コケイラン 小蕙蘭

Flora of Mikawa
ラン科 Orchidaceae コケイラン属
別 名 | ササエビネ |
中国名 | 山兰 shan lan |
学 名 | Oreorchis patens(Lindl.)Lindl. |







花 期 | 5~6月 |
高 さ | 25~40(70)㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地の林内 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア |
撮 影 | 設楽町 13.5.15 |
偽鱗茎は長さ1~2㎝、幅0.5~1.5㎝の卵形~類楕円形、2~3個短い根茎で繋がり、地表近くに連なる。葉は1~2個つき、長さ13~30㎝、幅 (0.4)1~2㎝、披針形、先が尖り、脈が目立ち、基部は細く、長さ3~5(8)㎝の柄状になる。花茎は直立し、長さ 25~67㎝の花序に 黄褐色の花が多数つく。苞は長さ2.5~5㎜の狭披針形。萼片は3個つき、黄褐色、長さ7~9㎜、幅1.5~2㎜、狭惰円形、先が尖る。側花弁は淡黄色、長さ7~8㎜、幅1.5~1.8㎜、萼片とほぼ同形。唇弁は白色~淡黄色、3裂し、側裂片は小さく細い。中裂片は幅が広く、長さ5.5~7㎜、幅3~5.5㎜、縁が縮れたようになり、基部に2隆起線があり、紅紫色の斑点がある。三河地方のものは普通、唇弁の斑点がない。蒴果は長さ約15㎜、幅約7㎜の紡錘形。2n=34。
多年草、地上生。偽鱗茎(pseudobulb)は球茎状、地下生、卵状楕円形、数個の節があり、基部にひげ根があり、たまに、細い根茎がその後の年に生成された偽鱗茎に接続されたままになり、宿存する。葉は1または2枚、偽鱗茎の頂部から生じ、線形~長円状披針形、 扇だたみになり(plicate)、基部は長い葉柄のような柄に向かって先細りになり、しばしば、基部に1~2個の膜質の鞘がある。花序は偽鱗茎の中間の節から生じ、直立し、頂生し、いくつかの筒状の鞘をもち、総状花序である。花序軸は数個~多数の花がつく。花の苞は宿存性で膜質。花は小型~中型、逆さまになる(resupinate)。萼片と花弁は離生し、似ており、広がる。側萼片はときに、基部に浅い袋がある。唇弁は3裂または全縁、基部に爪部があり、距は無い。ディスク(disk:唇弁の下半部の側裂片との間の範囲)は通常、縦のラメラ=薄板(lamellae)または対のカルス(callus , pl. calli:上面の肉質の塊)あり、まれに、どちらも無いことがある。ずい柱は長く、わずかにアーチ状で、基部はときに広がるが、明瞭な足は無い。葯は頂生し、稔性がある。花粉塊(pollinia)は4個、ほぼ球形、ろう質(waxy)、一般的な柄があり、球形の粘着体(viscidium)につく。
世界に約16種あり、日本、韓国、中国、ロシア、ブータン、インド、ミャンマー、ネパールに分布する。中国には11種(7種が固有種)ある。
synonym Tainia bilamellata (Fukuyama) S. S. Ying.
台湾原産。中国名は大霸山兰 da ba shan lan。台湾中部および南部に分布し、標高2000~3000mの森林内の湿潤で日陰の場所に生える。
高さ50cmまで。偽鱗茎は卵形または球形で、長さ2~3cm×幅0.7~2cm、2または3節があり、短い根茎で繋がった偽鱗茎の連鎖を形成して宿存する。葉は単生、線形、扇だたみ状(plicate)、長さ20~40cm×幅1~2cm、基部は徐々に細くなり、不明瞭な葉柄状の柄となり、先は鋭形。花序は長さ約50cm、3~4枚の鞘を持つ。花序軸は長さ約14cm、15~20個の花が緩く付く。花の苞は披針形、長さ約5mm。花は褐黄色、萼片には暗紫色の条線があり、唇弁は黄色または帯白色、中央の裂片に暗紫色の斑点がある。小花柄と子房は褐色、長さ約9mm。萼片は披針形、長さ8~9mm×幅1.5~3mm。花弁は狭長円形、わずかに鎌形、長さ7~8mm×幅1~1.5mm、先は鋭形。唇弁は長円状倒卵形、長さ6~7mm×幅約3mm、基部は袋形で、中央付近で3裂する。側裂片は直立し、ずい柱を緩く包み込み、線形で鎌形、長さ約5mm、先端は鈍形。中裂片は後屈し、長円形、長さ3.8~5mm×幅3~3.2mm、縁は波打ち、先はほぼ切形。ディスクには、黄色で縦溝のある肉質のカルスが側裂片の間から中裂片まで広がる。カルスは長さ約3mm。ずい柱は長さ約4mmで、基部がわずかに広がる。花期は5~6月。
2 Oreorchis fargesii Finet タマザキコケイラン 玉咲小蕙蘭
synonym Oreorchis intermedia S.S.Chien
synonym Oreorchis ohwii Fukuy.
