ミヤコザサ 都笹

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Flora of Mikawa

イネ科 Poaceae ササ属

別 名 ヒメザサ、イトザサ
学 名 Sasa nipponica Makino et Shibata.
ミヤコザサの肩毛
ミヤコザサの節
ミヤコザサの葉基部
ミヤコザサの葉裏の毛
ミヤコザサ
ミヤコザサ葉表
ミヤコザサ葉裏
ミヤコザサ枝先
ミヤコザサ稈
[稈長] 50~80㎝
生活型 ササ類
生育場所 山地の林縁、林床
分 布 在来種(日本固有種) 北海道、本州(太平洋岸)、四国、九州
撮 影 新城市 12.6.1
ササ類に属し、稈鞘が離脱しないで残る。稈は直径は2~4㎜で、直立し、通常は分岐しないが、まれに基部からの分岐がある。稈鞘、葉鞘、節は無毛。節の上が球状に膨れる。稈鞘の長さは節間の1/2以下が普通。葉は長さ15~23㎝、幅約2~5㎝、薄い紙質で柔らかく、先が徐々に細くなる。葉の表面は無毛、裏面は軟毛が密生する。肩毛はよく発達し、ざらつき、放射状に開く。冬期にはクマザサのように葉の縁が白く隈取られる。
 ウンゼンザサはミヤコザサと同じように節の上が球状に膨れるが、葉が短く、葉幅が広く、葉裏には毛がない。

ササ属

  family Poaceae - genus Sasa

 低木状の竹(shrubby bamboos)。根茎は単軸分枝型(leptomorph type rhizomes)で長く走る地下茎を持つ。[これに対し、叢生型(仮軸分枝型)の地下茎(pachymorph type rhizomes)がある]。稈は分げつ(tillering:根に近い茎の節から側枝が発生すること)し、プルリカエスピトース(pluricaespitose;長くて細い根茎に沿って、1列の束生で稈が生じる)であり、節間は節の下で円柱形、無毛、ときに白粉状になりまたはまばらに微軟毛があり、壁は厚く、Sasa subg. SasamorphaまたはS. subg Sasaでは節が平ら。枝は1節に1枝を単生し、しばしば稈と同じくらいの太さになる。稈鞘は宿存性、S. subg Sasamorpha では節間よりも長い。それ以外は短く、紙質~ほぼ革質、普通、葉耳が発達する。葉身は披針形、葉は普通、稈に比べて大きく、掌状に配置され、横脈が明瞭、冬には縁がかなり壊死する。花序は緩い円錐花序または総状花序であり、普通、小さな苞葉に囲まれる。小穂は成熟時に紫色または赤色、4~8花がつき、小軸は関節離断(disarticulating)し、最上部の小花の上で伸びる。苞穎は2個、±毛があり、縁に長い縁毛がある。護穎は卵形または長円状披針形、ほぼ革質、長い微突形。内穎は2竜骨がある。鱗被は3個、卵形、薄く、透明、縁に縁毛がある。雄しべは6個、長く突き出る。葯は黄色。子房は卵形。花柱は1個、短い。柱頭は3個、羽毛状。穎果は成熟時に暗褐色。英名はbroad-leaf bamboo。
 世界に約45種あり、日本、朝鮮、中国、ロシア東部に分布する。
 タケ類(タケ・ササ類)は地下茎(根茎)、稈、枝、葉、稈鞘(筍を包む皮=竹の皮)、葉鞘(葉身と関節でつながる枝を包む鞘)からなる。稈には節があり、膨れるものと膨れないものがある。稈鞘の先端にできる小さな葉身を葉片という。葉鞘と葉身の中間に葉舌があり、葉鞘や稈鞘の上縁(口部の縁)に肩毛がある。肩毛の生ずる基部が盤状に発達するものを葉耳という。葉は2列互生する。花は小穂からなる穂状花序状の円錐花序につく。小穂は小軸上に小花が並ぶ。
 タケ類(タケ・ササ類)は日本ではタケ科 Bambusaceaeと分類されてきた歴史があるが、海外ではイネ科として分類され、タケ亜科Bambusoideaeまたはタケ族Bambuseaeとされるが、タケ亜科とされることが多い。タケ亜科の特徴は、①胚形式 F+PP、②へその形態は線形、③胚の内乳との比較は小型、④鱗被は3個、⑤子葉の形態は初めに葉身の無い鞘が出て、2番目に広い水平の葉が出る。⑥葉表皮の2細胞の微毛の形態は2細胞が同長、長くなり、上部の細胞は先が丸い。⑦葉肉細胞(mesophyll cell)の配列は非-Kranz型(C3光合成経路)、⑧葉肉細胞に紡錘細胞(fusoid cell)と椀細胞(arm cell)がある、⑨中肋の維管束の配列は厚壁組織の生成(elaboration of sclerenchyma)、⑩葉裏表皮の維管束部分に配列する珪酸体(costal silica body)の配向は垂直。
 タケ類をタケ科とする説では①稈が木質、②維管束は年々増加する、③葉身は葉鞘との間に関節がある、④葉鞘は稈との間に関節があるものがある、⑤肩毛(oral setae)がある、⑥小梗、小軸、護穎(外穎)と内穎の間に関節は無い、⑦苞穎は小穂との間に関節のあるものがある、⑧穎果は成熟すると小花や小穂から突き出る、⑨種子の澱粉粒は単一。

ササ属の下位分類


 ササ属の分布は日本列島とその周辺に限られ、北は南樺太、東は中部千島ケトイ島、西は済州島を分布範囲とする。日本のササ属はアマギザサ節、チシマザサ節、チマキザサ節、ナンブスズ節、ミヤコザサ節の5節に細分され、チシマザサ節およびチマキザサ節が日本海側に分布し、他の 3節は太平洋側に分布する。
1 アマギザサ節(Sasa Sect. Monilidadae)
(1) Sasa minensis S.Suzki ミネザサ 14
(2) Sasa occidentalis S.Suzuki サイゴクザサ 16
(3) Sasa hayatae Makino ミヤマクマザサ 6
(3-1) Sasa hayatae Makino var. hirtella (Nakai) Sad.Suzuki シコクザサ 6-1
(4) Sasa scytophylla Koidz. イヌドクガワザサ(フシゲイブキザサ) 22
(5) Sasa tobagenzoana Koidz. ヒメカミザサ 30
(6) Sasa tsuboiana Makino  イブキザサ(アマギザサ) 33
(7) Sasa tokugawana Makino トクガワザサ 32

2 チシマザサ節(Sasa sect Macrochlamys)
(1) Sasa cernua Makino オクヤマザサ 1
(2) Sasa chartacea(Makino)Makino et Shibata センダイザサ 2
(3) Sasa jotanii (Ke.Inoue et Tanimoto) M.Kobay. ミクラザサ 9
(4) Sasa kurilensis(Rupr.)Makino et Shibata チシマザサ 11
(5) Sasa subvillosa Sad.Suzuki アサカネマガリ26
(6) Sasa suzukii Nakai カワウチザサ 27
(7) Sasa tatewakiana Makino エゾミヤマザサ 29

3 チマキザサ節(Sasa sect Sasa)
(1) Sasa fugeshiensis Koidz. フゲシザサ 4
(2) Sasa heterotricha Koidz. クテガワザサ 7
(3) Sasa magalophylla Makino et Uchida  オオバザサ 13
(4) Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus チマキザサ 17
(5) Sasa pubens Nakai ケザサ 18
(6) Sasa senanensis(Franch. et Sav.)Rehder クマイザサ 23
(7) Sasa septentrionalis Makino ミヤマザサ 24
(8) Sasa veitchii (Carrière) Rehder クマザサ 35

(8-1) Sasa veitchii var.tysgokensis(Makino)S.Suzki チュウゴクササ 35-3

(8-2) Sasa veitchii var. grandifolia (Koidz.) Sad.Suzuki  オオササ 35-2
(9) Sasa yahikoensis Makino  ヤヒコザサ 36

4 ナンブスズ節(Sasa Sect. Lasioderma)=旧スズザサ属(Neosasamorpha)
(1) Sasa kagamiana Makino et Uchida カガミナンブスズ 10
(2) Sasa magnifica (Nakai) Sad.Suzuki var. magnifica イッショウチザサ 12
(3) Sasa pubiculmis Makino オモエザサ 19

(3-1) Sasa pubiculmis Makino subsp. sugimotoi (Nakai) Sad.Suzuki ミカワザサ 19-1

(4) Sasa shimidzuana Makino ハコネナンブスズ 25
(4-1) Sasa shimidzuana Makino subsp. kashidensis (Makino ex Koidz.) Sad.Suzuki カシダザサ25-1
(5) Sasa takizawana Makino et Uchida タキザワザサ 28

(5-1) Sasa takizawana Makino & Uchida subsp. nakashimana (Koidz.) Sad.Suzuki キリシマザサ 28-1

(6) Sasa togashiana Makino ナンブスズ 31
(7) Sasa tsukubensis Nakai ツクバナンブスズ 34

(7-1) Sasa tsukubensis Nakai subsp. pubifolia (Koidz.) Sad.Suzuki イナコスズ 34-1


5 ミヤコザサ節(Sect. Crassinodi)
(1) Sasa chartacea(Makino)Makino et Shibata センダイザサ 2
(2) Sasa elegantissima Koidz. タンガザサ 3
(3) Sasa gracillima Nakai ウンゼンザサ 5
(4) Sasa hibaconuca Koidz. オヌカザサ 8
(5) Sasa pulcherrima Koidz. ウツクシザサ 20
(6) Sasa nipponica(Makino)Makino et Shibata ミヤコザサ 15
(7) Sasa samaniana Nakai アポイザサ 21

(7-1) Sasa samaniana Nakai var. yoshinoi (Koidz.) Sad.Suzuki ビッチュウミヤコザサ 21-1


ササ属の主な種と園芸品種

1 Sasa cernua Makino オクヤマザサ 奥山笹
  synonym Sasa spiculosa (F.Schmidt) Makino [Ylist]
  synonym Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata var. gigantea Tatew.
  synonym Sasa matsudae Nakai
  synonym Sasa nishiyamensis Uchida
 学名はYlistではSasa spiculosa (F.Schmidt) Makinoとし、KewscienceではSasa spiculosa (F.Schmidt) Makinoはスズタケの異名となっている。
 日本(北海道、本州の中部以北)、サハリン原産。別名はアオネマガリ、アオチシマザサ、オニネマガリ、キタヤマザサ、クモイザサ、コンセイザサ(コンスイザサ)、ニシゴウザサ、ナンブネマガリ、ヒゲモチアオネマガリ、ヒナタザサ、フシゲアオネマガリ、マツダザサ、ヤハズネマガリ。山地に生える。
 チシマザサ節(チシマザサ、ナガバネマガリダケ)とチマキザサ節(チマキザサ、クマイザサ、イヌクテガワザサ)植物は広く重複分布し、両種の中間的な形態を示す推定種間雑種である。
 多年生(落葉低木・小高木)、一回結実性。稈は直立し、長さ2~3m、木質。稈の節間は円柱形、壁が薄く、上部は無毛または直軟毛があり、毛は後屈する。側枝は樹枝状。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、無毛、葉耳は無。葉鞘は表面が無毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘への接続は短い葉柄のようになる。葉身は長円形、長さ20~28㎝×幅50~70㎜、緑色で粉白色を帯び、下面が枯れ色に変色する。葉身の中肋は下面でほとんど隆起しない。葉身の上面は無毛またはまばらに毛があり、下面は軟毛が散生または無毛、葉先は尖鋭形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、長さ約5cm。小穂は単生。稔性の小穂は小梗があり、小穂は5~7個の稔性の小花からなり、先の小花は無くなる。小穂は披針形、側部が扁平、長さ20~30 ㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は長さ3~4㎜、毛がある。苞穎は宿存し、両苞穎は似ており、小穂より短く、稔性の護穎より薄い。第1苞穎は披針形、長さ1~1.5㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ1~1.5㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約12㎜、紙質、竜骨はなく、9脈があり、表面はザラつき、先は尖鋭形。内穎は長さ約10mm、8脈があり、竜骨に上部に繊毛が飾られ、表面はザラつき、先に芒があり、芒に毛がある。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、縁毛があり、先は鋭形。葯は6個、長さ4~5㎜。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。花期は7月。
 変種にわけられていたが、現在では分類しない。
1-1 Sasa cernua Makino var. cernua f.cernua オクヤマザサ 狭義
 稈に褐色の雲紋様の紋様がない。
1-2 Sasa cernua Makino f. nebulosa (Makino) Tatew. シャコタンチク 
  synonym Sasa spiculosa (F.Schmidt) Makino 'Nebulosa'

  synonym Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder f. nebulosa (Makino) Rehder

 稈に褐色の雲紋様の紋様がある。
1-3 Sasa cernua Makino var. nikkoensis (Nakai) S. Suzuki コンセイザサ(コンスイザサ) 
 葉は下面が無毛またはほとんど無毛。

