メハジキ 目弾き
Flora of Mikawa
シソ科 Lamiaceae メハジキ属
別 名 | ヤクモソウ 益母草 |
中国名 | 益母草 yi mu cao |
英 名 | Chinese motherwort |
学 名 | Leonurus japonicus Houtt. synonym Leonurus artemisia (Lour.) S. Y. Hu synonym Leonurus sibiricus auct. non L. |
花 期 | 6~9月 |
高 さ | 50~150㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 野原、道端 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、ロシア、熱帯アジア(インド、ネパール、インドシナ、マレーシア) |
撮 影 | 豊川市三上町 02.6.14 |
メハジキは東アジアに分布し、南北アメリカやヨーロッパに帰化している。
多年草、高さ50~150㎝。茎には下向きの曲がった毛が生える。卵心形の根生葉は花期にはなく、茎葉は掌状に深く切れ込む。葉には白毛が生え、表面には点在、裏面には密生する。3~5個の花からなる花序を茎の周りに集めて仮輪となって、段状につく。萼は長さ6~7㎜、先は5裂し、鋭く尖る。萼の基部に刺針状の短い小苞がある。花冠は長さ10~13㎜の2唇形、紅紫色。上唇の背面には白毛がある。果実は4分果。分果は長さ約2.5㎜、3稜があり、熟すと暗褐色になる。
1年草、2年草又は多年草、直立する。葉は3~7裂。根生葉は±掌状分裂、普通、花時に落葉する。小苞は錐形又は刺があり、硬く又はぐにゃぐにゃ。萼は倒円錐形又は筒状鐘形、5脈があり、不明瞭な2唇がある。上唇は真っすぐ、3歯がある。下唇には2歯があり、歯は癒合し、広がり又はわずかに広がる。花冠は白色、帯赤色~帯紫色、2唇形、筒部は突き出る。上唇は長円形、倒卵形、又は卵状円形、縁は全縁、真っすぐ、絨毛があるか又は無毛。下唇は真っすぐ又は広がり、斑点があり、3裂し、裂片は長円状卵形又は中裂片が浅い心形、卵形の側裂片より大きい。雄しべは4本、前側の2本は長く、後ろ側の2本は平行。葯室は2個、平行。花柱は先が等しく2裂し、裂片は錐形。小堅果は尖った3稜形、基部は楔形、先は切形。
世界に約20種あり、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカに分布する。
ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、バルト諸国、ベラルーシ、ベルギー、ブルガリア、チェコスロバキア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イラン、イタリア、クリミア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン、スイス、トランスコーカサス、ウクライナ、ロシア、ユーゴスラビア)、トルコ原産。英名はlion's tail , motherwort。別名はヨウシュメハジキ。かつては家庭薬として使われ、現在は米国の大部分で雑草として定着し、現在ではカナダ、南アメリカ、イギリス、スペイン、パキスタン、ニュージーランドなどにキカし、日本でも見られる。
多年草、広がる根茎を持つ。茎は四角形で、長さ(40)50~100㎝(またはそれ以上150㎝)、通常は葉があり、細柔毛~±絨毛がある。葉は様々に切れ込み、葉身は長さ3~8(10)㎝×幅2.5~8㎝、±卵形の輪郭で深く裂け、細柔毛~密に毛があり、下部に多数の小さな無柄の油球があり、±目立つ脈がある。葉柄は下部で長さ3㎝まで、上部ではそれより小さい。輪散花序は直径10~15㎜、多数つき、下部は離れ、上部はやや近接する。小花柄は無い。萼は長さ約5㎜、5本の明瞭な脈または肋があり、無毛または細柔毛がある。茎筒は堅く、5角があり、長さ3~4㎜、萼歯は長さ約3㎜、基部が三角形、上部で急に錐形になり、硬い~堅い。果実は硬く、広がった歯がある。花冠はバラ色または白色、長さ8~12㎜。上唇は密に白色の絨毛があり、筒部は斜めの環状の毛がある。小堅果は淡褐色、長さ約2.5cm、先端に細柔毛がある(Flora of Pakistan)。2n=18。花期は6~8月(Northeastern Flora)。
品種) 'Crispa' , 'Grobbebol'
synonym Leonurus tataricus auct. non L.
synonym Leonurus deminutus var. orientalis Krestovsk.