synonym Oreorchis subcapitata (Hayata) Schltr.
朝鮮、中国(福建省、甘粛省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾原産。中国名は长叶山兰 chang ye shan lan。標高700~2600mの森林、藪、谷沿いの陰地に生える。
高さ18~30cm。偽鱗茎は楕円形~亜球形、長さ1~2.5cm、節は2~3個、通常は宿存し、短い根茎でつながった偽鱗茎の密接した連鎖を形成する。葉は2枚つき、線状披針形または線形、扇だたみ状(plicate)、長さ15~28cm×幅0.8~2.5cm、基部が次第に細くなり、先は尖鋭形。葉柄状の柄は関節があり、長さ3~5cm、通常は筒状の鞘に包まれ偽茎を形成する。花序は長さ18~30cm、中央下部に2~3個の筒状の鞘がある。花序軸は長さ2~6cm、花が10個以上密につく。苞は卵状披針形、長さ3~5mm。花は白色、唇弁に褐色の薄板状のとさか(crests)があり、唇弁の中央裂片に淡褐色の斑点がある。小花柄と子房は長さ7~12mm。萼片は長円状披針形、長さ9~11mm×幅2.5~4mm、先は尖鋭形。側萼片は斜め、背萼片よりわずかに広い。花弁は狭卵形~卵状披針形、長さ9~10mm×幅3~3.5mm、先は尖鋭形。唇弁は長円状倒卵形、長さ7.5~9mm×幅4~4.5mm、基部付近で3裂し、基部には短い爪部があり、爪部は長さ約1mm。側裂片は線形、長さ2~3mm×幅約0.7mm、縁には微細な縁毛があり、先は鈍形。中央裂片はほぼ楕円状倒卵形または菱状倒卵形、約・長さ6mm×幅4mm、基部の縁にはしばしば縁毛があり、先の縁はパリパリに縮れ、先は鈍円形、不規則に切れ込みがある。ディスクには側裂片の間に、短い薄板状のカルスがあり、縦溝がある。ずい柱は長さ約3mmで、基部は肥厚する。蒴果は狭楕円形、約・長さ20mm×幅8mm。花期は5~6月。果期は9~10月。
3 Oreorchis indica (Lindl.) Hook.f. コハクラン 琥珀蘭
synonym Tainia gokanzanensis Masam.
