クロタラリア・スペクタビリス 

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Flora of Mikawa

マメ科 Fabaceae タヌキマメ属

別 名 オオコガネタヌキマメ、オオバタヌキマメ、ネマキング
中国名 大托叶猪屎豆 da tuo ye zhu shi dou
英 名 showy rattlebox ,showy crotalaria
学 名 Crotalaria spectabilis Roth
Crotalaria sericea Retz.
クロタラリア・スペクタビリスの花序
クロタラリア・スペクタビリスの花
クロタラリア・スペクタビリスの果実
クロタラリア・スペクタビリスの茎
クロタラリア・スペクタビリスの托葉
クロタラリア・スペクタビリス
クロタラリア・スペクタビリス苞
クロタラリア・スペクタビリス葉
花 期 7~10月
高 さ (50~)60~150(~200)cm
生活型 1年草
生育場所 畑地、牧草地、荒地、道端
分 布 帰化種  中国、台湾、インド、ネパール、バングラデシュ、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ原産
撮 影 静岡県 12.9.12
観賞用に栽培しているものが、道端に逸出していた。ネマキングという商品名で緑肥、線虫防除に販売されている。栽培され、アフリカやマダガスカルに帰化している。
 コガネタヌキマメと混同されていると思われる。葉の幅が広く、苞が大きいことからアフリカ、マダガスカルなどで栽培され、帰化しているクロタラリア・スペクタビリスとした。別名はオオバタヌキマメ、ネマキング。畑地、牧草地、荒地、道端に生える。栽培しているものが、道端に逸出する。センチュウ被害を抑制できる夏撒きの緑肥として使用される丸葉のクロタラリアであり、緑肥の品種にはネマキング、ネマクリーンがある。細葉のクロタラリアはサンヘンプ Crotalaria junceaであり、緑肥としての品種にコブトリソウ、ネコブキラーがある。
 1年草。高さ(50~)60~150(~200)㎝。茎は無毛、直立して分枝し、枝は円柱形、無毛、緑色又は紫色を帯びることがある。托葉は卵状三角形、長さ長さ4~8(~10)㎜。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ2~8mm。葉身は長さ(5)7~15㎝×幅2~5cm、倒披針形~狭楕円形、薄く、下面に伏した絹毛があり、上面は無毛、基部は広楔形、先は鈍形で微突形。総状花序は頂生し、花が20~30個つく。苞は特徴ある卵状三角形、長さ7~12mm×幅5~9㎜。小花柄は長さ1~1.5cm。小苞は小花柄の中間または頂部に挿入され、長さ約1mmの線形。萼は2唇形、長さ1.2~1.5cm、無毛。萼片は広披針状三角形、萼筒より長い。花は蝶形花、派手(showy)で大きく幅約2.5㎝までになる。花冠は淡黄色~黄色。旗弁の基部に紫赤色~褐色の脈があり、ほぼ円形~長円形、長さ1~2(2.5)cm、基部には2個の付属体があり、先は鈍形~凹形。翼弁は倒卵形で長さ約2cm。竜骨は中央付近で丸みを帯び、萼から突き出るかなり短くわずかに内曲した捻じれた嘴を持つ。豆果は広長円形~長円形、長さ2.5~3(~5)cm×幅1.5~2cm、種子は20~30個、短柄で無毛、緑色で黒色の筋があり、熟すと褐色~黒色になり、中の種子が離れて振ると音がする。種子は平滑。花期は7~10月。果期は10~12月。
 コブトリソウ Crotalaria juncea L.は別名、サンヘンプ(sunn hemp)、クロタラリア、サンマ、コヤシタヌキマメ。茎から繊維を採るための繊維作物(「サンヘンプ」)として熱帯で栽培され、緑肥としても使用される。商品名ネマコロリといい、 根こぶ線虫の抑制、緑肥として使用される。
 1年草、直立し、高さ50~100㎝。 枝は円柱形、うねがあり、伏した絹毛がある。托葉は線形、長さ約2㎜、早落性。葉は単葉。葉柄は長さ3~5mm。葉身は長円形~線状披針形、長さ6~12㎝×幅0.5~2㎝、両面は直軟毛があるが、下面でより密になり、基部は漸尖し、先は尖鋭形で微突形。総状花序は頂生、花が10~20個つく。苞は線形、長さ3~4mm。 小花柄は長さ5~8mm。小苞は萼筒の基部につき、苞より短く、密に毛がある。萼は2唇形、長さ1~1.5㎝、ほぼ基部まで深裂し、密にさび色の毛状突起があり、萼片は披針形、曲がる。花冠は黄色。旗弁は長円形、長さ1.5~2.5㎝、基部に2個の付属体がある。翼弁は倒卵状長円形、長さ1.5~2㎝。竜骨弁はほぼ角(かど)があり、翼弁よりわずかに長い、先は長いわずかに内曲した捻じれた嘴があり、萼を超えて突き出る。豆果はほぼ無柄、円筒形、長さ2~4㎝×幅1.2~1.7㎝、種子が10~15個、さび色の毛がある。種子は平滑か、へその周りにパピラがある。花期は8~12月。果期は1~5月。
 クロタラリア・ブレビフロラ Crotalaria breviflora DC.は商品名がネコブキラーⅡ。根こぶ線虫対策の緑肥に使用される。
 茎は直立し、高さ1.5m以下。シュートは絹毛または毛があり、節間に狭い翼がある。托葉は無い。葉は単葉、葉柄は無く、葉身は楕円形~長円状楕円形。 花序に花が少数(pauciflorous)または多数(multiflorous)。総状花序は緩く、頂生または腋生。苞は宿存し、線形~披針形。萼は鐘形、2唇形。花冠は黄色。果実(莢)は長円形または倒卵形、黒色、無毛。種子は褐黄土色(brown ochrea)。
 コガネタヌキマメ Crotalaria assamica Benth. (英名 Indian rattlebox) は花や果実がよく似ている。葉が長さ7.8~16.5㎝、幅2.4~3.6㎝の長楕円形~倒披針形であり、葉表は無毛、葉裏に絹毛がある。葉柄は長さ4~6㎜。托葉は小さい短剣状。花は長さ18~25㎜。苞葉は長さ2.5~3.3㎜の狭三角状。小苞葉は苞葉に似て小さい。萼は短い軟毛が圧着し、筒部は長さ4.5~7㎜、裂片は長さ8~10㎜。花は黄色。旗弁は長さ15~16㎜、側弁は長さ12~13㎜、幅6~7.5㎜。竜骨弁は小さい。果実は長さ3.5~5㎝、暗褐色、短い柄があり、膨れ、約30個の種子が入る。種子は長さ4㎜以下、暗褐色、平滑。(from Wagner et al., 1999)