キリンギク 麒麟菊
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae ユリアザミ属
別 名 | ユリアザミ 、リアトリス |
中国名 | 蛇鞭菊 she bian ju |
英 名 | blazingstar ,button snakewort , florist gayfeather , gayfeather , marsh blazingstar , marsh gayfeather , prairie-pine |
学 名 | Liatris spicata (L.) Willd. |
花 期 | 7~9月 |
高 さ | (20)40~110(180)㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 帰化種 北アメリカ(U.S.A.、カナダ)原産 |
撮 影 | 幸田町 16.6.27 |
キリンギクは切り花用としてよく栽培され、フランスなどで野生化している。日本には昭和初期に渡来した。園芸種もいくつかあり、小形の'Kobold'、白花やピンク色のものなどがある。
ヒメキリンギクLiatris pycnostachyとよく似ていて間違えやすい。ヒメキリンギクの方がやや草丈が高く、頭花が密につく。総苞片に違いがあり、キリンギクは卵形~長楕円形、先が円形~鈍形。ヒメキリンギクの総苞片は長楕円状披針形、先が鋭形~尖鋭形、後屈する。
高さ(20)40~110(180)㎝。球茎は球形~わずかに長くなる。葉は葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、狭長楕円状披針形~狭へら状倒披針形、長さ120~350㎜、幅(2)4~10(20)㎜(ときに上部では密につき)、普通、上部では次第に小さくなり、基本的には無毛、又はまばらに柔毛あり、少し腺点がある。頭花は密~疎に穂状に配列する(頭状穂状花序 capitulum-spike ) 。頂生する複合花序は長さ15~30㎝。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は渦巻き状円筒形~渦巻き状鐘形、長さ7~11㎜、幅4~6㎜。総苞片は(3)4~5列につき、卵形~長楕円形、不等長、基本的には無毛、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は円形~鈍形。小花は(4)5~8(14)個、花冠は濃紫色、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ(3.5)4.5~6 ㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛で覆われる。
(1-1) [var. spicata]
根生葉と基部の茎葉は幅が4~10(20)㎜(茎葉は普通、上部で小さくなる)。 頭花は密~疎に穂状につく。総苞は長さ7~8(11)㎜。総苞片は普通、帯緑色。小花は(4)6~8(12)個。2n=20。
(1-2) [var. resinosa]
根生葉と基部の茎葉は幅が (2)4~8㎜(茎葉は茎中間で普通小さくなり、上部では線形の苞状になる)。 頭花は密(~疎)に穂状につく。総苞は長さ7~9㎜。総苞片は帯紫色~帯緑色。小花は5~6(8)個。2n=20。
(2) ユリアザミ(ヒメキリンギク) Liatris pycnostachyaは北アメリカ原産。英名はbutton snakeroot , cattail gayfeather , prairie blazingstar , prairie gayfeather。観賞用によく栽培されている。日本には大正時代に渡来した。pycnostachyaはギリシャ語で密集を意味し、頭花や葉が密集する。ユリアザミ属の栽培種の中で草丈がおそらく最も高く、高さ40)60~120(180)㎝。球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎は無毛又は長毛状の微軟毛がある。葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、線形~狭倒披針形~倒披針形、長さ110~220㎜、幅4~10(12)㎜、上部では次第に又は急に小さく(苞のように)なり、基本的には無毛、又はまばらに長毛~長毛状微軟毛がある。