形、黒色を帯びる。花期は6~7月初。
5 Crepis hokkaidoensis Babcock フタマタタンポポ 二股蒲公英
synonym Crepis miyabei Tatew. et Kitam.
北海道、サハリン、南千島原産。別名はヌプリポギク。タンポポによく似ているが、花茎が中実で分枝する。
高さ5~25㎝。全体に黒褐色の多細胞毛と白色の綿毛がある。花茎は直立し、中実、ときに2分枝する。葉は根生し、ロゼット状になり、根生葉の葉身は長さ5~15㎝、倒卵状長楕円形~線状披針形、羽状に浅裂~中裂し、縁はまばらな鋸歯状、先は鋭形、下になる。茎葉は小さく、互生する。頭花は1~4個つき、直径3~4㎝、黄色。総包は有毛。外総包片は1列につき、花時に開出する。内総苞片は直立する。痩果は黒色、縦縞がある。花期は7~8月。
6 Crepis pygmaea L.
ヨーロッパ南西部原産。
多年草、高さ4~20㎝、てい幹は分枝又は1本。花茎は灰緑色、又はやや紫色、綿毛があり、ときに短毛、腺毛があり、分枝する。ロゼットの葉は狭い倒卵形、長さ3~11㎝、幅1~3㎝、頭大羽状中裂~歯状~全縁に近く~波状歯状、葉柄状に漸尖し、翼のある葉柄があり、綿毛があり、ときに短毛と腺毛があり、灰緑色、多少、紫色を帯びる。最終裂片は楕円形又は卵形、鋭形~鈍形、側裂片は2~4個、三角形又は狭卵形、後方へ向く。茎葉は多数、狭倒卵形、頭大羽状中裂~歯状~波状歯状~全縁に近く、葉柄状に漸尖し、翼のある葉柄がある。最終裂片は楕円形~卵形、鈍形~鋭形。側裂片は狭い卵形~三角形。花序柄は長さ4~20㎝、頭花の付近は密に綿毛があり、苞で覆われる。頭花は小花が40~50個。花時の総苞片は鐘形、長さ10~19㎜、直径8~10㎜、綿毛があり、しばしば小剛毛がある。外総苞片は線形、毛があり、縁は薄膜質。内総苞片は狭い卵形。花托は短い縁毛があるか、環状。花冠は舌状、長さ15~20㎜、黄色。花冠筒部は長さ5~7㎝、小舌は幅2.5~3.5㎜。外側の花の小舌は外面が赤紫色。葯の筒部は黄色、長さ約5㎜、先の付属体は鋭形、長さ約0.8㎜。花柱は分枝し、長さ3㎜、黄色。痩果は紡錘形又は円筒形、外形で長さ4~9㎜、幅1.5㎜、平滑、うねが20~25本あり、多少、漸尖。冠毛は橙褐色又は白色、長さ7~10㎜、宿存し、頻繁に基部がフレキシブル又は脆く、刺で覆われる。2n=12。
品種) 'Folis Purpurea'
7 Crepis rubra L. モモイロタンポポ 桃色蒲公英
synonym Crepis incana Lapeyr [AGM]
地中海地域(アルバニア、クロアチア、ギリシャ、イタリア、マケドニア、モンテネグロ、トルコ)原産。英名はpink hawk's-beard , red hawksbeard , red hawk's-beard , pink dandelion。別名はセンボンタンポポ。
1年草、高さ4~40㎝、直根は浅い。茎は1~8本、傾伏~斜上、花茎状、下部で分枝し、毛がほとんど無いか又は細かい毛がある。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある。根出葉の葉身は倒披針形又は逆向き羽状分裂(runcinate)、長さ2~15㎝、幅0.5~3㎝、基部は漸尖、縁は羽状分裂~歯状、先は鋭形、表面には粗毛がある。頭花は1(~2)個、普通、1個、花柄は花茎状。副咢(calyculi)は8~10個、卵状披針形。小苞は無毛、長さ4~8㎜。総苞は円筒状環形、長さ11~15㎜、幅4~7㎜。総苞片は8~14個、内側が暗色、披針形、長さ10~12㎜、縁は帯黄色、先は鋭形、外面はまばら~密に腺毛がある。内面には細かい伏毛がある。小花は40~100個、花冠はピンク色又は白色、長さ16~17㎜。痩果は2形、暗褐色、紡錘形。外側のものは曲がり長さ8~9㎜、粗い嘴がある。内側の痩果は真っすぐ、長さ12~21㎜、細かい嘴があり、10本のうねがあり、鋭い針骨状(spiculate)。冠毛は黄白色~汚白色、長さ5~8㎜。2n=10。花期は4~6月。
