コンロンカ 崑崙花

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Flora of Mikawa

アカネ科 Rubiaceae コンロンカ属

別 名 ハンカチの花
中国名 小玉叶金花 xiao yu ye jin hua
学 名 Mussaenda parviflora Miquel
コンロンカ花
コンロンカ花2
コンロンカカリコフィル萼片
コンロンカ若い茎
コンロンカ茎
コンロンカ
コンロンカ花序
コンロンカ葉表
コンロンカ葉裏
花 期 5~9月
高 さ 1.2~2m
生活型 常緑半つる性小低木
生育場所 栽培種
分 布 在来種  日本(種子島)、中国、台湾
撮 影 西尾市 17.8.22
よじ登り灌木又はつる性木、枝は円柱形、まばら~密に小剛毛があるか無毛になる。葉は対生し、葉柄は長さ1~2.3㎝、まばら~密に小剛毛がある。葉身は乾くと、厚い紙質、卵形~楕円形~披針形、長さ7~15㎝、幅2.3~6㎝、上面は無毛又は主脈上に小剛毛があり、下面はまばら~密に、小剛毛~伏した絨毛があり、特に脈沿いに多い。葉の基部は鋭形~鈍形~類円形、葉先は尖鋭形鋭形~尾状。側脈は5~7対、三次脈は細かい網状に近い。托葉は普通、脱落性、三角形、長さ5~7㎜、中程度~密に小剛毛があり、深く2裂し、裂片は狭三角形~線形。花序はまばらな集散花序、長さ4~8㎝、幅3~8㎝、頂生又はしばしば最上部の葉に腋生、軸はしばしば、ややサソリ形になり、まばら~密に、小剛毛がある。花序柄は長さ2~5㎝。苞は広三角形~線形、長さ1~7㎜、しばしば脱落性。花柄は長さ2~5㎜。花は花柄がある(又は花序軸の高い位置につく)。萼はまばら~密に小剛毛があり、萼筒の部分は楕円形~こま形、長さ1.5~5㎜。萼裂片は線形~狭三角形、長さ3~6㎜、いくつかの花序の1~3個の花の萼片の1個が広がり、白色のカリコフィル(calycophyll)になる。カリコフィルは有柄、柄は長さ4~10㎜、葉身は広卵形又は楕円形、長さ3~4.5㎝、まばらに小剛毛があるか無毛、基部は鈍形~円形、先は鈍形~短い尖鋭形。花冠は黄色、高坏形~筒状漏斗形、外側は微軟毛状~無毛。花冠筒部は長さ5~8㎜、のど部に密に黄色の棍棒形の毛がある、花冠裂片は卵形、長さ2~3㎜、外面は密に黄色のパピラ(乳頭状突起)があり、先は鋭形~尖頭形(cuspidate)。液果は楕円形~類球形、長さ10~15㎜、毛がほとんど無く、萼の拡大部は脱落性、果柄はときに長さ12㎜以下に伸びる。花期は(3~)5~9月、果期は8~1月。

