クマヤナギ 熊柳
Flora of Mikawa
クロウメモドキ科 Rhamnaceae クマヤナギ属
学 名 | Berchemia racemosa Sieb. et Zucc. |
花 期 | 7~8月 |
高 さ | 蔓性 |
生活型 | 落葉低木 |
生育場所 | 丘陵、山地の林内 |
分 布 | 在来種(日本固有種) 北海道、本州、四国、九州 |
撮 影 | 新城市 09.9.3 15.6.15(果実) |
やや蔓性で小さいものも多く、他の植物などにからんで伸びる。大きくなると高さ5mほどの傘形の樹冠になる。
樹皮は紫褐色。葉は互生し、長さ4~6㎝の卵形~長楕円形、全縁、先は鈍い又は丸く、基部は円形~浅い心形。側脈は7~8対、平行で縁に達する。葉裏は帯白色。円錐花序に淡黄緑色の直径約3㎜の花を多数つける。花序の横枝は分枝しない。萼片は5個、先が長三角形に尖る。5個の花弁は萼片より短く、雄しべを抱くように取り巻く。果実は長さ約5㎜の長楕円形の核果、翌年の夏に赤~黒色に熟す。核は長さ約4㎜、黄白色。
オオクマヤナギ Berchemia magna は葉がやや大きく、側脈が9~13対。花序は横枝が分枝し、軸に褐色の毛がある。
ミヤマクマヤナギ Berchemia pauciflora は全体に小型、葉の側脈は5~7対。花序も小さい。
ヒメクマヤナギ Berchemia lineata 沖縄、中国、台湾、インド、ベトナムに分布する。葉や花が小さい。中国名は铁包金 (tie bao jin )。
低木、よじ登るか又は直立し、常緑又は落葉、まれに小高木、刺はない。葉は互生。托葉は基部が合着し、宿存し、まれに早落性。葉身はほとんどが、紙質、縁は全縁、葉脈は羽状脈、強い平行な2次脈を4~18対もち、ほとんどの3次脈も強く平行。花は両性、花柄をもち、5数性、無毛、複合の密穂花序につき、主に少数の花がつき、頂生又は腋生、花序柄は有又は無、散房花序状の数散花序。咢仏は円盤形~杯形~半球形。咢片は三角形、まれに線形又は狭披針形、外側に±明瞭な竜骨がある。花弁はへら形~披針形、咢片の長さより短いか、ほぼ同長、短い爪部がある。雄しべは背着、花弁と同長又はわずかに短い。花盤は主に肉質、咢筒を詰め、10個の不規則な裂片があい、縁は分離。子房は上位、花盤に埋もれ、2室があり、各室に1胚珠をもつ。花柱は円筒形、短く、分裂しない。柱頭は大きく、全縁、凹形又は2裂。核果は核が1個、紫赤色又は紫黒色、しばしば熟すと黒色に変わり、ほとんそ円筒形、まれに倒卵形、基部に咢筒と花盤の残骸が宿存し、先にはしばしば未発達の花柱をもつ。分果は肉質、薄くときに甘味がある。胚乳は硬い軟骨質、2室があり、各室に種子が1個。
世界に約32種があり、主に東アジア~東南アジアの温帯と熱帯に分布する。
台湾原産。中国名は阿里山黃鱔藤
2 Berchemia fenchifuensis C.M.Wang et F.Y.Lu フンキコクマヤナギ
台湾原産。中国名は奋起湖黄鳝藤
3 Berchemia formosana C.K.Schneid. タイワンクマヤナギ
synonym Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. formosana (C.K.Schneid.) Kitam.