8 Crepis setosa Hallier f. アレチニガナ 荒地苦菜
ヨーロッパ、アジア(トルコ、アゼルバイジャン、ジョージア)原産。英名はbristly hawksbeard , bristly hawk's-beard。日本、北アメリカなどに帰化。
1年草、高さ8~80㎝、直根は浅い。茎は1本、直立し(しばしば赤色を帯び)、丈夫(中空)、分枝せず又は下部で分枝、粗い短剛毛(setose)又は長剛毛(hispid)があり、少なくとも先部の短郷無は黄色を帯びる。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある。葉身は倒披針形、しばしば逆向き羽状分裂又は頭大羽状分裂、長さ5~30㎝、幅1~8㎝、縁は歯状~羽状分裂(最終裂片はしばしば大きい)、先は鋭形~鈍形、表面には細かい長剛毛がある(中脈に粗い短剛毛があり、茎葉は披針形、基部が矢じり形、裂片は尖鋭形、縁は下部が歯状~深く不規則に切れ込む)。頭花は10~20個、円錐花序状又は集散花序状につく。副咢は10~14個、線形、粗い剛毛のある小苞は長さ2~4㎜。総苞は円筒状鐘形、長さ6~10㎜、幅4~10㎜、総苞片は12~16個、披針形、長さ6~7㎜(基部は強い竜骨と厚くなり、縁は緑色又は帯黄色)、先は尖鋭形、外面は粗い短剛毛又は長剛毛があり、内面は細かい毛がある。小花は10~20個、花冠は黄色、ときに外面が赤色を帯び、長さ8~10㎜。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ3~5㎜、嘴があり、嘴の長さ1~2㎜、10本のうねがある(丸みを帯び、嘴の基部付近に小刺がある)。冠毛は白色、細かく、柔らかく、長さ4㎜。2n=8。花期は5~11月。
9 Crepis sibirica L. シベリアニガナ シベリア苦菜
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン原産。中国名は西伯利亚还阳参 xi bo li ya huan yang shen。山の斜面、林縁、森林、雑木林、森林内の草地に生える。
多年草、高さ0.5~1.5m、丈夫な水平又は斜めの茎根がある。茎は1本、丈夫、先でややまばらに分枝し、特に先に白色のクモ毛と硬い錐状の帯緑色の毛をもち、葉がつく。根出葉と下部の茎葉は葉柄が長さ6~15㎝又はそれ以上、翼がある。葉身は狭い長楕円状楕円形~長楕円状卵形~卵形~楕円形、長さ16~20㎝、幅5.5~10㎝、外面はざらつき、脈上に白色の剛毛と粗毛があり、内面は無毛、縁に剛毛があり、基部は急に狭くなり、まれに漸尖、縁は±粗い歯状、先は鋭形~尖鋭形。中間の茎葉は下部の茎葉に似るが、葉柄が短く、翼が広く、歯状、基部は茎を抱き、葉身は卵形~披針形、基部は漸尖。上部の茎葉は無柄、他は中間の茎葉に似る。最上部の茎葉は楕円形~線状披針形、小さく、全縁。合成花序はゆるい散房花序状、少数~数個の頭花をつける。頭花は多数の小花をつけ、花序柄は長さ(1~)2~15㎝、丈夫。総苞は鐘形、長さ約1.5(~2)㎝、幅1~1.5㎝、果時に暗緑色。総苞片は外面に密に硬い錐状の毛をもち、特に、中脈上にある。外総苞片は卵状披針形~狭楕円状披針形、最も長いものは内総苞片の長さの1/2以上あり、先は鋭形~鈍形。内総苞片は内面が無毛、先は類鋭形。痩果は暗褐色~赤褐色、紡錘形、長さ9~10㎜、やや曲がり、20本のうねがあり、先は漸尖。冠毛は白色又は淡黄白色、長さ8~9㎜、花期と果期は5~9月。
10 Crepis tectorum L. ヤネタビラコ 屋根田平子