2 Sasa chartacea (Makino) Makino et Shibata センダイザサ 仙台笹

  synonym Sasa chartacea (Makino) Makino et Shibata f. iwakiensis (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa sendaica Makino

  synonym Sasa chartacea (Makino) Makino et Shibata f. hattoriana (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa nana (Makino) Makino f. hattoriana (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa chartacea (Makino) Makino var. mollis (Nakai) Sad.Suzuki ビロードミヤコザサ(ビロウドミヤコザサ)

  synonym Sasa chartacea (Makino) Makino var. shimotsukensis Sad.Suzuki アズマミヤコザサ 

  synonym Sasa nana (Makino) Makino ニッコウザサ [Kewscience]
  synonym Sasa chartacea (Makino) Makino var. nana (Makino) Sad.Suzuki
  synonym Sasa nikkoensis Makino
 日本固有種。北海道、本州の暖温帯上部~冷温帯に分布。別名はオオクマザサ(大隈笹)、ミハルザサ、ユキムラザサ。ミヤコザサ節に分類される。
 稈は直立し、高さ(50~80)100~150㎝、直径3~5㎜、木質、節は球状に膨れ、逆向きの細毛があり、稈の節間は長く、普通、地下の基部で分岐し、稈の上部では枝を出さない。枝は節に1本つく。稈鞘は逆向きの細毛があり、下部のものは小さく、節間の1/2以下。葉鞘は長さ6~9㎝、開出する細毛が密生する。肩毛は剛毛、放射状に広がる。葉舌は縁毛が無く、膜質。葉身の基部の鞘への接続は短い葉柄のようになる。葉身は披針形、長さ3.7~17㎝×幅8~23㎜、葉脈は8~12本の二次脈があり、明瞭な交差脈があり、葉の上面は無毛、下面は軟毛が密生し、縁は細かくザラつき、先は漸尖する。花序は少数の小穂のみからなり、1~3個の稔性の小穂をもつ。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は6~8個の稔性の小花からなり、先の小花は無くなる。小穂は線形、側部が扁平、長さ20~30㎜、熟すと、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間には直軟毛がある。苞穎は第1苞穎が無いかまたは不明瞭、宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。稔性の護穎は卵形、長さ9~17㎜、紙質、暗緑色、竜骨はなく、側脈に交差脈があり、先は鋭形。先の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似る。鱗被は3個。葯は3個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、長円形、長さ5~6㎜、先に付属体は無い。

3 Sasa elegantissima Koidz. タンガザサ 端雅笹

  synonym Sasa nana (Makino) Makino var. elegantissima (Koidz.) Sad.Suzuki

 日本固有種。本州(太平洋側)、四国、九州の冷温帯に分布する。高原の丘陵地などに生える。
 小型竹本、ササ類。稈は直立し、長さ50~80㎝、木質。稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部は無毛または毛があり、毛は後屈し、稈の節は無毛または毛がある。側枝は無い。稈鞘は宿存し、無毛、葉耳は無い。葉鞘は表面が無毛。肩毛の剛毛がある。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は鞘への接続が短い葉柄のようになる。葉身は長円形、長さ15~22㎝×幅30~50㎜、表面に毛があり、下面に密に毛があり、先は尖鋭形。円錐花序は開き、長円形、長さ12㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗があり、小穂は6~8個の稔性の小花からなり、先の小花は無くなる。小穂は線形、側部が扁平、長さ20~30㎜、成熟時に別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、両苞穎は似ており、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ1㎜、薄膜質、竜骨は無く、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ2㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ6~9㎜、紙質、竜骨は無く、先は尖鋭形。先端の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

4 Sasa fugeshiensis Koidz. フゲシザサ 節毛笹
  synonym Sasa fugeshiensis Koidz. f. asahimontana (Koidz.) Sad.Suzuki 
 日本固有種。北海道、本州(中部、日本海側)に分布。別名はアサヒザサ、クレハザサ、オタフクザサ。低山に多く、まれに高山にも生える。
 稈は直立し、壮健、長さ150~200㎝、木質。稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部に毛があり、節に毛がある。側枝は亜低木性(suffrutescent)。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太い。 稈鞘は宿存し、下向きの微軟毛があり、表面は無毛または微軟毛があり、肩毛があるかまたは縁毛があり、広がる。葉舌は縁毛が無く、膜質。葉身は基部に鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は長円形または卵形、長さ8~19㎝×幅24~43㎜、革質、表面は無毛、先は尖鋭形。開花標本は不明。

5 Sasa gracillima Nakai ウンゼンザサ 雲仙笹
 日本固有種。本州(関東地方以西の本州)、九州に分布。高原、山地に生える。
 稈は直立し、弱く、長さ30~80㎝、木質。稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部は無毛、節は無毛。側枝が無い。稈鞘は宿存し、無毛。葉鞘は表面が無毛、肩毛(葉鞘の口部の毛)は乏しいかまたは縁毛があり、広がる。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は披針形または長円形、長さ15~18㎝×幅25~30㎜、表面は無毛、全体を通して無毛または基部近くを除いて無毛、葉身の先は尖鋭形。開花標本は不明。

6 Sasa hayatae Makino ミヤマクマザサ 深山隈笹
  synonym Sasa tanzawana Makino var. kariyosensis (Nakai) Sad.Suzuki

  synonym Sasa tanzawana Makino タンザワザサ (シコクザサ) [Kewscience]

 日本固有種。本州(東北、関東、中部の太平洋側、広島県)、四国(東部、愛媛県)、九州(大分県、佐賀県)に分布。別名はタンザワザサ、カリヨセザサ。山地の林下から草原に群生する。
 稈は直立し、木質。稈の節間は円柱形、壁は薄い。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太い。葉鞘は長さ4~10㎝、表面が無毛。肩毛は剛毛。葉鞘は縁毛がなく、膜質。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は披針形、長さ9~20㎝×幅16~44㎜、緑色で粉白を帯び、変色し、下面が粉白色で斑入り(縁が白色)になり、表面に毛があり、縁はザラつき、先は漸尖する。花序は円錐花序。花序柄は長さ12~14㎝、上部が無毛。円錐花序は開き、卵形。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は3~5個の稔性の小花からなり、先の小花はなくなる。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ10~20㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ2~4㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面に毛があり、先は鋭傾。第2苞穎は卵形、長さ2~4㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ8㎜、紙質、暗緑色、竜骨はなく、側脈に交差脈をもつ。護穎の縁は繊毛があり、先は鋭形。内穎は長さ5~6㎜、竜骨に繊毛がある。先端の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個、長さ1㎜。葯は6個。柱頭は2個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
6-1 Sasa hayatae Makino var. hirtella (Nakai) Sad.Suzuki シコクザサ 四国笹
  synonym Sasa tanzawana Makino var. hirtella (Nakai) Sad.Suzuki
 葉鞘にやや長い毛および細毛、または細毛だけが密生する。

7 Sasa heterotricha Koidz. クテガワザサ 久手川笹
 日本固有種。本州(北陸・東北など日本海側)に分布する。低山地に生える。
 稈は直立し、高さ1~2m、木質。稈は節間が円柱形、壁は薄く、上部に毛があり、毛は開出する長毛と下向きの細毛があり、節は隆起し、無毛または細毛がある。側枝は樹枝状。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、茎の太さと同じ。稈鞘は宿存し、無毛。葉耳は無い。葉鞘は表面が無毛または上向きまたは開出する細毛が密生してビロード状になり、ときにやや長い毛が混在し、肩毛は剛毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は長円形(長円状披針形~長円形)、長さ20~25㎝×幅40~60㎜、紙質、基部が円形、両面が無毛または下面の基部だけに細毛があり、先は尖鋭形。肩の毛は放射状、早落性。花序は円錐花序。円錐花序は開き、長円形、長さ約10㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~6個の稔性の小花からなり、頂部の小花が減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ20~30㎜、熟すと別れ、稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、両苞穎が似ていて、小穂より短く、稔性の護穎より薄い。第1苞穎は披針形、長さ約1.5㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ約3㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ6~7㎜、紙質、竜骨はなく、先は尖鋭形。先端の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

8 Sasa hibaconuca Koidz. オヌカザサ 小奴可笹
 日本固有種。本州(北部、中部)。和名は基準産地の広島県比婆郡東城町小奴可に因む。
 稈は直立し、細く、長さ60~80cm、直径約2㎜、木質。稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部は後屈する毛がある。側枝は無い。稈鞘は宿存性、 開出する直軟毛と下向きの細毛がある。葉鞘は最下の葉鞘に細毛が散生し、上部は無毛、葉鞘の口部には繊毛があり、広がる(肩毛は放射状で発達が悪い)。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は 鞘へ接続部が短い葉柄のようになる。葉身は披針形または長円形、長さ15~29cm×幅22~40(46)㎜、紙質、表面は無毛、先は尖鋭形。花のつく標本は不明。

9 Sasa jotanii (Ke.Inoue et Tanimoto) M.Kobay. ミクラザサ 御蔵笹

  synonym Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata var. jotanii Ke.Inoue et Tanimoto

 日本固有種。伊豆諸島南部の御蔵島 と八丈島のみに分布する。別名はアマギザサ

10 Sasa kagamiana Makino et Uchida カガミナンブスズ 
  synonym Neosasamorpha kagamiana (Makino et Uchida) Koidz.

  synonym Sasa kagamiana Makino et Uchida var. inukamiensis (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa arimagunensis Koidz. アリマコスズ 

  synonym Sasa kagamiana Makino et Uchida subsp. yoshinoi (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa magnifica (Nakai) Sad.Suzuki subsp. fujitae Sad.Suzuki

  synonym Neosasamorpha kagamiana (Makino et Uchida) Koidz. subsp. yoshinoi (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Neosasamorpha magnifica (Nakai) Sad.Suzuki subsp. fujitae (Sad.Suzuki) Sad.Suzuki

 日本固有種。本州(北部と西南部の太平洋側)、四国に分布。別名はオジハタコスズ、 ヨナイナンブスズ、セトウチコスズ、ヨナイザサ(ヨナイザサ)。山地に生える。アリマコスズは小型。
 稈は直立し、丈夫、高さ1~2m、直径4~7 mm、木質、節間は円柱形、壁は薄く、上部で分枝し、上部は無毛または毛がある。側枝は無いかまたはまばら。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、茎の太さと同じ。稈鞘は宿存し、直軟毛がある。葉は各枝に4~9枚つく。葉鞘は微軟毛があり、肩毛は無くまたは縁毛があり、広がる(開出する長い毛と逆向きの細毛が密生してビロード状)。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は披針形または長円形(長楕円状披針形)、長さ25~30cm×幅45~60mm、表面は無毛、全体を通して毛が無く、または基部近くを除いて無毛、先は尖鋭形。開花標本は不明。

11 Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata チシマザサ 千島笹

  synonym Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata f. pseudokurilensis (Nakai) Sad.Suzuki

  synonym Sasa coreana Nakai コウライザサ 

  synonym Sasa hirta (Koidz.) Tzvelev サヤゲチシマザサ(サヤゲアオネマガリ)

  synonym Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata var. hirta (Koidz.) Sad.Suzuki

 日本(北海道、本州の鳥取県以北の日本海側および東北地方、四国の愛媛県)、千島列島、サハリン、朝鮮に分布。英名はChishima Zasa。別名はネマガリタケ、エチゴザサ、コウライザサ(高麗笹)、アサヒザサ、ジダケ(地竹)、ササダケ、ササマゴ。
 稈は直立し、高さ1.5~3m、木質、節は無毛、稈の節間は円柱形、壁は薄い。根茎(地下茎)は仮軸分枝型=叢生型(pachymorphm)と単軸分枝型 (leptomorph)の両方のタイプをもつ混合型である。側枝は無い。葉鞘は表面が無毛。葉舌は縁毛がなく、膜質、長さ約1.5mm。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は長円形または線形~披針形、長さ4.5~15㎝×幅10~23㎜、暗緑色で粉白色を帯び、変色し、下面は枯れ色になる。葉脈は10~12本の二次脈をもち、表面は細かくザラつき、無毛、葉の基部は円形、葉先は尖鋭形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、枝は毛細管状、無毛。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は4~6個の稔性の小花からなり、先で小花が減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ12~16㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約1mm、薄膜質、竜骨はなく、表面に直軟毛があり、先は鋭形。第2苞穎は披針形、長さ2~3㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面に直軟毛があり、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ5~6㎜、紙質、竜骨はなく、縁に繊毛があり、先は鋭形。内穎は長さ5~6㎜、竜骨に縁毛があり、表面は無毛。先端の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個、長さ1~2㎜、縁毛がある。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、楕円形または卵形、長さ約6㎜、先に付属体は無い。花はめったに咲かず、60年に1回程度といわれ、1回結実生で咲くと枯れる。
品種) 'Shima-shimofuri' (v) , 'Shimofuri'

11-1 Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata var. kurilensis チシマザサ 狭義

 葉身は線形~披針形。

11-2 Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata var. uchidae Makino ナガバネマガリ

  synonym Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata f. uchidae (Makino) Sad.Suzuki

 別名はナガバネマガリダケ。
 葉は基部が鈍形、先は次第に細くなる漸尖形。

11-3 Sasa kurilensis (Rupr.) Makino et Shibata var. gigantea Tatewaki エゾネマガリタケ

 葉は幅が広く、広長円形または卵状長円形。

12 Sasa magnifica (Nakai) Sad.Suzuki イッショウチザサ 一勝地笹
  synonym Neosasamorpha magnifica (Nakai) Sad.Suzuki

  synonym Sasa magnifica (Nakai) Sad.Suzuki subsp. fujitae Sad.Suzuki セトウチコスズ(小型)