わずかに、腺点(普通、基部に柄がある)がある。頭花は密に穂状に配列する。頂生する複合花序は長さ50㎝以下。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は鐘状円筒形、長さ7~9(10)㎜、幅3.5~5㎜。総苞片は(後屈又は曲がって開く)4~5列、長楕円状披針形、不等長、基本的には無毛、又は長毛があり、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形(ときに先が広がり、花弁状)。他のユリアザミ属とは総苞片の先が後屈することで区別される。小花は(4)5~8個つき、花冠はローズパープル(rose-purple)、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ3.8~4.5(5)㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛で覆われる。
(2-1) [var. pycnostachya]
球茎は球形。茎は普通、無毛又は頭花の近くを除いてまばらに長毛がある。葉は無毛。2n=20, 40。
(2-2) [var. lasiophylla]
球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎はほどほどから密に長毛状微軟毛があるかほぼ無毛に近くなる。
多年草、高さ20~180㎝ (球茎は球形~扁卵形又はかぶら形、ときに長く、根茎になり、根は全て又はほとんど不定り。茎は直立、単純又は基部で分枝する。葉は根生葉と茎葉、互生、葉柄があり(根生)又は無柄(普通、伏せ~斜上)。葉身は普通、1脈、ときに3又は5脈、主に線形~卵状披針形、全縁、面にはしばしば金色の点(L. glandulosaでは有柄の腺)がある。頭花は中心小花頭(discoid,:両性の筒状小花だけからなる頭花)、散房花序、集散花序、総状花序又は穂状花序につく。総苞はほとんど、鐘形~半球形又はこま状円筒形、直径(2.5~)3~22(~25)㎜。総苞片は宿存又はゆっくりと落ち、18~40個が(2~)3~7列につき、目立つ脈は無く、卵形~楕円形~披針形、普通、不等長(葉状又は花弁状、縁はしばしば透明、、しばしば縁毛又は不規則な歯があり、先はしばしばピンク白色)。花托は平ら、パレアは無い。小花は3~85個、花冠は普通、ラベンダー色~暗マゼンタ色~ピンク紫色、ときに白色、のど部は漏斗形(長さは直径の4~6倍、外側は腺があり、内側には腺は無く又は花糸のつく付近に長軟毛があり、毛は帯白色、細かく縮れる)。花柱の基部は長くならず、無毛、枝は線状こん棒形(パピラがある)。痩果はプリズム形、8~11本のうねがあり、普通、微細な剛毛~微細な粗毛状軟毛があり(L. oligocephalaでは無毛)、普通、腺点がある。冠毛(papp)は宿存し、12~40本の粗いひげ状の剛毛~羽毛状の剛毛の1~2列からなる。
世界に37種があり、北アメリカ、メキシコ、西インド洋諸島に分布する。
カナダ、USA原産。英名はNorthern Plains gayfeather northern plains gayfeather , meadow blazingstar
高さ20~100㎝。 球茎は類球形(しばしば節があり、密にひげ根がある)。茎は疎~密に微軟毛、微軟毛状絨毛(puberulent-villous)~があり、剛毛状の微軟毛(strigoso-puberulent)がある。葉は根生葉と茎葉、1脈があり、狭倒披針形~へら状披針形、長さ90~150(~220)㎜×幅4~17(~24)㎜、茎の上部は中間まで次第に小さくなり、それから急に小さくなり、線形又は狭披針形、斜上~ほぼ直立、苞状疎、疎~密に微軟毛があり、±腺点がある。頭花は4~21個、開いた総状花序につく(頂部の頭花は最初に成熟し、大きい)。花序柄は普通、長さ(5~)8~15(~30)㎜。総苞は鐘形~こま状鐘形、長さ10~15㎜×幅13~18㎜。総苞片は(3~)4~5列につき、長円状倒卵形~長円状へら形、強く不等長、本質的に無毛、縁に(紫色の)透明な境界があり、微細不整歯~切り裂かれ~不規則になり、先は広円形~切形。小花は30~70個、花冠筒部は内側が無毛。痩果は長さ5~7㎜。冠毛は花冠の長さとほぼ等しく、毛は剛毛状。2n=20。花期は7~10月。
品種) 'Monarch'
