マツバウンラン 松葉海蘭
Flora of Mikawa
オオバコ科 Plantaginaceae マツバウンラン属
英 名 | Canada toadflax, blue toadflax, oldfield toadflax |
学 名 | Nuttallanthus canadensis (L.) D.A.Sutton Linaria canadensis (L.) Dum.Cours. var. canadensis |
花 期 | 5~7月 |
高 さ | 10~60㎝ |
生活型 | 越年草 |
生育場所 | 海岸近くの砂地 |
分 布 | 帰化種 北アメリカ原産 |
撮 影 | 蒲郡市 06.4.22 |
1941年に帰化しているのが最初に確認され、在来種のウンランに比べ葉が細いのでこの名が付けられた。最近では普通に見かけられるようになっている。ゴマノハグサ科
Scrophulariaceae からオオバコ科 Plantaginaceae に再編され、属名はウンラン属 Linaria から分離されたマツバウンラン属
Nuttallanthusに改められている。
茎は基部で数本に分枝し、走出枝を出して広がる。茎葉は幅1~2㎜の線形、下部のロゼット状の葉は楕円形の多肉質。花は青色~青紫色、まれにピンク色の唇形花。花冠は長さ(距を含まない。)8~10㎜。下唇弁の基部に膨らんだ白色部分がある。距は長さ2~6㎜。果実は幅約3㎜、2分果。種子は長さ約0.4㎜、平滑、炭のような黒色、不定な角棒形。
オオマツバウンランは花が大きく、距が長く、種子にこぶのような突起がある。
1年草又は2年草。茎は異形、繁殖茎は直立、1本又は基部で分枝し、栄養茎は平伏(prostrate)、根を出さない平伏(procumbent)、又は傾伏(decumbent)。葉は単葉、無柄。栄養茎の葉はほとんど互生、線形、全縁又は歯状、羽状脈、栄養茎の葉は輪生、普通、幅が広い。花序は頂生、苞があり、総状花序。花は左右相称、花柄がある。咢は深く5分裂し、裂片は等長、全縁、花冠筒部より短い。花冠は筒部が狭く、多少、円筒形、拡大部は5裂、不等の2唇。下唇は上唇よりかなり長い。上唇は狭く、しばしばごく短く、直立又は後屈する。筒部の下側に距があるか又は無い。雄しべは4本、2本ずつ対になり、仮雄しべは小さい。柱頭は小さく、頭状。蒴果はほぼ球形~長円状卵形、壁は薄く、硬く、各室は4~5バルブに裂開する。種子は多少、放射相称、プリズム状、4~7角(かど)があり、表面平滑またはこぶがあり、うねがあるか又は無い。
世界の4種あり、北アメリカ、南アメリカに分布する。
1 Nuttallanthus canadensis (L.) D.A.Sutton マツバウンラン
synonym Linaria canadensis (L.) Dum.Cours.
synonym Linaria canadensis (L.) D.A.Sutton
北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名Canada toadflax , blue toadflax , old-field toadflax , toadflax 。
細く、腺毛のある花序をを除いて、無毛、2年草又は越年草(winter annual)、高さ45(75)㎝以下。長さ10㎝以下の平伏の茎のロゼットをもつ(越冬枝)。葉はしばしば、越冬枝で、対生又は輪生、他は互生、線形、長さ3(3.8)㎝以下×幅1~2(3)㎜。花序は花が多数つき、花時に密集し、果時に長くなる。苞は長さ1.5~3㎜。花柄は斜上し、果時に長さ2~4㎜。咢片は長さ2~3㎜。花冠は長さ8~13㎜、青色~紫青色、白色の2うね又は淡色の隆起(palate)をもつ。距は細く、先が尖り、水平~やや下向きに弓なり、長さ5㎜。下唇は3裂してやや斜上ぎみに平開し、上唇は2裂して直立し、裂片は下唇の裂片より短い。花序軸と花柄に腺毛がある。蒴果は扁球形、長さ2.5~3㎜、凹形。種子は褐色、長さ0.4~0.5㎜、表面は普通、平滑、細くて全縁の縦のうねの間に少数のこぶがある。
2 Nuttallanthus texanus (Scheele) D.A.Sutton オオマツバウンラン
synonym Linaria canadensis var. texana (Scheele) Pennell