中国(内モンゴル)、モンゴル、ロシア原産。中国名は兴安益母草 xing an yi mu cao 。標高800~900mの森林の斜面に生える。
2年草または多年草。茎は直立し、長さ約60㎝、伏した毛がある。葉柄は長さ1.7~2㎝、茎の中央部と上部の葉は葉身がほぼ円形で、直径約4.5㎝、掌状に5深裂し、短い伏剛毛があり、基部は広楔形、裂片は菱形、さらに羽状に分かれる。輪散花序は多数あり、断続的な穂状花序をつける。花葉は葉柄が長さ約2㎝、葉身は菱形、長さ2.5~3㎝、3深裂し、基部は楔形、裂片は全縁または線形に切れ込む。小苞は刺があり、わずかに反り返り、伏した軟毛があり、絨毛があり、長さ3~4㎜。萼は倒円錐形、伏した軟毛があり、萼筒は長さ約3㎜、脈が目立ち、絨毛がある。萼歯は長さ2~3㎜、広三角形、長い刺があり、前側の歯は広がっている。花冠は帯紫色、長さ約8㎜、絨毛がある。花冠筒部は長さ約4㎜、内側に軟毛がある。上唇は真っすぐ長円形。下唇は水平に広がり、中裂片が大きい。小堅果は帯褐色、三稜形の長円形、約・長さ1.5㎜×幅1㎜、背側にうねがあり、先は切形、軟毛がある。花期は7月。果期は8月。
この植物は中国植物志(FRPS)ではLeonurus tataricus L.として扱われていた。
3 Leonurus japonicus Houtt. メハジキ 目弾き
synonym Leonurus sibiricus auct. non L.
synonym Leonurus heterophyllus Sweet
synonym Leonurus artemisia (Lour.) S.Y.Hu
多年草。高さ50~150㎝。茎には下向きの曲がった毛が生える。卵心形の根生葉は花期にはなく、茎葉は掌状に深く切れ込む。葉には白毛が生え、上面には点在し、下面には密生する。3~5個の花からなる花序を茎の周りに集めて仮輪となって、段状につく。萼は長さ6~7㎜、先は5裂し、鋭く尖る。萼の基部に刺針状の短い小苞がある。花冠は長さ10~13㎜の2唇形、紅紫色。上唇の背面には白毛がある。果実は4分果。分果は長さ約2.5㎜、3稜があり、熟すと暗褐色になる。花期は6~9月。
4 Leonurus macranthus Maxim. キセワタ 着せ綿
synonym Leonurus macranthus Maxim. var. villosissimus Krestovsk.
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は大花益母草 da hua yi mu cao。斜面の草地、茂みに生える。
多年草。根茎は木質。茎は直立、高さ60~120㎝、単生、伏した後ろ向きの剛毛がある。根生葉は葉柄が長さ約2㎝。下部の茎葉は葉身が心状円形、長さ7~12㎝×幅6~9㎝、3裂し、まばらに小さな剛毛があり、基部は心形、縁は切れ込み、先は鋭形。中間の茎葉は卵形。輪散花序は無柄、花が8~12個つく。花葉(floral leaves)は小さく、卵形~卵状披針形、縁は不規則に切れ込む~ほぼ全縁、先は長い尖鋭形。小苞は刺があり、長さ約7㎜、剛毛がある。花はほぼ無柄。萼は筒状鐘形、長さ7~9㎜、剛毛があり、刺のある萼歯をもち、脈は明瞭に盛り上がり、前側の萼歯は錐状三角形、長さ約1㎝、後ろ側の萼歯は三角形、長さ約5㎜。花冠は帯赤色又は赤紫色、長さ2.5~2.8㎝、密に軟毛があり、内側に鱗片状の環があり、下唇の付近に鱗片がある。花冠の筒部は先で次第に広がり、花冠の長さの約1/2。上唇は真っすぐ、長円形、凹面、約長さ12㎜×幅5㎜、全縁。下唇は約長さ8㎜×幅5㎜、中裂片は卵形の側裂片の長さの約2倍、倒心形、明瞭な凹形。小堅果は黒褐色、長円形、3稜形、長さ約2.5㎜、基部は楔形、先は切形。花期は7~9月。