日本(沖縄)、台湾原産。中国名は台湾勾儿茶 tai wan gou er cha。
4 Berchemia lineata (L.) DC. ヒメクマヤナギ 姫熊柳
日本(九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ベトナム原産。中国名铁包金 tie bao jin。
5 Berchemia longiracemosa Okuyama ホナガクマヤナギ 穂長熊柳
synonym Berchemia pauciflora Maxim. var. longiracemosa (Okuyama) Satomi et Fukuok
日本固有種(本州の日本海側、秋田県~兵庫県)。山地の日当たりがよい斜面や林縁に生える。
落葉低木。高さ約2m。葉は互生し、葉柄は8~16mm。葉身は卵形~楕円形、長さ4~10㎝×幅3~6㎝、基部は円形、全縁、先は鈍形、側脈は7~11対で先が上向きに曲がり、下面の脈腋にわずかに黄褐色の毛叢がある。総状花序は頂生、小さな花が密につく。花は黄緑色~緑白色。核果は狭長楕円形、長さ7~8㎜。
6 Berchemia magna (Makino) Koidz. オオクマヤナギ 大熊柳
synonym Berchemia magna (Makino) Koidz. f. pubescens (Ohwi) Sugim.
synonym Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. magna Makino f. pubescens (Ohwi) Nemoto
synonym Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. magna Makino
synonym Berchemia ohwii Kaneh. et Hatus.
synonym Berchemia magna (Makino) Koidz. var. pubescens Ohwi
synonym Berchemia huana Rehder
synonym Berchemia fagifolia Koidz.
日本固有種(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)。
落葉低木。直立、やや蔓状になる。樹皮は紫褐色。枝は黄褐色、平滑、無毛。葉は互生し、葉柄は長さ1.5~2.5cm。葉身は卵状楕円形、長さ4~9㎝×幅3~7㎝、7cm の卵状楕円形、、基部は円形~浅い心形、縁は全縁、先は円形~鈍形~凹形、葉質は薄く、側脈は9~13対。下面は淡白緑色、葉脈が明瞭で隆起し、黄褐色の短毛があるか又は脈腋だけに黄褐色の短毛がある。上面は緑色、無毛、葉脈は凹む。枝先の葉腋から総状花序を直立し、花を多数つける。花は黄緑色、直径約3㎜。果実は核果、楕円形、長さ7~mm、初め緑色、次第に赤色を帯び、翌年の夏に黒色に熟す。
7 Berchemia pauciflora Maxim. ミヤマクマヤナギ 深山熊柳
日本固有種(本州の関東、中部地方)。深山に生える。
落葉小低木。直立し、蔓性にはならない。高さ1~2m。枝は緑色、細長く、強靭で、ジグザグに曲がる。托葉は2個つき、針形。葉は互生し、葉柄がある。葉身は卵状円形~卵形~卵状楕円形、全縁、基部は円形、先は鈍形、葉質は薄く、平滑。小枝の先に小型の円錐花序を集まってつける。花は緑白色、5数性、花弁は細く、小さい。雄しべ5本。雌しべ1本。核果は長楕円形、平滑、黒色に熟す。
8 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. クマヤナギ 熊柳
synonym Berchemia floribunda auct. non (Wall.) Brongn.