synonym Linaria texana Scheele
北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。英名はsouthern blue toadflax , Texas toadflax , toadflax。
細く、無毛、2年草、高さ[10]17~70㎝。繁殖茎は(1~)3~30本、直立、ほとんど分枝しない。栄養茎は多数、平伏または根を出さないで平伏する。繁殖茎の葉は上部で互生し、基部でしばしば3~4輪生し、線形~長円状楕円形(とくに、栄養茎で)、長さ[5~]7~34㎜×幅1~2.7㎜。花序は総状花序、花が多数つき、花時に密集し、果時に節間が伸びる。苞は長さ2~3㎜。花柄は斜上し、長さ2~6(~9)㎜。咢片は長さ2.5~3.5㎜×幅1~4㎜、槍状線形。花冠は距を含めて長さ[10]14~22[24]㎜、淡ライラック色又はバイオレット色[~青色]、中央に隆起(palate)をもち、隆起の色はやや淡色~ほとんど同色、ときに帯白色になるが脈が見える。距は長さ6~11㎜、基部の幅0.4~0.6㎜、長く、普通、下向きに弓状に曲がる(水平に真っすぐなときもある)。下唇は長さ6~11㎜、3裂して裂片がやや垂れ下がる。上唇は長さ3~5㎜、2裂して裂片が直立する。蒴果は長円状卵形、長さ2.5~4.5㎜、無毛。種子は黒灰色、長さ0.3~0.5㎜、表面に密にこぶがあり、縦のうねは無いか又は小さく、鈍形~丸い。 n=12。(参考2,
[ ]は参考3)
花冠は長さ14~22㎜(長さ6~11㎜の距を含めて)、下唇は長さ2~6㎜、種子は密にこぶがあり、縦のうねは無い。花序は無毛(少し腺毛がある)
マツバウンランの花はやや小さく、オオマツバウンランの花はやや大きい。マツバウンランとオオマツバウンランは花の形が異なる。マツバウンラは花冠の中央の隆起が普通、白色で濃色の細い線が見えない。下唇の3個の裂片がほぼ水平からやや斜上ぎみに平開し、軽快に見える。オオマツバウンランは花冠の中央の隆起が普通、花冠と同色で細い線が見える。下唇の3個の裂片が斜めに垂れ下がり、花がボテッとして見える。距は開花初期は水平に出るが、次第に斜めに垂れ下がる。マツバウンランは距が短くて水平に近く、オオマツバウンランは長く、明瞭に垂れ下がる。マツバウンランには腺毛があり、オオマツバウンランには腺毛がないとされているが、オオマツバウンランにも少しある。
Nuttallanthus
Genus Nuttallanthus
Nuttallanthus texanus
Blue Toadflax
茎は基部で数本に分枝し、走出枝を出して広がる。茎葉は幅1~2㎜の線形、下部のロゼット状の葉は楕円形の多肉質。花は青色~青紫色、まれにピンク色の唇形花。花冠は長さ(距を含まない。)8~10㎜。下唇弁の基部に膨らんだ白色部分がある。距は長さ2~6㎜。果実は幅約3㎜、2分果。種子は長さ約0.4㎜、平滑、炭のような黒色、不定な角棒形。
オオマツバウンランは花が大きく、距が長く、種子にこぶのような突起がある。
マツバウンラン属
family Plantaginaceae- genus Nuttallanthus1年草又は2年草。茎は異形、繁殖茎は直立、1本又は基部で分枝し、栄養茎は平伏(prostrate)、根を出さない平伏(procumbent)、又は傾伏(decumbent)。葉は単葉、無柄。栄養茎の葉はほとんど互生、線形、全縁又は歯状、羽状脈、栄養茎の葉は輪生、普通、幅が広い。花序は頂生、苞があり、総状花序。花は左右相称、花柄がある。咢は深く5分裂し、裂片は等長、全縁、花冠筒部より短い。花冠は筒部が狭く、多少、円筒形、拡大部は5裂、不等の2唇。下唇は上唇よりかなり長い。上唇は狭く、しばしばごく短く、直立又は後屈する。筒部の下側に距があるか又は無い。雄しべは4本、2本ずつ対になり、仮雄しべは小さい。柱頭は小さく、頭状。蒴果はほぼ球形~長円状卵形、壁は薄く、硬く、各室は4~5バルブに裂開する。種子は多少、放射相称、プリズム状、4~7角(かど)があり、表面平滑またはこぶがあり、うねがあるか又は無い。
世界の4種あり、北アメリカ、南アメリカに分布する。
マツバウンラン属の主な種
1 Nuttallanthus canadensis (L.) D.A.Sutton マツバウンラン
synonym Linaria canadensis (L.) Dum.Cours.