コンロンカ属

 family Rubiaceae - genus Mussaenda

 高木、低木又はよじ登り又は巻きつきのつる性木、まれに雌雄異株、刺は無い。束晶は欠く。葉は対生、又はたまに3個の輪生、普通、ダニ室は無い。托葉は宿存性又は脱落性、葉柄間托葉、全縁又は2裂、花序は頂生、ときに最上部の葉に腋生し、集散花序~円錐花序~密穂花序、数個~多数の花がつき、花序柄は無又は有、苞がある。花は無柄~有柄、両性、普通、2形花柱性(distylous)又はまれに単性。萼の拡大部は基部近くまで5裂し、しばしば、花序の花のいくつか又は全てが、1(~5) 個の白色~色つきの花弁状になり、宿存性又は脱落性、膜質。有柄のカリコフィル(calycophyll:萼片が拡大したもの)には縦の3~7脈がある。花冠は黄色、赤色、橙色、又はまれに青色(Mussaenda multinervis)、高杯形、普通、筒は細く、葯の周りは急に膨れ、又はまれにのど部でくびれ(M. hirsuta)、内側は様々に毛があるが、普通、のど部に黄色の棍棒形の絨毛が密生する。花冠裂片は5個、蕾では敷石状二つ折り(valvate-reduplicate)、しばしば、長い尖鋭形。雄しべは5個、花冠筒部の中間以上につき、花冠から突き出ない。花糸は短いか又は無い。葯は底着。子房は2室、胚珠は室に多数、長楕円形の上につき、肉質、盾状、中軸胎座。柱頭は2裂、裂片は線形。果実は紫色~黒色、漿果又はおそらくまれに蒴果(M. decipiens)、肉質、球形~楕円形、しばしば目立つ皮目があり、萼の拡大部は宿存性又は脱落性、しばしば明瞭な傷跡を残す。種子は多数、小さく、角張る~扁平、外種皮は凹点状条線がある。胚乳は豊富、肉質。
 世界に約200種があり、熱帯アフリカ、アジア、マダガスカル、太平洋諸島に分布する。

【類似属 プセウドムッサエンダ属 Pseudomussaenda】
 灌木。托葉は先が分裂する。葉は十字対生。花序は集散花序、少数~数個の花がつく。花は5数性、筒形。萼は裂片が糸状。各花序のいくつかの花は萼片が葉状に大きくなる。雄しべは花冠筒部の上半分につく。果実は蒴果。
 熱帯アフリカに以下の6種がある。
 P. angustifolia , P. flava , P..gossweileri , P. monteiroi , P. mozambicensis , P. stenocarpa

コンロンカ属の主な種

1 Mussaenda erythrophylla Schumach. et Thonn ヒゴロモコンロンカ  緋衣崑崙花

  synonym Mussaenda fulgens R.Br. ex Tedlie
  synonym Mussaenda splendida Welw.
 熱帯アフリカ原産。英名はAshanti blood , red flag bush , red mussaenda , prophet’s tears , tropical dogwood , virgin tree 。中国名は红纸扇(hong zji shan)。別名はアカバナコンロンカ。
 灌木又は半落葉の小高木、野生では高さ6~8m、栽培では普通1~2m以下。葉は光沢のある緑色、卵形、毛があり、長さ8~15㎝、葉脈が目立つ。花序は円錐花序、頂生し、花冠は白色又はクリーム白色、直径2㎝、中央が赤色。萼は5裂し、1個がかなり広がり(calycophyll:萼片が拡大したもの)、長さ5~12㎝に達し、葉よりわずかに短く、赤色。花は両性、星形、直径約10㎜、異形花柱性(花柱の長さが異なる)。花柱が葯より長く突き出る花と、短くて花冠筒部の中にある花の2形がある。花期は11~3月(南半球)、日本では5~10月。
品種) 'Dona Trining'(カリコフィルがローズ色~濃ピンク色)、ハイブリッドの親として使われる) , 'Dona Corazon Aquino' , 'Dona Evangelina Macapagal' , 'Rosea'(carmine pink) , 'Dona Luz'(ハイブリッド)

