コウモリカズラ 蝙蝠葛

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Flora of Mikawa

ツヅラフジ科 Menispermaceae コウモリカズラ属

中国名 蝙蝠葛 bian fu ge
英 名 Asian moonseed , Daurian moonseed
学 名 Menispermum dauricum DC.
コウモリカズラの花
コウモリカズラの花2
コウモリカズラの花3
コウモリカズラの苞
コウモリカズラの花柄
コウモリカズラの茎
コウモリカズラ
コウモリカズラ花弁の爪部
コウモリカズラ花序2
コウモリカズラの葉裏
コウモリカズラの葉
花 期 (4)5~6(7)月
高 さ つる性
生活型 落葉蔓性植物
生育場所 市街地の道端の藪や開いた林地など
分 布 在来種  日本(北海道、本州、四国、九州)、韓国、中国、ロシア原産
撮 影 豊川市 22.4.30
 草本状の落葉つる性植物。根茎は長く太く、黄褐色、首は褐色、垂直で、新しい茎はほぼ頂生の芽から生じ、細く、条線があり、普通、無毛。葉は互生し、葉柄は葉の基部から少し内側に楯状につき、長さ3~10(~13.5)㎝またはそれより少し長く、条線がある。葉身は普通、外形が心形状長円形~円形~扁円形、普通、浅く3~9裂し、長さ3~12(15)㎝×幅3~12(20)㎝、紙質またはほぼ膜質、下面が粉白色、普通、両面が無毛、ときに、下面に毛があり、基部は心形~ほぼ切形、縁は全縁、掌状に9~12脈があり、3~5脈が基部に伸び、細く、すべて下面で明瞭。花序は腋生の円錐花序、1個または対につき、ときに花が散形花序状に束生する。花序柄は細く、長さ2~17㎝。苞は±長円形、二次花序柄とほぼ同じ長さ。小花柄は細く、長さ5~10㎜。雌雄異株。雄花:萼片は4~8個、膜質、緑黄色、倒披針形~楕円形、長さ1.4~3.5㎜。花弁は6~8個または9~12個まで、肉質、凹面状、短い爪部があり、長さ1.5~2.5㎜。雄しべは12~18(20)本、長さ(0.6~)1.5~3㎜、普通、萼より長い。雌花:花被は雄花と同様。仮雄しべが6~12本、長さ約1㎜。心皮は3~4個、明瞭な長さ0.5~1㎜の柄の上につく。柱頭は2分岐する。核果は直径6~9(10)㎜、球形、紫黒色。内果皮は広三日月形、約長さ8㎜×幅10㎜×基部は曲がり厚さ3㎜。花期は(4)5~6(7)月、果期は8~9月。

コウモリカズラ属

  family Menispermaceae - genus Menispermum

 草本状のつる植物、絡み付き、または藤本。 葉身は盾状、掌状脈をもつ。花序は腋生。 雄花:萼片は4~10個、±螺旋状に配置し、普通は凹面状。 花弁は6~8個またはそれ以上つき、±肉質、腎形状心形~円形、縁は内曲しない。 雄しべは12~18[~36]本、離生、葯はほぼ球形、縦に裂開する。雌花:咢片と花弁は雄花と同様、仮雄しべが6~12本またはそれ以上つき、こん棒形。心皮は2~4個。子房は袋状半卵形。柱柱は短く、柱頭は大きく、分裂し、外側に曲がる。核果はほぼ卵形、基部近くに花柱痕がある。内果皮は腎形状球形または広半月形で、かなり平らになる。 果頭(condyle)は薄板形(lamella-shaped)。 種子の胚は環状に曲がる。胚乳が豊富。子葉は半円柱形、幼根よりわずかに長い。英名はmoonseed。
 世界に2種あり、東アジア、北アメリカに分布する。