日本固有種(北海道、本州、四国、九州)。
やや蔓性で小さいものも多く、他の植物などにからんで伸びる。大きくなると高さ5mほどの傘形の樹冠になる。
落葉低木。蔓性。樹皮は紫褐色。葉は互生し、長さ4~6㎝の卵形~長楕円形、全縁、先は鈍い又は丸く、基部は円形~浅い心形。側脈は7~8対、平行で縁に達する。葉裏は帯白色。円錐花序に淡黄緑色の直径約3㎜の花を多数つける。花序の横枝は分枝しない。萼片は5個、先が長三角形に尖る。5個の花弁は萼片より短く、雄しべを抱くように取り巻く。果実は長さ約5㎜の長楕円形の核果、翌年の夏に赤~黒色に熟す。核は長さ約4㎜、黄白色。花期は7~8月。
品種) 'Variegata' (v)
8-1 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. f. stenosperma Hatus. ナガミクマヤナギ
8-2 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. luxurians Hatus. ナンゴククマヤナギ
8-3 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. pilosa Hatus. ウスゲクマヤナギ
Berchemia
Berchemia
樹皮は紫褐色。葉は互生し、長さ4~6㎝の卵形~長楕円形、全縁、先は鈍い又は丸く、基部は円形~浅い心形。側脈は7~8対、平行で縁に達する。葉裏は帯白色。円錐花序に淡黄緑色の直径約3㎜の花を多数つける。花序の横枝は分枝しない。萼片は5個、先が長三角形に尖る。5個の花弁は萼片より短く、雄しべを抱くように取り巻く。果実は長さ約5㎜の長楕円形の核果、翌年の夏に赤~黒色に熟す。核は長さ約4㎜、黄白色。
オオクマヤナギ Berchemia magna は葉がやや大きく、側脈が9~13対。花序は横枝が分枝し、軸に褐色の毛がある。
ミヤマクマヤナギ Berchemia pauciflora は全体に小型、葉の側脈は5~7対。花序も小さい。
ヒメクマヤナギ Berchemia lineata 沖縄、中国、台湾、インド、ベトナムに分布する。葉や花が小さい。中国名は铁包金 (tie bao jin )。
クマヤナギ属
family Rhamnaceae - genus Berchemia低木、よじ登るか又は直立し、常緑又は落葉、まれに小高木、刺はない。葉は互生。托葉は基部が合着し、宿存し、まれに早落性。葉身はほとんどが、紙質、縁は全縁、葉脈は羽状脈、強い平行な2次脈を4~18対もち、ほとんどの3次脈も強く平行。花は両性、花柄をもち、5数性、無毛、複合の密穂花序につき、主に少数の花がつき、頂生又は腋生、花序柄は有又は無、散房花序状の数散花序。咢仏は円盤形~杯形~半球形。咢片は三角形、まれに線形又は狭披針形、外側に±明瞭な竜骨がある。花弁はへら形~披針形、咢片の長さより短いか、ほぼ同長、短い爪部がある。雄しべは背着、花弁と同長又はわずかに短い。花盤は主に肉質、咢筒を詰め、10個の不規則な裂片があい、縁は分離。子房は上位、花盤に埋もれ、2室があり、各室に1胚珠をもつ。花柱は円筒形、短く、分裂しない。柱頭は大きく、全縁、凹形又は2裂。核果は核が1個、紫赤色又は紫黒色、しばしば熟すと黒色に変わり、ほとんそ円筒形、まれに倒卵形、基部に咢筒と花盤の残骸が宿存し、先にはしばしば未発達の花柱をもつ。分果は肉質、薄くときに甘味がある。胚乳は硬い軟骨質、2室があり、各室に種子が1個。
世界に約32種があり、主に東アジア~東南アジアの温帯と熱帯に分布する。
クマヤナギ属の主な種と園芸品種
1 Berchemia arisanensis Y.C.Liu et F.Y.Lu アリサンクマヤナギ台湾原産。中国名は阿里山黃鱔藤
2 Berchemia fenchifuensis C.M.Wang et F.Y.Lu フンキコクマヤナギ
台湾原産。中国名は奋起湖黄鳝藤
3 Berchemia formosana C.K.Schneid. タイワンクマヤナギ
synonym Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. formosana (C.K.Schneid.) Kitam.