2 Mussaenda macrophylla Wall. オオバコンロンカ 大葉崑崙花
  synonym Mussaenda macrophylla Wall. var. brevipilosa Jayaw.
  中国、台湾、インドネシア、ミャンマー、フィリピン原産。
  英名はRound-Petal Mussaenda。 中国名は大叶玉叶金花 da ye yu ye jin hua。
 直立又はよじ登る灌木、枝は円柱形~四角形、まばら~中程度に絹毛がある。葉は対生し、葉柄は長さ4~35㎜、まばらに粗毛があるか又はほぼ無毛。葉身は乾くと膜質~紙質、緑色~帯褐色、下面は淡色(標本の保存状態がよいと)、楕円状長楕円形~楕円形~卵形、長さ12~21㎝、幅8~11㎝、両面とも面上にまばらに小剛毛があるか軟毛があり、主脈に中程度に粗毛がある。葉の基部は楔形~鈍形、葉先は鋭形~尖鋭形。側脈は6~8対、ダニ室は無く、3次脈は網状。托葉は脱落性、卵形~三角形、長さ5~8㎜、まばらに褐色の粗毛があるかほぼ無毛、2深裂し、裂片は鋭形~尖鋭形。花序はまばらな集散花序、長さ6~15㎝、粗毛があり、花序柄は無く、側軸がアーチ状につく。苞は披針形又は2~3深裂し、長さ5~10㎜、鈍形~尖鋭形。花はほぼ無柄。萼は花托筒部分が鐘形~倒円錐形、長さ3~4㎜、密に褐色の剛毛~絹毛がある。萼片は披針形~舌形~倒披針形、長さ4~11㎜、幅1.5~3㎜、しばしば、個々の花で不等形、密~中程度に、小剛毛~剛毛があり、鋭形、各花序の1~数個の花の1個の萼片が広がり、白色のカリコフィル(calycophyll)になる。カリコフィルの柄は長さ18~37㎜、葉身は広卵形又は菱形、長さ5~12㎝、両面の面上にまばらな粗毛があるか又は無毛、主脈上には中低度~密に微長軟毛~微軟毛があり、基部は鈍形~切形、先は鈍形~短い尖鋭形。花冠は橙黄色~黄金色、高杯形、外面には密に絹毛があり、花冠筒部は長狭20~25㎜。花冠裂片は卵形、長さ7~10㎜、鋭形~尖鋭形。液果は楕円形、長さ10~15㎜、剛毛と皮目があり、萼の拡大部は脱落性。花期は6~7月。果期は8~11月。

3 Mussaenda parviflora Miq. コンロンカ 崑崙花
 日本(種子島)、中国、台湾原産。中国名は小玉叶金花 xiao yu ye jin hua。
 常緑半つる性小低木。高さ1.2~2m。よじ登り灌木又はつる性木、枝は円柱形、まばら~密に小剛毛があるか無毛になる。葉は対生し、葉柄は長さ1~2.3㎝、まばら~密に小剛毛がある。葉身は乾くと、厚い紙質、卵形~楕円形~披針形、長さ7~15㎝、幅2.3~6㎝、上面は無毛又は主脈上に小剛毛があり、下面はまばら~密に、小剛毛~伏した絨毛があり、特に脈沿いに多い。葉の基部は鋭形~鈍形~類円形、葉先は尖鋭形鋭形~尾状。側脈は5~7対、三次脈は細かい網状に近い。托葉は普通、脱落性、三角形、長さ5~7㎜、中程度~密に小剛毛があり、深く2裂し、裂片は狭三角形~線形。花序はまばらな集散花序、長さ4~8㎝、幅3~8㎝、頂生又はしばしば最上部の葉に腋生、軸はしばしば、ややサソリ形になり、まばら~密に、小剛毛がある。花序柄は長さ2~5㎝。苞は広三角形~線形、長さ1~7㎜、しばしば脱落性。花柄は長さ2~5㎜。花は花柄がある(又は花序軸の高い位置につく)。萼はまばら~密に小剛毛があり、萼筒の部分は楕円形~こま形、長さ1.5~5㎜。萼裂片は線形~狭三角形、長さ3~6㎜、いくつかの花序の1~3個の花の萼片の1個が広がり、白色のカリコフィル(calycophyll)になる。カリコフィルは有柄、柄は長さ4~10㎜、葉身は広卵形又は楕円形、長さ3~4.5㎝、まばらに小剛毛があるか無毛、基部は鈍形~円形、先は鈍形~短い尖鋭形。花冠は黄色、高坏形~筒状漏斗形、外側は微軟毛状~無毛。花冠筒部は長さ5~8㎜、のど部に密に黄色の棍棒形の毛がある、花冠裂片は卵形、長さ2~3㎜、外面は密に黄色のパピラ(乳頭状突起)があり、先は鋭形~尖頭形(cuspidate)。液果は楕円形~類球形、長さ10~15㎜、毛がほとんど無く、萼の拡大部は脱落性、果柄はときに長さ12㎜以下に伸びる。花期は(3~)5~9月、果期は8~1月。

