マルバノヒゴタイサイコはセリ科ヒゴタイサイコ属の栽培種。多数の園芸品種がある。エリンジウム（エリンギウム）と呼ばれる。
　高さ70～100㎝。直根は木質、葉鞘の繊維状の残留物で被われる。茎は灰白色～紫色。根生葉は数個。葉柄は長さ6～13㎝。葉身は狭楕円状卵形、長さ5～8.5㎝×幅2.5～5㎝、葉脈は7～9本の掌状脈、両面で明瞭、基部は心形、縁は粗い歯状縁、歯は微突形～短い刺がある。 上部の茎葉は無柄、浅く～深く、3～5裂し、裂片は披針形、縁は1～4個の刺のある鋸歯縁。頭状花序は球状卵形、長さ 8～15㎜×幅7～13㎜。苞は5～6個、線形～披針形、縁は1～2個の刺のある鋸歯、先は鋭形。小苞は線形～錐形、長さ約5㎜、萼歯と同長。萼歯は卵形、長さ 2～2.3㎜×幅約1.2㎜。花弁は淡青色。花柱は直立、長さ約2.5㎜。果実は長楕円形～類球形、長さ3～3.5㎜×幅1.5～1.8㎜、背面が平ら、白色の狭くて長い鱗片に被われる。花期と果期は7～8月。

ヒゴタイサイコ(エリンギウム)属　

　　family Apiaceae －　genus Eryngium

　2年草又は多年草、まれに1年草、有茎（caulescent）又は無茎（acaulescent）、普通、無毛。直根は紡錘形又は丈夫。茎は1本、匍匐～直立、上部で分枝する。葉は単葉、粉白を帯びる。葉柄は鞘がある。葉身は全縁、羽状又は掌状深裂～全裂、革質又は膜質、葉脈は平行又は網状、縁にはしばしば縁毛～刺がある。頭花は球形～円筒形、1個の散形花序又は集散花序につき、ときに総状花序につく。花序柄は短い。頭花の基部に苞がつく（subtended）。苞（outer bract）は1個～数個、全縁又は分裂、頭状花序の基部につき、葉状。小苞（inner bract）は1個～多数、個々の花の基部につき、刺がある。花は小さく、両性、無柄。萼歯は目立ち、宿存し、卵形～披針形、先は鋭形～鈍形。花弁は白色又は紫色、卵形～長円形、先が内側に曲がる。柱下体(ｓtylopodium)は無い（円盤状）。花柱は萼歯より短く又は突き出る。果実は球形～倒卵形、わずかに側面が扁平、様々な鱗片又はいぼで覆われ、分果柄（carpophore）は無く、脈は廃れ（2本の不明瞭なうねがあり）、油管(vittae)はほとんどが5本（ほとんど見えない）。 x=7, 8。
　世界に220～250種あり、世界の熱帯～温帯に広く分布し、特に、南アメリカに多い。英名はsea holly , eryngo。

ヒゴタイサイコ属の主な種と園芸品種

1 Eryngium alpinum L.　ミヤマヒゴタイサイコ　深山平江帯柴胡

　ヨーロッパ原産。英名はalpine sea holly , alpine eryngo , queen of the Alps。アルプスの亜高山、標高6500m以下の岩場や湿った牧草地に生える。
　多年草、高さ30～70(～100)㎝、直根がある。茎は1本、直立し、普通、先に3枝をもち、枝はやや粗く、硬く、縦の紫色の縞がある。根生葉はロゼットになり、楕円形～心形、長さ7.5～17㎝×幅6～15㎝、歯状縁、長い歯柄がある。茎葉は無柄、上部では掌状に3裂する。散形花序は主枝に頂生、頭花が密につく。頭花は長さ4～5㎝×直径約2㎝、基部が明るい緑色で硬く、剛毛状の苞は青色。苞は長さ25㎝以下、12～18（～20）個つき、剛毛状、細かく分裂し、やや触ると柔らか、頭花の基部から外側、上側に羽根のように広がる。花は長さ約2㎜、青色。周辺の花は不稔、内部の花は両性、両者とも、放射相称、5数性で、花被片5個。花は虫媒花。痩果は刺があり、幅約1.3㎝。花期は6～10月初め。
品種)　'Blue Star' , 'Globery99' (PBR) , 'Holden Blue' , 'Jewel Stone' (PBR) , 'Opal' , 'Orion' , 'Sirius Questar' , 'Slieve Donard' , 'Superbum' , 'Violet Lace' , 'White Star' (PBR)