2 Liatris microcephala (Small) K. Schum.
北アメリカ(USA)原産。英名はsmall-head gayfeather , dwarf gayfeather。
高さ30~80㎝。球茎は球形(しばしばひげ根が全体を覆う)。茎は無毛。葉は根生葉と下部の茎葉、1脈があり、線形~線状披針形、長さ80~200㎜×幅1~3(~4, ~6)㎜、茎の上部1/2で次第に小さくなるか又は急に小さくなり、本質的に無毛。頭花は疎から密に穂状につき(節間は8㎜以下)。花序柄は無又は(斜上し)長さ1~12㎜。総苞はこま状円筒形、長さ 5~7(~9)㎜×幅3~4㎜。総苞片は 3~4列につき、長円形~長円状倒卵形、津陽不等長、本質的に無毛、縁に透明な境界があり、先は円形。小花は 4~5(~6)個。花冠筒部は内側が無毛。痩果は長さ3~3.5㎜。冠毛は花冠の長さの約1/2、毛は剛毛状。2n=20, 60。花期は(7)8~10月。
品種) 'Alba' , 'White Sprite'
3 Liatris pycnostachya Michx. ユリアザミ 百合薊
北アメリカ(USA)原産。英名はbutton snakeroot , cattail gayfeather , prairie blazingstar , prairie gayfeather , thick-spike gayfeather
観賞用によく栽培されている。日本には大正時代に渡来した。pycnostachyaはギリシャ語で密集を意味し、頭花や葉が密集する。別名はヒメキリンギク 姫麒麟菊。
ユリアザミ属の栽培種の中で草丈がおそらく最も高く、高さ40)60~120(180)㎝。球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎は無毛又は長毛状の微軟毛がある。葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、線形~狭倒披針形~倒披針形、長さ110~220㎜、幅4~10(12)㎜、上部では次第に又は急に小さく(苞のように)なり、基本的には無毛、又はまばらに長毛~長毛状微軟毛がある。わずかに、腺点(普通、基部に柄がある)がある。頭花は密に穂状に配列する。頂生する複合花序は長さ50㎝以下。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は鐘状円筒形、長さ7~9(10)㎜、幅3.5~5㎜。総苞片は(後屈又は曲がって開く)4~5列、長楕円状披針形、不等長、基本的には無毛、又は長毛があり、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形(ときに先が広がり、花弁状)。他のユリアザミ属とは総苞片の先が後屈することで区別される。小花は(4)5~8個つき、花冠はローズパープル(rose-purple)、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ3.8~4.5(5)㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛で覆われる。
3-1 Liatris pycnostachya Michaux var. pycnostachya
球茎は球形。茎は普通、無毛又は頭花の近くを除いてまばらに長毛がある。葉は無毛。2n=20, 40。
3-2 Liatris pycnostachya Michaux var. lasiophylla Shinners
球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎はほどほどから密に長毛状微軟毛があるかほぼ無毛に近くなる。
4 Liatris scariosa (L.) Willd. マツカサギク 松毬菊
北アメリカ(USA)原産。英名はnorthern gayfeather , plains blazingstar。
高さ30~150㎝。球茎は類球形。杭は微軟毛があり(少なくとも上部にあり、ときに下部が無毛)。葉は根生葉と下部の茎葉、1脈があり、楕円へら形~倒披針状へら形、長さ120~300㎜×幅25~50(~55)㎜、上部で急に、次第に又は少し、小さくなり、本質的に無毛、たとえあっても弱く、腺点がある。頭花は総状花序につく。花序柄は普通、(斜上)長さ10~50㎜。総苞は鐘形~こま状鐘形、長さ11~15㎜×幅(12~)15~22(~25)㎜。総苞片は (3~)4~5列につき (直立又は外総苞片はとき、広がり反り返り)、長円状倒卵形~広倒卵形(水疱様突起は無く)、不等長、無毛又は微細な微軟毛があり、縁に普通、比較的狭い倒名な境界をもち、先は広円形。小花は19~80個、花冠筒部は普通、内側に長軟毛があり、ときに無毛(Arkansas, Illinois, Missouri)。痩果は長さ4.5~6(~6.5) ㎜。冠毛は花冠の長さとほぼ等長、毛は剛毛状。
品種) 'Alba' , 'Gracious' , 'Magnifica' , 'September Glory' , 'White Spire' , 'White Spires'
5 Liatris spicata (L.) Willd. キリンギク 麒麟菊