3-1 Mussaenda parviflora Miq. var. yaeyamensis (Masam.) T.Yamaz. ヤエヤマコンロンカ 八重山崑崙花

  synonym Mussaenda pubescens W.T.Aiton var. yaeyamensis Masam.
  八重山諸島原産。常緑低木、高さ2~3m。葉の下面の中脈上に粗毛が開出する。花期は3~5月。

4 Mussaenda pubescens W.T.Aiton ケコンロンカ 毛崑崙花
 中国、台湾、ベトナム原産英名は splash-of-white , Buddha's lamp 。中国名は玉叶金花 yu ye jin hua。
 灌木、よじ登り、しばしば、 広く巻きつく。枝は円柱形、密に小剛毛と、ときにまた微柔毛が混じり、縮小した腋芽の上に葉の密集したグループがある。葉は対生又はおそらくまれに輪生し、葉柄は長さ3~8㎜、中程度~密に小剛毛がある。葉は乾くと膜質又は薄い紙質、卵状長楕円形~卵状披針形~楕円形~披針形~倒披針形、長さ2~9㎝、幅1~4㎝。葉の上面は面上にまばらに小剛毛があるか又はほぼ無毛、、脈上には中程度~密に小剛毛がある。下面はまばら~密に小剛毛があり、脈上には軟毛がある。葉の基部は鋭形~鈍形、先は鋭形~わずかに尖鋭形、側脈は4~7対、3次脈は網状。托葉は普通、脱落性、三角形、長さ3~7㎜、中程度~密に小剛毛があり、深く2裂、裂片は狭三角形~錐状。花序は頂生、類頭状花序~密集した集散花序、不分枝又はときに3つに分かれ、長さ1~3㎝、幅1~3㎝、密に小剛毛~微柔毛,があり、花序柄は無又は有、花序柄は長さ0.1~1.4㎝。苞は線形、長さ3~5㎜。花柄は長さ1㎜以下。花は無柄又はまれに有柄。萼は中程度~密に小剛毛~剛毛があり、花托筒部分は楕円形~こま形、長さ1.5~3㎜。萼片は線形~狭三角形、長さ3~6㎜、花序の1~3個の花の1(又は5)個の萼片が広がり、白色のカリコフィル(calycophyll)になる。カリコフィルの柄は長さ3~28㎜、葉身は楕円形~広楕円形~柄安敬~披針形、長さ (0.4~)2.5~5㎝、幅(0.2~)2~3.5㎝、両面にまばら~中程度に微軟毛又は小剛毛があり、基部は鋭形~円形、先は鈍形~鋭形。花冠は白色又は黄色、高杯形、外側は中程度~密に小剛毛又は剛毛がある。花冠筒部は長さ11~20㎜、のど部に密に棍棒形の軟毛がある。花冠裂片は長楕円状披針形~披針形、長さ2.5~4㎜、内側は密に黄金色のパピラがあり、尖鋭形。液果は類球形、長さ8~10㎜、幅6~7.5㎜、まばらに小剛毛があるか又はほぼ無毛、平滑又は細かい皮目があり、萼の拡大部は早落性、ときに長さ5㎜までの柄がある。花期は4~6月。果期は6~12月。
品種) 'Nusa Indah'