5 Leonurus pseudomacranthus Kitag. イヌキセワタ 犬着せ綿
日本(北海道、本州、四国、九州)、中国(安徽省、甘粛省、河北省、河南省、江蘇省、遼寧省、陝西省、山東省、山西省)、ロシア原産。中国名は錾菜 zan cai。標高100~1200mの斜面に生える。
多年草。茎は直立し、長さ60~100㎝、単生、先に向かって分枝し、密に密着し、後向きに軟毛がある。根生葉の葉柄は長さ1~2㎝、±狭い翼がある。葉身は卵形、長さ6~7㎝× 幅4~5㎝、ほぼ均等に3裂し、±革質、上面に密に伏剛毛状の微細剛毛(strigose-hirtellous)があり、ザラつき、波打ち、下面に伏した微細剛毛があり、帯黄色の腺があり、基部は広楔形、縁は粗い鋸歯状の歯があり、先は鋭形。茎の中間の茎葉は単葉で、葉柄は長さ1㎝未満、葉身は長円形、縁は鋸歯状の歯がある。輪散花序に多数の花がつく。花葉は無柄、線状長円形、約・長さ3㎝×幅1㎝、全縁または1~2個の鋸歯状の歯がある。小苞は少数、刺があり、真っ直ぐ、長さ5~6㎜、剛毛がある。花は無柄。萼は筒形、長さ7~8㎜、微細剛毛があり、脈上に粗毛があり、帯黄色の腺があり、基部は硬い(stramineus)。前側の萼歯は長さ約5㎜、真っ直ぐ、錐形、先には刺がある。後側の萼歯は等長、長さ約3㎜、真っ直ぐ、三角状錐形、先には刺がある。花冠は白色、または紫色の斑点があり、長さ約1.8㎝、細柔毛がある。花冠筒部は長さ約8㎜、内部には鱗片状の環があり、上唇は長円状卵形、長さ1㎝以下、ほぼ円形、真っ直ぐ、縁は全縁。下唇は卵形、約・長さ8㎜×幅5㎜、中央裂片は倒心形で2小裂があり、側裂片は卵形。小堅果は黒褐色、長円形、三稜形。花期は8~9月。果期は9~10月。
6 Leonurus sibiricus L. ホソバメハジキ 細葉目弾き
synonym Leonurus manshuricus Y.Yabe
1年草または2年草。茎は直立し、長さ20~80㎝、密着して条状になる。下部の茎葉は早期に落葉する。中央の茎葉の葉柄は約2㎝。葉身は卵形、約・長さ5㎝×幅4cm、まばらに伏剛毛があり、下面に腺があり、基部は広楔形、3掌状全裂し、裂片は狭長円状菱形で3裂し、小裂片は線形、幅1~3㎜。下面の葉脈は黄白色。輪散花序は花が多数つき、直径3~3.5㎝。上部の花葉はほぼ菱形、3掌全裂し、裂片は狭く、幅1~2㎜の線形の小裂片が3個ある。小苞は刺があり、反り返り、萼筒より短く、長さ4~6mm、伏剛毛がある。花は無柄。萼は筒状鐘形、長さ8~9㎜、中央部に密に細柔毛があるが、それ以外には伏した微軟毛がある。前側の萼歯はわずかに広がり、錐状三角形、長さ3~4㎜、先端に刺がある。後側の萼歯は三角形、長さ2~3㎜、先端に刺がある。花冠は白色または帯赤色~紫赤色、長さ約1.8㎝。花冠筒部は長さ約9㎜、無毛、内部には鱗片の環がある。拡大部には密に絨毛があり、内側は無毛。上唇は長円形、真っ直ぐ、凹面形、約・長さ10㎜×幅5㎜、縁は全縁。下唇は約・長さ7㎜×幅5㎜、上唇の長さの3/4の長さ。中央裂片は倒心形、基部は狭まり、縁は膜様で、先は凹形。側裂片は卵形。花糸はまばらに鱗片がある。小堅果は褐色、長円形で、三稜形、長さ約2.5㎜、基部は楔形、先端は切形。花期は7~9月。果期は9月。
7 Leonurus tataricus L. レオヌルス・タタリクス
synonym Leonurus altaicus Spreng.
synonym Panzeria tripartita Moench
synonym Panzeria villosa Raf.