日本(長野県、山梨県、静岡県)、中国、台湾、アッサム、西ヒマラヤ、東ヒマラヤ、チベット、ネパール原産。中国名は囊唇山兰 nang chun shan lan。亜高山帯の針葉樹林内、高山草原などに生える。
多年草。高さ18~36cm。偽鱗茎は卵形またはほぼ楕円形、長さ0.7~1.2㎝×幅0.5~1㎝、2または3節あり、宿存し、短い根茎が合着そた偽鱗茎の鎖を形成する。葉は1枚つき、狭楕円形または狭楕円状披針形、しなやか、長さ10~15㎝×幅1.5~2.4㎝、基部は葉柄のような柄に向かって先細りになり、長さ2~3㎝、先は鋭形。花序は長さ18~36cm、中間の下に2~3個の筒状の鞘がある。花序軸は長さ3~9.5㎝、緩く花が4~10個つく。花の苞は長円形、長さ2~3㎜。花は暗黄色で、多数の紫褐色の縞模様と斑点がある。唇弁は白色、紫赤色の斑点がある。小花柄と子房は5~7㎜。萼片は狭楕円状卵形、長さ8~9㎜×幅1~1.8㎜、先は鋭形、側萼片はかま形。花弁は狭卵形または狭卵状披針形、かま形、長さ6~7㎜×幅約2㎜、鋭は鋭形。唇弁は倒卵状楕円形または広長円形、長さ6~8㎜×幅4~5㎜、基部に爪部があり、目立つ袋があり、中央より上で3裂し、ときに全縁。側裂片は様々で、長円形~卵形、長さ1.5㎜、先は鈍形、または全く無い。中裂片はほぼ四角形~ほぼ円形、約・長さ4㎜×幅4㎜、縁は波打ち、先は円形で不規則に欠刻状になる。ディスク(disk:唇弁の下半部の側裂片との間の範囲)には薄板(lamellae)もカルス(callus , pl. calli:上面の肉質の塊)も無い。ずい柱はわずかにアーチで、長さ5~6㎜、細く、基部が太くなる。蒴果は卵形、約・長さ15㎜×幅6㎜。花期は9月。2n=42, 84。
4 Oreorchis micrantha Lindl. ヤサガタコケイラン 優形小蕙蘭
synonym Oreorchis ohwii Fukuy.
中国(西蔵)、台湾、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール原産。中国名は狭叶山兰 xia ye shan lan。標高1500~3000mの森林に生息する。
高さ20~35cm。偽鱗茎は卵形または長楕円形で、長さ1~1.3cm、数個の節を持ち、宿存し、しばしば短い根茎でつながった偽鱗茎の密集した連鎖を形成する。葉は2枚つき、線状披針形または狭披針形、扇だたみ状(plicate)、長さ17~25cm、幅0.5~1.2cm、基部は徐々に細くなり、長さ4~7cmの不明瞭な葉柄状の茎となる。花序は長さ20~32cm、中央より下に2~3個の筒状の鞘がある。花序軸は長さ4~6cmで、8~12個の花がほぼ密につく。花の苞は卵状披針形、長さ1.5~3mm。花は白色。唇弁は白色、中央の裂片に赤色の斑点がある。小花柄と子房は長さ6~9mm。萼片は長円状披針形、長さ5.5~6mm×幅1.5~2mm、先はほぼ鋭形。側萼片はわずかに鎌形。花弁は披針形または線状披針形、長さ5~5.5mm×幅約1.2mm、先は短い尖鋭形。唇弁はほぼ長円状倒卵形、約・長さ5mm×幅3mm、基部付近で3裂し、基部には短い爪部がある。側裂片はほぼ線形、長さ約1.5mm、先は鋭形。中央裂片は倒卵形または広倒卵形、約・長さ3mm×幅2.5mm、先の縁は不規則に切れ込み、わずかに縮れ、先は鈍形でときに凹形。ディスクには側裂片の間に線状の縦溝のあるカルスがあり、中央裂片のほぼ中央まで伸びる。ずい柱はわずかに弓形、長さ約2.5mm、基部はわずかに広がる。蒴果は垂れ下がり、楕円形、長さ10~12mm×幅約5mm。花期は6月。
5 Oreorchis patens (Lindl.) Lindl. コケイラン 小蕙蘭
synonym Oreorchis coreana Finet コケイランモドキ
北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は山兰 shan lan。別名はササエビネ。山地の林内に生える。
