ハナイ科　Butomaceae　に分類されていたが、クロンキスト分類ではキバナオモダカ科 Limnocharitaceae に入れられた。現在の分類（APG）ではオモダカ科に含められる。日本へは昭和の初期に渡来し、観賞用に栽培されている。寒さにやや弱い。
　多年草。浮葉植物。長さ50㎝以下、ストロンは長さ45㎝以下。根茎は節から根を出す。葉は水面に浮かぶ。葉は互生し、葉柄は長さ15～40㎝×幅0.9～9㎜、横縞があり、基部は長さ8.5㎝以下の鞘になる。葉身は広卵形～円形、長さ1.4～11.9㎝×幅0.9～10.6㎝、脈は5～9本。花序は花を1～6個つけ、ストロン、葉で増殖する。花序柄は長さ30㎝×幅1.5～6㎜・以下。苞は楕円形、長さ2～4.5㎝×0.4～1㎝、先は鈍形。花柄は3個、広がり、長さ3.5～17.5㎝×幅1.5～6㎜。花は幅約6.5㎝。咢片は3個、長さ13～28㎜×幅7～13㎜。花弁は広がり、淡黄色～白色、基部が黄色、倒卵形、長さ2.3～2.6㎝×幅3.8～4.1㎝。雄しべは20～25本。仮雄しべは20+本。雌しべは5～8本、長さ約10㎜。心皮は普通6(5～8)個。果実は長さ10～14.5㎜×幅2～3.5㎜、嘴は長さ3.5～5.5㎜。種子は長さ約1㎜、まばらに腺軟毛があり、腺のある毛状突起は長さ0.15㎜。花期は夏。

ミズヒナゲシ属

　 family　 Alismataceae － genus　 Hydrocleys

　ストロンがしばしばあり、円柱形。葉は沈水葉は葉状柄（phyllodial：広がった葉柄が葉に似て、葉の機能をもち、偽葉ともいう）、無柄。浮葉は長い葉柄があり、葉柄は円柱形、隔壁がある。葉身は円形～長円状披針形、基部は心形 [円形]、先は微突形～鈍形。花序はたまに、ストロン、葉で増殖する。 花茎は隔壁がある。苞は花柄の基部につき、分離、楕円形～披針形、花柄より短く、繊細。咢片は宿存し、直立、緑色、披針形、革質、中脈は無く[有り]、先はフード状。花弁は直立～開出し、黄色～白色、円形 [長円状倒卵形]、咢片より長い[短い]。雄しべは[1～]4～5列につき、外側はしばしば不稔。雌しべは円柱形、線状披針形、漸尖して花柱になり、花柱は内側に曲がり、先にパピラがある。果実は±円柱形、線状披針形、膜質、内側の縁に沿って裂開する。種子は50個又はそれ以上、疎～密に腺軟毛がある。
　世界に5種 あり、熱帯アメリカに分布。

ミズヒナゲシ属の主な種

1 Hydrocleys nymphoides (Willd.) Buchenau　 ミズヒナゲシ　水雛芥子
　南アメリカ原産。英名はwater poppy。別名はウォーターポピー、キバナトチカガミ。池、溜池などに生える。オーストラリア、ニュージーランドに帰化している。
　多年草。浮葉植物。長さ50㎝以下、ストロンは長さ45㎝以下。根茎は節から根を出す。葉は水面に浮かぶ。葉は互生し、葉柄は長さ15～40㎝×幅0.9～9㎜、横縞があり、基部は長さ8.5㎝以下の鞘になる。葉身は広卵形～円形、長さ1.4～11.9㎝×幅0.9～10.6㎝、脈は5～9本。花序は花を1～6個つけ、ストロン、葉で増殖する。花序柄は長さ30㎝×幅1.5～6㎜・以下。苞は楕円形、長さ2～4.5㎝×0.4～1㎝、先は鈍形。花柄は3個、広がり、長さ3.5～17.5㎝×幅1.5～6㎜。花は幅約6.5㎝。咢片は3個、長さ13～28㎜×幅7～13㎜。花弁は広がり、淡黄色～白色、基部が黄色、倒卵形、長さ2.3～2.6㎝×幅3.8～4.1㎝。雄しべは20～25本。仮雄しべは20+本。雌しべは5～8本、長さ約10㎜。心皮は普通6(5～8)個。果実は長さ10～14.5㎜×幅2～3.5㎜、嘴は長さ3.5～5.5㎜。種子は長さ約1㎜、まばらに腺軟毛があり、腺のある毛状突起は長さ0.15㎜。花期は6～10月

参考

1) Flora of North America
　Hydrocleys
　http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=115989
2) Plants of the World Online | Kew Science
　Hydrocleys
　http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1089-1
3）GRIN
　Hydrocleys
　https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus?id=5897