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、ヨーロッパ原産。日本、北アメリカなどに帰化している。英名は narrowleaf hawksbeard , narrow-leaf hawk's-beard。中国名は屋根草 wu gen cao。林縁、谷間の草地、野原、荒れ地に生える。
1年草または2年草、高さ30~90㎝、±ロゼット状になり、直根をもつ。茎は普通、1本、直立し、基部又は中間から分枝し、類無毛~ クモの巣状の毛があり、まばらに腺毛と白色の剛毛があり、葉がつく。根出葉と下部の茎葉は線状披針形~披針形~倒披針形、基部は細くなり、翼のある葉柄のようになり、長さ5~15㎝、幅0.5~1㎝、分裂せず、又はまれに波打ち~羽状全裂し、ほぼ無毛~有毛、腺毛と単毛をもち、基部は楔状漸尖 、縁はまばらに歯状、先は鋭形。裂片はあれば、披針形~線形。中間の茎葉は下部の葉に似るが、普通、分裂せず、基部の葉柄のような部分がなく、基部は±矢状に茎を抱く。上部の茎葉は線状披針形~線形、縁は全縁で外巻きする。最上部の茎葉は苞状。合成花序は散房花序状~散房花序状の円錐花序、数個~多数の頭花をつける。頭花は30~70個の小花をもつ。総苞は狭円筒形~狭鐘形、果時に長さ7.5~8.5㎜、幅5~7㎜。総苞片は外面がまばらにクモの巣状毛と腺毛がある。外総苞片は線形、最も長いものは内総苞片の長さの1/3~1/2、先は鋭形。内総苞片は内面に伏毛があり、縁は白色の薄膜状、先は鋭形。葯は筒が長さ2.5~3㎜。痩果は暗褐色又は紫褐色、紡錘形、長さ3~4㎜、10本のうねがあり、先は縮小する。冠毛は白色、長さ約4㎜。花期は7~10月(5~9月)。果期は7~10月。2n=8。
Crepis
Crepis rubra
Crepis pygmaea
1年草、高さ4~40㎝、直根は浅い。茎は1~8本、傾伏~斜上、花茎状、下部で分枝し、毛がほとんど無いか又は細かい毛がある。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある。根出葉の葉身は倒披針形又は逆向き羽状分裂(runcinate)、長さ2~15㎝、幅0.5~3㎝、基部は漸尖、縁は羽状分裂~歯状、先は鋭形、表面には粗毛がある。頭花は1(~2)個、普通、1個、花柄は花茎状。副咢(calyculi)は8~10個、卵状披針形。小苞は無毛、長さ4~8㎜。総苞は円筒状環形、長さ11~15㎜、幅4~7㎜。総苞片は8~14個、内側が暗色、披針形、長さ10~12㎜、縁は帯黄色、先は鋭形、外面はまばら~密に腺毛がある。内面には細かい伏毛がある。小花は40~100個、花冠はピンク色又は白色、長さ16~17㎜。痩果は2形、暗褐色、紡錘形。外側のものは曲がり長さ8~9㎜、粗い嘴がある。内側の痩果は真っすぐ、長さ12~21㎜、細かい嘴があり、10本のうねがあり、鋭い針骨状(spiculate)。冠毛は黄白色~汚白色、長さ5~8㎜。2n=10。花期は4~6月。
フタマタタンポポ属
family Asteraceae - genus Crepis多年草、2年草、1年草。根茎又は直根をもつ。茎は有葉又は無葉。葉は羽状又は分裂せず、縁は全縁又は歯状。合成花序は、散房花序状、円錐花序状、総状花序状、まれに単生の頭状花序。頭花は直立し、中型~大型。総苞は円筒形~鐘形。総苞片は数裂、外総苞片は±覆瓦状、中心に向かって次第に長くなり、長いものは内総苞片の長さの1/4~2/3。内総苞片は普通、長さが等しく、線状披針形、外面には短毛及び(又は)腺毛があり、まれに無毛。内面は無毛又は伏した絹毛がある。花托は無毛[まれにパレア又は剛毛がある]。小花は黄色[まれに赤紫色]。痩果は円筒形~紡錘形、10~20個の等長の細かい小刺をもつか又は平滑で無毛のうねがあり、先は明瞭に細くなり、くびれ又は嘴になる。冠毛は白色~淡黄色、柔らかい~硬く、ざらざらし、宿存又は早落性。x = 3, 4, 5, 6, 11.