多年草、高さ25~40(70)㎝。偽鱗茎は長さ1~2㎝、幅0.5~1.5㎝の卵形~類楕円形、2~3個短い根茎で繋がり、地表近くに連なる。葉は1~2個つき、長さ13~30㎝、幅(0.4)1~2㎝、披針形、先が尖り、脈が目立ち、基部は細く、長さ3~5(8)㎝の柄状になる。花茎は直立し、長さ 25~67㎝の花序に 黄褐色の花が多数つく。苞は長さ2.5~5㎜の狭披針形。萼片は3個つき、黄褐色、長さ7~9㎜、幅1.5~2㎜、狭惰円形、先が尖る。側花弁は淡黄色、長さ7~8㎜、幅1.5~1.8㎜、萼片とほぼ同形。唇弁は白色~淡黄色、3裂し、側裂片は小さく細い。中裂片は幅が広く、長さ5.5~7㎜、幅3~5.5㎜、縁が縮れたようになり、基部に2隆起線があり、紅紫色の斑点がある。三河地方のものは普通、唇弁の斑点がない。蒴果は長さ約15㎜、幅約7㎜の紡錘形。2n=34。花期は5~6月。
Oreorchis
Oreorchis
Oreorchis
Oreorchis
コケイラン属
family Orchidaceae - genus Oreorchis多年草、地上生。偽鱗茎(pseudobulb)は球茎状、地下生、卵状楕円形、数個の節があり、基部にひげ根があり、たまに、細い根茎がその後の年に生成された偽鱗茎に接続されたままになり、宿存する。葉は1または2枚、偽鱗茎の頂部から生じ、線形~長円状披針形、 扇だたみになり(plicate)、基部は長い葉柄のような柄に向かって先細りになり、しばしば、基部に1~2個の膜質の鞘がある。花序は偽鱗茎の中間の節から生じ、直立し、頂生し、いくつかの筒状の鞘をもち、総状花序である。花序軸は数個~多数の花がつく。花の苞は宿存性で膜質。花は小型~中型、逆さまになる(resupinate)。萼片と花弁は離生し、似ており、広がる。側萼片はときに、基部に浅い袋がある。唇弁は3裂または全縁、基部に爪部があり、距は無い。ディスク(disk:唇弁の下半部の側裂片との間の範囲)は通常、縦のラメラ=薄板(lamellae)または対のカルス(callus , pl. calli:上面の肉質の塊)あり、まれに、どちらも無いことがある。ずい柱は長く、わずかにアーチ状で、基部はときに広がるが、明瞭な足は無い。葯は頂生し、稔性がある。花粉塊(pollinia)は4個、ほぼ球形、ろう質(waxy)、一般的な柄があり、球形の粘着体(viscidium)につく。
世界に約16種あり、日本、韓国、中国、ロシア、ブータン、インド、ミャンマー、ネパールに分布する。中国には11種(7種が固有種)ある。
コケイラン属の主な種と園芸品種
1 Oreorchis bilamellata Fukuy. クモマコケイラン 雲間小蕙蘭synonym Tainia bilamellata (Fukuyama) S. S. Ying.
台湾原産。中国名は大霸山兰 da ba shan lan。台湾中部および南部に分布し、標高2000~3000mの森林内の湿潤で日陰の場所に生える。
高さ50cmまで。偽鱗茎は卵形または球形で、長さ2~3cm×幅0.7~2cm、2または3節があり、短い根茎で繋がった偽鱗茎の連鎖を形成して宿存する。葉は単生、線形、扇だたみ状(plicate)、長さ20~40cm×幅1~2cm、基部は徐々に細くなり、不明瞭な葉柄状の柄となり、先は鋭形。花序は長さ約50cm、3~4枚の鞘を持つ。花序軸は長さ約14cm、15~20個の花が緩く付く。花の苞は披針形、長さ約5mm。花は褐黄色、萼片には暗紫色の条線があり、唇弁は黄色または帯白色、中央の裂片に暗紫色の斑点がある。小花柄と子房は褐色、長さ約9mm。萼片は披針形、長さ8~9mm×幅1.5~3mm。花弁は狭長円形、わずかに鎌形、長さ7~8mm×幅1~1.5mm、先は鋭形。唇弁は長円状倒卵形、長さ6~7mm×幅約3mm、基部は袋形で、中央付近で3裂する。側裂片は直立し、ずい柱を緩く包み込み、線形で鎌形、長さ約5mm、先端は鈍形。中裂片は後屈し、長円形、長さ3.8~5mm×幅3~3.2mm、縁は波打ち、先はほぼ切形。ディスクには、黄色で縦溝のある肉質のカルスが側裂片の間から中裂片まで広がる。カルスは長さ約3mm。ずい柱は長さ約4mmで、基部がわずかに広がる。花期は5~6月。
2 Oreorchis fargesii Finet タマザキコケイラン 玉咲小蕙蘭
synonym Oreorchis intermedia S.S.Chien
synonym Oreorchis ohwii Fukuy.
synonym Oreorchis subcapitata (Hayata) Schltr.