カナダ、USA原産。英名はblazingstar, button snakewort , florist gayfeather , gayfeather , marsh blazingstar , marsh gayfeather , prairie-pine。園芸ではリアトリスと呼ばれる。
高さ(20)40~110(180)㎝。球茎は球形~わずかに長くなる。葉は葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、狭長楕円状披針形~狭へら状倒披針形、長さ120~350㎜、幅(2)4~10(20)㎜(ときに上部では密につき)、普通、上部では次第に小さくなり、基本的には無毛、又はまばらに柔毛あり、少し腺点がある。頭花は密~疎に穂状に配列する(頭状穂状花序 capitulum-spike)。頂生する複合花序は長さ15~30㎝。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は渦巻き状円筒形~渦巻き状鐘形、長さ7~11㎜×幅4~6㎜。総苞片は(3)4~5列につき、卵形~長楕円形、不等長、基本的には無毛、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は円形~鈍形。小花は(4)5~8(14)個、花冠は濃紫色(deep purple)、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ(3.5)4.5~6 ㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛。
品種) 'Alba' , 'Blue Bird' , 'Bluebird' , 'Floristan Violet' , 'Floristan Violett' , 'Floristan Weiss' , 'Floristan White' , 'Goblin'. , 'Kansas Feather' , 'Kobold' , 'Picador' , 'Silvertips' , 'Snow Queen' , 'Snow White'
5-1 Liatris spicata (Linnaeus) Willdenow var. spicata
根生葉と基部の茎葉は幅が4~10(20)㎜(茎葉は普通、上部で小さくなる)。 頭花は密~疎に穂状につく。総苞は長さ7~8(11)㎜。総苞片は普通、帯緑色。小花は(4)6~8(12)個。2n=20。花期は7~9月。
5-2 Liatris spicata (Linnaeus) Willdenow var. resinosa (Nuttall) Gaiser
根生葉と基部の茎葉は幅が (2)4~8㎜(茎葉は茎中間で普通小さくなり、上部では線形の苞状になる)。頭花は密(~疎)に穂状につく。総苞は長さ7~9㎜。総苞片は帯紫色~帯緑色。小花は5~6(8)個。2n=20。花期は(7)8~10(11)9月。
Liatris
Liatris<
Liatris pycnostachya
Liatris
ヒメキリンギクLiatris pycnostachyとよく似ていて間違えやすい。ヒメキリンギクの方がやや草丈が高く、頭花が密につく。総苞片に違いがあり、キリンギクは卵形~長楕円形、先が円形~鈍形。ヒメキリンギクの総苞片は長楕円状披針形、先が鋭形~尖鋭形、後屈する。
高さ(20)40~110(180)㎝。球茎は球形~わずかに長くなる。葉は葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、狭長楕円状披針形~狭へら状倒披針形、長さ120~350㎜、幅(2)4~10(20)㎜(ときに上部では密につき)、普通、上部では次第に小さくなり、基本的には無毛、又はまばらに柔毛あり、少し腺点がある。頭花は密~疎に穂状に配列する(頭状穂状花序 capitulum-spike ) 。頂生する複合花序は長さ15~30㎝。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は渦巻き状円筒形~渦巻き状鐘形、長さ7~11㎜、幅4~6㎜。総苞片は(3)4~5列につき、卵形~長楕円形、不等長、基本的には無毛、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は円形~鈍形。小花は(4)5~8(14)個、花冠は濃紫色、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ(3.5)4.5~6 ㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛で覆われる。
(1-1) [var. spicata]
根生葉と基部の茎葉は幅が4~10(20)㎜(茎葉は普通、上部で小さくなる)。 頭花は密~疎に穂状につく。総苞は長さ7~8(11)㎜。総苞片は普通、帯緑色。小花は(4)6~8(12)個。2n=20。
(1-2) [var. resinosa]
根生葉と基部の茎葉は幅が (2)4~8㎜(茎葉は茎中間で普通小さくなり、上部では線形の苞状になる)。 頭花は密(~疎)に穂状につく。総苞は長さ7~9㎜。総苞片は帯紫色~帯緑色。小花は5~6(8)個。2n=20。