モンゴル、ロシア原産。英名はChinese motherwort。石の多い斜面、道端、川岸に生え、また雑草としても生える。
多年草または2年草、木質の根茎を持つ。茎は多数、まれに単独、長さ50~100cm、上部で分枝し、下部は無毛、花序に長い白色の毛がある。葉は無毛で、下部の葉の葉柄は葉身の長さと等しく、外形は丸く、基部は真っ直ぐまたはほぼ心形で、基部まで狭い長円状菱形の羽片に分かれ、さらに披針形または線形の裂片に分裂する。花序は長く、下部の仮輪は離れ、上部では近接する。苞は錐形、毛がある。萼は広円錐形、長さ5~6㎜、暗緑色、長い白色の毛で覆われる。萼歯は長さ2~3㎜、基部は広三角形、先は錐形に尖り、下側の2萼歯はやや広がる。花冠はピンク紫色、長さ約10㎜、上唇にはややまばらに白色の毛がある。小堅果は長さ2~2.5㎜。花期は7~8月。
Ledebour (Fl. Ross.) は、L. tataricus L. の分布をヨーロッパのロシアと誤って報告しており、この誤りは他の植物学者 (Fedchenko と Flerov、Stankov など) によって繰り返し、報告されているが、シベリアの植物である。
多年草。根茎は木質。茎は紫赤色で多数、よく分枝し、高さ0.7~1.5(~2)m、無毛。茎葉の葉柄は長さ2~5㎝。葉身は円形~卵状円形、長さ6~10㎝×幅4~6㎝、掌状深裂し、まばらに絨毛があり、下面に腺があり、基部は広楔形~浅い心形、裂片は±広楔形、羽状分裂し、広披針形の先が鈍形の裂片に分かれる。輪散花序は花が15~20個つき、直径2㎝まで、間隔が開く、穂状花序は長さ10~30㎝。花葉は狭菱形で3深裂し、基部は楔形。苞は刺があり、開出するかまたは反り返り、長さ4~6㎝。花は無柄。萼は鐘形、先端に向かってわずかに袋状になり、伏した細かい微軟毛があり、先は灰緑色、脈はわずかに隆起する。萼筒は長さ約6 mm 。萼歯は三角形、刺状、前側の歯は広がり、長さ約5㎜、で狭く、後側の歯は等長、長さ約3㎜。花冠は帯赤色、長さ約1㎝、絨毛がある。花冠筒部は長さ約6㎜、内側には絨毛が斜めの環状にあり、環状部を超えて広がる。上唇は倒卵形、凹面形、前方に湾曲する。下唇は卵形の裂片があり、中裂片が大きい。小堅果は灰褐色、三稜形、長円形、長さ約2㎜、基部は楔形、先は切形、軟毛がある。花期は7~8月。果期は 8~9月。
Leonurus cardiaca L.
Leonurus
Leonurus
Leonurus
Leonurus cardiaca L.