コウモリカズラ属の主な種と園芸品種

1 Menispermum dauricum DC. コウモリカズラ 蝙蝠葛
  synonym Menispermum chinense Kundu & S.Guha
  synonym Menispermum dauricum f. pilosum (C.K. Schneid.) Kitag. コウモリカズラ 狭義
  synonym Menispermum dauricum var. pauciflorum Franch.
  synonym Menispermum dauricum var. pilosum C.K.Schneid.
  synonym Menispermum miersii Kundu & S.Guha
  synonym Trilophus ampelisagria Fisch.
 日本(北海道、本州、四国、九州)、韓国、中国、ロシア原産。中国名蝙蝠葛 bian fu ge。英名はAsian moonseed , Daurian moonseed。市街地の道端の藪や開いた林地などに生える。
 草本状の落葉つる性植物。根茎は長く太く、黄褐色、首は褐色、垂直で、新しい茎はほぼ頂生の芽から生じ、細く、条線があり、普通、無毛。葉は互生し、葉柄は葉の基部から少し内側に楯状につき、長さ3~10(~13.5)㎝またはそれより少し長く、条線がある。葉身は普通、外形が心形状長円形~円形~扁円形、普通、浅く3~9裂し、長さ3~12(15)㎝×幅3~12(20)㎝、紙質またはほぼ膜質、下面が粉白色、普通、両面が無毛、ときに、下面に毛があり、基部は心形~ほぼ切形、縁は全縁、掌状に9~12脈があり、3~5脈が基部に伸び、細く、すべて下面で明瞭。花序は腋生の円錐花序、1個または対につき、ときに花が散形花序状に束生する。花序柄は細く、長さ2~17㎝。苞は±長円形、二次花序柄とほぼ同じ長さ。小花柄は細く、長さ5~10㎜。雌雄異株。雄花:萼片は4~8個、膜質、緑黄色、倒披針形~楕円形、長さ1.4~3.5㎜。花弁は6~8個または9~12個まで、肉質、凹面状、短い爪部があり、長さ1.5~2.5㎜。雄しべは12~18(20)本、長さ(0.6~)1.5~3㎜、普通、萼より長い。雌花:花被は雄花と同様。仮雄しべが6~12本、長さ約1㎜。心皮は3~4個、明瞭な長さ0.5~1㎜の柄の上につく。柱頭は2分岐する。核果は直径6~9(10)㎜、球形、紫黒色。内果皮は広三日月形、約長さ8㎜×幅10㎜×基部は曲がり厚さ3㎜。花期は(4)5~6(7)月、果期は8~9月。
1-1 Menispermum dauricum DC. f. pilosum (C.K.Schneid.) Kitag.  コウモリカズラ 狭義
 直軟毛があるものをコウモリカズラ f. pilosum、毛がないものを f. dauricum ケナシコウモリカズラと分けることもある。

2 Menispermum canadense Linnaeus イエロー・パリラ
 北アメリカ(カナダ、USA,メキシコ)原産。英名はCanadian moonseed , Canada moonseed , common moonseed , yellow parilla , moonseed。 落葉樹林や藪、小川沿い、崖や岩の多い丘の中腹、柵の周囲(fencerows)などに生え、日陰に強い。
つる性植物(vines)またはつる性木(lianas)、つるは巻きつき、長さ約5m。根茎は直径1cm以下。葉は盾状、葉柄は縁から11mmにつくが、まれに、盾状でないこともある。葉柄は長さ20cm以下。 葉身は卵形またはほぼ円形、まれに腎形、長さ23㎝×幅24㎝・以下、膜質、葉脈は7~12本。花序は長さ18㎝以下、花序軸は無毛またはまばらに直軟毛がある。花:萼片は(4~)5~8個、卵形、楕円形、または卵形、長さ1~4×幅0.4~1.8 mm、無毛またはまばらに直軟毛がある。花弁は4~12個、楕円形~ほぼ円形または卵形、長さ0.6~2×幅0.6~2 mm、縁はわずかに内巻き、無毛。 雄花:雄しべは長さ4mm以下。雌花:仮雄しべは長さ0.8(~1.5)mm以下。雌しべは2~4本、長さ1.4mm以下。核果は黒色または青黒色、直径8~13 mm、しばしば粉白色になる。2n=52。花期は春~夏。

参考

1) Flora of China
 Menispermum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=120237
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Menispermum
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:26970-1
3) World Flora Online
 Menispermum
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000023736
4) World Checklist of Vascular Plants
 Menispermum
https://wcvp.science.kew.org/
5) Flora of North America @ efloras.org
 Menispermum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=120237