2 Eryngium amethystinum L.　オオヒゴタイサイコ　大平江帯柴胡
　　synonym　Calcatreppola ametistina
　　synonym　Eryngium amethystinum subsp. tenuifolium Rech. f.
　　synonym　Eryngium multifidum Sm.
　地中海沿岸地域東部原産。英名はamethyst eryngo, Italian eryngo, amethyst sea holly。海抜0～1600mの、乾燥した、痩せた、石の多い、日当たりの良い牧草地や草地、石灰質の基質上に生える。
　多年草、高さ20～40(50)㎝、主根を持つ。茎は直立し、溝があり、無毛、粉白色、基部は木質で、枝分かれが少なく、特に開花時には先端部が青紫色になる。 。葉は革質、基部に耳介がなく、茎を包む鞘がある。葉身は幅8～9㎜・以下、革質、茎を包む鞘があり、縁は全縁または櫛状の棘がある。根生葉は花時に一般に±宿存し、葉身は長さ10～15㎝、2～3回羽状複葉、欠刻状の裂片は線形、尖鋭形の棘と小溝があり、先が広がり、葉軸と葉柄に沿下する。茎葉は無柄で小さく、分裂も少ない。花序は腋生の花序柄があり、縮んだ散形花序で、直径1～2㎝のほぼ球形の多花性の頭花を形成し、頭花の周囲には線状披針形で尖頭形の5～9個の総苞片が付き、総苞片は淡青紫色、長さ4㎝以下、しばしば1～2個の側棘を持つ。花は非常に小さく、長さ2㎜、両性花、無柄、薄青色、長さ5～7㎜の硬い小苞の腋に並び、ほとんどが分裂せず、千枚通し形(awl-shaped)、外側の花はときに3尖頭となる(tricuspid)。萼は軟毛があり、萼片は5個、微細で、長さ1.5～2㎜。花冠は萼とほぼ等長、5個の非常に小さな狭い花弁がある。雄しべは5本。下位の子房は2室。果実は2心皮(diachenio)の棘のある倒卵形の分離果、2個の分果からなり、分果は平凸形、長さ4～5㎜、5本のほとんど見えない肋があり、鱗片または疣状突起で覆われ、胚乳が平らであるか、または交連面がわずかに凹んでいる。昆虫受粉。2n=16。

3 Eryngium bourgatii Gouan　エリンギウム・ボウルガティー
　地中海沿岸地域（フランス、スペイン、モロッコ、レバノン、トルコ）原産。英名はMediterranean sea holly。
　多年草、。茎は直立、高さ45～60㎝。葉は灰緑色～暗緑色、脈が銀白色、大理石状になり目立つ。頭花は円筒形～円錐形～アザミ状～球形、直径1㎝以下。花は青色。苞は長さ5㎝以下、灰緑色、刺のある歯があり、開出して目立つ。花期は6～10月初め。
品種)　 'Blue Form' , Graham Stuart Thomas's selection , 'Oxford Blue'[MGA] , 'Picos Amethyst , 'Picos Blue' (PBR) , 'Silver Blue'