世界に約200種あり、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカに分布する。
フタマタタンポポ属の主な種と園芸品種
1 Crepis capillaris (L.) Wallr. セイヨウニガナ 西洋苦菜()ヨーロッパ、アジア(ジョージア)原産。北アメリカに帰化している。日本でも帰化が観察されている。英名は green crepis , smooth hawksbeard , smooth hawk's-beard。別名はナイトウニガナ。
1年草又は2年草、高さ10~90㎝、直根は浅い。茎は1(~6+)本、直立~平伏し、普通、1本(普通1本の丈夫なリーダーがあり、ときに多数になり、側部のものは細い)、下部又は全体に剛毛がある。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある(葉柄の基部は茎を抱く)。葉身は披針形~倒披針形、逆向き羽状分裂(runcinate)又は 頭大羽状分裂(lyrate)、長さ5~30㎝、幅1~4.5㎝、縁は羽状分裂~鋭い歯状(鉄片は離れ、不等形)、先は鈍形~鋭形、微突形、表面は無毛又はまばらに剛毛がある。毛は黄色、下部の茎葉は耳形で抱茎。頭花は10~15(~30)個、散房花序状につく。副咢(calyculi)は8個、線形、 細かい毛状又は腺毛があり、小苞は長さ2~4㎜。総苞は円筒形~こま形、長さ5~8㎜、幅3~6㎜。総苞片は8~16個、披針形、長さ6~7㎜、縁は薄膜質、先は鋭形、外面は腺毛と腺のある剛毛がある(剛毛は黒色、普通、2列につく)。内面は無毛。小花は20~60個、花冠は濃黄色(外面は帯赤色)、長さ8~12㎜、有毛。痩果は褐黄色、紡錘形、長さ1.5~2.5㎜、先は狭くなり(嘴にはならない)、10本のうねがあり(無毛又は剛毛がある)。冠毛は白色、綿毛状、長さ3~4㎜(ほとんど総苞片を越さない)。2n=6。花期は5~11月。
2 Crepis coreana (Nakai) H.S.Pak ヒロハコウゾリナ 広葉髪剃菜
朝鮮、中国原産。中国名は宽叶还阳参 kuan ye huan yang shen。林内、林縁、牧草地、草原に生える。
多年草、高さ22~55㎝、短い±斜めの根茎をもつ。茎は1本、直立し、中間又は下部から分枝し、まれに分枝せず、まばらにクモ毛があり、ときに黒色の堅い毛が混じり、とくに合成花序でみられる。根出葉は花期にある。葉柄は長さ1.5~11.5㎝、翼がある。葉身はへら形~楕円形、長さ4~8㎝、幅2~3.5㎝、無毛又はまばらにくも毛があり、縁は鋭い櫛状の歯~まれに頭大羽状中裂、基部は楔状漸尖、先は鈍形~円形~鋭形。下部の茎葉は葉柄が長さ3.5~6㎝、翼があり、基部はほぼ茎を抱くか又は抱かない。葉身は楕円形長さ7~13㎝、幅2~2.5㎝、縁は鋭い櫛状の歯があり、他は根出葉に似る。中間の茎葉は無柄、楕円形、長さ7~11.5㎝、幅2~4㎝、基部は心形、茎を抱き、先は鋭形~尖鋭形、他は根出葉に似る。上部の茎葉は中間の茎葉に似るが、茎の上部では小さく、先はより尖鋭形。合成花序は散房花序状、少数~数個の頭花をつける。頭花は多数の小花をもち、花序柄は長さ1.5~4㎝又はそれ以上。総苞は暗緑色~帯黒色、広円筒形~鐘形、長さ1~1.3㎝、幅0.7~1㎝。総苞片は外面が無毛又はまばらに白色の毛があり(とくに先に多く)又は中脈に黒色の長毛があり、先は鋭形。外総苞片は狭い三角形~披針形、最も長いものは約6(~7)㎜。葯は筒部が長さ3.5~4㎜。痩果は±円筒形~紡錘形、長さ4~6㎜。冠毛は白色、長さ約63㎜。花期、果期は7~9月。