Leonurus tataricus L. p111
Leonurus
多年草、高さ50~150㎝。茎には下向きの曲がった毛が生える。卵心形の根生葉は花期にはなく、茎葉は掌状に深く切れ込む。葉には白毛が生え、表面には点在、裏面には密生する。3~5個の花からなる花序を茎の周りに集めて仮輪となって、段状につく。萼は長さ6~7㎜、先は5裂し、鋭く尖る。萼の基部に刺針状の短い小苞がある。花冠は長さ10~13㎜の2唇形、紅紫色。上唇の背面には白毛がある。果実は4分果。分果は長さ約2.5㎜、3稜があり、熟すと暗褐色になる。
メハジキ属
family Lamiaceae - genus Leonurus1年草、2年草又は多年草、直立する。葉は3~7裂。根生葉は±掌状分裂、普通、花時に落葉する。小苞は錐形又は刺があり、硬く又はぐにゃぐにゃ。萼は倒円錐形又は筒状鐘形、5脈があり、不明瞭な2唇がある。上唇は真っすぐ、3歯がある。下唇には2歯があり、歯は癒合し、広がり又はわずかに広がる。花冠は白色、帯赤色~帯紫色、2唇形、筒部は突き出る。上唇は長円形、倒卵形、又は卵状円形、縁は全縁、真っすぐ、絨毛があるか又は無毛。下唇は真っすぐ又は広がり、斑点があり、3裂し、裂片は長円状卵形又は中裂片が浅い心形、卵形の側裂片より大きい。雄しべは4本、前側の2本は長く、後ろ側の2本は平行。葯室は2個、平行。花柱は先が等しく2裂し、裂片は錐形。小堅果は尖った3稜形、基部は楔形、先は切形。
世界に約20種あり、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカに分布する。
メハジキ属の主な種
1 Leonurus cardiaca L. モミジバキセワタ 紅葉葉着せ綿ヨーロッパ(アルバニア、オーストリア、バルト諸国、ベラルーシ、ベルギー、ブルガリア、チェコスロバキア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イラン、イタリア、クリミア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン、スイス、トランスコーカサス、ウクライナ、ロシア、ユーゴスラビア)、トルコ原産。英名はlion's tail , motherwort。別名はヨウシュメハジキ。かつては家庭薬として使われ、現在は米国の大部分で雑草として定着し、現在ではカナダ、南アメリカ、イギリス、スペイン、パキスタン、ニュージーランドなどにキカし、日本でも見られる。
多年草、広がる根茎を持つ。茎は四角形で、長さ(40)50~100㎝(またはそれ以上150㎝)、通常は葉があり、細柔毛~±絨毛がある。葉は様々に切れ込み、葉身は長さ3~8(10)㎝×幅2.5~8㎝、±卵形の輪郭で深く裂け、細柔毛~密に毛があり、下部に多数の小さな無柄の油球があり、±目立つ脈がある。葉柄は下部で長さ3㎝まで、上部ではそれより小さい。輪散花序は直径10~15㎜、多数つき、下部は離れ、上部はやや近接する。小花柄は無い。萼は長さ約5㎜、5本の明瞭な脈または肋があり、無毛または細柔毛がある。茎筒は堅く、5角があり、長さ3~4㎜、萼歯は長さ約3㎜、基部が三角形、上部で急に錐形になり、硬い~堅い。果実は硬く、広がった歯がある。花冠はバラ色または白色、長さ8~12㎜。上唇は密に白色の絨毛があり、筒部は斜めの環状の毛がある。小堅果は淡褐色、長さ約2.5cm、先端に細柔毛がある(Flora of Pakistan)。2n=18。花期は6~8月(Northeastern Flora)。
品種) 'Crispa' , 'Grobbebol'
2 Leonurus deminutus V.I.Krecz. et Kuprian. ダッタンメハジキ 韃靼目弾き
synonym Leonurus mongolicus V.I.Krecz. et Kuprian.synonym Leonurus tataricus auct. non L.
synonym Leonurus deminutus var. orientalis Krestovsk.
中国(内モンゴル)、モンゴル、ロシア原産。中国名は兴安益母草 xing an yi mu cao 。標高800~900mの森林の斜面に生える。
2年草または多年草。茎は直立し、長さ約60㎝、伏した毛がある。葉柄は長さ1.7~2㎝、茎の中央部と上部の葉は葉身がほぼ円形で、直径約4.5㎝、掌状に5深裂し、短い伏剛毛があり、基部は広楔形、裂片は菱形、さらに羽状に分かれる。輪散花序は多数あり、断続的な穂状花序をつける。花葉は葉柄が長さ約2㎝、葉身は菱形、長さ2.5~3㎝、3深裂し、基部は楔形、裂片は全縁または線形に切れ込む。小苞は刺があり、わずかに反り返り、伏した軟毛があり、絨毛があり、長さ3~4㎜。萼は倒円錐形、伏した軟毛があり、萼筒は長さ約3㎜、脈が目立ち、絨毛がある。萼歯は長さ2~3㎜、広三角形、長い刺があり、前側の歯は広がっている。花冠は帯紫色、長さ約8㎜、絨毛がある。花冠筒部は長さ約4㎜、内側に軟毛がある。上唇は真っすぐ長円形。下唇は水平に広がり、中裂片が大きい。小堅果は帯褐色、三稜形の長円形、約・長さ1.5㎜×幅1㎜、背側にうねがあり、先は切形、軟毛がある。花期は7月。果期は8月。
この植物は中国植物志(FRPS)ではLeonurus tataricus L.として扱われていた。
3 Leonurus japonicus Houtt. メハジキ 目弾き
synonym Leonurus sibiricus auct. non L.