日本(沖縄)、台湾原産。中国名は台湾勾儿茶 tai wan gou er cha。
4 Berchemia lineata (L.) DC. ヒメクマヤナギ 姫熊柳
日本(九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ベトナム原産。中国名铁包金 tie bao jin。
5 Berchemia longiracemosa Okuyama ホナガクマヤナギ 穂長熊柳
synonym Berchemia pauciflora Maxim. var. longiracemosa (Okuyama) Satomi et Fukuok
日本固有種(本州の日本海側、秋田県~兵庫県)。山地の日当たりがよい斜面や林縁に生える。
落葉低木。高さ約2m。葉は互生し、葉柄は8~16mm。葉身は卵形~楕円形、長さ4~10㎝×幅3~6㎝、基部は円形、全縁、先は鈍形、側脈は7~11対で先が上向きに曲がり、下面の脈腋にわずかに黄褐色の毛叢がある。総状花序は頂生、小さな花が密につく。花は黄緑色~緑白色。核果は狭長楕円形、長さ7~8㎜。
6 Berchemia magna (Makino) Koidz. オオクマヤナギ 大熊柳
synonym Berchemia magna (Makino) Koidz. f. pubescens (Ohwi) Sugim.
synonym Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. magna Makino f. pubescens (Ohwi) Nemoto
synonym Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. magna Makino
synonym Berchemia ohwii Kaneh. et Hatus.
synonym Berchemia magna (Makino) Koidz. var. pubescens Ohwi
synonym Berchemia huana Rehder
synonym Berchemia fagifolia Koidz.
日本固有種(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)。
落葉低木。直立、やや蔓状になる。樹皮は紫褐色。枝は黄褐色、平滑、無毛。葉は互生し、葉柄は長さ1.5~2.5cm。葉身は卵状楕円形、長さ4~9㎝×幅3~7㎝、7cm の卵状楕円形、、基部は円形~浅い心形、縁は全縁、先は円形~鈍形~凹形、葉質は薄く、側脈は9~13対。下面は淡白緑色、葉脈が明瞭で隆起し、黄褐色の短毛があるか又は脈腋だけに黄褐色の短毛がある。上面は緑色、無毛、葉脈は凹む。枝先の葉腋から総状花序を直立し、花を多数つける。花は黄緑色、直径約3㎜。果実は核果、楕円形、長さ7~mm、初め緑色、次第に赤色を帯び、翌年の夏に黒色に熟す。
7 Berchemia pauciflora Maxim. ミヤマクマヤナギ 深山熊柳
日本固有種(本州の関東、中部地方)。深山に生える。
落葉小低木。直立し、蔓性にはならない。高さ1~2m。枝は緑色、細長く、強靭で、ジグザグに曲がる。托葉は2個つき、針形。葉は互生し、葉柄がある。葉身は卵状円形~卵形~卵状楕円形、全縁、基部は円形、先は鈍形、葉質は薄く、平滑。小枝の先に小型の円錐花序を集まってつける。花は緑白色、5数性、花弁は細く、小さい。雄しべ5本。雌しべ1本。核果は長楕円形、平滑、黒色に熟す。
8 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. クマヤナギ 熊柳
synonym Berchemia floribunda auct. non (Wall.) Brongn.
日本固有種(北海道、本州、四国、九州)。
やや蔓性で小さいものも多く、他の植物などにからんで伸びる。大きくなると高さ5mほどの傘形の樹冠になる。
落葉低木。蔓性。樹皮は紫褐色。葉は互生し、長さ4~6㎝の卵形~長楕円形、全縁、先は鈍い又は丸く、基部は円形~浅い心形。側脈は7~8対、平行で縁に達する。葉裏は帯白色。円錐花序に淡黄緑色の直径約3㎜の花を多数つける。花序の横枝は分枝しない。萼片は5個、先が長三角形に尖る。5個の花弁は萼片より短く、雄しべを抱くように取り巻く。果実は長さ約5㎜の長楕円形の核果、翌年の夏に赤~黒色に熟す。核は長さ約4㎜、黄白色。花期は7~8月。
品種) 'Variegata' (v)
8-1 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. f. stenosperma Hatus. ナガミクマヤナギ
8-2 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. luxurians Hatus. ナンゴククマヤナギ
8-3 Berchemia racemosa Siebold et Zucc. var. pilosa Hatus. ウスゲクマヤナギ
参考
1) Flora of ChinaBerchemia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=103817
2) Plants of the World Online | KewscienceBerchemia
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331393-2