3 Crepis crocea (Lam.) Babcock シラゲタンポポ 白毛蒲公英
中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は北方还阳参 bei fang huan yang shen。山の斜面、黄土の丘、荒れ地に生える。
多年草、高さ8~30㎝、ロゼット状、直根があり、しばしばシュートをつける。てい幹(caudex)は長さ0.5~2㎝、1本又は普通、非常に短い枝があり、1又は少数の葉のロゼットをもち、以前の葉の基部が褐色になる。茎は1本又は少数、細く、斜上~直立、単純又は1~少数の又状、クモ毛があり、黄色の長い毛を持ち、短くて強い腺毛と腺の無い毛をもち、特に先にあり、普通、±葉はつかない。ロゼットの葉は多数、倒披針形~楕円形、長さ2.5~10㎝、幅1~2.5㎝、浅く、羽状中裂~羽状全裂し、両面とも白色のクモ毛と強い帯黄色の腺毛を持ち、基部は漸尖し、葉柄のような部分になり、縁は波状の歯状又は全縁。側裂片は狭い三角形~披針形~類線形、先は鋭形。最終裂片は三角形~披針形、先は鋭形。茎葉は0~3個、小さく、分裂せず、無柄、他はロゼットの葉に似る。頭花は各茎に1~4個つき、小花は多数。総苞は狭鐘形、長さ1~1.5㎝、幅0.7~1㎝。総苞片は果時に緑色、外面はクモ毛と中脈に黄色~黄緑色の強い、長又は短腺毛及び腺の無い毛をもつ。外総苞片は線状披針形、最も長いものは長さ5~8㎜。内総苞片は12~14個つき、外面に弱い伏毛があり、縁は明瞭な薄膜質、先は鋭形。葯は筒部が長さ4.5~5.5㎜。痩果は暗褐色~黒褐色、紡錘形、長さ5~6㎜、真っすぐ又はやや曲がり、10~15本のうねがあり、先は漸尖。冠毛は白色、長さ7~8㎜。花期、果期は5~8月。
4 Crepis gymnopus Koidz. エゾタカネニガナ 蝦夷高嶺苦菜
日本固有種。北海道原産。エゾコウゾリナによく似るが、茎が細く、総苞に黒い剛毛が見られない。
多年草、高さ20~45㎝。 葉は全て根出葉、数個つき、長さ8~15㎝、さじ形、縁に突起状の鋸歯があり、両面とも無毛。茎葉はなく、上部に小さな苞葉がある。花茎は細く、上部で分枝し、枝先に頭花を2~10個つける。頭花は直径約2㎝、全て舌状小花、黄色。総苞は筒形、黒色を帯びる。花期は6~7月初。
5 Crepis hokkaidoensis Babcock フタマタタンポポ 二股蒲公英
synonym Crepis miyabei Tatew. et Kitam.
北海道、サハリン、南千島原産。別名はヌプリポギク。タンポポによく似ているが、花茎が中実で分枝する。
高さ5~25㎝。全体に黒褐色の多細胞毛と白色の綿毛がある。花茎は直立し、中実、ときに2分枝する。葉は根生し、ロゼット状になり、根生葉の葉身は長さ5~15㎝、倒卵状長楕円形~線状披針形、羽状に浅裂~中裂し、縁はまばらな鋸歯状、先は鋭形、下になる。茎葉は小さく、互生する。頭花は1~4個つき、直径3~4㎝、黄色。総包は有毛。外総包片は1列につき、花時に開出する。内総苞片は直立する。痩果は黒色、縦縞がある。花期は7~8月。