synonym Leonurus heterophyllus Sweet
synonym Leonurus artemisia (Lour.) S.Y.Hu
synonym Leonurus japonicus f. niveus (A.I.Baranov & Skvortsov) H.Hara シロバナメハジキ
日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、ミャンマー、ネパール、ブータン、ラオス、カンボジア、バングラデシュ、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア(クイーンズランド州)原産。アメリカ大陸に広く帰化している。中国名は益母草 yi mu cao。英名はChinese motherwort。野原、道端に生える。多年草。高さ50~150㎝。茎には下向きの曲がった毛が生える。卵心形の根生葉は花期にはなく、茎葉は掌状に深く切れ込む。葉には白毛が生え、上面には点在し、下面には密生する。3~5個の花からなる花序を茎の周りに集めて仮輪となって、段状につく。萼は長さ6~7㎜、先は5裂し、鋭く尖る。萼の基部に刺針状の短い小苞がある。花冠は長さ10~13㎜の2唇形、紅紫色。上唇の背面には白毛がある。果実は4分果。分果は長さ約2.5㎜、3稜があり、熟すと暗褐色になる。花期は6~9月。
4 Leonurus macranthus Maxim. キセワタ 着せ綿
synonym Leonurus macranthus Maxim. var. villosissimus Krestovsk.
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は大花益母草 da hua yi mu cao。斜面の草地、茂みに生える。
多年草。根茎は木質。茎は直立、高さ60~120㎝、単生、伏した後ろ向きの剛毛がある。根生葉は葉柄が長さ約2㎝。下部の茎葉は葉身が心状円形、長さ7~12㎝×幅6~9㎝、3裂し、まばらに小さな剛毛があり、基部は心形、縁は切れ込み、先は鋭形。中間の茎葉は卵形。輪散花序は無柄、花が8~12個つく。花葉(floral leaves)は小さく、卵形~卵状披針形、縁は不規則に切れ込む~ほぼ全縁、先は長い尖鋭形。小苞は刺があり、長さ約7㎜、剛毛がある。花はほぼ無柄。萼は筒状鐘形、長さ7~9㎜、剛毛があり、刺のある萼歯をもち、脈は明瞭に盛り上がり、前側の萼歯は錐状三角形、長さ約1㎝、後ろ側の萼歯は三角形、長さ約5㎜。花冠は帯赤色又は赤紫色、長さ2.5~2.8㎝、密に軟毛があり、内側に鱗片状の環があり、下唇の付近に鱗片がある。花冠の筒部は先で次第に広がり、花冠の長さの約1/2。上唇は真っすぐ、長円形、凹面、約長さ12㎜×幅5㎜、全縁。下唇は約長さ8㎜×幅5㎜、中裂片は卵形の側裂片の長さの約2倍、倒心形、明瞭な凹形。小堅果は黒褐色、長円形、3稜形、長さ約2.5㎜、基部は楔形、先は切形。花期は7~9月。
5 Leonurus pseudomacranthus Kitag. イヌキセワタ 犬着せ綿
synonym Leonurus macranthus Maxim. var. pseudomacranthus (Kitag.) C.Y.Li
synonym Leonurus condensatus Hornem.日本(北海道、本州、四国、九州)、中国(安徽省、甘粛省、河北省、河南省、江蘇省、遼寧省、陝西省、山東省、山西省)、ロシア原産。中国名は錾菜 zan cai。標高100~1200mの斜面に生える。