朝鮮、中国(福建省、甘粛省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾原産。中国名は长叶山兰 chang ye shan lan。標高700~2600mの森林、藪、谷沿いの陰地に生える。
高さ18~30cm。偽鱗茎は楕円形~亜球形、長さ1~2.5cm、節は2~3個、通常は宿存し、短い根茎でつながった偽鱗茎の密接した連鎖を形成する。葉は2枚つき、線状披針形または線形、扇だたみ状(plicate)、長さ15~28cm×幅0.8~2.5cm、基部が次第に細くなり、先は尖鋭形。葉柄状の柄は関節があり、長さ3~5cm、通常は筒状の鞘に包まれ偽茎を形成する。花序は長さ18~30cm、中央下部に2~3個の筒状の鞘がある。花序軸は長さ2~6cm、花が10個以上密につく。苞は卵状披針形、長さ3~5mm。花は白色、唇弁に褐色の薄板状のとさか(crests)があり、唇弁の中央裂片に淡褐色の斑点がある。小花柄と子房は長さ7~12mm。萼片は長円状披針形、長さ9~11mm×幅2.5~4mm、先は尖鋭形。側萼片は斜め、背萼片よりわずかに広い。花弁は狭卵形~卵状披針形、長さ9~10mm×幅3~3.5mm、先は尖鋭形。唇弁は長円状倒卵形、長さ7.5~9mm×幅4~4.5mm、基部付近で3裂し、基部には短い爪部があり、爪部は長さ約1mm。側裂片は線形、長さ2~3mm×幅約0.7mm、縁には微細な縁毛があり、先は鈍形。中央裂片はほぼ楕円状倒卵形または菱状倒卵形、約・長さ6mm×幅4mm、基部の縁にはしばしば縁毛があり、先の縁はパリパリに縮れ、先は鈍円形、不規則に切れ込みがある。ディスクには側裂片の間に、短い薄板状のカルスがあり、縦溝がある。ずい柱は長さ約3mmで、基部は肥厚する。蒴果は狭楕円形、約・長さ20mm×幅8mm。花期は5~6月。果期は9~10月。
3 Oreorchis indica (Lindl.) Hook.f. コハクラン 琥珀蘭
synonym Oreorchis foliosa (Lindl.) Lindl. var. indica (Lindl.) N.Pearce et P.J.Cribb
synonym Oreorchis itoana (F.Maek.) Pernersynonym Tainia gokanzanensis Masam.
日本(長野県、山梨県、静岡県)、中国、台湾、アッサム、西ヒマラヤ、東ヒマラヤ、チベット、ネパール原産。中国名は囊唇山兰 nang chun shan lan。亜高山帯の針葉樹林内、高山草原などに生える。
多年草。高さ18~36cm。偽鱗茎は卵形またはほぼ楕円形、長さ0.7~1.2㎝×幅0.5~1㎝、2または3節あり、宿存し、短い根茎が合着そた偽鱗茎の鎖を形成する。葉は1枚つき、狭楕円形または狭楕円状披針形、しなやか、長さ10~15㎝×幅1.5~2.4㎝、基部は葉柄のような柄に向かって先細りになり、長さ2~3㎝、先は鋭形。花序は長さ18~36cm、中間の下に2~3個の筒状の鞘がある。花序軸は長さ3~9.5㎝、緩く花が4~10個つく。花の苞は長円形、長さ2~3㎜。花は暗黄色で、多数の紫褐色の縞模様と斑点がある。唇弁は白色、紫赤色の斑点がある。小花柄と子房は5~7㎜。萼片は狭楕円状卵形、長さ8~9㎜×幅1~1.8㎜、先は鋭形、側萼片はかま形。花弁は狭卵形または狭卵状披針形、かま形、長さ6~7㎜×幅約2㎜、鋭は鋭形。唇弁は倒卵状楕円形または広長円形、長さ6~8㎜×幅4~5㎜、基部に爪部があり、目立つ袋があり、中央より上で3裂し、ときに全縁。側裂片は様々で、長円形~卵形、長さ1.5㎜、先は鈍形、または全く無い。中裂片はほぼ四角形~ほぼ円形、約・長さ4㎜×幅4㎜、縁は波打ち、先は円形で不規則に欠刻状になる。ディスク(disk:唇弁の下半部の側裂片との間の範囲)には薄板(lamellae)もカルス(callus , pl. calli:上面の肉質の塊)も無い。ずい柱はわずかにアーチで、長さ5~6㎜、細く、基部が太くなる。蒴果は卵形、約・長さ15㎜×幅6㎜。花期は9月。2n=42, 84。
4 Oreorchis micrantha Lindl. ヤサガタコケイラン 優形小蕙蘭
synonym Oreorchis ohwii Fukuy.