5 Mussaenda shikokiana Makino ヒロハコンロンカ 広葉崑崙花
  synonym Mussaenda taiwaniana Kaneh.
 日本(本州の静岡県・三重県・和歌山県、四国、九州)、中国に分布する。中国名は大叶白纸扇 da ye bai zhi shan。
 灌木、直立又はよじ登り、高さ1~3m。枝は円柱形、密に小剛毛や剛毛があり、絨毛又は微綿毛があり、たまにほぼ無毛。葉は対生、葉柄は長さ1.5~3.5㎝、中程度~密に小剛毛がある。葉身は乾くと、薄い紙質、上面は緑色~淡緑色、、下面は淡灰色~白くなり、広卵形~卵形~広楕円形、長さ6~20㎝、幅3.5~13㎝、両面はまばらな小剛毛~ほぼ無毛、脈上に密に毛がある。葉の基部は楔形又は普通、鈍形~円形、先は急に尖鋭形~鋭形。側脈は7~10対、3次脈は規則正しい小区画状。托葉は脱落性、三角形~卵状披針形、長さ6~10㎜、まばら~密に小剛毛~ほぼ無毛、しばしば、深く2裂し、裂片の先は鋭形。花序は類頭状花序、まばらな集散花序になり、長さ2~5㎝、幅2~7㎝、密に小剛毛や微綿毛があり、多数の花がつき、花序柄は無又は有又は3つに分かれ、花序柄は長さ1.5~3㎝。苞は脱落性、卵形~披針形~2裂、長さ4~10㎜、わずか~中程度に剛毛~小剛毛がある。花は有柄、花柄は長さ1~4㎜。萼は花托筒部分がこま形~楕円形、長さ2.5~5㎜、密に小剛毛があり、萼片は類葉状、白色、披針形~舌形、長さ、5~10㎜、幅2~2.5㎜、中程度~密に小剛毛~剛毛があり、先は鋭形~長い尖鋭形。各花序の1個又は少数の花の1個の萼片が普通、広がり、カリコフィル(calycophyll)になる。カリコフィルの柄は長さ5~15(~25)㎜、葉身は倒卵形~卵形~楕円形、長さ(2~)3~4.5㎝、葉面はほぼ無毛、脈上に密に絨毛~小剛毛があり、基部は楔形、先は鋭形~短い尖鋭形。花冠は黄色、高杯状漏斗形、外側に密に絹毛がある。花冠筒部は長さ9~14㎜。花冠裂片は卵形、長さ2~3㎜、急に尖鋭形。花序は長さ6㎝以下、幅12㎝以下。液果は類球形~楕円形、長さ葯10㎜、幅約1㎜、中程度~密に剛毛があり、まばらに皮目がある。萼の拡大部は脱落性。花期は4~6月。果黄は7~10月。

6 Mussaenda philippica A.Rich. ムッサエンダ・フィリピカ
 フィリピン、インドネシア、ニューギニア原産。英名はtropical dogwood , Buddah's lamp , virgin tree。中国名は白紙扇 bai zhi shan。
 野生では高さ3~5m、栽培では灌木状、普通、高さ1.8~2.5m、幅1.2~1.8m、カリコフィルは白色で普通、1個。花は黄色。原種は少なく、よく見られるのはMussaenda philippica 'Dona Aurora' (syn. Dona Aurora , 'Aurorae')である。これはフィリピンのマキリン山で1915年にCalixto Mabesaによって初めて採取され、1930年にフィリピン大学ロスバニオス校の林業の専門学のグラウンドで Hugh CurranとMamerto Sulitによって、再び採取されたものである。この栽培種は白色のカリコフィルが1個でなく、数個(しばしば5個)あり、大きい。
品種) 'Dona Aurorae'[syn. 'Aurorae':White Mussaenda, Bangkok Rose] (large creamy white double) , 'Alicia Luze' , 'Paraluma'
6-1 Mussaenda philippica 'Donna Aurora'
  synonym Mussaenda philippica 'Aurorae'
 英名はwhite mussaenda , Bangkok rose。名は前フィリピン大統領夫人の名をつけたもの。
 高さ3m。葉は暗緑色、光沢があり、対生し、楕円形~卵形~広卵形、先が尖り、長さ15㎝以下。花は小さな散房花序状に花が束生する。花冠は小さく、橙色~黄橙色(濃黄金色)、先は5裂し星形、筒部は細長い。カリコフィルは5個になり、原種より大きく、垂れ下がり、白色~クリーム白色、卵形、長さ8㎝以下。種子はできないが、花粉が交配に使われる。多数のハイブリッドの交配親になっている。特にカリコフィルが赤色のアフリカ原産のヒゴロモコンロンカ Mussaenda erythrophylla とのハイブリッドより多彩な品種が作出されている。

