コジュズスゲ 小数珠菅

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Flora of Mikawa

カヤツリグサ科 Cyperaceae スゲ属

学 名 Carex macroglossa Franch. et Savat.

 synonym Carex parciflora Boott var. macroglossa (Franch. et Sav.) Ohwi

 synonym Carex jackiana var. macroglossa (Franch. et Savat.) Kukenthal

コジュズスゲの雄小穂
コジュズスゲの雄小穂
コジュズスゲ雌小穂拡大
コジュズスゲ果胞
コジュズスゲ痩果
コジュズスゲ
コジュズスゲ基部
コジュズスゲ最下の雌小穂
コジュズスゲ葉表
コジュズスゲ葉裏
コジュズスゲ完熟した果胞
果 期 5~6月
高 さ 20~30㎝
生活型 多年草
生育場所 主に開けた乾いた場所、ときに湿った樹林内、草地、湿地、水田畔
分 布 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮
撮 影 西尾市(幡豆町) 12.512
主に開けた乾いた場所に生え、湿った樹林内、草地、湿地、水田畔にも生える。
 多年草、根茎は短く、匐枝を出さず、叢生し、高さ10~40㎝。最も長い稈は長さ15~39(~48)㎝。基部の鞘は淡褐色。葉は柔らかく、幅2~10㎜、粉緑色。苞は有鞘、花序の上に出る葉身がある。頂小穂は雄性、長さ5~12㎜、緑白色。雌性の側小穂は長さ10~15㎜、頂小穂近くに1~2個、茎の中部近くまで離れてつく。上部の小穂は直立又は斜上し、下部の小穂には細くて長い柄があり垂れ下がる。長い柄は苞の鞘から4.5㎝突き出し、鞘の長さ5㎝、柄の長さはときに合計で約10㎝ある。上部の小穂には果胞が2~10個つき、下部の小穂には5~12個程度つくものが多い。鱗片は果胞のほぼ半長、鋭頭。果胞は長さ5~6㎜、無毛、ゆるく果実を包み、先は次第に細くなり、長い嘴がある。痩果は長さ2.1~2.4㎜、3稜のある倒卵形~広倒卵形。痩果は淡褐色~黄褐色、乾くと褐色になる。痩果の基部に海綿質の部分があり、果胞にしっかり包まれ、果胞はダブついている割に取れにくい。果胞は熟しても緑色であり、褐色になるまで軸に残っているものは少ない。花柱は全体的に真っすぐ。柱頭は3岐。2n=36,40,46~48, 50。果期は5~6月。
 ムギスゲ(f. subsessilis)は林内に生える果胞が非常に大きい品種で、果胞は長さ8~9㎜、常に少数(2~4個)のグループで花序柄の先に放射状につく。
 タマツリスゲは基部が濃い赤紫色。雌小穂の果胞がきわめてまばらで4個以下、下部の小穂には長い柄があり垂れ下がる。果胞の嘴が長く、口部は斜切形。コジュズスゲの果胞がまばらなものと間違いやすいので、基部の色を確認するとよい。