6 Crepis pygmaea L.
ヨーロッパ南西部原産。
多年草、高さ4~20㎝、てい幹は分枝又は1本。花茎は灰緑色、又はやや紫色、綿毛があり、ときに短毛、腺毛があり、分枝する。ロゼットの葉は狭い倒卵形、長さ3~11㎝、幅1~3㎝、頭大羽状中裂~歯状~全縁に近く~波状歯状、葉柄状に漸尖し、翼のある葉柄があり、綿毛があり、ときに短毛と腺毛があり、灰緑色、多少、紫色を帯びる。最終裂片は楕円形又は卵形、鋭形~鈍形、側裂片は2~4個、三角形又は狭卵形、後方へ向く。茎葉は多数、狭倒卵形、頭大羽状中裂~歯状~波状歯状~全縁に近く、葉柄状に漸尖し、翼のある葉柄がある。最終裂片は楕円形~卵形、鈍形~鋭形。側裂片は狭い卵形~三角形。花序柄は長さ4~20㎝、頭花の付近は密に綿毛があり、苞で覆われる。頭花は小花が40~50個。花時の総苞片は鐘形、長さ10~19㎜、直径8~10㎜、綿毛があり、しばしば小剛毛がある。外総苞片は線形、毛があり、縁は薄膜質。内総苞片は狭い卵形。花托は短い縁毛があるか、環状。花冠は舌状、長さ15~20㎜、黄色。花冠筒部は長さ5~7㎝、小舌は幅2.5~3.5㎜。外側の花の小舌は外面が赤紫色。葯の筒部は黄色、長さ約5㎜、先の付属体は鋭形、長さ約0.8㎜。花柱は分枝し、長さ3㎜、黄色。痩果は紡錘形又は円筒形、外形で長さ4~9㎜、幅1.5㎜、平滑、うねが20~25本あり、多少、漸尖。冠毛は橙褐色又は白色、長さ7~10㎜、宿存し、頻繁に基部がフレキシブル又は脆く、刺で覆われる。2n=12。
品種) 'Folis Purpurea'
7 Crepis rubra L. モモイロタンポポ 桃色蒲公英
synonym Crepis incana Lapeyr [AGM]
地中海地域(アルバニア、クロアチア、ギリシャ、イタリア、マケドニア、モンテネグロ、トルコ)原産。英名はpink hawk's-beard , red hawksbeard , red hawk's-beard , pink dandelion。別名はセンボンタンポポ。
1年草、高さ4~40㎝、直根は浅い。茎は1~8本、傾伏~斜上、花茎状、下部で分枝し、毛がほとんど無いか又は細かい毛がある。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある。根出葉の葉身は倒披針形又は逆向き羽状分裂(runcinate)、長さ2~15㎝、幅0.5~3㎝、基部は漸尖、縁は羽状分裂~歯状、先は鋭形、表面には粗毛がある。頭花は1(~2)個、普通、1個、花柄は花茎状。副咢(calyculi)は8~10個、卵状披針形。小苞は無毛、長さ4~8㎜。総苞は円筒状環形、長さ11~15㎜、幅4~7㎜。総苞片は8~14個、内側が暗色、披針形、長さ10~12㎜、縁は帯黄色、先は鋭形、外面はまばら~密に腺毛がある。内面には細かい伏毛がある。小花は40~100個、花冠はピンク色又は白色、長さ16~17㎜。痩果は2形、暗褐色、紡錘形。外側のものは曲がり長さ8~9㎜、粗い嘴がある。内側の痩果は真っすぐ、長さ12~21㎜、細かい嘴があり、10本のうねがあり、鋭い針骨状(spiculate)。冠毛は黄白色~汚白色、長さ5~8㎜。2n=10。花期は4~6月。
8 Crepis setosa Hallier f. アレチニガナ 荒地苦菜
ヨーロッパ、アジア(トルコ、アゼルバイジャン、ジョージア)原産。英名はbristly hawksbeard , bristly hawk's-beard。日本、北アメリカなどに帰化。
1年草、高さ8~80㎝、直根は浅い。茎は1本、直立し(しばしば赤色を帯び)、丈夫(中空)、分枝せず又は下部で分枝、粗い短剛毛(setose)又は長剛毛(hispid)があり、少なくとも先部の短郷無は黄色を帯びる。葉は根出葉と茎葉、葉柄がある。葉身は倒披針形、しばしば逆向き羽状分裂又は頭大羽状分裂、長さ5~30㎝、幅1~8㎝、縁は歯状~羽状分裂(最終裂片はしばしば大きい)、先は鋭形~鈍形、表面には細かい長剛毛がある(中脈に粗い短剛毛があり、茎葉は披針形、基部が矢じり形、裂片は尖鋭形、縁は下部が歯状~深く不規則に切れ込む)。頭花は10~20個、円錐花序状又は集散花序状につく。副咢は10~14個、線形、粗い剛毛のある小苞は長さ2~4㎜。総苞は円筒状鐘形、長さ6~10㎜、幅4~10㎜、総苞片は12~16個、披針形、長さ6~7㎜(基部は強い竜骨と厚くなり、縁は緑色又は帯黄色)、先は尖鋭形、外面は粗い短剛毛又は長剛毛があり、内面は細かい毛がある。小花は10~20個、花冠は黄色、ときに外面が赤色を帯び、長さ8~10㎜。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ3~5㎜、嘴があり、嘴の長さ1~2㎜、10本のうねがある(丸みを帯び、嘴の基部付近に小刺がある)。冠毛は白色、細かく、柔らかく、長さ4㎜。2n=8。花期は5~11月。