(2) ユリアザミ(ヒメキリンギク) Liatris pycnostachyaは北アメリカ原産。英名はbutton snakeroot , cattail gayfeather , prairie blazingstar , prairie gayfeather。観賞用によく栽培されている。日本には大正時代に渡来した。pycnostachyaはギリシャ語で密集を意味し、頭花や葉が密集する。ユリアザミ属の栽培種の中で草丈がおそらく最も高く、高さ40)60~120(180)㎝。球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎は無毛又は長毛状の微軟毛がある。葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、線形~狭倒披針形~倒披針形、長さ110~220㎜、幅4~10(12)㎜、上部では次第に又は急に小さく(苞のように)なり、基本的には無毛、又はまばらに長毛~長毛状微軟毛がある。わずかに、腺点(普通、基部に柄がある)がある。頭花は密に穂状に配列する。頂生する複合花序は長さ50㎝以下。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は鐘状円筒形、長さ7~9(10)㎜、幅3.5~5㎜。総苞片は(後屈又は曲がって開く)4~5列、長楕円状披針形、不等長、基本的には無毛、又は長毛があり、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形(ときに先が広がり、花弁状)。他のユリアザミ属とは総苞片の先が後屈することで区別される。小花は(4)5~8個つき、花冠はローズパープル(rose-purple)、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ3.8~4.5(5)㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛で覆われる。
(2-1) [var. pycnostachya]
球茎は球形。茎は普通、無毛又は頭花の近くを除いてまばらに長毛がある。葉は無毛。2n=20, 40。
(2-2) [var. lasiophylla]
球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎はほどほどから密に長毛状微軟毛があるかほぼ無毛に近くなる。
ユリアザミ属
family Asteraceae - genus Liatris多年草、高さ20~180㎝ (球茎は球形~扁卵形又はかぶら形、ときに長く、根茎になり、根は全て又はほとんど不定り。茎は直立、単純又は基部で分枝する。葉は根生葉と茎葉、互生、葉柄があり(根生)又は無柄(普通、伏せ~斜上)。葉身は普通、1脈、ときに3又は5脈、主に線形~卵状披針形、全縁、面にはしばしば金色の点(L. glandulosaでは有柄の腺)がある。頭花は中心小花頭(discoid,:両性の筒状小花だけからなる頭花)、散房花序、集散花序、総状花序又は穂状花序につく。総苞はほとんど、鐘形~半球形又はこま状円筒形、直径(2.5~)3~22(~25)㎜。総苞片は宿存又はゆっくりと落ち、18~40個が(2~)3~7列につき、目立つ脈は無く、卵形~楕円形~披針形、普通、不等長(葉状又は花弁状、縁はしばしば透明、、しばしば縁毛又は不規則な歯があり、先はしばしばピンク白色)。花托は平ら、パレアは無い。小花は3~85個、花冠は普通、ラベンダー色~暗マゼンタ色~ピンク紫色、ときに白色、のど部は漏斗形(長さは直径の4~6倍、外側は腺があり、内側には腺は無く又は花糸のつく付近に長軟毛があり、毛は帯白色、細かく縮れる)。花柱の基部は長くならず、無毛、枝は線状こん棒形(パピラがある)。痩果はプリズム形、8~11本のうねがあり、普通、微細な剛毛~微細な粗毛状軟毛があり(L. oligocephalaでは無毛)、普通、腺点がある。冠毛(papp)は宿存し、12~40本の粗いひげ状の剛毛~羽毛状の剛毛の1~2列からなる。
世界に37種があり、北アメリカ、メキシコ、西インド洋諸島に分布する。
ユリアザミ属 の主な種と園芸品種
1 Liatris ligulistylis (A.Nelson) K.Schum. タマザキキリンギク 玉咲麒麟菊カナダ、USA原産。英名はNorthern Plains gayfeather northern plains gayfeather , meadow blazingstar
高さ20~100㎝。 球茎は類球形(しばしば節があり、密にひげ根がある)。茎は疎~密に微軟毛、微軟毛状絨毛(puberulent-villous)~があり、剛毛状の微軟毛(strigoso-puberulent)がある。葉は根生葉と茎葉、1脈があり、狭倒披針形~へら状披針形、長さ90~150(~220)㎜×幅4~17(~24)㎜、茎の上部は中間まで次第に小さくなり、それから急に小さくなり、線形又は狭披針形、斜上~ほぼ直立、苞状疎、疎~密に微軟毛があり、±腺点がある。頭花は4~21個、開いた総状花序につく(頂部の頭花は最初に成熟し、大きい)。花序柄は普通、長さ(5~)8~15(~30)㎜。総苞は鐘形~こま状鐘形、長さ10~15㎜×幅13~18㎜。総苞片は(3~)4~5列につき、長円状倒卵形~長円状へら形、強く不等長、本質的に無毛、縁に(紫色の)透明な境界があり、微細不整歯~切り裂かれ~不規則になり、先は広円形~切形。小花は30~70個、花冠筒部は内側が無毛。痩果は長さ5~7㎜。冠毛は花冠の長さとほぼ等しく、毛は剛毛状。2n=20。花期は7~10月。
品種) 'Monarch'