 日本固有種。本州(岩手県)、九州(熊本県)に分布する。別名はアヤマスズ、アヤマナンブスズ。和名は熊本県球磨村一勝地の地名に由来する。  稈は直立し、長さ100~150㎝、直径4~7㎜、木質。稈は節間が円柱形、壁は薄く、上部に毛があり、節に毛がある。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)、稈の上部から生じる。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、毛がある。葉鞘は毛があり、肩毛(葉鞘の口部の毛)は繊毛、脱落性。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は披針形または長円形、長さ21~24㎝×幅40~50㎜、表面は全体を通して無毛、または基部近くを除いて無毛、先は尖鋭形。2015年4月に京都で栽培品の開花が確認された。

13 Sasa megalophylla Makino et Uchida オオバザサ 大葉笹

  synonym Sasa megalophylla Makino et Uchida f. pankensis (Nakai) Sad.Suzuki

 日本(北海道、本州)、千島列島、サハリンに分布。別名はホロマンザサ。オオバザサはクマザサ似るが、葉の裏に毛がある。稈鞘は開出する長毛がある。山地に生える。
 稈は直立し、長さ約20㎝×直径2~2.5㎜、木質。稈は節間が円柱形、壁は薄く、上部に下向きの毛があり、節に毛がある。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は節間と同長、後屈する毛(~開出する毛)がある。葉は各枝ごとに5枚つく。葉鞘は表面が無毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は長円形、長さ15~17㎝×幅38~41㎜、緑色で粉白色を帯び、下面は枯れ色に変色し、葉脈は二次脈が14~16本あり、表面はザラつき、先は漸尖形。花序は円錐花序。花序柄は上部が細かくザラつき、直軟毛がある。円錐花序は開き、卵形、長さ9~10㎝×幅7~9㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗があり、小梗は柔軟で、毛がある。小穂は3個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ9~12㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は線形、長さ約1㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面に直軟毛があり、先は鋭形。第2苞穎は線形、長さ2.5~3㎜、、薄膜質、竜骨はなく、表面に直軟毛があり、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ7~9㎜、紙質、竜骨はなく、縁は繊毛があり、先は鋭形。内穎は表面に毛がある。先端の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
品種) 'Nobilis'

13-1 Sasa megalophylla Makino et Uchida f. aureovariegata Sad.Suzuki キンタイオオバザサ

 グマイザサの品種の葉に黄金色の縦じまが入った美しいキンタイザサと葉形が全く同じであるが、稗鞘に長毛が密生する。キンタイザサは稗鞘に毛がない。

14 Sasa minensis Sad.Suzuki ミネザサ 美祢笹
  synonym Sasa minensis var. awaensis Sad.Suzuki アワノミネザサ 
  synonym Sasa miakeana Sad.Suzuk ミアケザサ
 日本固有種。本州(山陽地方の広島県、山口県)、四国(愛媛県、徳島県)に分布。山地に生える。
 稈は直立し、長さ(60)80~120㎝×直径3~5㎜、木質。稈は節間が円柱形、壁は薄く、上部は無毛、上部または下部で分岐し、節が強く膨れ、球状になり、毛がある。側枝はまばら。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存し、節間の長さの0.66倍の長さで、直軟毛(開出または斜上する長毛と逆向きの細毛)が密生する。葉耳は無い。稈鞘の葉身は卵形または三角形、脱落性、長さ0.4~3㎝、先は漸尖形。葉は各枝に4~7枚つく。肩毛(葉鞘の口部の毛)は乏しいかまたは無く、脱落性。葉舌は縁毛がなく、膜質、長さ1~2㎜、外側に毛があり、全縁、切形。葉身は基部が広円形、 鞘へ接続部は短い葉柄のようになる。葉柄は長さ0.3~0.7cm、無毛または毛がある。葉身は披針形または長円形、長さ20~25㎝×幅50~70㎜、粉白色になり、斑が入り(冬に縁が白色になる)、下面に軟毛があり、縁は縁毛があり、葉先は尖鋭形。

15 Sasa nipponica (Makino) Makino et Shibata ミヤコザサ 都笹

  synonym Sasa nipponica (Makino) Makino et Shibata f. nandaiensis (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa nipponica (Makino) Makino et Shibata f. mikawana (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasaella incantans (Koidz.) Koidz.
  synonym Sasa maculata Nakai マキヤマザサ 
  synonym Sasa maculata Nakai var. abei Sad.Suzuki ケマキヤマザサ 
 日本固有種。北海道、本州(太平洋岸)、四国、九州に分布。別名はイトザサ、ナンダイミヤコザサ、フシゲミヤコザサ。山地の林縁、林床に生える。
 ササ類にミヤコザサ節に属し、稈鞘が離脱しないで残る。稈は直立し、高さ50~80㎝、直径は2~4㎜、通常は分岐しないが、まれに基部からの分岐がある。稈鞘、葉鞘、節は無毛。節の上が球状に膨れる。肩毛はよく発達し、ざらつき、放射状に開出する。稈鞘の長さは節間の1/2以下が普通。葉は長さ15~23㎝、幅約2~5㎝、薄い紙質で柔らかく、先が徐々に細くなる。葉の上面は無毛、下面は軟毛が密生する。冬期にはクマザサのように葉の縁が白く隈取られる。普通、地上部は1年で枯れる。
品種) 'Argenteostriatus' , 'Aureostriata' , 'Nippon-kisuji'

16 Sasa occidentalis Sad.Suzuki サイゴクザサ 西国笹
 日本固有種。本州(西部)、四国に分布。葉裏、葉鞘は無毛。稈鞘に下向きの細毛がある。
 稈は直立し、長さ60~150cm、直径4~8㎜、木質。稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部は無毛または毛があり、稈の節が膨れ、無毛または毛がある。亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、節間の長さの0.66の長さで、後屈する(下向きの)細毛があり、葉耳は無い。稈鞘の葉身(culm-sheath blade)は披針形、長さ14~22cm、先は尖鋭形。葉は各枝に4~8枚つく。葉鞘は表面(両面)が無毛、肩毛(葉鞘の口部の毛)は乏しいかまたは無い。葉舌は縁毛がなく、膜質、長さ1~2㎜、外側に毛があり、切形または鈍形。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉柄は長さ0.5~1cm、無毛。葉身は披針形または長円形。長さ21~30cm×幅35~55㎜、紙質、緑色で粉白色になり、下面が枯れ色に変色し、(そして冬には縁が白色になり)、葉身の表面(両面)は無毛、葉縁はザラつき、葉先は尖鋭形。

17 Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus チマキザサ 粽笹(千巻笹)

  synonym Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus var. palmata f. australis (Makino) Sad.Suzuki

  synonym Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus var. palmata f. yoshikawana (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa quelpaertensis Nakai タンナザサ 
 日本(北海道、本州の日本海側、九州北部)、朝鮮、サハリン原産。英名はbroad-leaved bamboo。Broadleaf Bamboo別名はフシゲサトチマキ。ヨーロッパ、イギリス、ニュージーランドなどに帰化。
 チマキザサ節(Sect. Sasa)。稈は直立し、高さ150~200(300)㎝、直径7~10㎜、木質、節間は長さ14~20㎝、節はやや膨れる。稈の下部でまばらに分枝し、枝は節に1本。稈鞘は宿存し、無毛、下部の稈鞘は節間の長さの約2/3。葉耳は無く、肩毛は放射状に開出する。稈鞘の葉身は披針形。葉鞘の表面は無毛、肩毛(葉鞘の口部の毛)は無い。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身は基部の鞘への接続部が短い葉柄のようになる。葉身は長円形、長さ18~30㎝×幅50~80㎜、葉脈は19~29本の維管束からなる。花序は円錐花序。円錐花序は開き、長円形または卵形、長さ10~15㎝、枝に毛がある。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~10個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ25~40㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は長さ約4㎜、やがて、護穎の間が見えるようになり、毛がある。苞穎は宿存性、両苞穎は異なり、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ0.5~3㎜、第2苞穎の長さの0.25~0.75倍、薄膜質、竜骨はなく、3脈があり、先は鋭傾。第2苞穎は卵形、長さ2~4㎜、隣接する稔性の護穎の長さの0.3~0.4倍、、薄膜質、竜骨はなく、5脈があり、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約7㎜、紙質、竜骨はなく、9脈があり、表面は顕微鏡的に粗面(asperulous)、縁は縁毛があり、先は尖鋭形。内穎は9脈があり、竜骨は細かくザラつき、表面に毛があり、背中と側部に毛がある。先端の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個、長さ約1.5㎜、脈があり、縁毛がある。葯は6個、長さ4㎜。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
品種) 'Nebulosa' , 'Warley Place' (v)

17-1 Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus f. nebulosa (Makino) Sad.Suzuki シャコハンチク 

 稈に斑があるもの。

17-2 Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus var. niijimae (Tatew. ex Nakai) Sad.Suzuki ルベシベザサ

  synonym Sasa niijimae Tatew. ex Nakai

  synonym Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus var. niijimae (Tatew. ex Nakai) Sad.Suzuki f. linearifolia (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus var. niijimae (Tatew. et Nakai) Sad.Suzuki f. linearifolia (Koidz.) Sad.Suzuki

 北海道、本州の日本海側、四国に分布。別名はルベシザサ、イガザサ。  葉の幅が狭く、葉が長楕円状披針形、幅3~5cmになるものはルベシベザサとされる。節間には逆行する細毛が生える(イガザサは節間、節が無毛)。狭義のチマキザサは葉が楕円形~卵状長楕円形で幅7~1Ocm。ただし、変異は連続的であり、分類するのは困難。

17-3 Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus var. yosaensis (Koidz.) Sad.Suzuki ヨサチマキ 

  synonym Sasa palmata f. yosaensis (Koidz.) S. Suzuki
 World Flora Onlineなどでは基本種に含める。

18 Sasa pubens Nakai ケザサ 毛笹
 北海道、本州(福井県以北)、千島列島に分布。
 稈は基部で斜上して直立し、長さ100~150㎝、木質、稈の下部でまばらに分枝する。稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部は下向きの細毛が密生し、節には毛がある。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存し、後屈する直軟毛(短毛または細毛)が密生してビロード状になるかまたは毛が薄い。葉鞘は毛がある。肩毛(oral hairs)は発達して放射状になる(または欠ける)。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は披針形または長円形(長楕円状披針形)、長さ21~25㎝×幅40~60㎜、薄い革質、葉身の両面は全く無毛またはときに下面の基部に短毛があり、葉の基部は円形、葉先はやや尖鋭形。

19 Sasa pubiculmis Makino オモエザサ 
  synonym Neosasamorpha pubiculmis (Makino) Sad.Suzuki
  synonym Sasa ishiharae Tatew.
  synonym Sasa pubiculmis Makino var. chitosensis (Nakai) Sad.Suzuki
  synonym Sasa uinuizoana Koidz.
 日本固有種。北海道、本州(東北地方~近畿地方の太平洋側)、四国に分布する。別名はイブリザサ。丘陵地などに生える。
 多年生、叢生する。稈は直立、高さ1~2m×直径(2.5~)4~7㎜、上方で枝を分枝し、木質。稈は節間が円柱形、壁が薄く、条線があり、上部は後屈する細毛がビロード状に密生し、節に毛がある。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は節間と同長、無毛または微軟毛があり、後屈する毛がビロード状になる。稈鞘の葉身は披針形、長さ0.3~0.4㎝。葉は各枝に2~3枚つく。葉鞘は表面が無毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は披針形(長楕円状披針形)、長さ(16~)20~27㎝×幅24~36㎜、基部は円形~鈍形、緑色、表面はザラつき、無毛または下面に軟毛が密生する。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、約・長さ16㎝×幅15㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~9個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ10~20㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ0.5~1.5㎜(約6.5㎜)、薄膜質、竜骨はなく、表面は直軟毛があり、先は鋭形。第2苞穎は卵形、長さ4~5㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面は直軟毛があり、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ8~10mm、紙質、紫色、竜骨は無く、縁に繊毛があり、先は鋭形。内穎は長さ7~8㎜、竜骨に縁毛があり、表面に毛があり、背中に毛がある。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個、縁毛がある。葯は6個、黄色。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

19-1 Sasa pubiculmis Makino subsp. sugimotoi (Nakai) Sad.Suzuki ミカワザサ 三河笹

  synonym Neosasamorpha pubiculmis (Makino) Sad.Suzuki subsp. sugimotoi (Nakai) Sad.Suzuki

 本州(中部太平洋岸)に分布する。別名はツバメザサ、ツバメコスズ。
 オモエザ サの矮小型で、稈の高さは50㎝以下。節はわずかに膨らむ程度で、細毛があり、長毛が混じることもある。節間にも細毛がある。稈鞘に逆向きの細毛がある。肩毛はざらつき(粗渋)、放射状に開出するが、欠如することもある。葉は表面が無毛で、裏面には普通、軟毛が密生する。

