クサネム 草合歓

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Flora of Mikawa

マメ科 Fabaceae クサネム属

中国名 合萌 he meng
英 名 Indian joint-vetch, budda pea
学 名 Aeschynomene indica L.
クサネムの花
クサネムの花
クサネムの蕾
クサネムの豆果
クサネムの熟した豆果
クサネムの葉
クサネムの茎
クサネム
クサネム種子
クサネム小葉
クサネム小葉の裏
花 期 7~10月
高 さ 50~100㎝
生活型 1年草
生育場所 水田、川岸、湿地
分 布 在来種  日本全土、朝鮮、中国、アジア、熱帯アフリカ、オーストラリア、南アメリカ
撮 影 蒲郡市形原町  02.8.31
和名の由来は葉がネムノキに似ていることから。水田の稲の間に生えているのがよく見かけられる。茎は上部では中空であり、毛が散生し、毛の基部にいぼ状の基盤がある。葉は長楕円形の小葉を40~60個つけ、頂小葉は不明瞭である。葉は触ると閉じ、暗くなっても閉じる睡眠運動をする。小葉は長楕円形、短い柄があり、葉先の縁が赤い。花は長さ約1㎝の淡黄色の蝶形花で、旗弁の基部に赤褐色の斑点がある。豆果は節果。豆果は長さ3~5㎝、扁平で、6~8個の小節果からなり、熟すと裂開しないで、節から切れて落ちる。2n=40
 類似の帰化種としてアメリカクサネム、アメリカツノクサネムが報告されている。
 アメリカクサネム Aeschynomene virginica (Virginia jointvetch , Sensitive joint-vetch ) はアメリカ合州国の東部に自生し、高さ1.8mになるほど大型。小葉は30~56個で、いぼ状基盤のある毛が多い。花は長さ約1cm、豆果は長さ約6cmで、クサネムとよく似ている。
 アメリカツノクサネム Sesbania exaltata (Coffeeweed , Colorado River hemp )は合衆国南部に広く自生し、前者よりさらに大きく、直立し、大きいものは3mほどになる。小葉は30~60個。花は長さ1~1.5cm、豆果は長さ15~20cmと長いが、幅は細く、2~3mmしかない。

クサネム属

  family Fabaceae - genus Aeschynomene

 多年草または低木。栄養繁殖部分は普通、基部が粘り気のあるいぼ状突起の毛状突起で覆われる。茎は直立または這い、しばしば中空。托葉は着生点の下に距があり、盾状または片側に耳があり(unilaterally auriculate)、早落性。葉は偶数羽状複葉(paripinnate)、小葉は20個~多数、しばしば、触ると敏感。小葉は対生し、小葉柄がほぼ無く、1中脈または2~数本の主脈がある。花序は普通、腋生、普通、総状花序で、数個の花がつく。苞は対につき、托葉状、距は無く、宿存または早落性、縁に歯がある。花は小型~中型。小苞がある。花托筒は短い。萼は膜質、普通、2唇形、外側の唇は3裂、内側の唇は2裂する。花冠は普通、黄色。旗弁は円形、大きい。翼弁は耳が無い。竜骨弁は曲がり、小さい嘴がある。雄しべは二体雄しべ(5 + 5)または基部が合着する。葯は均一。子房は線形、多数の胚珠をもつ。花柱は糸状、内曲する。柱頭は頂生。豆果は扁平、柄があり、4~8個の関節に分割され、表面はしばしば粘液質になる。種子は関節ごとに1個。
 世界に約150種あり、世界中の熱帯および亜熱帯に分布する。

クサネム属の主な種と園芸品種

1 Aeschynomene americana L. エダウチクサネム 枝打草合歓
 熱帯アメリカ原産。中国名は敏感合萌 min gan he meng。英名はhorsefly's eye。 別名はアメリカクサネム。沖縄に帰化している。
 多年草または低木、高さ(0.4~)1.5~2m。 茎は直立し、多数、枝分かれし、無毛、粘る。托葉は披針形、長さ10~12㎜×幅1~3㎜、膜質、基部は耳があり、先は鋭形。葉は小葉が30~40個。小葉は葉身が線状長円形、長さ8~10×幅2~4 mm、紙質、一次脈は2~4本、葉基部は斜め、先は鈍形および微突形。花序は腋生の総状花序、緩く枝分かれし、花が2~4個つく。 苞は心形、膜質。小苞は線状卵形、条線がある。萼は深く2裂する。花冠は黄色、長さ約7㎜。豆果は長円形、長さ2.5~3㎝×幅2.5~3㎜、草質~革質、わずかに曲がり、外側の縫合線は波状で凹む。関節は4~7個、円形、わずかに粘液質。種子は褐色、腎形。花期および果期は10~11月。

2 Aeschynomene indica L. クサネム 草合歓
 日本全土、朝鮮、中国、アジア、熱帯アフリカ、オーストラリア、南アメリカ原産。中国名は合萌 he meng。英名はIndian joint-vetch, budda pea。水田、川岸、湿地に生える。
 1年草。高さ50~100㎝。茎は上部では中空であり、毛が散生し、毛の基部にいぼ状の基盤がある。葉は長楕円形の小葉を40~60個つけ、頂小葉は不明瞭である。葉は触ると閉じ、暗くなっても閉じる睡眠運動をする。小葉は長楕円形、短い柄があり、葉先の縁が赤い。花は長さ約1㎝の淡黄色の蝶形花で、旗弁の基部に赤褐色の斑点がある。豆果は節果。豆果は長さ3~5㎝、扁平で、6~8個の小節果からなり、熟すと裂開しないで、節から切れて落ちる。2n=40。花期は7~10月。

3 Aeschynomene virginica (L.) Britton, Sterns et Poggenb. アメリカクサネム 亜米利加草合歓
 USA(ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州、バージニア州、メリーランド州)、メキシコ、キューバ、グアテマラ、ホンジュラス原産。英名はVirginia jointvetch , sensitive jointvetch。 砂浜または泥がある川岸と汽水域の潮汐海岸に生える。
 1年草。茎は直立し、枝分かれし、高さ1m以下またはそれ以上になり、上部にまばらに膿疱状の毛(pustulate-hairy)がある。葉は奇数羽状複葉。小葉は非常に多く、長円形、長さ1~2㎝。総状花序はしばしば葉がつき、花は1~6個、黄色、脈が赤色、長さ10~15㎜、卵形、無柄。苞は鋸歯がある。果実は長さ2~7㎝、果柄は長さ1.5~2㎝。果実の関節は4~10個、それぞれ、長さ5~8mm×幅5~6㎜、まばらに膿疱状の毛がある。2n=40。花期は8~9月。

参考

1) Flora of China
 Aeschynomene
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110810
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Aeschynomene
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30008210-2
3) World Flora Online
 Aeschynomene
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000000811;jsessionid=932C8F6DB0EEB5BFE20DBD27E12CE8E1
4) SEINet Portal Network
 Aeschynomene virginica
https://swbiodiversity.org/seinet/taxa/index.php?taxon=45853