4 Eryngium eburneum Decne.　エリンギウム・エブルネウム
　　synonym　Eryngium bracteosum (DC.) Griseb.
　ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ原産。
　多年草、高さ2mまで。塊茎は短く、太く束状の根を持つ。主茎は直立し、丈夫で、葉があり、先端の放射状の4枝の頂花序(pleocasium:集散花序の各主軸に2枝以上を生じる花序)と多数の腋生の集散花序に分岐し、±収縮し、下向きになる。集散花序は2～3回2股分岐する。根生葉は斜上し、革質、無柄、葉身は錐形、長さ80～120㎝×幅3～5㎝、先は尖鋭形、縁には棘があり、下部の棘は長さ12㎜以下で、葉身の幅より小さく、先では小さくなり、単生または双生、伸長し、葉鞘は無柄、広がり、葉脈は平行脈。茎葉は多数つき、根生葉と似ており、次第に小さくなり、長い鞘があり、多少、重なり合う。頭花は白色、広卵形、長さ13～20㎜×幅10～15㎜。総苞は目立ち、総苞片は6～8個、開出または後屈し、狭卵形、長さ5～15(～20)㎜、全縁。花の苞も同様で、長さ6㎜まで。果実は長さ3～4㎜×幅1～2㎜、分果は側部と萼に鱗片を持ち、背面は裸である。
品種)　'Fromefield Rapier'

5 Eryngium foetidum L.　オオバコエンドロ
　中央アメリカ原産。中国名は刺芹 ci qin 。英名はfalse coriander , fitweed , long coriander , Mexican coriander , sawtooth coriander , shadow beni , spiny coriander , spiritweed , stinkweed , bhandhania , shado beni。別名はパクチーファラン、ノコギリコリアンダー。コエンドロはパクチー（コリアンダー）の和名。
　高さ8～40㎝、根生葉はロゼットを形成する。直根は紡錘形、ひげ根をもつ。茎は緑色。根生葉は多数。葉柄は短く又は廃れ、葉鞘は長さ3㎝以下。葉身は披針形～倒披針形、全縁、長さ5～25㎝×幅1.2～4㎝、葉脈は羽状の網状脈、基部は楔形～沿下し、先は鈍形、縁にはカラス(callous)があり、円鋸歯～細かい刺のある鋸歯縁。上部の茎葉は無柄、対生、深い、刺のある鋸歯縁～深裂。花序は開出して3分岐し、側枝はしばしば、連続して、単出集散花序を形成し、頭状花序は多数つき、短い花序柄がある。頭状花序は円筒形、長さ5～12㎜×幅3～5㎜。苞は4～7個、葉状、披針形、長さ1.5～3.5㎝×幅0.4～1㎝、平開～反り返り、縁には1～3個の刺のある鋸歯がある。小苞は長さ1.5～1.8㎜×幅約0.6㎜、縁は明るい薄膜質。萼歯は卵状披針形、長さ0.5～1㎜、鋭形、花弁の長さと同長。花弁は白色又は淡黄色。花柱は直立、長さ約1.1㎜、萼歯から突き出る。果実は卵状球形、長さ1.1～1.3㎜、いぼで覆われる。花期と果期は4～12月。

6 Eryngium giganteum M.Bieb.　ヒゴタイサイコ　平江帯柴胡
　トルコ、コーカサス（アルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、ロシア、Ciscaucasia）原産。英名はgiant sea-holly , Miss Willmot's-ghost , tall eryngo。
　直立、±帯白色、異形葉、刺が目立つ2年草、高さ50～100㎝。茎は中実、中間で太さ12～18㎜、円柱形～溝があり、角(かど)が丸く、普通、上部が粉白色、上部はときに青紫色。根生葉はやや幅が広く、明瞭な茎を抱く鞘がある。葉柄は長さ10～20㎝。葉身は三角形、分裂せず、長さ10～20㎝×幅8～10㎝ (長さ/幅 比は 1.1～1.5)、縁は鋸歯～歯状、歯は鋭形だが、刺は無く、基部は狭心形～広心形、±狭く、三角形に開き、又はほとんど切形。葉脈は掌状、網状、下面の主脈は明瞭。上部の茎葉は無柄、卵形～広卵形、広く茎を抱き、深い鋸歯縁、刺がある。頭花は円筒形、長さ3～7㎝×幅2～2.5㎝。花序柄は長さ6～9㎝。外側の苞は8～10個つき、14～16個の側刺があり、長さ5～6.5㎝×幅 2.2～3.4㎝。内側の苞は全縁又は側刺が1対つき、長さ7～7.5㎜×幅0.8㎜。花は左右相称ではない。萼片は長さ2.1～3.1㎜、芒がある。花弁は普通、薄青紫色、長さ1.5～2.1㎜×幅0.6～0.7㎜、凹形(先は0.3㎜深さに切れる)。花糸は長さ3.5～4㎜。葯は長さ1.2～1.3㎜。果実は外形が倒卵形、暗褐色。分果は長さ3.8.～5㎜×幅2～2.5㎜×厚さ0.9～1.1㎜(長さ/幅 比は1.9～.1)、横方向のうねは高さ約0.5㎜、鈍く、面は背側の上とうねの上が密に幅広の暗褐色の鱗片で覆われる。柱下体(ｓtylopodium)は幅1㎜。花柱は長さ4～4.5㎜±、上向き。花期は晩夏。
品種)　 'Silver Ghost'