20 Sasa pulcherrima Koidz. ウツクシザサ 美し笹
  synonym Sasa pulcherrima Koidz. f. hispidula Sad.Suzuki
  synonym Sasa alpestris Nakai
  synonym Sasa kundjuana Koidz.
 日本固有種。本州(近畿・中国地方の瀬戸内海側)、四国、九州北部に分布。別名はフシゲウツクシザサ。
 稈は直立し、長さ20~30㎝、直径1~1.5㎜、木質、節間が円柱形、壁が薄い。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。葉は各枝に3~5枚つく。葉鞘は表面が無毛。肩毛は剛毛、広がる。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形、長さ5~10㎝×幅10~25㎜、暗緑色と薄緑色、下面は枯れ色に変色し、葉脈は二次脈が6~12本あり、葉先は漸尖形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、長円形または卵形、長さ6~9㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は3~7個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ25~40㎜×幅9~18㎜、熟すつ別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は、やがて護穎の間が見えるようになり、直軟毛がある。苞穎は宿存し、両苞穎は異なり、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、先は鋭形。第2苞穎は卵形、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ6~11㎜、紙質、竜骨はなく、縁は繊毛があり、先は鋭形。内穎は長さ5~10㎜、竜骨に繊毛があり、先が歯状に2裂する。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、楕円形、長さ5~6㎜、暗褐色、先に付属体は無い。

21 Sasa samaniana Nakai アポイザサ 
  synonym Sasa samaniana Nakai f. villosula Sad.Suzuki

  synonym Sasa samaniana Nakai var. villosa (Makino et Nakai) Sad.Suzuki

 日本固有種。北海道(太平洋側)、本州(広島県以東の瀬戸内海沿岸地方、近畿地方、東海地方の内陸部、福島県、三陸海岸)に分布。別名はケミヤコザサ、シダミヤコザサ、フシゲアポイザサ。和名は北海道のアポイ岳に因む。愛知県の尾張部の丘陵地にシダミコザサが生育する。
 稈は直立し、高さ(30)50~100㎝、木質。稈は節間が円柱形、壁が薄く、上部が無毛または毛があり、節は上部が膨出し、無毛または毛がある(毛があるものをシダミコザサ form. hidejiroana (Koidz.) Sad.Suzukiという。)。側枝は無い。稈鞘は宿存し、開出長毛と逆向細毛がある。葉耳は無い。葉鞘は葉面が無毛または直軟毛があり、肩毛の剛毛がある。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形、長さ(10)17~25㎝×幅(20)30~50㎜、表面は密に毛があり、下面に毛があり、葉先は尖鋭形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、長さ約10㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~8個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ20~30㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は長さ約4mm、毛がある。苞穎は宿存し、両苞穎は似ており、小穂より短く稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ1~2㎜、薄膜質、竜骨はなく、1脈があり、側脈は無く、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ1~2㎜、薄膜質、竜骨はなく、1脈があり、側脈は無く、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約8㎜、紙質、竜骨はなく、11脈があり、側脈に交差脈があり、縁は縁毛があり、先は尖鋭形。内穎は長さ約7㎜、8~10脈があり、竜骨に縁毛があり、上部の飾られた毛はそれらの長さの0.25倍の長さがあり、竜骨脈は先端が突き出る。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、長さ約2㎜、脈があり、縁毛があり、先は鋭形。葯は6個、長さ約4㎜。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

21-1 Sasa samaniana Nakai var. yoshinoi (Koidz.) Sad.Suzuki ビッチュウミヤコザサ 備中都笹

  synonym Sasa samaniana Nakai var. yoshinoi (Koidz.) Sad.Suzuki f. hidejiroana (Koidz.) Sad.Suzuki

 本州(太平洋側)、四国、九州に分布する。別名はシダミヤコザサ、ナスノミヤコザサ。
 節間、節が無毛。稈鞘は宿存し、開出長毛と逆向細毛がある。葉は上面がほぼ無毛、下面に毛がある。

22 Sasa scytophylla Koidz. イヌトクガワザサ 犬徳川笹
 日本固有種。礼文島、本州、四国、九州に分布。別名はフシゲイブキザサ。
 Kewscienceでは認めているが、YListではチュウゴクザサ(Sasa tyuhgokensis Makino)に含めている。
 稈は幅4mm、平滑、無毛、わら色、節の下は粉白色、節は太くなり、節の上部が膨れ、節間は頂部では非常に短く、長さが5~6cm。稈鞘(籜 たけのかわ)にはまばらに毛があるが、開出する長い綿毛が基部近くにある。葉は枝先に5枚つき、古くなると縁が帯白色になる。葉身は線形、先は尖鋭形、基部は鈍形、長さ13~19㎝×幅28~34mm、革質、無毛、上面は暗緑色、下面は淡色または不明瞭な粉白色、縁に粗毛があり、側脈は8~9本。葉柄は長さ5~7㎜、翼があり、無毛。葉舌は微軟毛がある。肩毛は最下部の葉にのみ発達し、不明瞭に細かくザラつく。葉の基部は円く、葉鞘の縁には非常に細かい繊毛がある。

23 Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder クマイザサ 九枚笹

  synonym Sasa paniculata (F.Schmidt) Makino et Shibata f. rivularis (Nakai) Sad.Suzuki

  synonym Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder f. hispidula (Tatew.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa paniculata (F.Schmidt) Makino et Shibata f. villosula (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa paniculata (F.Schmidt) Makino et Shibata
 日本(北海道、本州北部、九州) 、サハリン原産。別名はフシゲクマイザサ、シナノザサ(信濃笹)、ネマガリタケ。
チマキザサによく似て、葉裏に毛があるものであり、チシマザサに分布が似るが、チシマザサより低標高域に多い。
 地下茎繁殖型。稈は直立し、高さ(0.4~)1~2m、直径5~6㎜、木質。稈は節間が円柱形、無毛、壁が薄く、上部は粉状になり、節は無毛または開出する長軟毛~逆向きの短毛がある。側枝は中間付近から出て、まばら。芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。葉は各枝ごとに枝の先に(1~)3~9枚、やや掌状につく。葉鞘は革質、表面が無毛、葉鞘の口部の毛(肩毛)は剛毛、広がり、しばしば欠く。葉舌は縁毛がなく、膜質、長さ約2㎜。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は披針状長楕円形(長楕円形~披針形)、長さ(14~)20~25cm×幅(2.6)4~5㎝、やや革質、緑色で粉白色、下面が枯れ色に変色し、斑入り(縁が白色)になる。葉身の表面は無毛、下面は細毛がありザラつく。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、長さ11~15cm。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は4~6個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ(12~15)20~25㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存性、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、薄膜質、竜骨はなく、先は鋭形。第2苞穎は卵形、薄膜質、竜骨はなく、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ7~8(9)㎜、紙質、竜骨はなく、先は鋭形。内穎は先に2歯がある。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個、薄膜質、透明、卵形、縁毛があり、長さ2mm。葯は6個。柱頭は長く3個、羽毛状。子房は上位、卵形。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
品種) 'Misuzudake' , 'Susu-Dake'

23-1 Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder var. harae (Nakai) Sad.Suzuki ミナカミザサ

  synonym Sasa paniculata (Franch. et Sav.) Rehder var. subcordatiphylla (Koidz.) Sad.Suzuki クニミザサ

  synonym Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder var. harae (Nakai) Sad.Suzuki f. argillacea (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa paniculata (Franch. et Sav.) Rehder var. harae (Nakai) Sad.Suzuki

  synonym Sasa paniculata (Franch. et Sav.) Rehder var. harae (Nakai) Sad.Suzuki f. uyetsuensis (Koidz.) Sad.Suzuki オタカチマキ

 別名はオタカチマキ(節間が無毛)、クニミザサ(節が有毛で開出する長軟毛があり、節間は無毛)。
 葉は卵形~長円形。節は無毛または逆向きの短毛がある。節間には逆行する微細毛が生えるかまたは無毛。

23-2 Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder 'Nobilis' キンタイザサ 金帯笹

  synonym Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder f. nobilis (Makino et Uchida) Sad.Suzuki

  synonym Sasa senanensis (Franch. et Sav.) Rehder var. nobilis (Makino et Uchida) Nemoto

 葉に黄色の縦縞が入る。

24 Sasa septentrionalis Makino ミヤマザサ 深山笹
  synonym Sasa septentrionalis var. septentrionalis

  synonym Sasa septentrionalis Makino f. kuzakaina (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa kanayamensis Nakai [Kewscience]

  synonym Sasaella leucorhoda (Koidz.) Koidz. var. kanayamensis (Nakai) S. Suzuki ケスエコザサ

 北海道、本州、ロシアに分布する。別名はクザカイザサ、オクミヤコザサ。
 稈は直立し、高さ100~150㎝、木質。稈は節間が円柱形、壁が薄く、上部は無毛または下向きの毛があり、節は下向きの微細毛または短毛がある。側枝は樹状。芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、開出する長毛と逆向きの細毛が混生し、ビロード状。葉耳は無い。葉鞘は表面が無毛または微軟毛があり、肩毛は剛毛。葉舌は縁毛が無く、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形~長楕円状披針形、長さ18~25㎝×幅35~50㎜、洋紙質または洋紙質状革質、表面は無毛、下面に密に毛があり、葉先は尖鋭形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、長さ約10㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~7個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ20~25 mm、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は長さ3~4㎜、毛がある。苞穎は宿存性、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ1~2㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ1~2㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ6~7㎜、紙質、竜骨はなく、11~13脈があり、側脈に交差脈があり、表面のザラつき縁は縁毛があり、先は尖鋭形、内穎は護穎の長さと同長、6~8脈があ、竜骨に縁毛があり、先は切形。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、長さ約1.5㎜、脈があり、縁毛がある。葯は6個、長さ約4㎜。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

24-1 Sasa septentrionalis Makino var. membranacea (Makino et Uchida) Sad.Suzuki ウスバザサ

 葉幅が広く、葉裏に毛がある。葉鞘は開出する細毛があるか無毛。稈鞘は開出する長毛と逆向きの細毛が混生する。

25 Sasa shimidzuana Makino ハコネナンブスズ 箱根南部篶
  synonym Sasa asahinae Makino et Nakai
  synonym Neosasamorpha shimidzuana (Makino) Koidz.
 日本固有種。北海道、本州、四国、九州に分布。太平洋側に分布する。別名はハコネスズ、ゴテンバザサ、アサギシザサ、ナンブスズ、ウラゲイヌスズ。
 稈は直立し、高さ100~200㎝、直径5~7㎜、木質。稈は節間が円柱形、無毛(初め毛があるが無毛になり)、壁が薄く、上部は無毛または毛があり、節は無毛または毛がある。側枝は豊富、移譲、稈の上部から生じる。芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、長い開出毛がある、葉耳は無い。葉は各枝ごとに5~9枚つく。葉鞘は表面が無毛、葉鞘の口部(肩毛)は無毛または剛毛が放射状につき、ザラつく。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形、長さ23~28㎝×幅40~50㎜、上面は無毛、下面に密に軟毛があり、葉先は尖鋭形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、長さ7~12㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は(5)6~8個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ(18)20~30㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存性、両苞穎は似ており、小穂より短く稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約1(2~3)㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ約3(5~7)mm、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約7㎜、紙質、竜骨はなく、10~11脈があり、先は尖鋭形、微細な毛が前面に散生し、縁には繊毛がある。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

25-1 Sasa shimidzuana Makino subsp. kashidensis (Makino ex Koidz.) Sad.Suzuki カシダザサ 樫田笹

  synonym Neosasamorpha shimidzuana (Makino) Koidz. subsp. kashidensis (Makino ex Koidz.) Sad.Suzuki

 本州(関東地方以西)、四国、九州に分布。別名はツクバコスズ、アサギシザサ。和名は大阪府高槻市樫田に因む。
 矮小型、稈は高さは30~70㎝、直径約3㎜、基部および上部で分枝する。葉は楕円状披針形、約・長さ20㎝×幅2.5㎝、厚い紙質、下面に軟毛を密生する。稈鞘は開出する長毛を密生する。葉鞘は無毛。

26 Sasa subvillosa Sad.Suzuki アサカネマガリ 
 日本固有種。本州(北部~・中部)に分布。チシマザサ―チマキザサの交雑系統ともいわれる。
 稈は直立し、丈夫、 高さ100~200㎝、直径8~13㎜、木質。稈は節間が円柱形、壁が薄く、上部は無毛または下向きの毛がある。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、直軟毛がある(開出長毛と逆向き細毛)。葉鞘は表面が無毛または微軟毛があるか、または直軟毛がある。葉鞘の口部の毛(肩毛)は無い。葉舌は縁毛が無く、膜質。葉身は基部がくさび形、葉鞘への接合部は短い葉柄状。 葉身は披針形または長円形、長さ20~30㎝×幅40~55㎜、上面はまばらに毛があり、または両側面に毛があり、葉先は尖鋭形。

27 Sasa suzukii Nakai カワウチザサ 
  synonym Sasa akiuensis (Sad.Suzuki) Sad.Suzuki アキウネマガリ 
  synonym Sasa naigoensis Nakai ウラゲチシマザサ
 日本固有種。本州北部の日本海側に分布する。別名はコウチヤマザサ。
 稈は直立し、長さ200㎝以下、直径5~11㎜、木質。稈は節間が円柱形、壁が薄く、長さ約18cm、上部は無毛、節が膨れる。側枝は亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、 茎と同じくらい太い。稈鞘は剛毛がある。葉は各枝5~6枚つく。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の葉鞘への接合部は短い葉柄状。葉身は長円形、長さ12~34㎝×幅28~62㎜、緑色で粉白色、下面は枯れ色に変色し、葉身の表面は無毛、縁は平滑または細かくざらつき。先は漸尖形。花序は円錐花序、基部につく葉が基部を抱く。円錐花序は開き、長円形または卵形。花序の一次枝は後屈し、花序軸は毛がある。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は6~9個の稔性の小花からなり、頂部で小花が減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ25~40㎜×幅12~16㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は、やがて護穎の間に見えるようになる。苞穎は宿存し、両苞穎は異なり、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、先は鋭形。第2苞穎は卵形、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ8~13㎜、紙質、竜骨はなく、縁に縁毛または繊毛があり、先は尖鋭形。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個、長さ5㎜。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、楕円形、長さ約6㎜、暗褐色、先に付属体は無い。