9 Crepis sibirica L. シベリアニガナ シベリア苦菜
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン原産。中国名は西伯利亚还阳参 xi bo li ya huan yang shen。山の斜面、林縁、森林、雑木林、森林内の草地に生える。
多年草、高さ0.5~1.5m、丈夫な水平又は斜めの茎根がある。茎は1本、丈夫、先でややまばらに分枝し、特に先に白色のクモ毛と硬い錐状の帯緑色の毛をもち、葉がつく。根出葉と下部の茎葉は葉柄が長さ6~15㎝又はそれ以上、翼がある。葉身は狭い長楕円状楕円形~長楕円状卵形~卵形~楕円形、長さ16~20㎝、幅5.5~10㎝、外面はざらつき、脈上に白色の剛毛と粗毛があり、内面は無毛、縁に剛毛があり、基部は急に狭くなり、まれに漸尖、縁は±粗い歯状、先は鋭形~尖鋭形。中間の茎葉は下部の茎葉に似るが、葉柄が短く、翼が広く、歯状、基部は茎を抱き、葉身は卵形~披針形、基部は漸尖。上部の茎葉は無柄、他は中間の茎葉に似る。最上部の茎葉は楕円形~線状披針形、小さく、全縁。合成花序はゆるい散房花序状、少数~数個の頭花をつける。頭花は多数の小花をつけ、花序柄は長さ(1~)2~15㎝、丈夫。総苞は鐘形、長さ約1.5(~2)㎝、幅1~1.5㎝、果時に暗緑色。総苞片は外面に密に硬い錐状の毛をもち、特に、中脈上にある。外総苞片は卵状披針形~狭楕円状披針形、最も長いものは内総苞片の長さの1/2以上あり、先は鋭形~鈍形。内総苞片は内面が無毛、先は類鋭形。痩果は暗褐色~赤褐色、紡錘形、長さ9~10㎜、やや曲がり、20本のうねがあり、先は漸尖。冠毛は白色又は淡黄白色、長さ8~9㎜、花期と果期は5~9月。
10 Crepis tectorum L. ヤネタビラコ 屋根田平子
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、ヨーロッパ原産。日本、北アメリカなどに帰化している。英名は narrowleaf hawksbeard , narrow-leaf hawk's-beard。中国名は屋根草 wu gen cao。林縁、谷間の草地、野原、荒れ地に生える。
1年草または2年草、高さ30~90㎝、±ロゼット状になり、直根をもつ。茎は普通、1本、直立し、基部又は中間から分枝し、類無毛~ クモの巣状の毛があり、まばらに腺毛と白色の剛毛があり、葉がつく。根出葉と下部の茎葉は線状披針形~披針形~倒披針形、基部は細くなり、翼のある葉柄のようになり、長さ5~15㎝、幅0.5~1㎝、分裂せず、又はまれに波打ち~羽状全裂し、ほぼ無毛~有毛、腺毛と単毛をもち、基部は楔状漸尖 、縁はまばらに歯状、先は鋭形。裂片はあれば、披針形~線形。中間の茎葉は下部の葉に似るが、普通、分裂せず、基部の葉柄のような部分がなく、基部は±矢状に茎を抱く。上部の茎葉は線状披針形~線形、縁は全縁で外巻きする。最上部の茎葉は苞状。合成花序は散房花序状~散房花序状の円錐花序、数個~多数の頭花をつける。頭花は30~70個の小花をもつ。総苞は狭円筒形~狭鐘形、果時に長さ7.5~8.5㎜、幅5~7㎜。総苞片は外面がまばらにクモの巣状毛と腺毛がある。外総苞片は線形、最も長いものは内総苞片の長さの1/3~1/2、先は鋭形。内総苞片は内面に伏毛があり、縁は白色の薄膜状、先は鋭形。葯は筒が長さ2.5~3㎜。痩果は暗褐色又は紫褐色、紡錘形、長さ3~4㎜、10本のうねがあり、先は縮小する。冠毛は白色、長さ約4㎜。花期は7~10月(5~9月)。果期は7~10月。2n=8。
参考
1) Flora of ChinaCrepis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=108351
2) Flora of North AmericaCrepis rubra
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=250066453
3) Cichorieae PortalCrepis pygmaea
http://cichorieae.e-taxonomy.net/portal/cdm_dataportal/taxon/9b461318-0688-4c3c-9ac1-fb7d17336adb