7 Eryngium leavenworthii Torr. & A. Gray　エリンギウム・レアベンヲルシー
　US原産。英名はLeavenworth's Eryngo, Eryngo, False Purple Thistle。
　1年草、無毛、ほとんどが紫色を帯び、粉白色を帯びず又はわずかに帯びる。茎は長さ40～100㎝、直立又は斜上。葉は互生、まれに、根生し(根生葉は花時に枯れ又は無く)、無柄又はね生葉はときに、短柄があり、葉脈は網状、縁には厚い、色を失った帯をもつ。根生葉と下部の茎葉は葉身が長さ3～7㎝、分裂せず、広倒披針形、基部は細くなり、先端に円く～鈍く尖り、縁には刺のある歯がある。中間と上部の葉は葉身が長さ2.5～7.5㎝、広倒卵形～ほぼ円形、深く掌状に3～7裂し、裂片は羽状分裂、又や歯は先端に刺がある。花序は多少、円筒形の頭花、長さ2.0～3.5㎝、頂生、単生又は小さな緩い集団に少数つき、短い花序柄があり、紫色。枝先に減少した葉状の苞をもつ。苞は各頭花の基部に4～8個つき、長さ25～40㎜、長円状楕円形、先は狭くなり又は短く狭くなり、、先に刺があり、縁には狭い刺のある歯又は裂片がある。頂部の苞(実際には大きくなった小苞)は4～8個、多少、苞に似るが、長さ10～35㎜。花は多数、無柄、各花の基部に小苞がつき、小苞は苞に似るが、長さ8～10㎜。萼片は長さ4～6㎜、長円形、3～5個の狭く、先端に刺のある歯又は裂片をもつ。花弁は長円形、先端が円く、紫色(まれに、どこか白色)。子房は斜上する紙質の線形の鱗片をもつ。果実は長さ2～4㎜、外形は長円形、伏した線形の鱗片をもつ。2n=12。花期は7～9月。
品種)　'Purple Sheen'