7 Mussaenda frondosa L. ムッサエンダ・フロンドサ
 インド、ネパール、スリランカ、カンボジア、ベトナム、マレーシア、インドネシア原産。英名はDhobi Tree。中国名は洋玉叶金花 yang yu ye jin hua。
 灌木、よじ登り、高さ1.5~2m。枝は円柱形~つぶれ、中低後~密に淡赤色の絹毛~粗毛があり、無毛になり、赤褐色~褐色、やや密に皮目がある。葉は対生し、葉柄は長さ4~10㎜、密に絹毛がある。葉身は乾くと薄い紙質又は革質、葉の上面は暗緑色~褐色を帯びた緑色、下面は淡緑色~黄色を帯び、広楕円形~楕円状長楕円形~卵形~倒披針形、長さ8~15㎝、幅3~8㎝、両面の面上にまばらに小剛毛があり、主脈上に剛毛~絹毛がある。葉の基部は鋭形~鈍形~円形、葉先は鋭形~尾状の尖鋭形、側脈は7~10対、3次脈は目立ち、網状。托葉は宿存性、三角形、長さ5~10㎜、密に剛毛~軟毛があり、2深裂する。裂片は披針形~狭三角形、鋭形~尖鋭形。花序は密集した集散花序、側軸が著しく長くなり疎になり、長さ4~8㎝、幅8~20㎝、側軸は長さ8㎝以下、まばら~中程度に毛があり、2タイプの毛があり、小剛毛~伏した微軟毛と粗毛~絨毛が混じる。花序柄は有又は無で3つに分かれ、長さ1~3㎝。苞は三角形又は楕円形、長さ4~10㎜、普通、2~多裂し、鋭形~尖鋭形。花は花柄があり、花柄は長さ1~6㎜。萼は花托筒部が楕円形、長さ3~4㎜、剛毛~絹毛がある。萼片は狭三角形~狭舌形、長さ7~12㎜、粗毛があり、鋭形~尖鋭形。花序ごとの1~4個の花の萼片1個がときに広がり、カリコフィル(calycophyll)になる。カリコフィルの柄は10~30㎜、葉身は楕円状長楕円形~卵形、長さ6~8㎝、幅2.5~5㎝、両面は面上がほぼ無毛、主脈上に小剛毛があり、基部は鋭形~楔形先は鋭形又は尖鋭形。花冠は橙黄色、高杯形、外側は粗毛があり、花冠筒部は長さ22~25㎜。花冠裂片は卵形、長さ6~7㎜、尖鋭形。液果は卵形又は楕円形、長さ約10㎜、幅約7㎜、剛毛があるか又はほぼ無毛。萼の拡大部は脱落性。花期は4~5月。

8 Mussaenda glabra Vahl ムッサエンダ・グラブラ
  synonym Mussaenda frondosa var. glabra (Vahl) Miq.
  熱帯アフリカ、アジア、マレーシア原産。英名はdwarf mussaenda , Adap-Adap, Balik Adap, Belak Adap, Cha Pedi, Daun Puteri, Segoreh。
 常緑灌木、よじ登り、高さ1m以下、無毛。枝に皮目がある。葉は対生、有柄。葉は革質、長楕円形~披針形、先は尖り、上面は明緑色、下面は緑色、長さ6.4~8.9㎝、幅1.3~4㎝、側脈は5~6対、無毛又は軟毛がある。花序は集散花序、頂生し、長さ7.5㎝以下。花は狭い漏斗形、黄金色、カリコフィルはクリーム白色、倒卵形、長さ7.5㎝以下。果実は長楕円形、緑色、長さ約1.3㎝。種子は小さい。

9 Mussaenda incana Wall. ムッサエンダ・インカナ
 インド、ネパール原産。英名はwhite mussaenda , dwarf mussaenda , dwarf yellow mussaenda 。
 灌木、高さ1~2.5m、耐寒性がややある。葉は楕円状卵形、長さ15㎝以下、幅10㎝以下。花序は頂生。カリコフィルは黄白色。花冠は黄色。
品種) 'Kiss Me Rose'