2 Liatris microcephala (Small) K. Schum.
北アメリカ(USA)原産。英名はsmall-head gayfeather , dwarf gayfeather。
高さ30~80㎝。球茎は球形(しばしばひげ根が全体を覆う)。茎は無毛。葉は根生葉と下部の茎葉、1脈があり、線形~線状披針形、長さ80~200㎜×幅1~3(~4, ~6)㎜、茎の上部1/2で次第に小さくなるか又は急に小さくなり、本質的に無毛。頭花は疎から密に穂状につき(節間は8㎜以下)。花序柄は無又は(斜上し)長さ1~12㎜。総苞はこま状円筒形、長さ 5~7(~9)㎜×幅3~4㎜。総苞片は 3~4列につき、長円形~長円状倒卵形、津陽不等長、本質的に無毛、縁に透明な境界があり、先は円形。小花は 4~5(~6)個。花冠筒部は内側が無毛。痩果は長さ3~3.5㎜。冠毛は花冠の長さの約1/2、毛は剛毛状。2n=20, 60。花期は(7)8~10月。
品種) 'Alba' , 'White Sprite'
3 Liatris pycnostachya Michx. ユリアザミ 百合薊
北アメリカ(USA)原産。英名はbutton snakeroot , cattail gayfeather , prairie blazingstar , prairie gayfeather , thick-spike gayfeather
観賞用によく栽培されている。日本には大正時代に渡来した。pycnostachyaはギリシャ語で密集を意味し、頭花や葉が密集する。別名はヒメキリンギク 姫麒麟菊。
ユリアザミ属の栽培種の中で草丈がおそらく最も高く、高さ40)60~120(180)㎝。球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎は無毛又は長毛状の微軟毛がある。葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、線形~狭倒披針形~倒披針形、長さ110~220㎜、幅4~10(12)㎜、上部では次第に又は急に小さく(苞のように)なり、基本的には無毛、又はまばらに長毛~長毛状微軟毛がある。わずかに、腺点(普通、基部に柄がある)がある。頭花は密に穂状に配列する。頂生する複合花序は長さ50㎝以下。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は鐘状円筒形、長さ7~9(10)㎜、幅3.5~5㎜。総苞片は(後屈又は曲がって開く)4~5列、長楕円状披針形、不等長、基本的には無毛、又は長毛があり、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形(ときに先が広がり、花弁状)。他のユリアザミ属とは総苞片の先が後屈することで区別される。小花は(4)5~8個つき、花冠はローズパープル(rose-purple)、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ3.8~4.5(5)㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛で覆われる。
3-1 Liatris pycnostachya Michaux var. pycnostachya
球茎は球形。茎は普通、無毛又は頭花の近くを除いてまばらに長毛がある。葉は無毛。2n=20, 40。
3-2 Liatris pycnostachya Michaux var. lasiophylla Shinners
球茎は球形、ときに長く伸びて根茎になる。茎はほどほどから密に長毛状微軟毛があるかほぼ無毛に近くなる。
4 Liatris scariosa (L.) Willd. マツカサギク 松毬菊
北アメリカ(USA)原産。英名はnorthern gayfeather , plains blazingstar。