8 Eryngium maritimum L.　ヒイラギサイコ　柊柴胡
　西アジア、コーカサス、ヨーロッパ、北アフリカ原産。英名はeryngo , sea-holly。
　多年草。刺があり、± 帯白色、根茎がある。基部から広く分枝し、開いたクッション形となり、高さ15～40(～50)㎝。根茎は水平（古い株では様々な深さに数個）、茎の垂直部分から横に、砂に埋まった長さより長くなる。茎は中実、類地下部分は淡黄色、灰色、根状、太さ4～11(～15)㎜。地上部の基部は太さ4～8㎜、円柱形～溝があり、角(かど)が丸く、普通、明瞭に粉白色を帯び、上部はときに、青紫色。葉は掌状分裂、波打ち、根生葉は2～5裂、茎葉は5～7(～9)裂（最も内側の根生葉又は最も下の茎葉が最大）。根生葉はかなり幅が広く、鞘が明瞭に茎を抱く。葉柄は長さ4～10(～16)㎝、かなり太い。葉身は円形、長さ4～8㎝×幅5～10㎝ (長さ/幅　比は0.7～0.9)、3個(まれに5個)の,重なる裂片をもち、切れ込みは基部から1/3～1/2に達する。先の裂片は全縁、長さ2.8～4.5㎝×幅2.5～5㎝、(長さ/幅　比は 0.9～1.2)、基部は切形～心形、縁は粗い歯状で、歯は尖鋭形、刺があり、葉脈は掌状、網状、下面の主脈は明瞭、基部で平行、上部で開がり、縁に沿って合流し、長さ3～6㎜の刺の中に突き出る。上部の茎葉は無柄だが、茎を広く抱く。頭花は球形～広卵形、長さ2.5～3.5㎝×幅3㎝。花序柄は長さ3.5～5㎝。外側の苞は5～7個、側刺は4～6個、長さ2.8～4.4㎝×幅1.7～4.4㎝。内側の苞は1対の側刺をもち、長さ9～13㎜×幅4～9㎜。萼は長さ3.7～5.7㎜、芒がある。花弁は普通、薄青紫色、長さ2.8～3.5(～4)㎜×幅0.9～1.1㎜、内曲し(先は基部に折り畳まれ)、凹形(先が深さ0.4～0.8㎜切れこむ)。花糸は長さ4.5～6.7㎜。葯は長さ1.3～1.8㎜。果実は外形が倒卵形、黄褐色～薄灰褐色。分果は長さ6.3～7.2㎜×幅3.8～5.5㎜×厚さ1.2～2.8㎜(長さ/幅 比は 1.2～1.7)、5うねがあり(側うねは鈍く、空気で満たされた細胞をもち、長さ約1～1.5㎜、背側の3本のうねは不明瞭)、面(特に、背側の溝)は狭い薄色の鱗片に覆われる。柱下体(ｓtylopodium)は幅1.5㎜。花柱は長さ5～5.5㎜、やや太く、±上側に向く。花期は真夏～晩夏。 2n=16。

9 Eryngium pandanifolium Cham. & Schltdl.　エリンギウム・パンダニフォリウム

　　synonym　Eryngium decaisneanum Urb.
　　synonym　Eryngium oligodon (DC.) Griseb.
　南アメリカ（アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ）原産。英名はpandan-like-leaved eryngo, giant sea holly, caraguata fibre plant。
　多年草、頑丈な主根を持つ。茎は直立し、分枝し、中空、条線があり、高さ1～3m。葉は鈍い緑色で平行脈、根生葉は全縁、線形、無柄、長さ1.5m、基部で幅5㎝まで、縁には長さ2～5㎜の小さな伏した刺がある。茎葉は根生葉に似ているが小さい。花序は多く分枝する。頭花は多数、卵形～卵状円筒形、花序柄があり、帯紫色、長さ5～8～(10)㎜。苞と小苞は全縁、卵状三角形、新鮮なときに花を超えず、長さ1～2㎜。花は多数、帯紫色、直径約2㎜。萼歯は卵形、長さ約1㎜。果実は鱗片状で長さ1～3㎜。
品種)　'Physic Purple'