10 Pseudomussaenda flava Verdc. ウスギコンロンカ 薄黄崑崙花
  synonym Mussaenda luteola Delile, nom. illeg.
  synonym Manettia lanceolata (Forssk.) Vahl
  synonym Mussaenda flava (Verdc.) Bakh.f.
  synonym Vignaldia luteola Schweinf., nom. superfl.
 熱帯アフリカ原産。英名はdwarf yellow mussaenda , dwarf mussaenda , yellow Mussaenda , white wing。中国名は 非洲玉叶金花 fei zhou yu ye jin hua。カササンタンカ Pentas lanceolata (Forssk.) Deflersの異名ともされるが誤り。
 灌木、高さ3m以下。枝は長い伏毛に覆われる。葉は長さ4~9㎝、幅1.5~3.5㎝、長楕円形~披針形、尖鋭形、葉の上面はまばらに毛があり、葉の下面は脈上に毛がある。葉柄は長さ1~2㎜。托葉は錐状。花序は散房花序。萼は有毛、萼筒長さ約2.5㎜、先は5裂。萼片は長さ約3㎜、錐形、普通、花序の1~2個の花の1個の萼片が葉状に大きくなる。大きくなった萼片(カリコフィル)は柄が長さ1.5~2㎝、葉身がクリーム・イエロー色~黄色、長さ1.5~3.5㎝、幅1~2.5㎝。花冠は淡黄色、花冠筒部は長さ2~2.5㎝、毛があり、口部は絨毛がある。花冠裂片は5個、卵形、尖鋭形、長さ約6㎜、幅約2.5㎜。花柱は柱頭が2裂する。果実は蒴果、長楕円形、長さ約7㎜、幅約5㎜、胞背裂開、2バルブ。種子は小さく、多数。

ハイブリッド園芸種

Mussaenda 'Dona Hilaria' (M. erythrophylla 'Dona Trining' x M. philippica 'Dona Aurora')
Mussaenda 'Dona Luz' (M. 'Dona Hilaria' x M. philippica 'Dona Aurora')i
Mussaenda 'Marmalade' (M. erythrophylla 'Dona Luz' x Mussaenda luteola=Pseudomussaenda flava)
Mussaenda 'Queen Sirikit' =Lady Flower(M. 'Dona Hilaria' x M. philippica 'Dona Aurora')
  =(Mussaenda erythrophylla x Mussaenda philippica) large pale creamy pink edged with reddish pink double
Mussaenda 'Dona Alicia' ( M. philippica x M. erythrophylla )
Mussaenda 'Dona Evangelina'= 'Dona Eva' ('M. philippica x M. erythrophylla) red doble
Mussaenda 'Capricorn Dream' (M. 'Dona Evangelina' x M. 'Capricorn Ice') spectaculer blight red
Mussaenda 'Capricorn Ice'( M. 'Dona Evangelina' x Mussaenda erythrophila) abundance of white
Mussaenda 'Calcutta Sunset'='Dona Imperialis'(M. philippica x M. erythrophylla) large gold and orange double

参考

1) Mussaenda erythrophylla - Dr. Giuseppe MAZZA Journalist
 Dr. Giuseppe MAZZA
 Mussaenda erythrophylla
http://www.photomazza.com/?Mussaenda-erythrophylla&lang=en
2) Flora of Zimbabwe
 Pseudomussaenda Wernham
http://www.zimbabweflora.co.zw/cult/genus.php?genus_id=2081
3)India Biodiversity Portal
 Pentas lanceolata (Forssk.) Deflers
http://indiabiodiversity.org/species/show/265280
4)Flora of Pakistan
 Mussaenda flava (Verdc.) Balch.
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=250090848
5)Flora Fauna Web - Plant Detail - Pseudomussaenda flava Verdc.
 Pseudomussaenda flava Verdc.
https://florafaunaweb.nparks.gov.sg/special-pages/plant-detail.aspx?id=2373