synonym Linaria canadensis (L.) D.A.Sutton
北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名Canada toadflax , blue toadflax , old-field toadflax , toadflax 。
細く、腺毛のある花序をを除いて、無毛、2年草又は越年草(winter annual)、高さ45(75)㎝以下。長さ10㎝以下の平伏の茎のロゼットをもつ(越冬枝)。葉はしばしば、越冬枝で、対生又は輪生、他は互生、線形、長さ3(3.8)㎝以下×幅1~2(3)㎜。花序は花が多数つき、花時に密集し、果時に長くなる。苞は長さ1.5~3㎜。花柄は斜上し、果時に長さ2~4㎜。咢片は長さ2~3㎜。花冠は長さ8~13㎜、青色~紫青色、白色の2うね又は淡色の隆起(palate)をもつ。距は細く、先が尖り、水平~やや下向きに弓なり、長さ5㎜。下唇は3裂してやや斜上ぎみに平開し、上唇は2裂して直立し、裂片は下唇の裂片より短い。花序軸と花柄に腺毛がある。蒴果は扁球形、長さ2.5~3㎜、凹形。種子は褐色、長さ0.4~0.5㎜、表面は普通、平滑、細くて全縁の縦のうねの間に少数のこぶがある。
2 Nuttallanthus texanus (Scheele) D.A.Sutton オオマツバウンラン
synonym Linaria canadensis var. texana (Scheele) Pennell
synonym Linaria texana Scheele
北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。英名はsouthern blue toadflax , Texas toadflax , toadflax。
細く、無毛、2年草、高さ[10]17~70㎝。繁殖茎は(1~)3~30本、直立、ほとんど分枝しない。栄養茎は多数、平伏または根を出さないで平伏する。繁殖茎の葉は上部で互生し、基部でしばしば3~4輪生し、線形~長円状楕円形(とくに、栄養茎で)、長さ[5~]7~34㎜×幅1~2.7㎜。花序は総状花序、花が多数つき、花時に密集し、果時に節間が伸びる。苞は長さ2~3㎜。花柄は斜上し、長さ2~6(~9)㎜。咢片は長さ2.5~3.5㎜×幅1~4㎜、槍状線形。花冠は距を含めて長さ[10]14~22[24]㎜、淡ライラック色又はバイオレット色[~青色]、中央に隆起(palate)をもち、隆起の色はやや淡色~ほとんど同色、ときに帯白色になるが脈が見える。距は長さ6~11㎜、基部の幅0.4~0.6㎜、長く、普通、下向きに弓状に曲がる(水平に真っすぐなときもある)。下唇は長さ6~11㎜、3裂して裂片がやや垂れ下がる。上唇は長さ3~5㎜、2裂して裂片が直立する。蒴果は長円状卵形、長さ2.5~4.5㎜、無毛。種子は黒灰色、長さ0.3~0.5㎜、表面に密にこぶがあり、縦のうねは無いか又は小さく、鈍形~丸い。 n=12。(参考2,
[ ]は参考3)
マツバウンランとオオマツバウンランの区別(参考2)
1 花冠は長さ8~13㎜(長さ5㎜の距を含めて)、下唇は長さ2~6㎜、、種子は低い全縁の縦のうねがあり、間の面は多少、平滑又はまばらに低いこぶがある。花序には腺毛がある...................Nuttallanthus canadensis
花冠は長さ14~22㎜(長さ6~11㎜の距を含めて)、下唇は長さ2~6㎜、種子は密にこぶがあり、縦のうねは無い。花序は無毛(少し腺毛がある)
...................Nuttallanthus texanus
マツバウンランの花はやや小さく、オオマツバウンランの花はやや大きい。マツバウンランとオオマツバウンランは花の形が異なる。マツバウンラは花冠の中央の隆起が普通、白色で濃色の細い線が見えない。下唇の3個の裂片がほぼ水平からやや斜上ぎみに平開し、軽快に見える。オオマツバウンランは花冠の中央の隆起が普通、花冠と同色で細い線が見える。下唇の3個の裂片が斜めに垂れ下がり、花がボテッとして見える。距は開花初期は水平に出るが、次第に斜めに垂れ下がる。マツバウンランは距が短くて水平に近く、オオマツバウンランは長く、明瞭に垂れ下がる。マツバウンランには腺毛があり、オオマツバウンランには腺毛がないとされているが、オオマツバウンランにも少しある。
参考
1) GRINNuttallanthus
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=8320
2) PlantNET - FloraOnlineGenus Nuttallanthus
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=gn&name=Nuttallanthus
Nuttallanthus canadensis (L.) D.A.Sutton
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Nuttallanthus~canadensis
3) The Jepson HerbariumNuttallanthus texanus
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=34756
4) Blue Toadflax (Nuttallanthus canadensis) - Illinois WildflowersBlue Toadflax
https://www.illinoiswildflowers.info/prairie/plantx/bl_toadflax.htm