中国(西蔵)、台湾、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール原産。中国名は狭叶山兰 xia ye shan lan。標高1500~3000mの森林に生息する。
高さ20~35cm。偽鱗茎は卵形または長楕円形で、長さ1~1.3cm、数個の節を持ち、宿存し、しばしば短い根茎でつながった偽鱗茎の密集した連鎖を形成する。葉は2枚つき、線状披針形または狭披針形、扇だたみ状(plicate)、長さ17~25cm、幅0.5~1.2cm、基部は徐々に細くなり、長さ4~7cmの不明瞭な葉柄状の茎となる。花序は長さ20~32cm、中央より下に2~3個の筒状の鞘がある。花序軸は長さ4~6cmで、8~12個の花がほぼ密につく。花の苞は卵状披針形、長さ1.5~3mm。花は白色。唇弁は白色、中央の裂片に赤色の斑点がある。小花柄と子房は長さ6~9mm。萼片は長円状披針形、長さ5.5~6mm×幅1.5~2mm、先はほぼ鋭形。側萼片はわずかに鎌形。花弁は披針形または線状披針形、長さ5~5.5mm×幅約1.2mm、先は短い尖鋭形。唇弁はほぼ長円状倒卵形、約・長さ5mm×幅3mm、基部付近で3裂し、基部には短い爪部がある。側裂片はほぼ線形、長さ約1.5mm、先は鋭形。中央裂片は倒卵形または広倒卵形、約・長さ3mm×幅2.5mm、先の縁は不規則に切れ込み、わずかに縮れ、先は鈍形でときに凹形。ディスクには側裂片の間に線状の縦溝のあるカルスがあり、中央裂片のほぼ中央まで伸びる。ずい柱はわずかに弓形、長さ約2.5mm、基部はわずかに広がる。蒴果は垂れ下がり、楕円形、長さ10~12mm×幅約5mm。花期は6月。
5 Oreorchis patens (Lindl.) Lindl. コケイラン 小蕙蘭
synonym Oreorchis patens (Lindl.) Lindl. var. gracilis (Franch. et Sav.) Finet
synonym Oreorchis gracillima (Hayata) Schltr.synonym Oreorchis coreana Finet コケイランモドキ
北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は山兰 shan lan。別名はササエビネ。山地の林内に生える。
多年草、高さ25~40(70)㎝。偽鱗茎は長さ1~2㎝、幅0.5~1.5㎝の卵形~類楕円形、2~3個短い根茎で繋がり、地表近くに連なる。葉は1~2個つき、長さ13~30㎝、幅(0.4)1~2㎝、披針形、先が尖り、脈が目立ち、基部は細く、長さ3~5(8)㎝の柄状になる。花茎は直立し、長さ 25~67㎝の花序に 黄褐色の花が多数つく。苞は長さ2.5~5㎜の狭披針形。萼片は3個つき、黄褐色、長さ7~9㎜、幅1.5~2㎜、狭惰円形、先が尖る。側花弁は淡黄色、長さ7~8㎜、幅1.5~1.8㎜、萼片とほぼ同形。唇弁は白色~淡黄色、3裂し、側裂片は小さく細い。中裂片は幅が広く、長さ5.5~7㎜、幅3~5.5㎜、縁が縮れたようになり、基部に2隆起線があり、紅紫色の斑点がある。三河地方のものは普通、唇弁の斑点がない。蒴果は長さ約15㎜、幅約7㎜の紡錘形。2n=34。花期は5~6月。
参考
1) Flora of ChinaOreorchis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=123134
2) Plants of the World Online| KewscienceOreorchis
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30186-1
3) World Flora OnlineOreorchis
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000027109;jsessionid=3D06F44FD5958875261B9B799AB51330
4) World Checklist of Vascular PlantsOreorchis
https://wcvp.science.kew.org/