高さ30~150㎝。球茎は類球形。杭は微軟毛があり(少なくとも上部にあり、ときに下部が無毛)。葉は根生葉と下部の茎葉、1脈があり、楕円へら形~倒披針状へら形、長さ120~300㎜×幅25~50(~55)㎜、上部で急に、次第に又は少し、小さくなり、本質的に無毛、たとえあっても弱く、腺点がある。頭花は総状花序につく。花序柄は普通、(斜上)長さ10~50㎜。総苞は鐘形~こま状鐘形、長さ11~15㎜×幅(12~)15~22(~25)㎜。総苞片は (3~)4~5列につき (直立又は外総苞片はとき、広がり反り返り)、長円状倒卵形~広倒卵形(水疱様突起は無く)、不等長、無毛又は微細な微軟毛があり、縁に普通、比較的狭い倒名な境界をもち、先は広円形。小花は19~80個、花冠筒部は普通、内側に長軟毛があり、ときに無毛(Arkansas, Illinois, Missouri)。痩果は長さ4.5~6(~6.5) ㎜。冠毛は花冠の長さとほぼ等長、毛は剛毛状。
品種) 'Alba' , 'Gracious' , 'Magnifica' , 'September Glory' , 'White Spire' , 'White Spires'
5 Liatris spicata (L.) Willd. キリンギク 麒麟菊
カナダ、USA原産。英名はblazingstar, button snakewort , florist gayfeather , gayfeather , marsh blazingstar , marsh gayfeather , prairie-pine。園芸ではリアトリスと呼ばれる。
高さ(20)40~110(180)㎝。球茎は球形~わずかに長くなる。葉は葉は根生葉と基部近くに茎葉があり、3~5脈があり、狭長楕円状披針形~狭へら状倒披針形、長さ120~350㎜、幅(2)4~10(20)㎜(ときに上部では密につき)、普通、上部では次第に小さくなり、基本的には無毛、又はまばらに柔毛あり、少し腺点がある。頭花は密~疎に穂状に配列する(頭状穂状花序 capitulum-spike)。頂生する複合花序は長さ15~30㎝。花序柄(頭花柄)は普通、欠き、まれに長さ1~2㎜。総苞は渦巻き状円筒形~渦巻き状鐘形、長さ7~11㎜×幅4~6㎜。総苞片は(3)4~5列につき、卵形~長楕円形、不等長、基本的には無毛、縁に透明な境界があり、ときに縁毛があり、先は円形~鈍形。小花は(4)5~8(14)個、花冠は濃紫色(deep purple)、筒形、内側は無毛。下位痩果は長さ(3.5)4.5~6 ㎜。冠毛は花冠とほぼ同長、剛毛。
品種) 'Alba' , 'Blue Bird' , 'Bluebird' , 'Floristan Violet' , 'Floristan Violett' , 'Floristan Weiss' , 'Floristan White' , 'Goblin'. , 'Kansas Feather' , 'Kobold' , 'Picador' , 'Silvertips' , 'Snow Queen' , 'Snow White'
5-1 Liatris spicata (Linnaeus) Willdenow var. spicata
根生葉と基部の茎葉は幅が4~10(20)㎜(茎葉は普通、上部で小さくなる)。 頭花は密~疎に穂状につく。総苞は長さ7~8(11)㎜。総苞片は普通、帯緑色。小花は(4)6~8(12)個。2n=20。花期は7~9月。
5-2 Liatris spicata (Linnaeus) Willdenow var. resinosa (Nuttall) Gaiser
根生葉と基部の茎葉は幅が (2)4~8㎜(茎葉は茎中間で普通小さくなり、上部では線形の苞状になる)。頭花は密(~疎)に穂状につく。総苞は長さ7~9㎜。総苞片は帯紫色~帯緑色。小花は5~6(8)個。2n=20。花期は(7)8~10(11)9月。
参考
1) GRINLiatris
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=6808
2) Flora of Noth AmericaLiatris<
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=118496
3) Plant Finder - Missouri Botanical GardenLiatris pycnostachya
https://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=d770
4)Plants of the World Online | Kew ScienceLiatris
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:325929-2