キツネアザミ 狐薊

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae キツネアザミ属

別 名 キツネノマユハケ、マユハケアザミ
中国名 泥胡菜 ni hu cai
学 名 Hemisteptia lyrata (Bunge) Fischer et C. A. Meyer
 synonym Cirsium lyratum Bunge
キツネアザミ花序
キツネアザミ頭花
キツネアザミ総苞片の突起
キツネアザミ果実
キツネアザミ花床の鱗片
ダキツネアザミ葉
キツネアザミの葉裏の毛
キツネアザミ
キツネアザミの葉表
キツネアザミの葉裏
キツネアザミの冠毛を取った果実
キツネアザミの冠毛
花 期 5~6月
高 さ 20~150㎝
生活型 1年草又は越年草
生育場所 道端、田畑
分 布 在来種 本州、四国、九州、沖縄、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、オーストラリア
撮 影 幸田町 09.5.15(花)
     18.6.19(果実)
田んぼの畔などに多く、道路の中央分離帯のような道端でも見かけられる。1属1種。古い時代に農耕とともに朝鮮又は中国から帰化したといわれている。和名の由来はアザミに似て、だまされたということから。初期に採用された学名のHemistepta lyrataは正しくなく、Hemisteptia lyrata が正しいとされる。
 1(2)年草、高さ20~150㎝。茎は1本、まれに数本、直立し、上部でよく分枝し、まれに、単純、うねがある。根生葉は普通、花期に枯れる。下部と中部の茎葉は長さ6㎝以下の葉柄がある。葉身は狭楕円形~狭倒卵形、長さ4~15(20)㎝×幅1.5~5㎝、頭大羽状分裂、下面は灰白色で±綿毛があり、上面は緑色、無毛、歯状縁又は全縁、裂片は1~6対、狭倒卵形~狭卵形、頂裂片は菱形~三角形~卵形、側裂片より大きい。上部の茎葉は無柄、狭卵状楕円形~線形、茎の上側では徐々に小さくなる。頭花は多数、疎な散房花序状の合成花序(疎な円錐花序)につき又は単生し、直径約2.5㎝、長い花序柄がある。総苞は直径(1~)1.5~3㎝。総苞片は4~10(普通8)列、先は尖鋭形で紫赤色。外総苞片は三角状卵形、長さ2~3㎜×幅1~1.5㎜。中総苞片は卵状楕円形~楕円形、長さ3~7㎜×幅1.3~1.5㎜。内総苞片は楕円形~線状楕円形、長さ7~13㎜×幅1.5~1.8㎜。花托の剛毛は白色、長さ2~4㎜。花冠はローズパープル、長さ1.2~1.4㎝、筒部は長さ1~1.1㎝、拡大部は長さ2.5~3㎜、裂片は長さ2~2.5㎜。痩果は褐色、長楕円形、長さ(1.5~)2.2~3㎜、無毛、15本の縦肋がある。冠毛は白色、痩果の外側の列の冠毛は小さく平らな、長さ0.2~0.5㎜の宿存する長方形の鱗片が3~9個つく。内側の列の冠毛は羽毛状(枝分かれのある)の剛毛、長さ1~1.3㎝、脱落性。花期と果期は(3)4~6(8)月。2n=36。

キツネアザミ属

  family Asteraceae - genus Hemisteptia

1年草。刺はない。頭花は中心小花頭花(discoid)。 総苞は鐘形~半球形。総苞片は覆瓦状。外総苞片と中総苞片は先に紫赤色の鶏冠(crista)がある。花托は錐形のハチの巣状の剛毛で密に覆われる。花冠は無毛。葯の尾は矢じり形、裂け又は分裂しない。花柱の枝は短く、分岐し、先端は切形。痩果は卵形、横は扁平、10~16個のうねが目立ち、無毛、先の拡大部は小円鋸歯状の王冠を形成する。冠毛は異形が2列につき、外側の列は小さな鱗片状。、側の列は羽毛状の剛毛で基部が合着し、輪になる。
 世界にHemisteptia lyrataの1種だけ。

キツネアザミ属の主な種と園芸品種

1 Hemisteptia lyrata (Bunge) Fischer et C. A. Meyer キツネアザミ 狐薊
   Basionym  Cirsium lyratum Bunge
  synonym Aplotaxis carthamoides DC
  synonym Saussurea lyrata (Bunge) Franch.
  synonym Saussurea carthamoides (Buch.-Ham. ex Roxb.) Benth.
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は泥胡菜 ni hu cai。別名はキツネノマユハケ。
 1(2)年草、高さ20~150㎝。茎は1本、まれに数本、直立し、上部でよく分枝し、まれに、単純、うねがある。根生葉は普通、花期に枯れる。下部と中部の茎葉は長さ6㎝以下の葉柄がある。葉身は狭楕円形~狭倒卵形、長さ4~15(20)㎝×幅1.5~5㎝、頭大羽状分裂、下面は灰白色で±綿毛があり、上面は緑色、無毛、歯状縁又は全縁、裂片は1~6対、狭倒卵形~狭卵形、頂裂片は菱形~三角形~卵形、側裂片より大きい。上部の茎葉は無柄、狭卵状楕円形~線形、茎の上側では徐々に小さくなる。頭花は多数、疎な散房花序状の合成花序(疎な円錐花序)につき又は単生し、直径約2.5㎝、長い花序柄がある。総苞は直径(1~)1.5~3㎝。総苞片は4~10(普通8)列、先は尖鋭形で紫赤色。外総苞片は三角状卵形、長さ2~3㎜×幅1~1.5㎜。中総苞片は卵状楕円形~楕円形、長さ3~7㎜×幅1.3~1.5㎜。内総苞片は楕円形~線状楕円形、長さ7~13㎜×幅1.5~1.8㎜。花托の剛毛は白色、長さ2~4㎜。花冠はローズパープル、長さ1.2~1.4㎝、筒部は長さ1~1.1㎝、拡大部は長さ2.5~3㎜、裂片は長さ2~2.5㎜。痩果は褐色、長楕円形、長さ(1.5~)2.2~3㎜、無毛、15本の縦肋がある。冠毛は白色、痩果の外側の列の冠毛は小さく平らな、長さ0.2~0.5㎜の宿存する長方形の鱗片が3~9個つく。内側の列の冠毛は羽毛状(枝分かれのある)の剛毛、長さ1~1.3㎝、脱落性。花期と果期は(3)4~6(8)月。2n=36。

参考

1) Flora of China
 Hemisteptia
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=115077
2) GRIN
  Hemisteptia.
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=5537