28 Sasa takizawana Makino et Uchida タキザワザサ 滝沢笹

  synonym Sasa takizawana Makino et Uchida var. kumagaiana (Uchida) Murata

  synonym Neosasamorpha takizawana (Makino et Uchida) Tatew. [スズザサ属]

  synonym Sasa murasabuana Koidz. et Uchida オノエナンブスズ 

 日本固有種。北海道、本州の太平洋側(岩手県、栃木県、群馬県、山梨県、福島県、神奈川県、兵庫県)、四国に分布。別名はオオサキザサ。
 カガミナンブスズに酷似するが、葉鞘が無毛、葉裏に軟毛がある。外穎は7~10㎜で13脈、全面そして、縁にも毛があり、5~8個の小花からなる小穂は3㎝。  稈は直立し、高さ1~2m、直径4~7㎜、木質、節間は無毛または毛があり、節は低く、無毛または毛がある。枝は各節に1本、主稈と同じくらい太くなり、中部および上部では分枝し、樹枝状、稈鞘は宿存し、開出する粗毛と逆向きの細毛が混生する。葉鞘は無毛。肩毛は無いかまたは剛毛がある。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉は各枝ごとに5~8枚つき、葉身の基部は葉柄状になる。葉身は長円形、長さ20~28㎝×幅35~60㎜、上面は無毛、下面に軟毛があり、先は尖鋭形。円錐花序は開き、東卵形、長さ約12㎝。小穂は5~8個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ25~30㎜、熟すと各稔性の小花の下で関節離断し、小軸の節間は長さ3~4㎜、毛がある。両苞穎は宿存し、似ていて、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約5㎜、薄膜質、竜骨はなく、1~3脈があり、側脈はないか、不明瞭、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ7㎜、薄膜質、竜骨はなく、5~7脈があり、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ7~10mm、紙質、竜骨はなく、13脈があり、側脈は交差脈があり(格子目状)、表面は微毛があって細かくザラつき、縁は繊毛があり、先は尖鋭形。内穎は長さ6~9㎜、10脈があり、竜骨に縁毛があり、先は竜骨の脈が突き出る。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、長さ約2㎜、脈があり、縁毛があり、鋭形。葯は6個、長さ約6㎜。柱頭は3個。

28-1 Sasa takizawana Makino et Uchida subsp. nakashimana (Koidz.) Sad.Suzuki キリシマザサ 霧島笹

  synonym Sasa kirisimensis Koidz.

  synonym Neosasamorpha takizawana (Makino et Uchida) Tatew. subsp. nakashimana (Koidz.) Sad.Suzuki

 本州の太平洋側、九州に分布。別名はキリシマスズ。
 地上や地下の稈基部付近の節、あるいは地下茎から直接花茎を伸ばし、小穂は線形で、長さ2~3.5㎝、3~8個の小花をつける。外穎は長さ7㎜、5~9脈、格子目状、全面そして縁にも毛があり、内穎の竜骨にも顕著な毛がある。オシベは6個で、メシベの柱頭は3叉する。外穎と内穎はほぼ同長。第1苞穎の長さはは約2㎜、第2苞穎の長さは約5.5㎜で、第1苞穎の2倍以上の長さがある。

29 Sasa tatewakiana Makino エゾミヤマザサ 蝦夷深山笹

  synonym Sasa tatewakiana Makino var. muroiana (Koidz.) Sad.Suzuki オオバネマガリ 

  synonym Sasa tanzawana var. hirtella (Nakai) Sad.Suzuki
  synonym Sasa tatewakiana var. glabrifolia Nakai
 北海道、本州北部、千島列島、サハリン原産。
 稈は直立し、長さ150~200cm、基部の太さ約1㎝、木質。稈は節間に下向きの毛がありビロード状になり、節にも下向きの短毛または細毛が密生し、ビロード状。枝は多数出て、各節に1本つき、茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、常に有毛で、下向きの短毛または細毛が密生し、ビロード状。葉耳はない。葉鞘は上向きまたは開出する細毛が密生し、ビロード状、または無毛。葉鞘の口部の毛(肩毛)がない。 葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は短い葉柄状になる。葉身は披針形または長円形(披針状長円形)、長さ20~30cm×幅50~70mm、基部は円形または切形、紙状革質、葉身の上面は無毛、下面が無毛またはうすく細毛があり、葉先はやや急に尖鋭形。円錐花序は開き、卵形、長さ約7cm。小穂は単生し、稔性の小穂は小広がある。小穂は4~9個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は披針形、側部が扁平、長さ25~30 mm、熟すと稔性の小花の下で関節離団する。小軸の節間は長さ約3mm、毛がある。苞頴は宿存し、第1苞頴が無いかまたは不明瞭であるか、または2個つき、両苞頴は似ていて、小穂より短く、稔性の護頴よりも薄い。第2苞頴は披針形、長さ1~2 mm、薄膜質、竜骨は無く、先は尖鋭形。稔性の護頴は卵形、長さ約8mm、紙質、竜骨はなく、13脈があり、側脈には交差脈があり、表面はザラつき、先は尖鋭形。内頴は長さ約6mm、8脈があり、竜骨には上部に繊毛があり、表面はザラつき、先端から脈が突き出る。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗披は3個、卵形、長さ約2㎜、縁毛があり、鈍形。葯は6個、長さ約4mm。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

30 Sasa tobagenzoana Koidz. ヒメカミザサ 姫神笹
  synonym Sasa tsuboiana Makino イブキザサ [Kewscience]
  synonym Neosasamorpha tobagenzoana (Koidz.) Tatew.

  synonym Neosasamorpha stenophylla (Koidz.) Sad.Suzuki subsp. tobagenzoana (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa stenophylla Koidz. subsp. tobagenzoana (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa stenophylla Koidz. subsp. yosiokae auct. non (Nakai) Sad.Suzuki

 イブキザサ S. Tsuboiana Makino の小形化したもの。Kewscienceではイブキザサに含めている。スズタケ×チシマザサともいわれる。
 稈は丈夫で、単純、高さ1~2m、幅4~7㎜。 節間は密に微軟毛があり、ビロード状、節の下は粉白色。稈鞘はほぼ平滑、暗色の条線があり、無毛になる。葉は先に4~5枚つき、披針状長円形、長さ30~33㎝×幅5.2~6.8㎝、先は急に尖鋭形、最下部の葉は長円形、小さく、徐々に尖鋭形、革質、無毛、下面は粉白色、縁には間隔を開けた小剛毛がある。葉舌は広半円形、高さ約3㎜、背面に微軟毛がある。葉柄は長さ12㎜、丈夫で、無毛、倒くさび形。 葉鞘は丈夫で無毛、条線があり、肩毛は帯紫色の剛毛、しばしば欠ける(Acta Phytotaxonomica et Geobotanica (APG) 5: 202;1936)。

31 Sasa togashiana Makino ナンブスズ 南部篶

  synonym Sasa shimidzuana Makino var. asagishiana (Makino et Uchida) Sad.Suzuki

  synonym Sasa togashiana Makino f. asagishiana (Makino et Uchida) Nakai

  synonym Sasa shimidzuana Makino ハコネナンブスズ [Kewscience]
  synonym Pseudosasa togashiana Makino (1928)
 日本固有種。本州(岩手県、秋田県)に分布する。別名はアサギシザサ、シブタミザサ。
 kewscienceではハコネナンブスズ(Sasa shimidzuana Makino)に含めている。
 稈は高さ1~2m、無毛(または微軟毛がある:アサギシザサ)、上部で分枝する。枝は上部にしばしば逆毛がある。節はわずかに隆起するかまたはほとんど平坦で、節には長い絹毛がある。稈鞘(籜)は初め剛毛(長毛)があるが、次第に毛が落下する。葉は長楕円形~長楕円状披針形、先端は漸尖形、長短様々、基部は円形、上面は無毛、下面はやや疎に短毛を生じ、中肋は背面に小毛がある。葉柄は上面の基部に微毛があり、葉鞘は革質無毛、又は縁辺に櫛毛がある。葉舌(舌片)は切形、高さ1.5~2㎜、背面に微毛がある。肩毛は欠く。
 ナンブスズは枝の節聞に往々、微毛を生ずること、節に長絹毛があること、稈鞘は初めは落下する長毛が疎にあること、葉鞘が無毛なる点に於てアサギシササに近似し、稈が全く無毛で、肩毛が欠如することを以て区別する。

31-1 Sasa togashiana Makino f. flavo-variegata Uchida キシマナンブスズ 


32 Sasa tokugawana Makino トクガワザサ 徳川笹
  synonym Sasa tokugawana var. iyoensis Sad.Suzuki
 日本固有種。 関東地方南部以西、四国に分布する。別名はタンザワザサ。
 多年生。根茎は長く伸び、単軸型(leptomorph)。稈は直立し、高さ50~150㎝、木質、稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部が無毛、節が膨れ、無毛。側枝は豊富、稈上部から生じ、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太く、ときに2分枝する。稈鞘は宿存性、節間の長さの0.5倍、開出毛が密生する(冬期には無毛になりやすい)。葉耳は無い。葉鞘は早落性の直軟毛があり、口部の毛は無いかまたは剛毛がある。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形、長さ15~23㎝×幅30~45㎜、表面に毛があり、下面に密に毛があり、先は尖鋭形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、長円形、長さ8~9㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~6個の稔性の小花からなり、先の小花は無くなる。小穂は線形、側部が扁平、長さ約28㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、両苞穎は似ており、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ1.5~2㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ約3㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約7㎜、紙質竜骨はなく、先は尖鋭形。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

32-1 Sasa tokugawana Makino var. iyoensis S.Suzuki イヨトクガワザサ 伊予徳川笹

 トクガワザサの変種であり、四国に稀に生育する。稈は高さ約1.5mでやや豪壮で、上方で密に分枝する。稈鞘は開出する長毛が密生し、下方の稈鞘は節間の半分よりも短い。節は著しく隆起する。トクガワザサの葉鞘の毛はすぐに脱落して無毛となるのに対して、本変種は開出した長毛と細毛または細毛だけがそれぞれ密生することで区別できる。

33 Sasa tsuboiana Makino イブキザサ 伊吹笹
  synonym Sasa yosiokae Nakai
  synonym Sasa stenophylla Koidz. サイヨウザサ(エダウチコスズ) 
  synonym Sasa iwamiana Koidz.
  synonym Neosasamorpha stenophylla (Koidz.) Sad.Suzuki
 日本固有種。本州の伊豆半島および近畿地方の東北部、四国、九州に分布する。英名はWinterlooks Zasa。別名はハッチョウザサ、ツボイザサ(坪井笹)、アマギザサ(天城笹)。
 稈は直立し、長さ2m以下、直径5~7㎜、木質。稈は節間が円柱形、壁が薄く、節間の長さ5~10㎝、節は無毛でやや球状に膨れる。側枝は充血し、上部の節から枝が出て、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太い。稈鞘は長さ4~15cm、肩に剛毛がある。葉は各枝に5枚つく。葉鞘は無毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形または卵形、長さ9~20㎝×幅20~45㎜、緑色で粉白色を帯び、下面が枯れ色に変色し、斑入りになり(縁が白色)、葉脈は10~18本の二次脈があり、葉先は尖鋭形。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、長さ7~8㎝×幅4~5㎝。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は4~7個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る、小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ12~20㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は線形、長さ1~1.5㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面は毛があり、先は鋭形。第2苞穎は線形、長さ1~1.5㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面は毛があり、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ7~8㎜、紙質、暗緑色、竜骨はなく、先は鋭形。内穎は長さ6~7㎜、竜骨に繊毛がある。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個、黄色。柱頭は2個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
品種) 'Green View'

33-1 Sasa tsuboiana Makino f. hatchoensis (Nakai) Sad.Suzuki イブキザサ 狭義

 節は無毛。

33-2 Sasa tsuboiana Makino var. iyomontana Sad.Suzuki イヨイブキザサ 伊予伊吹笹

 節に長毛があるもの。

34 Sasa tsukubensis Nakai ツクバナンブスズ 筑波南部篶
  synonym Neosasamorpha tsukubensis (Nakai) Sad.Suzuki
  synonym Sasa tsukubensis Nakai var. melinacra (Koidz.) Sad.Suzuki
 日本固有種。北海道、本州、九州に分布。太平洋側。別名はツクバザサ、キンキナンブスズ、ヨナイナンブスズ。i
 稈は直立し、高さ40~200㎝、直径1~7 mm、木質、節間は無毛または細毛があり、節は無毛または長毛がある。稈の上部で分枝し、枝は節に1本。稈鞘は宿存し、無毛。葉耳は無い。葉は各枝に2~8枚つく。葉鞘は無毛。肩毛は無いかまたは縁毛がある。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は短い葉柄状になる。葉身は長円形、長さ9~30cm×幅15~60mm、上面が無毛、下面に軟毛が密生し、先は尖鋭形。円錐花序は開き、卵形、長さ8~12cm。小穂は単生、稔性の小穂は小梗がある。小穂h5~7個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ30~45mm、熟すと稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は長さ約5mm、毛がある。苞頴は第1苞頴が無いかまたは不明瞭、または2個つき、宿存し、小穂より短く、稔性の護衛よりも薄い。第1苞頴は披針形、長さ約1(2~3)mm、竜骨は無く、先は尖鋭形。第2苞頴は卵形、長さ約4(6~8)mm、薄膜質、竜骨は無く、先は尖鋭形。稔性の護衛は卵形、長さ約8mm、紙質、竜骨は無く、9脈があり、側脈に交差脈があり、表面は平滑、先は尖鋭形。内頴は8脈があり、竜骨に縁毛は無く、先は竜骨の脈が突き出る。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個、長さ約5mm。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

