コショウハッカ 胡椒薄荷

mark

Flora of Mikawa

シソ科 Lamiaceae  ハッカ属

別 名 ペパーミント、セイヨウハッカ
中国名 辣薄荷 la bo he
英 名 peppermint
学 名 Mentha x piperita L.
コショウハッカ花2
コショウハッカ花
コショウハッカ葉2
コショウハッカ
コショウハッカ葉
花 期 7~9月
高 さ 30~80㎝
生活型 多年草
生育場所 畔、川岸
分 布 帰化種 ヨーロッパ原産
撮 影 安城市   02.8.31
オランダハッカ(スペアミント) Mentha spicata L.とヌマハッカMentha aquatica L. との雑種である。普通、ペパーミントと呼ばれる。多数の品種が世界中で栽培されている。日本ではセイヨウハッカともいわれる。品種が多く、解説に差異がある。
 ①茎は高さ30~100㎝、断面は四角形、直立してよく分枝し、赤味を帯び、無毛~稜に剛毛がある。葉は対生し、葉柄は長さ1~2㎜。葉身は長さ2.5~3 、幅0.8~2㎝の披針形~卵状披針形、無毛又は葉裏の脈上に少し剛毛があり、密に腺点があり、基部は円形~浅い楔形、縁に不規則な鋭い鋸歯があり、先が尖る。茎頂の円筒状の穂状花序の中に離れた輪散花序ができる。苞は線状披針形、わずかに萼より長く、縁毛がある。小花柄は長さ約1㎜。萼は筒状、紫色を帯び、有毛又はほぼ無毛、外面に腺点がある。萼歯は5個、線状錐形、長さ約1㎜。花冠は白色、裂片は赤色を帯び、長さ約4㎜、筒部は萼とほぼ同長。花冠の裂片はほぼ同長、先が凹形。分果は褐色、倒卵形、長さ約0.7㎜、先に腺がある。(Flora of Cina)
 ②茎は高さ30~50㎝、普通、無毛。葉は長さ 2.5~5(7)㎝。葉柄は長さ3~10㎜。葉身は卵形~披針形、普通、鋸歯縁、基部は楔形~やや分裂し、先は鋭形、葉裏は普通、無毛。花序は頭状~穂状、上部の3~5節で、束生する。苞は卵形~槍状線形。萼は長さ2.5~4㎜、普通、無毛又は萼歯に縁毛がある。花冠は長さ3.5~6㎜、白色~ピンク色~紫色。雄しべは普通、花冠から突き出ない。2n=72, 84, 108。湿った場所、平地。ヨーロッパ原産。広く栽培され、野生化している。(Jepson eFlora)。
 【品種】
 ・ブラックペパーミント 黒薄荷 (Black Peppermint )
  Mentha x piperita var. vulgaris
  強壮で育てやすい。高さ30~60㎝。茎は赤色を帯びる。
  葉は暗緑色で、紫色を帯び、楕円形、先は鈍形
  鋸歯は低く、不明瞭。
 ・ Variegated peppermint
  Mentha x piperita var. vulgaris 'Variegata'
  ブラックペパーミントの乳白色の斑入り
 ・ホワイトペパーミント 白薄荷 (white peppermint)
  Mentha x piperita var. officinalis
  日本のハッカ類より、ハッカ有量は50~60%と低い。
 ・バジルミント Mentha x piperita f.citrata 'Basil'
 ・グレープフルーツミン(Grapefruit Mint)
   トMentha x piperita f. citrata 'Grapefruit'
  ペパーミントとアップルミント Mentha suaveolens の交配種。
  グレープフルーツに似た甘い芳香がある。
  大型で、葉は楕円形、明緑色
  茎は赤色を帯び、茎、葉は軟毛で覆われる。
  花序の仮輪と仮輪の間が離れる。(離れない場合もある)
  花序の苞は葉より明瞭に小さい。
  雄しべは普通花冠から突き出ない
  茎や葉に毛がほとんど無い(多いものもある)
 ・レモンミント(Lemon Mint)
   Mentha x piperita f. citrata 'Lemon'
 ・ライムミント(Lime Mint)
   Mentha x piperita f. citrata 'Lime'
 ・チョコレートペパーミント( Chocolate Peppermint)
   Mentha x piperita f. citrata 'Chocolate'
 ・Mentha x piperita f. citrata Eau de Cologne Mint

 ○アメリカハッカ Mentha x gracilis はミドリハッカ(オランダハッカ)Mentha spicataとヨウシュハッカMentha arvensisの雑種といわれ、コショウハッカに似るが、苞がやや大きく、卵形~卵状披針形、鋭頭。gingermint 、scotch spearmint といわれる。
 茎は高さ30~100㎝、普通、無毛。葉は長さ1.5~6(10)㎝。葉柄は長さ2~8㎜。葉身は卵形~披針形、普通、鋸歯縁、基部は楔形、先は鋭形。花序は普通、腋生、ときに穂状や頂生する。苞は卵形~槍状線形。萼は長さ1.5~3㎜、普通、無毛~縁毛。花冠は長さ2.5~6㎜、白色~ピンク色~紫色。雄しべは普通、花冠から突き出ない。2n=54,60,61,72,84,96,108,120。湿った場所、平地。ヨーロッパ原産。広く栽培されている。(Jepson eFlora)。


 ○ハッカやヨウシュハッカは苞葉が葉に似て大きい。
 ○オランダハッカ(ミドリハッカ)は葉が無柄、仮輪と仮輪の間が近く、花が段にならず、穂状になる。葉が無柄、無毛。
 ○red stem mint red raripila mint , tall mint 
  Mentha x smithiana
 ヨーロッパ原産。ヌマハッカ Mentha aquaticaとスペアミント Mentha spicataとヨウシュハッカ Mentha arvensis のハイブリッド。.茎は高さ30~100㎝、普通、無毛。葉は長さ2.5~6(8)㎝、葉柄は長さ0~10㎜。葉身は卵形から披針形、普通、鋸歯縁、基部は狭くなり、先は鋭形。葉裏は普通、無毛。花序は側生、ときに頂部の穂状、花序腋の苞は卵形~槍状線形。萼は長さ2.5~4㎜、普通、無毛又は萼歯に縁毛がある。花冠は長さ3.5~6㎜、白色~ピンク色~紫色。雄しべは普通、突き出ない。 2n=54,98,108,120 (Jepson eFlora)
Mentha pulegium Creeping Pennyroyal, Cunningham Mint
Mentha spicata Spearmint, Garden Mint
Mentha suaveolens Apple Mint
Mentha x villosa var. alopecuroides Bowles' mint Bowles' Mint