コナギ 小菜葱

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Flora of Mikawa

ミズアオイ科 Pontederiaceae ミズアオイ属

英 名 heartshape false pickerelweed , oval-leafed pondweed
中国名 鸭舌草 ya she cao
学 名 Monochoria vaginalis (Burm.f.) C.Presl ex Kunth
 synonym Pontederia vaginalis Burm.f.
コナギの花
コナギの花
コナギの葉
コナギ
コナギ2
花 期 8~10月
高 さ 10~40㎝
生活型 1年草
生育場所 水田、溝、池、沼地
分 布 在来種  本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、ロシア、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、スリランカ、インドネシア、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア
撮 影 幸田町 01.10.4
水田の雑草として普通に見られ、古い時代に渡来したものと考えられている。ナギはミズアオイの古名で、昔は食用にしたようである。学名はポンテデリア属(Pontederia)とする見解がある。
 1年草、水生。茎は直立または斜上する。根生葉は広い鞘を持つ。葉柄は長さ3~50cm。葉身は狭心形、広卵形~狭卵形、または披針形、長さ2~21㎝×幅0.8~10㎝、先は鋭形~尖鋭形。花のつく茎は長さ12~35cm。花序は葉より低く、花序は開花後すぐに後屈し、花が3~8(~12)個つく。花序柄は長さ1~3㎝、基部に苞がつく。苞は披針形。花は直径約2㎝、小花柄がある。花被片は6個。帯紫色(青紫色)、卵状披針形~長円形、長さ0.8~1.5cm。大きな雄しべは花糸に付属体があり、葯は長さ1.8~4mm。小さい雄しべは花糸が糸状、葯は長さ1.5~3mm。蒴果は卵形~楕円形、長さ0.7~1cm。種子は楕円形、長さ約1mm、翼は8~12個。花期は8~9月。果期は9~10月。
 類似種のミズアオイはほとんど見られなくなっている。

ミズアオイ属

  family Pontederiaceae - genus Monochoria

 湿地生(paludose)または水生(aquatic)、多年草または不利な条件下で1年草。 茎は直立または匍匐する。葉は栄養茎に根生し、花のつく茎から単生し、葉脈は曲がる。花序は総状花序または亜散形花序で、若いときは広い葉鞘に包まれる。花序柄は基部に苞がある。苞は大きい。花はほぼ無柄または短柄がある。花被片はほぼ基部まで分離し、花時に広がり、その後、螺旋状に巻き、内側の花被片は外側の花被片より広い。雄しべは6本、花被の基部につき、2形性(dimorphic)。1本は花糸が長く、横方向に直立した斜めの歯が1個あり、葯は底着、青色で、大きい。他の5本はほぼ等しく、葯は底着、黄色で、小さい。子房は3室。胚珠は各室に多数。花糸は糸状。柱頭はほぼ全縁または細かく3裂する。蒴果は胞背裂開、3バルブ。種子は小さく、縦の翼があり、横向きの条線がある。
 世界に8種あり、熱帯および亜熱帯のアフリカ、アジア、オーストラリアに分布する。
 ポンテデリア属を広義に扱い、ミズアオイ属(コナギ)、ホテイアオイ属(ホテイアオイ)をポンテデリア属に含める見解がある。WCSPやKwscienceではポンテデリア属に含めている。

ミズアオイ属の主な種と園芸品種

1 Monochoria korsakowii Regel et Maack ミズアオイ 水葵
  synonym Pontederia korsakowii (Regel & Maack) M.Pell. & C.N.Horn ポンテデリア属に含める見解
 日本全土、朝鮮、中国、インドネシア、パキスタン、ロシア(シベリア)、ベトナム原産。中国名は雨久花 yu jiu hua。池、水田、湖のほとりに生える。
 1年草、水生、無毛。 栄養茎は丈夫。葉は根生または互生および茎葉。根生葉は長さ30㎝以下、葉身は広卵形~卵状心形、長さ4~10㎝×幅3~8㎝、密に脈があり、基部は円形、基部の裂片は円く、縁は全縁、先は鋭形~尖鋭形。花のつく茎は直立し、高さ30~70㎝、基部はときに紫赤色になる。花序は開後も直立したままであり、総状花序~円錐花序になり、花が10~20個以上つく。小花柄は長さ5~10mm。花被片は青色、楕円形、長さ1.2~2㎝、先は鈍形。大きい雄しべは花糸に付属体があり、葯は長さ4~5.2mm。小さい雄しべは花糸が糸状、葯は長さ2.5~3.5mm。蒴果は狭卵形、長さ1~1.8㎝。種子は長さ1.1~1.4mm、翼が8~10個ある。花期は7~8月。果期は9~10月。
1-1 Monochoria korsakowii Regel et Maack f. albiflora (Makino) Honda シロバナミズアオイ 白花水葵
 白花品種。

2 Monochoria vaginalis (Burm.f.) C.Presl ex Kunth コナギ 小菜葱
  synonym Pontederia vaginalis Burm.f. ポンテデリア属に含める見解
  synonym Monochoria vaginalis (Burm.f.) C.Presl ex Kunth var. plantaginea (Roxb.) Solms
  synonym Monochoria plantaginea (Roxb.) Kunth
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、ロシア(シベリア)、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア原産。中国名は鸭舌草 ya she cao。英名はheartshape false pickerelweed , oval-leafed pondweed。水田、溝、池、沼地に生える。
 1年草、水生。茎は直立または斜上する。根生葉は広い鞘を持つ。葉柄は長さ3~50cm。葉身は狭心形、広卵形~狭卵形、または披針形、長さ2~21㎝×幅0.8~10㎝、先は鋭形~尖鋭形。花のつく茎は長さ12~35cm。花序は開花後すぐに後屈し、花が3~8(~12)個つく。花序柄は長さ1~3㎝、基部に苞がつく。苞は披針形。花は小花柄がある。花被片は帯紫色、卵状披針形~長円形、長さ0.8~1.5cm。大きな雄しべは花糸に付属体があり、葯は長さ1.8~4mm。小さい雄しべは花糸が糸状、葯は長さ1.5~3mm。蒴果は卵形~楕円形、長さ0.7~1cm。種子は楕円形、長さ約1mm、翼は8~12個。花期は8~9月。果期は9~10月。
2-1 Monochoria vaginalis (Burm.f.) C.Presl ex Kunth var. angustifolia G.X.Wang, T.Kusanagi et K.Itoh ホソバコナギ
 葉身が成長しても心形にならず、細葉のままであるもの。

参考

1) Flora of China
 Monochoria
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=121033
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Monochoria(Pontederia L.)
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:32637-1
 Pontederia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30000881-2
3) World Flora Online
 Monochoria
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000024685
4) World Checklist of Selected Plant Families (WCSP)  Monochoria
https://wcsp.science.kew.org/qsearch.do