34-1 Sasa tsukubensis Nakai subsp. pubifolia (Koidz.) Sad.Suzuki イナコスズ 伊那小篶

  synonym Neosasamorpha tsukubensis (Nakai) Sad.Suzuki subsp. pubifolia (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa tsukubensis Nakai subsp. pubifolia (Koidz.) Sad.Suzuki var. ashikagaensis Sad.Suzuki

  synonym Sasa motidsukiana Koidz.
 本州(関東地方以西)、四国、九州に分布。別名はケバノカシダザサ、アシカガコスズ、ツクバコスズ。
 小形の亜種。葉裏は有毛。稈鞘、葉鞘は無毛。

35 Sasa veitchii (Carrière) Rehder クマザサ 隈笹
  synonym Sasa sayekiensis Koidz. ミアケザサ(ナガバサエキザサ) 
  synonym Sasa miakeana Sad.Suzuki
  synonym Sasa heterotricha Koidz. var. nagatoensis Sad.Suzuki
 日本、千島列島、サハリン原産。英名はVeitch's bamboo , Kuma Zasa Bamboo。別名はフシゲクマザサ。  多年生。根茎は長く伸び、単軸型(leptomorph)。稈は直立し、長さ(0.5)1~1.5(2)m、直径4~7㎜、木質。稈の節間は長さ5.5~10㎝、円柱形、壁は薄く、上部は無毛、緑色で初めワックス状、節は隆起せず、無毛。側枝は豊富、稈下部から生じ、芽の総数は1個、枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存性、開出する直軟毛があり、基部近くに毛が多く(または無毛)、葉耳は強く発達する(または無い)。肩毛は剛毛、広がる。稈鞘の葉身は小さく、後屈する。葉鞘は表面が無毛、若いときに目立つ粉白色でワックス状になる。葉耳は強く発達し、葉鞘の口部の毛(肩毛 oral setae)は剛毛。葉舌は縁毛が無く、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形、長さ10~20(25)2cm×幅3.5~5.5㎝、厚い紙質、表面は無毛、2次脈は7~9対、中脈は帯黄色、葉先は尖鋭形、冬に縁に沿って広く白色になる。花序は円錐花序。円錐花序は開き、長円形、長さ約10cm。小穂は単生。稔性の小穂は小梗がある。小穂は4~8個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ20~35㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。小軸の節間は長さ4~5㎜、毛がある。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約1mm、薄膜質、竜骨はなく、1脈があり、側脈は無く、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ約1.5㎜、薄膜質、竜骨はなく、1脈があり、側脈は無く、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約6mm、紙質、竜骨はなく、9脈があり、側脈に交差脈があり、表面がザラつき、先は尖鋭形。内穎は護穎の長さと同長、10脈があり、竜骨に上部に縁毛が飾られ、先は鈍形。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、長さ約1.5㎜、脈があり、縁毛がある、葯は6個、長さ約4mm。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
35-1 Sasa veitchii (Carrière) Rehder var. veitchii クマザサ 狭義
  synonym Sasa albomarginata (Miq.) Makino et Shibata
 日本(本州の中部地方)分布。英名はVeitch's bamboo , Kuma Zasa Bamboo。別名はフシゲクマザサ。

35-2 Sasa veitchii (Carrière) Rehder var. grandifolia (Koidz.) Sad.Suzuki  オオササ 大笹

  synonym Sasa veitchii (Carrière) Rehder var. grandiflora (Koidz.) Sad.Suzuki f. myojinensis(Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasa veitchii (Carrière) Rehder var. grandifolia (Koidz.) Sad.Suzuki f. myojinensis (Koidz.) Sad.Suzuki

 日本、千島列島、サハリンに分布。別名はフシゲオオササ、オオザサ。

35-3 Sasa veitchii var. tyuhgokensis (Makino) Sad.Suzuki チュウゴクザサ 中国笹

  synonym Sasa scytophylla Koidz.

  synonym Sasa veitchii (Carrière) Rehder var. hirsuta auct. non (Koidz.) Sad.Suzuki

 北海道、本州(日本海側)、四国に分布。別名はイヌトクガワザサ、フシゲイブキザサ。  高さ1.5~2m。葉鞘に毛がある。

36 Sasa yahikoensis Makino ヤヒコザサ 弥彦笹
 日本(北海道、本州中部以北、福井県が南限)、サハリンに分布。採取された新潟県の弥彦山に因んで命名された。ケザサ、フシザサに似るが、葉裏に軟毛が密生する。
 多年生、叢生する。根茎は長く伸び、単軸型(leptomorph)。稈は基部が斜上し、直立し、高さ1~2m、直径2~3㎜、木質。稈の節間は円柱形、壁は薄く、上部は無毛または直軟毛があり、毛(短毛または細毛)は後屈し、節は無毛。亜低木性(suffrutescent:基部が木質になる)。芽の総数は1個。枝の総数は1本、単生、茎と同じくらい太い。稈鞘は節間の長さと同長、後屈する微軟毛がある。葉は各枝ごとに2~4枚つく。葉鞘は表面が無毛。葉舌は縁毛が無く、膜質。葉身の基部の鞘との間に短い葉柄のような接続部がある。葉身は長円形(長楕円状披針形)、長さ6~13㎝×幅17~34㎜、紙質、緑色で粉白を帯び、下面は枯れ色に変色し、葉脈は二次脈が12~16本、表面はザラつき、無毛または長毛がまばらにあり、下面に軟毛が密生し、葉の基部は円形、葉先は尖鋭形。葉の肩の毛は発達して、放射状になる。花序は円錐花序。円錐花序は開き、卵形、約・長さ7㎝×幅4㎝、花序軸に直軟毛がある。小穂は単生。稔性の小穂は小梗があり、小穂は3~4個の稔性の小花からなり、先の小花は無くなる。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ8~12㎜、熟すと別れ、各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約1mm、薄膜質、竜骨はなく、表面に直軟毛があり、先は鋭形。第2苞穎は卵形、長さ2~7㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面に直軟毛があり、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ5~7㎜、紙質、紫色、竜骨はなく、先は小剛毛があり、漸尖する。内穎は長さ4~5㎜。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個、紫色。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

36-1 Sasa yahikoensis Makino var. depauperata (Takeda) Sad.Suzuki シコタンザサ

  synonym Sasa depauperata (Takeda) Nakai
 北海道、本州、千島列島に分布。

36-2 Sasa yahikoensis Makino var. oseana (Makino) Sad.Suzuki オゼザサ 尾瀬笹

  synonym Sasa oseana (Makino) Uchida

  synonym Sasa yahikoensis Makino var. oseana (Makino) Sad.Suzuki f. mogamensis (Nakai) Sad.Suzuki

 尾瀬だけに分布する。別名はモガミザサ。
 桿鞘や葉鞘、節間に細かい毛が密生し、節に長い毛が生える。葉裏にも細毛が密生する。

36-3 Sasa yahikoensis Makino var. rotundissima (Makino et Uchida) Sad.Suzuki イワテザサ


アズマザサ属

  family Poaceae - genus Sasaella

 根茎は地下生(hypogaeous)、単軸型(leptomorph type)で匍匐する仮軸性分岐(sympodial)。稈は直立し、高さ1~2m、直径4~7㎜、上部と中間部に枝分かれ(ramose)があり、節に1~3本の枝があり、管状(fistulous)、無毛または毛がある。節(nodes)は目立ち、無毛または長い直軟毛(pilose)がある。稈鞘(culm-sheaths:竹の皮)は宿存性、密着して包み、節間よりも短く、革質、無毛または毛があり、肩毛(oral setae:口部の剛毛)は平滑だが、基部はザラつき(scabrous;粗渋)で、ときに欠ける。葉は稈または枝の上部に羽状的掌状(pinnatopalmately)に5~8枚つき、紙質または紙状革質(chartaceo-coriaceous)、披針形、しばしば長円状披針形、先が尖鋭形で、先端が非常に鋭く尖り、無毛または毛がある。葉鞘(leaf-sheaths)は革質、無毛、または毛がある。花茎(Scapes)は稈に側生し、花序は円錐花序(paniculate)。小穂(spikelets)は線形、5~10個の小花がつき、各小穂の基部にある2苞穎(苞:bracts)がつき、2苞穎は異形(heteromorphous)、披針形~卵形、先は尖鋭形。花穎は2個、外花穎(護穎:lemma)と内花穎(内穎:palea)、対生し、長円状披針形形~卵形、先は尖鋭形。内穎は背に溝があり、軸と接触する。鱗被(lodicules)は3個、卵形、薄くて透明、縁に縁毛がある。雄しべは3または6個。花糸は糸状。葯は線形、帯黄色。子房は長円形。花柱は3分岐、羽毛状。基準種(type species)はSasaella ramosa(Makino)Makino。
 アズマザサ属(Sasaella)は牧野博士によりホウライチク属(Bamusa)、ササ属(Sasa)、およびメリケンチク属(Arundinaria)の中の種から選別して分類された属である(Makino 1929)。しかし、中井(1934)はアズマザサ属(Sasaella)をメリケンチク属(Arundinaria)に含め、大井(1953)はアズマザサ属(Sasaella)をササ属(Sasa)に含めた。アズマザサ属は植物体各部(肩毛,分枝数,葉型など)において、ササ属とメダケ属の種が有する形質の中間的な特徴を示すことから、アズマザサ属はササ属とメダケ属(Pleioblastus)との交雑を起源とするのではないかと推定されている(前川 1960,鈴木 1987, Watanabe et al. 1991,Takahashi et al. 1994,小林 2011)。そのためメダケ属とササ属の種が分布する地域では、アズマザサ属の種が単独、あるいは両親種のいずれかと混生または近接する群落を形成する。アズマザサ属の種は関東地方では海岸付近から低山域にかけて広く分布する分類群である。  世界に12種あり、日本固有属である。

アズマザサ属の主な種と園芸品種

1 Sasaella bitchuensis (Makino) Makino ex Koidz. ジョウボウザサ 上房笹
 日本固有種。本州(中国地方)に分布するJ. J. B. 51: 221 (1976), 稈鞘、稈、節に逆行する細毛があります。稈鞘、稈、節に逆行する細毛があります。  稈は直立し、高さ2~3m、直径6~11㎜mm、木質、節間に逆向きの細毛があり、節に逆行する細毛がある。枝は節に1本。稈鞘は宿存し、逆向きの細毛(微軟毛:puberulous)がある。肩毛は縁毛が広がる。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は葉柄状になる。葉身は披針形または長円形、長さ11~15cm×幅23~28mm、両面とも無毛、葉先は尖鋭形。

1-1 Sasaella bitchuensis (Makino) Makino ex Koidz. var. tashirozentaroana (Koidz.) Sad.Suzuki  グジョウシノ 郡上篠

  synonym Sasaella tashirozentaroana (Koidz.) Koidz.

  synonym Sasaella bitchuensis (Makino) Makino ex Koidz. var. tashirozentaroana (Koidz.) Sad.Suzuki f. praestantissima (Koidz.) Sad.Suzuki

 本州に分布する
 稈鞘、節および節間は密に毛があり、毛は後向きで微細。 葉鞘は前向きの微細軟毛がある。葉は両面とも無毛。

2 Sasaella caudiceps (Koidz.) Koidz. オニグジョウシノ 鬼郡上篠

  synonym Sasaella caudiceps (Koidzumi) Koidzumi in Acta Phytotax. Geobot. 10 : 296 (1941)

  synonym Arundinaria caudiceps Koidz.1. c. 6: 65 (1937)
  synonym Arundinaria tiufaroana Koidz.
  synonym Sasaella ikegamii (Nakai) Sad.Suzuki  カリワシノ[YList]

  synonym Arundinaria Ikegamii Nakai 刈羽笹 in Journ. Jap. Bot. 10: 576 (1934).