多年草。茎は直立し、長さ60~100㎝、単生、先に向かって分枝し、密に密着し、後向きに軟毛がある。根生葉の葉柄は長さ1~2㎝、±狭い翼がある。葉身は卵形、長さ6~7㎝× 幅4~5㎝、ほぼ均等に3裂し、±革質、上面に密に伏剛毛状の微細剛毛(strigose-hirtellous)があり、ザラつき、波打ち、下面に伏した微細剛毛があり、帯黄色の腺があり、基部は広楔形、縁は粗い鋸歯状の歯があり、先は鋭形。茎の中間の茎葉は単葉で、葉柄は長さ1㎝未満、葉身は長円形、縁は鋸歯状の歯がある。輪散花序に多数の花がつく。花葉は無柄、線状長円形、約・長さ3㎝×幅1㎝、全縁または1~2個の鋸歯状の歯がある。小苞は少数、刺があり、真っ直ぐ、長さ5~6㎜、剛毛がある。花は無柄。萼は筒形、長さ7~8㎜、微細剛毛があり、脈上に粗毛があり、帯黄色の腺があり、基部は硬い(stramineus)。前側の萼歯は長さ約5㎜、真っ直ぐ、錐形、先には刺がある。後側の萼歯は等長、長さ約3㎜、真っ直ぐ、三角状錐形、先には刺がある。花冠は白色、または紫色の斑点があり、長さ約1.8㎝、細柔毛がある。花冠筒部は長さ約8㎜、内部には鱗片状の環があり、上唇は長円状卵形、長さ1㎝以下、ほぼ円形、真っ直ぐ、縁は全縁。下唇は卵形、約・長さ8㎜×幅5㎜、中央裂片は倒心形で2小裂があり、側裂片は卵形。小堅果は黒褐色、長円形、三稜形。花期は8~9月。果期は9~10月。
5-1 Leonurus pseudomacranthus Kitag. f. leucanthus Kitag. シロバナイヌキセワタ 白花犬着せ綿
白花品種。6 Leonurus sibiricus L. ホソバメハジキ 細葉目弾き
synonym Leonurus manshuricus Y.Yabe
synonym Leonurus sibiricus f. albiflorus (Nakai & Kitag.) C.Y.Wu & H.W.Li シロバナホソバメハジキ
中国(河北省、内モンゴル、陝西省、山西省)、モンゴル、ロシア原産。中国名は细叶益母草草 xi ye yi mu cao 。英名はSiberian motherwort。標高0~1500mの石の多いまたは砂質の草原、マツ林に生える。1年草または2年草。茎は直立し、長さ20~80㎝、密着して条状になる。下部の茎葉は早期に落葉する。中央の茎葉の葉柄は約2㎝。葉身は卵形、約・長さ5㎝×幅4cm、まばらに伏剛毛があり、下面に腺があり、基部は広楔形、3掌状全裂し、裂片は狭長円状菱形で3裂し、小裂片は線形、幅1~3㎜。下面の葉脈は黄白色。輪散花序は花が多数つき、直径3~3.5㎝。上部の花葉はほぼ菱形、3掌全裂し、裂片は狭く、幅1~2㎜の線形の小裂片が3個ある。小苞は刺があり、反り返り、萼筒より短く、長さ4~6mm、伏剛毛がある。花は無柄。萼は筒状鐘形、長さ8~9㎜、中央部に密に細柔毛があるが、それ以外には伏した微軟毛がある。前側の萼歯はわずかに広がり、錐状三角形、長さ3~4㎜、先端に刺がある。後側の萼歯は三角形、長さ2~3㎜、先端に刺がある。花冠は白色または帯赤色~紫赤色、長さ約1.8㎝。花冠筒部は長さ約9㎜、無毛、内部には鱗片の環がある。拡大部には密に絨毛があり、内側は無毛。上唇は長円形、真っ直ぐ、凹面形、約・長さ10㎜×幅5㎜、縁は全縁。下唇は約・長さ7㎜×幅5㎜、上唇の長さの3/4の長さ。中央裂片は倒心形、基部は狭まり、縁は膜様で、先は凹形。側裂片は卵形。花糸はまばらに鱗片がある。小堅果は褐色、長円形で、三稜形、長さ約2.5㎜、基部は楔形、先端は切形。花期は7~9月。果期は9月。
7 Leonurus tataricus L. レオヌルス・タタリクス
synonym Leonurus altaicus Spreng.
synonym Panzeria tripartita Moench
synonym Panzeria villosa Raf.
