マツカゼソウ 松風草

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Flora of Mikawa

ミカン科 Rutaceae マツカゼソウ属

学 名 Boenninghausenia albiflora (Hook.) Rchb. ex Meisn. var. japonica (Nakai ex Makino et Nemoto) Suzuki
Boenninghausenia japonica Nakai.
Boenninghausenia albiflora (Hook.) Rchb. ex Meisn. 広義
マツカゼソウ花
マツカゼソウ実
マツカゼソウ花
マツカゼソウ花
マツカゼソウ花
マツカゼソウ花
マツカゼソウ
マツカゼソウ
マツカゼソウ葉の油点
マツカゼソウ種子
花 期 8~10月
高 さ 50~80㎝
生活型 多年草
生育場所 山地の林中
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州
撮 影 設楽町   01.10.6
日本のマツカゼソウを別種としているが、変種とする説がある。ケマツカゼソウを含めて広義に扱う見解もある。葉や茎に油点があり、独特ないやな臭いがする。油点は組織の隙間に揮発性の油が溜まった腺点で、ミカン科の特徴とされ、油点と呼ばれる。
 葉は3回3出羽状複葉、小葉は長さ1~2.5㎝の倒卵形、質が薄く、裏面は白色を帯びる。葉の油点は両面から見える。茎の先に集散花序を出し、半開きにした花を多数付ける。花は長さ約4㎜、白色の花弁4個。花弁の内側に腺点がある。萼は小さく、4裂する。雄しべ7~8個。雌しべは1個、特異な形をしている。子房は長い柄があり、基部まで4裂し、4裂した子房から花柱4本が出て合着し、1本になり柱頭1個に続く。子房の基部に杯形の花盤があり、蜜がたまる。果実は袋果、4個が離生し、数個の種子が入り、熟すと上部が裂開する。2個や3個になってしまうことも多い。種子は長さ約1.5㎜の卵形、表面に粒状突起がある。2n=18
 ケマツカゼソウ Boenninghausenia albiflora var. albiflora は中国、台湾、インド、ネパール、東南アジアに分布する。中国名は臭节草(chou jie cao) 。

マツカゼソウ属

 family Rutaceae- genus Boenninghausenia

 多年草。葉は互生し、羽状複葉~三出複葉。花序は頂生及び腋生、円錐花序、1個の葉状の苞をもつ。花は両性、放射相称。咢片は4個、基部~全長に渡って合着する。花弁は4個、蕾では覆瓦状、全縁。雄しべは (6~)8個、分離。花盤は環状~杯形、細い明らかに花後に成長する子房柄(gynophore)を取り囲んで離れ、子房柄の先はしばしば4深裂する。雌しべ群は4心皮。子房は±その下半部に密着し、他は,隣接する。胚珠は室に数個。花柱の側部には4個の花柱の要素が密着する。柱頭は点状又は小頭状。果実は4個の分離した先が裂開する袋果。内果皮は薄い軟骨質、裂開した果実の中果皮につく。種子は腎形、種皮は革質、疣がある。胚乳は±豊富。胚は曲がり、子葉は楕円形、平ら。胚軸 は上位。
 世界に1種があり、アジア東部、南部、南東部に分布する。
 Boenninghausenia japonicaを別種として認める見解もある。

マツカゼソウ属の主な種

1 Boenninghausenia albiflora (Hook.) Rchb. ex Meisn.  マツカゼソウ 広義
 日本、中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、カシミール、パキスタン、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン原産。中国名は臭节草 chou jie cao
 高さ1.2m以下。茎は分枝し、葉や花序は無毛~軟毛がある。大きな葉は長さ4~16㎝、小葉の葉身は楕円形~倒卵形~広倒卵形~類円形、長さ0.5~2.5㎝×幅0.4~1.5㎝。花序は長さ60㎝以下。花は蕾が球形~卵形~楕円形~長円形。咢片は長さ0.5~1.3㎜。花弁は楕円形~倒卵形~広倒卵形、長さ3.5~6㎜、先は鋭形~広円形。花盤は長さ0.3~0.5㎜。花時に花の子房柄(gynophore)は長さ0.3~0.5㎜、果時に0.6~5.5㎜。果実は袋果、長さ2.5~5㎜。花期と果期は5~11月。
1-1 Boenninghausenia albiflora (Hook.) Rchb. ex Meisn. var. albiflora  ケマツカゼソウ

1-2 Boenninghausenia albiflora (Hook.) Rchb. ex Meisn. var. japonica (Nakai ex Makino et Nemoto) Suzuki  マツカゼソウ 松風草
  synonym Boenninghausenia japonica Nakai ex Makino et Nemoto var. lividonitens Honda
  synonym Boenninghausenia japonica Nakai ex Makino et Nemoto  [The Plant List]
 日本(北海道、本州、四国、九州)に分布。
 多年草。高さ50~80㎝。葉や茎に油点があり、独特ないやな臭いがする。油点は組織の隙間に揮発性の油が溜まった腺点で、ミカン科の特徴とされ、油点と呼ばれる。葉は3回3出羽状複葉、小葉は長さ1~2.5㎝の倒卵形、質が薄く、裏面は白色を帯びる。葉の油点は両面から見える。茎の先に集散花序を出し、半開きにした花を多数付ける。花は長さ約4㎜、白色の花弁4個。花弁の内側に腺点がある。萼は小さく、4裂する。雄しべ7~8個。雌しべは1個、特異な形をしている。子房は長い柄があり、基部まで4裂し、4裂した子房から花柱4本が出て合着し、1本になり柱頭1個に続く。子房の基部に杯形の花盤があり、蜜がたまる。果実は袋果、4個が離生し、数個の種子が入り、熟すと上部が裂開する。2個や3個になってしまうことも多い。種子は長さ約1.5㎜の卵形、表面に粒状突起がある。花期は8~10月。2n=18

参考

1) Flora of China
  Boenninghausenia
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=104163
2) Flora of Pakistan
  Boenninghausenia
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=3&taxon_id=104163
3) GRIN
  Boenninghausenia albiflora (Hook.) Meisn.
  https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomydetail.aspx?7298
4) Plants of the World Online | Kew Science
 Boenninghausenia
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331410-2