  synonym Sasaella Ikegamii (Nakai) S. Suzuki,Journ. Jap. Bot. Vo1.51 No.7(1976)

  synonym Arundinaria tajimana Ko.idz.
 日本固有種。本州に分布。Kewscienceではオニグジョウシノ、YListではSasaella ikegamii (Nakai) Sad.Suzuki  カリワシノとしている。別名はカリハシノ、ユリシノ、カモンシノ、カリワザサ(刈羽笹)。低地から山地の林縁に生える。
 稈は直立し、高さ1~2m、木質、上部の節間には毛があり、節に毛がある。枝は節に2本。稈鞘は宿存し、直軟毛があり(開出長毛と逆向細毛を密生)し、ビロード状になる。葉鞘は微軟毛(細毛)があり、肩毛は縁毛があり、広がる。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は葉柄状になる。葉身は披針形または長円形、長さ12~17㎝×幅25~31㎜、紙質、両面とも無毛、葉先は尖鋭形。(Kewscience)
 過去にはオニグジョウシノとカリワシノを区別していた。
(1) オニグジョウシノ Arundinaria caudiceps Koidz(小泉源一 1937)の解説。
 稈は高さ1~2m、分枝し、節間は太さ6㎜、密に後向きの毛があり、節の下は粉白を帯びる(glauco-farinoso)。稈鞘(vagina)は密に後向きの直軟毛と毛がある。節は後ろ向きの微軟毛があるが、初めは密に絨毛がある。葉は枝先に7~13枚つき、線状長円形または線形、先は急な尖鋭形、長さ8~15㎝×幅1.7~3.4㎝、または、長さ16~27㎝×幅3~6㎝、紙質または革質、両面とも無毛、しかし、中肋の上にまばらに毛があり、中肋の下はかすかに粉白を帯び、わずかに隆起し、まばらに直軟毛があり、基部は鈍形~円毛、縁は刺があり、夏に縁が不規則に白色になる。葉柄は幅広く不明瞭、長さ3~9㎜、上部にまばらに微軟毛があり、下部は無毛。葉舌は切形、褐色、高さはほとんど1㎜以下、背に微軟毛がある。葉鞘(vaginula)は密にビロード状の前向きの微軟毛と開出する長い粗毛がある。肩毛(setae orales)は脱落性。
(2) カリワザサ(刈羽笹) Arundinaria Ikegamii Nakai(中井猛之進 1934)の解説
 稈は約高さ1~1.5m、節間は短く、長さ175mm、幅4~7㎜。しばしば帯紫色の無毛だが、節の下部が粉状になる。節は幅5~10mm。稈鞘は節間が短く、直立し、剛毛があり、脈間に非常に細かい逆向きの毛があり、披針形の葉片がつき、紫色を帯びたわら色。葉鞘は一般的に濃紫色、初め縁を除いて粗毛があるが、すぐに無毛になり、脈間に逆向きの繊毛がある。葉は枝先に5~11枚つき、Arundinaria atropurpureaと同じように長円状披針形~線状披針形、葉身の基部が葉柄状になり、長さ96mm×幅19mm、181㎜×20㎜、138mm×13㎜、145㎜×35㎜、231㎜×37㎜、230㎜×28㎜、192㎜×40㎜、176㎜×44㎜など、上面は帯緑色、無毛、下面は灰緑色、無毛、縁はやや刺状、側脈は常に7本、葉に狭く密集する。
(3) オニグジョウシノとカリワシノ(鈴木貞雄 1976)の解説
 オニグジョウシノとカリワシノを区別していた。
(3)-1 Sasaella caudicepsオニグジョウシノ
 稈は高さ1~2m。 稈鞘は長毛と逆向きの微細な毛が混生し、ビロード状になる。節と節間のは逆向きの微細な毛がある。葉鞘は密に前向きの微細な微軟毛があり、ときにまばらに長毛が混じる。葉は披針形~長円状披針形、両面が無毛または両面の基部近くだけに毛がある。
(3)-2 Sasaella Ikegamii (Nakai) S. Suzuki カリワシノ
 稈鞘は長い直軟毛がある。節は無毛。節間は無毛または薄く微軟毛がある。葉鞘は直軟毛があるかまたは無毛。 葉は両面が完全に無毛。
(4) ※YListの説明
 Sad.Suzuki, Ⅲ. Jap. Bambusac. rev. ed.: 240 (1996) はヤマキタダケ(ヒメスズタケ)に合一するが誤り。

3 Sasaella hidaensis (Makino) Makino ヒシュウザサ 飛州笹

  synonym Sasaella hidaensis (Makino) Makino var. hidaensis  ヒシュウザサ

  synonym Sasaella hidaensis (Makino) Makino f. kishinoana (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasaella yenaensis (Koidz.) Koidz.  エナシノ 

  synonym Sasaella hidaensis (Makino) Makino f. yenaensis (Koidz.) Sad.Suzuki  エナシノ

  synonym Sasaella takinagawaensis Hatakeyama  タキナガワシノ
 日本固有種。本州(宮城県以南)、四国に分布する。別名はエナシノ(恵那篠)
 稈は直立し、高さ1~2m、木質。節間は普通、微軟毛があり、節は無毛または微軟毛がある。枝は節に1本。稈鞘(竹の皮)には逆向きの微軟毛(細毛)が密生する。肩毛は剛毛。葉鞘は無毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は短い葉柄状になる。葉身は披針形、長さ12~17㎝×幅25~31mm、下面に軟毛が密生し、葉先は漸尖形。円錐花序は開き、卵形。小穂は単生、稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~7個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は長円形、側部が扁平、長さ20~30 mm、熟すと稔性の小花の下で関節離断する。苞頴は宿存し、小穂より短い。第1苞頴は披針形、薄膜質、竜骨は無く、先は鋭形。第2苞頴は卵形、薄膜質、竜骨は無く、先は鋭形。稔性の護衛は卵形、紙質、竜骨は無く、先は鋭形。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は2個。

4 Sasaella kogasensis (Nakai) Koidz. コガシアズマザサ 古賀志東笹
  synonym Sasa kogasensis Nakai
  synonym Sasaella sedenicola (Koidz.) Koidz.

  synonym Sasaella kogasensis (Nakai) Koidz. f. uchidae (Makino ex Uchida) Sad.Suzuki

  synonym Sasa kogasensis Nakai var. nasuensis (Kimura et Sad.Suzuki) Sad.Suzuki ナスノユカワザサ 

  synonym Arundinaria kariwaensis Koidz. ナイゴウシノ
  synonym Sasaella hortensis (Nakai) Koidz.  ミヤギザサ 

  synonym Sasaella hidaensis (Makino) Makino var. muraii (Makino et Uchida) Sad.Suzuki ミヤギザサ(ヤブザサ)

  synonym Sasaella midoensis Hatakeyama  ミドウシノ 
 日本固有種。北海道、本州(北関東地方~東北地方)に分布。別名はユカワザサ、コガシザサ。
 稈は直立し、高さ1~2m、直径4~8㎜、やや剛壮、木質、節間と節には逆向きの微軟毛がある。枝は節に1本つく。稈鞘と葉鞘は長毛と微細な毛が混生し、ビロード状になる。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉は各枝に2~3枚つき、葉身の基部が短い葉柄状になる。葉身は披針形~長円形、長さ5~9㎝×幅5~18㎜、緑色で粉白色を帯び、下面は枯れ色に変色し、上面は無毛、ときに短毛または長毛があり、下面は軟毛が密にある。花序は総状花序からなり、総状花序は1個つき、長さ5~6㎝。小穂は単生し、稔性の小穂は小梗がある。小穂は4~5個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形または長円形、側部が扁平、長さ8~12㎜、熟すと稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約1㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面に毛があり、先は鋭形。第2苞穎は卵形、長さ2~3㎜、薄膜質、竜骨はなく、表面に毛があり、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ5~8㎜、紙質、紫色、竜骨はなく、縁に繊毛があり、先は鋭形または尖鋭形。内穎は長さ5~7㎜、竜骨に縁毛があり、先は2歯がある。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個、縁毛がある。葯は6個、黄色。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

4-1 Sasaella kogasensis (Nakai) Nakai ex Koidz. var. gracillima Sad.Suzuki ヒメシノ 姫篠

  synonym Sasaella hortensis (Nakai) Koidz. 'Humilis'  コチク 
 原産地不明。広く栽培され、逸出して野生化する。別名はコチク、コクマザサ(小隈笹)。
 稈は高さ20~40㎝、直径1~2㎜、節は無毛。稈鞘と葉鞘には開出する長毛と逆向きの細毛が密にある。葉は小さく、狭く、葉の上面は無毛、ときに長毛が散生し、下面には軟毛が密にある。

4-2 Sasaella kogasensis (Nakai) Nakai ex Koidz. var. yoshinoi (Koidz.) Sad.Suzuki アリマシノ 有馬篠

 本州に分布する。葉鞘が無毛。

5 Sasaella leucorhoda (Koidz.) Koidz. タンゴシノチク 丹後篠竹

  synonym Pleioblastus leucorhodus Koidz. in A. P. G. 3: 15 (May 1934) Nabeshimana.

  synonym Sasaella atamiana (Nakai) Sad.Suzuki f. leucorhoda (Koidz.) Sad.Suzuki

  synonym Sasaella atamiana (Nakai) Sad.Suzuki  アタミネザサ

  synonym Arundinaria atamiana Nakai 熱海根笹 植物研究雑誌 10(9) 547-581 (1934) 33)

 日本固有種。本州、九州(北部)に分布する。別名はタンゴシノ、アタミシノ、サイジョシノ
 稈は単軸性、高さほとんど1m以下(高さ1~2m)、深く3~4ennes。 節間は長さ10cm以下、無毛、光沢があり、筒は幅1~3㎜、節の下は粉状。節は厚くなり、幅2~5㎜、非常に細く、無毛または長毛がある(狭義のタンゴシノチク f. leucorhodaは長毛がある)。稈鞘は節間よりも短く、剛毛(開出する長毛)があり、やがて無毛になる。枝は節に1本。葉は小枝の先に2~5枚つき、披針形、基部が鋭形、先が尖鋭形、縁が小刺状、上面は無毛、緑色、下面は青緑色、密に短い開出した直軟毛があり、長さ72㎜×幅12㎜、長さ102㎜×幅13㎜、長さ55mm×幅4㎜、長さ110mm×幅17㎜、長さ203mm×幅31㎜、長さ189㎜×幅34㎜、など、側脈は3~7本。

5-1 Sasaella leucorhoda (Koidz.) Koidz. var .kanayamensis (Nakai)Sad.Suzuki ケスエコザサ

  synonym Sasaella kanayamensis (Nakai) Koidz. (it is to be reduced as a hairy form of Sasaella ramosa var. latifolia)

  synonym Sasaella atamiana (Nakai) Sad.Suzuki var. kanayamensis (Nakai) Sad.Suzuki

  synonym Sasaella leucorhoda (Koidz.) Koidz. var. kanayamensis (Nakai) Sad.Suzuki

  synonym Sasaella atamiana var. kanayamensis (Nakai) Sad.Suzuki
 本州の関東地方以北に分布する。葉鞘に長毛があり、基本種と異なる。
 稈は高さ1~2m。節間は無毛または逆向きの微軟毛がある。節は無毛。稈鞘に開出する長毛があり、葉鞘にも長毛がある。葉は披針形、上面に粗い長毛(pilose)が散生または無毛になり、下面に密に毛がある。枝は節にl本。葉鞘の肩毛は基部がザラつき(粗渋)、上部は平滑。

6 Sasaella masamuneana (Makino) Hatus. et Muroi クリオザサ 栗生笹

  synonym Sasaella amoena (Nakai) Koidz. ヨモギダコチク

  synonym Sasaella masamuneana (Makino) Hatus. et Muroi var. amoena (Nakai) Sad.Suzuki ヨモギダコチク

  synonym Sasaella hashimotoi (Makino) Makino ex Koidz. オウサカザサ

  synonym Sasaella masamuneana (Makino) Hatus. et Muroi var. amoena (Nakai) Sad.Suzuki f. muramatsuana sensu Sad.Suzuki

  synonym Sasaella minaguchii Makino et Koidz.  ウゴザサ 

  synonym Sasaella masamuneana (Makino) Hatus. et Muroi f. hashimotoi (Makino) Sad.Suzuki

  synonym Sasaella sasakiana Makino et Uchida トウゲダケ 
 日本固有種。本州(本州、九州)に分布。別名はゲンケイチク、タネガシマザサ、ヤクシノ。
 稈は直立し、高さ長さ1~2m、木質、節間は上部が無毛またはときに逆向きの毛があり、節は無毛またはときに逆向きの毛がある。側枝は亜低木(suffrutescent;主幹が不明瞭)、各節に枝は1~3本、茎と同じくらい太い。稈鞘は無毛。葉鞘は無毛。葉鞘の肩毛(oral hairs)は剛毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は葉柄状になる。葉身は披針形~長楕円状披針形、長さ10~20cm×幅19~28mm、先は漸尖形、両面とも無毛、ときに上面に長毛または短毛があり、下面は無毛。円錐花序は開き、卵形。小穂は単生し、稔性の小穂は小梗がある。小穂は5~7個の稔性の小花からなり、頂部の小花が減る。小穂は長円形、側部が扁平、長さ20~30㎜、熟すと各稔性の小花の下で関節離断する。苞穎は宿存し、小穂より短い。第1苞穎は披針形、薄膜質、竜骨はなく、先は鋭形。第2苞穎は卵形、薄膜質、竜骨はなく、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、紙質、竜骨はなく、先は鋭形。頂部の不稔の小花は未発達でも稔性の小花に似ている。鱗被は3個。葯は6個。柱頭は2個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
品種) 'Albostriata', 'Aureostriata'