モンゴル、ロシア原産。英名はChinese motherwort。石の多い斜面、道端、川岸に生え、また雑草としても生える。
多年草または2年草、木質の根茎を持つ。茎は多数、まれに単独、長さ50~100cm、上部で分枝し、下部は無毛、花序に長い白色の毛がある。葉は無毛で、下部の葉の葉柄は葉身の長さと等しく、外形は丸く、基部は真っ直ぐまたはほぼ心形で、基部まで狭い長円状菱形の羽片に分かれ、さらに披針形または線形の裂片に分裂する。花序は長く、下部の仮輪は離れ、上部では近接する。苞は錐形、毛がある。萼は広円錐形、長さ5~6㎜、暗緑色、長い白色の毛で覆われる。萼歯は長さ2~3㎜、基部は広三角形、先は錐形に尖り、下側の2萼歯はやや広がる。花冠はピンク紫色、長さ約10㎜、上唇にはややまばらに白色の毛がある。小堅果は長さ2~2.5㎜。花期は7~8月。
Ledebour (Fl. Ross.) は、L. tataricus L. の分布をヨーロッパのロシアと誤って報告しており、この誤りは他の植物学者 (Fedchenko と Flerov、Stankov など) によって繰り返し、報告されているが、シベリアの植物である。
8 Leonurus turkestanicus V. Kreczetovicz & Kuprianova レオヌルス・トゥルケスタニクス
synonym Leonurus cardiaca subsp. turkestanicus (V.I.Krecz. & Kuprian.) Rech.f.
中国(新疆)、インド、パキスタン、イラン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン原産。中国名は突厥益母草 tu jue yi mu cao。標高1000~2000mの斜面、氾濫原、川岸に生える。多年草。根茎は木質。茎は紫赤色で多数、よく分枝し、高さ0.7~1.5(~2)m、無毛。茎葉の葉柄は長さ2~5㎝。葉身は円形~卵状円形、長さ6~10㎝×幅4~6㎝、掌状深裂し、まばらに絨毛があり、下面に腺があり、基部は広楔形~浅い心形、裂片は±広楔形、羽状分裂し、広披針形の先が鈍形の裂片に分かれる。輪散花序は花が15~20個つき、直径2㎝まで、間隔が開く、穂状花序は長さ10~30㎝。花葉は狭菱形で3深裂し、基部は楔形。苞は刺があり、開出するかまたは反り返り、長さ4~6㎝。花は無柄。萼は鐘形、先端に向かってわずかに袋状になり、伏した細かい微軟毛があり、先は灰緑色、脈はわずかに隆起する。萼筒は長さ約6 mm 。萼歯は三角形、刺状、前側の歯は広がり、長さ約5㎜、で狭く、後側の歯は等長、長さ約3㎜。花冠は帯赤色、長さ約1㎝、絨毛がある。花冠筒部は長さ約6㎜、内側には絨毛が斜めの環状にあり、環状部を超えて広がる。上唇は倒卵形、凹面形、前方に湾曲する。下唇は卵形の裂片があり、中裂片が大きい。小堅果は灰褐色、三稜形、長円形、長さ約2㎜、基部は楔形、先は切形、軟毛がある。花期は7~8月。果期は 8~9月。
参考
1) Online Virtual Flora of WisconsinLeonurus cardiaca L.
http://wisflora.herbarium.wisc.edu/taxa/index.php?taxon=4041
2)Flora of ChinaLeonurus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=117993
3) GRINLeonurus
http://www.narc.gov.jo/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=6655
4) Plants of the World Online | Kew ScienceLeonurus
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30032750-2
5) WFOLeonurus cardiaca L.
https://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-0000224637
6) Flora of the U.S.S.RLeonurus tataricus L. p111
https://www.biodiversitylibrary.org/page/30070964#page/141/mode/1up
7) Flora of PakistanLeonurus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=117993