10 Eryngium planum L.　マルバヒゴタイサイコ　丸葉の 平江帯柴胡
　中国、ロシア、インド、中央アジア、南西アジア、ヨーロッパ西部～南部原産。中国名は扁叶刺芹 bian ye ci qin。英名はblue eryngo , kok-bas。
　高さ70～100㎝。直根は木質、葉鞘の繊維状の残留物で被われる。茎は灰白色～紫色。根生葉は数個。葉柄は長さ6～13㎝。葉身は狭楕円状卵形、長さ5～8.5㎝×幅2.5～5㎝、葉脈は7～9本の掌状脈、両面で明瞭、基部は心形、縁は粗い歯状縁、歯は微突形～短い刺がある。 上部の茎葉は無柄、浅く～深く、3～5裂し、裂片は披針形、縁は1～4個の刺のある鋸歯縁。頭状花序は球状卵形、長さ 8～15㎜×幅7～13㎜。苞は5～6個、線形～披針形、縁は1～2個の刺のある鋸歯、先は鋭形。小苞は線形～錐形、長さ約5㎜、萼歯と同長。萼歯は卵形、長さ 2～2.3㎜×幅約1.2㎜。花弁は淡青色。花柱は直立、長さ約2.5㎜。果実は長楕円形～類球形、長さ3～3.5㎜×幅1.5～1.8㎜、背面が平ら、白色の狭くて長い鱗片に被われる。花期と果期は7～8月。
品種)　'Allice' (PBR) , 'Amazing Jackpot' (PBR) , 'Aquarius' (PBR) , 'Azureum' , 'Bethlehem' , 'Blauer Zwerg' , 'Blaukappe' , 'Blue Candle' , 'Blue Cap' , 'Blue Diamond' , 'Blue Dream' , 'Blue Glitter' , 'Blue Hobbit' , 'Blue Ribbon' , 'Blue Thimbles' , 'Calypso' (v) , 'Epnd 13' (PBR) , 'Eptj' , 'Fluela' , 'Hellas' , 'Jade Frost' (PBR) (v) , 'Kolmaclo' , 'Kolmagsil' , 'Kolmanita' (PBR) , 'Kolmapufa' (PBR) , 'Kolmblula' (PBR) , 'Kolmbufa' (PBR) , 'Kolmwhifal' , 'Little Blue Wonder' (PBR) , Magical Anita = 'Kolmanita' (PBR) , Magical Blue Globe , Magical Blue Lagoon = 'Kolmblula' (PBR) , Magical Purple Falls = 'Kolmapufa' (PBR) , Magical Silver = 'Kolmagsil' , Magical Symphony = 'Kolmasy' , Magical White Falls = 'Kolmwhifal' , 'Naughty Jackpot' (v) , 'Paradise Jackpot' (PBR) , 'Pearlipp' (PBR) , 'Qst070301' (PBR) , 'Seven Seas' , 'Silver Salentino' , 'Silver Stone' , 'Stern von Bethlehem' , 'Sunny Jackpot' , 'Sunny Jackpot' (PBR) , 'Tetra Petra' , 'Tiny Jackpot' , 'Violet Blue' , 'White Glitter'

11 Eryngium spinalba Vill.　エリンギウム・スピナルバ
　　synonym　Eryngium leucacanthum St.-Lag.
　　synonym　Eryngium rigidum Lam.
　ヨーロッパ（フランス、イタリア）原産。
　多年草、高さ20～40㎝、帯白色、刺が多く、根茎が太い。茎は頑強、直立、基部から錆色。葉は皮革質、脈が目立ち、類円形、掌状深裂し、裂片は深く分裂し、縁に刺のある歯がある。頭花は卵形、花序柄がある。総苞は銀白色、苞は10～20個つき、直立し、披針状線形、羽状中裂し、刺があり、皮革質、脈が目立つ。全体に、薄片（flake）は外観が3裂。萼片は果時に直立する。果実は卵形、披針形で先が鋭形の鱗片に覆われる。
品種)　 'Silbermannstreu'

12 Eryngium variifolium Coss.　エリンギウム・バリーフォリウム

　　synonym　Eryngium dichotomum var. ficariifolium Ball
　北アメリカ原産。英名はMarble-leaf Sea Holly , Moroccan sea holly。
　多年草、叢生し（clump-forming）、常緑、全体にやや粗い。葉は根生葉と茎葉。根生葉はロゼットを作り、長円形、基部は心形、鋸歯縁、暗緑色、白色の霜降り状（大理石状）、長さ5㎝以下。茎葉は小さく、裂片に刺がある。ロゼットの中心から茎を高さ30～40㎝に伸ばし、分枝し、枝先に頭花をつける。頭花は卵形（散形花序）、小さな灰青色の花が詰まり、アザミに似ている。頭花の基部に狭い、淡青色の苞がつく（subtended）。苞は長さ2.5㎝以下。
品種)　'Miss Marble'