7 Sasaella ramosa (Makino) Makino アズマザサ 東笹
  synonym Sasa ramosa (Makino) Makino & Shibata

  synonym Sasaella agrestis (Makino) Makino アオカムロザサ(タテバヤシザサ, ムサシノザサ, タタラザサ, アオバヤマザサ)

  synonym Sasaella sawadae (Makino) Makino ex Koidz. var. aobayamana Sad.Suzuki アオカムロザサ

  synonym Sasaella chikatsuafumiana (Koidz.) Koidz.  オウミシノ
  synonym Sasaella tsukubensis (Koidz.) Koidz.  オウミシノ
  synonym Sasaella marunoi Hatus.  マクラザキザサ 
 日本固有種。本州に分布。英名はhairy bamboo。ニュージーランドに帰化している。
 稈は直立し、高さ1~2m、直径4~8㎜、木質、節間は無毛(、または毛があり)、節は無毛(、または毛がある)。枝は若い稈では各節に1本、古い稈には2~3本出るようになり(3本のものはハコネメダケと分類されたが、現在では含む)、側枝は樹枝樹状、茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存し、無毛。葉耳は無い。葉鞘は無毛。肩毛(葉鞘の口部の毛)は剛毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部には短い葉柄のような葉鞘との接続部がある。葉身は披針形~長円状披針形、長さ17~25㎝×幅25~35mm、上面は無毛ときに薄く、白色の長毛があり、またはときに密に微軟毛があり、下面は普通、密に毛があり、葉先は尖鋭形。円錐花序は開き、長円形、長さ約10㎝。小穂は単生し、稔性の小穂は小梗がある。小穂は6~11個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ40~50㎜、熟すと、稔性の小花の下で関節離断し、小軸の節間は長さ約5㎜、毛がある。両苞穎は宿存し、異なり、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は線形、長さ1~2㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ4~6㎜、薄膜質、竜骨はなく、3脈があり、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ12~14㎜、紙質、竜骨はなく、13~15脈があり、側脈に交差脈があり、縁は縁毛があり、上部に毛があり、先は尖鋭形。内穎は護穎の長さの0.9倍、13脈があり、竜骨は縁毛が上部に飾られ、毛は長さの0.5倍、竜骨の先は脈が先端から突き出る。頂部の不稔の小花は未発達であるが、稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、長さ2~2.5㎜、脈があり、縁毛があり、先は鈍形。葯は6個、長さ約5㎜。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。
品種) 'Albostriata' , 'Flavostriata' , 'Kimmei' , 'Tsuyu-zasa'

7-1 Sasaella ramosa (Makino) Makino var. latifolia (Nakai) Sad.Suzuki オオバアズマザサ 大葉東笹

  synonym Sasaella benten Makino et Nakai ex Nakai
  synonym Sasaella yessaensis (Koidz.) Koidz
 本州、沖縄に分布。
 葉鞘は微細な毛で密に微軟毛があり、ときに長毛が混じる。他は基本種と同じ。

7-2 Sasaella ramosa (Makino) Makino var. suwekoana (Makino) Sad.Suzuki スエコザサ 寿衛子笹

  synonym Sasa Suwekoana Makino
 本州、沖縄に分布。
 葉は厚く、革状紙質、片側がほぼ外巻きし、縦に皺があり、上面に長い直軟毛がまばらにあり、下面に柔らかい毛がある。

7-3 Sasaella ramosa (Makino) Makino f. tomikusensis (Nakai) Sad.Suzuki トミクサザサ

  synonym Sasaella tomikusensis (Nakai) Koidz.
 本州に分布。
 節に長い直軟毛があり、それ以外は基本種と同じ。

7-4 Sasaella ramosa (Makino) Makino var. latifolia (Nakai) Sad.Suzuki f. trichophila (Koidz.) Sad.Suzuki オニウラジロシノ 鬼裏白篠

  synonym Sasaella trichophila (Koidz.) Koidz.
  synonym Sasaella nakashimana (Koidz.) Koidz.
 本州に分布。
 節に長い直軟毛があり、節間に逆向きの微細な微軟毛がある。

8 Sasaella sadoensis (Nakai) Sad.Suzuki サドザサ 佐渡笹
  synonym Sasaella sadoensis (Nakai) Sad.Suzuki
 日本固有種。本州(北部、中部)に分布。別名はアラゲサドザサ。
 稈は直立し、長さ100~150㎝、稈の節間は無毛、節も無毛。側枝は樹状状、枝は節に1本(または3本)、水平に出て、茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存し、無毛。葉耳はない。葉鞘は直軟毛がある。肩毛は剛毛。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は葉鞘との間が葉柄状になる。葉身は披針形または長円形、長さ18~23㎝×幅25~35㎜、両面とも無毛、葉先は尖鋭形。円錐花序は開き、卵形、長さ約5㎝。小穂は単生、稔性の小穂は小梗があり、7~10個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ30~40㎜、熟すと小花の下で関節離断し、小軸の節間は長さ約3㎜、毛がある。両苞穎は宿存し、似ていて、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約6㎜、薄膜質、竜骨はなく、3脈があり、縁に縁毛があり、先は尖鋭形。第2苞穎は卵形、長さ約8㎜、薄膜質、竜骨はなく、7脈があり、に縁毛があり、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約10㎜、紙質、竜骨はなく、15脈があり、側脈に交差脈があり、縁に縁毛があり、上部に毛があり、先は尖鋭形。内穎は護穎の長さと同長、10脈があり、竜骨に縁毛が上部に飾られ、毛はその長さの0.5倍、竜骨の先は脈が突き出る。頂部の不稔の小花は未発達であるが稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、長さ約3㎜、縁毛があり、先は鋭形。葯は6個、長さ約5mm。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

9 Sasaella sawadae (Makino) Makino ex Koidz. ハコネメダケ 箱根雌竹
  synonym Sasaella marunoi Hatusima
 本州全域、九州に分布する。関東地方に多い。別名ハコネシノ。
 稈は高さ約2m。枝は節に1~3本出る。稈鞘、葉鞘、稈の節と節間は無毛。葉は披針形、基部は円形、先は漸尖して、尖鋭形、紙質、下面に毛がある。
 Kewscienceでは枝が1本のものをアズマザサ、3本のものを独立種のハコネメダケとしているが、現在ではアズマザサに統合されている。

10 Sasaella shiobarensis (Nakai) Nakai ex Koidz. シオバラザサ 塩原笹
  synonym Sasaella aikawensis (Nakai) Koidz.

  synonym Arundinaria shiobarensis Nakai 植物研究雑誌 10(9) 547-581 (1934) 43)

  synonym Arundinaria sadoensis f. mitinokuensis (Koidz.) Murata
 日本固有種。本州(関東地方~東北地方)に分布。山地の林下に生える。
 稈は直立し、高さ1~2m、直径4~8㎜、木質、節間は無毛、節は無毛。 枝は節から1本出る。稈鞘は宿存し、無毛。葉鞘は長い直軟毛が密生または散生する。肩毛は剛毛が広がり、剛毛の基部は微毛がありザラつき(粗渋)、上部は平滑。葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部は短い葉柄状になる。葉身は披針形、長さ17~19㎝×幅25~31㎜、紙質、上面は無毛ときに長毛または短毛があり、下面は普通、密に毛があり、葉先は尖鋭形。
 次の品種、変種はKewscienceでは基本種に含めている。

10-1 Sasaella shiobarensis (Nakai) Nakai ex Koidz. f. mitinokuensis (Koidz.) Sad.Suzuki ジュアンシノ

  synonym Arundinaria mitinokuensis Koidz.
 本州北部(陸中)に分布。
 節に長い直軟毛が密にある。葉は下面に薄く、毛がある。他は基本種と同じ。

10-2 Sasaella shiobarensis (Nakai) Nakai ex Koidz. var. yessaensis (Koidz.) Sad.Suzuki エッサシノ

  synonym Sasaella yessaensis (Koidz.) Koidz.

11 Sasaella yamakitensis (Makino) M.Kobay. ヤマキタダケ 山北竹
  synonym Sasaella hisauchii (Makino) Makino  ヒメスズタケ
  synonym Sasa hisauchii (Makino) Makino 
  synonym Sasaella tajimana (Koidz.) Koidz.  タジマシノ
  synonym Arundinaria yamakitensis Makino
  synonym Pleioblastus yamakitensis (Makino) Makino

  synonym Sasaella ikegamii (Nakai) Sad.Suzuki カリワシノ [YListでは誤りとしている]

  synonym Arundinaria tajimana Koidz.
 日本固有種。本州に分布する。別名はヒメスズタケ、キタヤマザサ。和名は相模(現在の神奈川県)山北(現在の山北町)で採集したことに因む。メリケンチク属から組み換えされた。
 稈は直立し、高さ1~1.5(2)m、直径4~7㎜、木質、節間は無毛、または毛がある。節は無毛。側枝は樹状状。枝は節に1または3本、水平に出て、茎と同じくらい太い。稈鞘は宿存し、無毛。葉耳は無い。葉身は両表とも無毛(または直軟毛がある)。肩毛は剛毛、広がる。 葉舌は縁毛がなく、膜質。葉身の基部の葉鞘との接続部は葉柄状。葉身は披針形または長円形、長さ20~25㎝×幅25~40㎜、両面とも無毛、葉先は尖鋭形、円錐花序は開き、卵形、長さ約6㎝。小穂は単生し、稔性の小穂は小梗があrふ。小穂は5~9個の稔性の小花からなり、頂部の小花は減る。小穂は線形、側部が扁平、長さ40~50㎜、熟すと各稔性の小花の下で関節離断し、小軸の節間は長さ約5㎜、毛がある。両苞穎は宿存し、似ていて、小穂より短く、稔性の護穎よりも薄い。第1苞穎は披針形、長さ約3㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。第2苞穎は披針形、長さ約5㎜、薄膜質、竜骨はなく、先は尖鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ約12㎜、紙質、竜骨はなく、9脈があり、側脈に交差脈があり、縁に縁毛があり、上部に毛があり、先は尖鋭形。内穎は長さ約11㎜、8脈があり、竜骨の上部が縁毛で飾られ、毛は長さの0.5倍、竜骨の先の脈が先端から突き出る。頂部の小花は未発達でも、稔性の小花に似ている。鱗被は3個、卵形、縁毛があり、先は鋭形。葯は6個。柱頭は3個。穎果は果皮が付着性、先に付属体は無い。

参考

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 Sasa
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=129304
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Sasa
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:18942-1
 Sasaella
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:18943-1
3) World Flora Online
 Sasa
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000034135
4) World Checklist of Vascular Plants
 Sasa
https://wcvp.science.kew.org/
5) 神奈川県植物誌 2001
 タケ科
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http://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=23256
7) 植物研究雑誌 10(9): 34–34(1934)
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8) 植物分類,地理/3巻 1号 16-27(1934)
 小泉 源一  日本竹笹科新植物
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/3/1/3_KJ00002594127/_pdf/-char/ja
9) 植物分類,地理/3巻 2号 68-70(1934)
 小泉 源一  日本竹笹科新植物 Ⅱ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/3/2/3_KJ00002594148/_pdf/-char/ja
10) Acta Phytotax. Geobot. 5: 198-203(1936)
 小泉 源一  日本竹笹科新植物 第三
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/5/3/5_KJ00002594354/_pdf/-char/ja
11) Acta Phytotax. Geobot. 6: 65 (1937)
 小泉 源一  日本竹笹科新植物 第四
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/6/2/6_KJ00002594425/_pdf/-char/en
12) 植物分類,地理/6巻 4号 276-289(1937)
 小泉 源一 日本竹笹科新品 第五
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/6/4/6_KJ00002594446/_pdf/-char/ja
13) 植物分類,地理/7巻 4号 252-260(1938)
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/7/4/7_KJ00002594514/_pdf/-char/ja
14) 植物分類,地理/9巻 4号 230-231(1940)
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/9/4/9_KJ00002594640/_pdf/-char/ja
15) 植物分類,地理/10 巻 4 号 254-260(1941)
 小泉 源一 日本竹笹科新品 第八
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/10/4/10_KJ00002593916/_pdf/-char/ja
16) 植物分類,地理/11 巻 2 号 101-119 (1942)
 笹属の南部薦区と小擬薦区
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/11/2/11_KJ00002593938/_pdf/-char/ja
17) 植物分類,地理/11 巻 3 号 216-224 (1942)
 小泉 源一 笹属の擬薦区
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/11/3/11_KJ00002593956/_pdf/-char/ja
18) 植物分類,地理/11 巻 4 号 312-320(1942)
 小泉 源一 日本竹笹科新品第十
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/11/4/11_KJ00001078930/_pdf/-char/ja
19) 福井市立郷土自然科学博物館博物同好会会報 No.22 (1975)
 松井敬二 福井県のササ属について(1)
http://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/shuppan/kenpou/22/22-39-46.pdf
20) 植物研究雑誌 51(4): 97–103(1976)
 鈴木貞雄. アズマザサ属の再検討.(1) アズマザサ属
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_051_97_103_d.pdf
21) 植物研究雑誌 51(5): 151-158(1976)
 鈴木貞雄: アズマザサ属の再検討 (2) サドザサ
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22) 植物研究雑誌 51(7): 220-224(1976)
 鈴木貞雄: アズマザサ属の再検討 (3) シオバラザサ、オニグジョウシノ
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23) 植物研究雑誌 51(9): 269-277(1976)
 鈴木貞雄: アズマザサ属の再検討 (4) ヤブザサ、ヒシュウザサ、アタミシノ
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_051_269_277_d.pdf
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日本産ササ類(ササ亜連:アルンディナリア連:タケ亜科)における稈鞘の挙動によって特徴づけられる分枝様式の分類学的意義
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http://neme-s.org/Bamboo/Ohrnberger_The_Bamboos_of_the_World.pdf