13 Eryngium × olivierianum F.Delaroche
　　synonym　Eryngium ×zabelii Christ ex Bergmans
　ミヤマヒゴタイサイコ(E. alpinum)とエリンギウム・ボウルガティー(E. bourgatii)の人工交雑種。
　英名はOliver eryngo , Oliver sea holly
品種)　'Amethyst' , 'Big Blue'(giant sea holly) , 'Blaue Ritter' , 'Blue Waves' , 'Dekostar' , 'Donard Variety' , 'Donards Seedling' , 'Forncett Ultra' , 'James Ivory' , 'Jewel' , 'Jos Eijking' , Magical Star = 'Dekostar' , 'Myersblue' (PBR) , 'Neptune's Gold' (PBR)[golden-leaved sea holly] , 'Spring Hill Seedling' , 'Violetta' , 'Willmott's Ghost'

14 Eryngium × tripartitum Desf.
　地中海地方原産。英名は tripartite eryngo , tripartite sea holly。親の不明な交雑種と考えられている。
　多年草、直根を持ち、高さ60～90㎝、幅約50㎝になり、葉は半常緑、コンパクトに茂った広がる群落を形成する。茎は丈夫で、多数、分枝し、真っすぐ、青緑色。葉は根生葉がロゼット状になり、楕円形、先は円形～鈍形、縁は粗い鋸歯状、基部は心形、光沢があり、最初は緑色で、次に銀灰色になり、最終的に秋には銀緑色になる。頭花は多数つき、初めは薄青色、夏には紫色、秋には最終的に青紫色になる。頭花は長さ2.5～3.5㎝、球形～楕円形、約7～9個の基部で平開する総苞片に囲まれ、総苞片は長さ2～4㎝の披針形、先は鋭形、青灰色～濃い青色。花は多くの受粉昆虫を引き寄せます。花期は7～9月。
品種)　'Electric Blue' , 'Fool's Gold' (v) , 'Variegatum' (v)

15 その他ハイブリッド
品種）　'Allmonday' , 'Arabian Dahlia' , 'Arabian Dawn' (PBR) , 'Astra' (PBR) , 'Belladonna' (PBR) , 'Blue Bell' (PBR) , 'Blue Jackpot' , 'Blue Lace' , 'Blue Spikes' , 'Blue Steel' , 'Broughton Blue' , 'Cobalt Star' , 'Corona' (PBR) , Dove Cottage hybrid , 'Electric Haze' , 'Ellabella' (PBR) , 'Forncett Ultra' , 'Green Jade' , 'Indigo Star' , 'Lapis Blue' , 'Mackpam' (PBR) , 'Magical Stone' , 'Marabella' , 'Marbella' (PBR) , 'Mercurius' , 'Mercurius Questar' , Miss Willmott's ghost , 'Orion Questar' , 'Pen Blue' , 'Sapphire Blue' , 'Sirius' , 'Supernova' (PBR) , 'Vega' (PBR) , 'White Glitter'

参考

1) Flora of China
　Eryngium 2) Plant Finder - Missouri Botanical Garden
　Eryngium alpinum 　Eryngium bourgatii 3) GRIN
　Eryngium 4）Eryngium (Apiaceae for Flora Nordica)
　1. Eryngium maritimum , 2. Eryngium planum , 3. Eryngium giganteum ,
　4. Eryngium campestre 5）Name - Eryngium leavenworthii Torr. & A. Gray - Tropicos
　Eryngium leavenworthii 6) Eryngium spinalba Vill. - Preservons la Nature
　Eryngium spinalba Vill. 7) Flora of New Zealand
　Eryngium pandanifolium Cham. & Schltdl. 8) Flora Argentina
　Eryngium eburneum - Flora del ConoSur 9) Forum Acta Plantarum
　Eryngium amethystinum L. - Calcatreppola ametistina