キクイモ 菊芋
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae ヒマワリ属
中国名 |
菊芋 ju yu |
英 名 | Jerusalem artichoke ,Jerusalem sunflower, Indian potato , sunchoke , sunroot |
学 名 | Helianthus tuberosus L. |
花 期 | 9~10月 |
高 さ | 1.5~3m |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山麓、草地、道端 |
分 布 | 帰化種 北アメリカ原産 |
撮 影 | 西尾市 12.9.21 |
温帯地域で広く根菜として栽培され、栽培品種は多く、約200種類はあるといわれる。フランス料理やイタリア料理ではよく使われ、topinambour(フランス語)、topinambur(イタリア語)といわれる。
幕末の頃のイギリス初代駐日総領事を務めたラザフォード・オールコック(1809~1897)がキャベツ、レタス、パセリなどとともに日本に導入したと彼の著書『大君の都(The Capital of the Tycoon)』に記述されている。食糧難の戦時中によく栽培され、野生化した。現在の日本では菊芋の漬物を見かける程度で、根菜としての利用は少なく、小規模の栽培に限られ、生産量は少ない。
根茎があり、成長すると塊茎をつくる。塊茎は瘤状、大きいものは長さ7.5~10㎝、小さいものでも3~5㎝になり、10数%のイヌリン(多糖類)を含み、アルコールの原料とすることができる。全体に荒い毛を密生し、ざらつく。茎は直立し、ざらつき、粗毛を密生し、ときに白粉を帯びる。葉は上部が互生、下部は対生し、葉柄は長さ2~8㎝、しばしば翼状になる。葉身は長さ10~23㎝、幅7~15㎝の披針形~卵形、基部付近から3脈があり、葉表は微軟毛~微細剛毛~微綿毛があり、腺点があり、ざらつく。葉の基部は広~狭楔形、縁は全縁~鋸歯縁、葉裏には毛が密生し、腺点が多い。頭花は黄色で、直径(5)6~8(10)㎝、3~15個つく。花柄は長さ1~15㎝。総苞は長さ10~25㎜、幅8~12㎜、半球形。総苞片はしばしば暗緑色、乾くと黒色に近くなり、22~35個つき、ほぼ同長、披針形、長さ8.5~15㎜、幅2~4㎜。総苞片の外面は小剛毛と微綿毛と腺点があり、基部は密着し、縁毛があり、先は広がり、ときに果時に反曲し、鋭形。パレア(paleae)は鱗片ともいわれ、長さ8~9㎜、3歯があり、先端は有毛。周辺の周辺小花は(8)10~20個。小舌は長さ25~40㎜。中心小花は60個程度、花冠は筒状、長さ6~7㎜、黄色。葯は暗褐色~黒色、葯の付属体は暗色か帯黄色。痩果は長さ5~7㎜、無毛又は先に毛がある、冠毛は2個の芒状、長さ1.9~3㎜に加えて0~1個の長さ0.5~0.8㎜の三角状鱗片がつく。2n=102
イヌキクイモHelianthus strumosus は北アメリカに自生し、ヨーロッパなどに帰化している。英名はpale-leaf sunflower 、rough sunflower、swollen sunflower。葉形や覆われる細かい毛に変化が多く、地域的な形態が分類学上認めるに足る十分な研究がなされていない。H. decapetalus、H. hirsutus、H. tuberosusなどの他の倍数体との交雑が状況をさらに複雑にしている。キクイモとの差は茎が無毛~ほぼ無毛で、塊茎を作らないことである。日本ではキクイモは舌状花の先が3裂し、イヌキクイモは先が尖り、分裂しないともいわれる。現在では、イヌキクイモは種内変異であるとする見解もある。日本で見られるものは長い根茎の先に節のある紡錘形の小さな塊茎がある。
夏から秋に開花する。根茎があり、高さ1~2m。茎は直立し、無毛~ほぼ無毛。葉は茎葉、ほぼ対生し、ときに互生(先で)、葉柄は長さ1~3㎝。葉身は淡緑色~暗緑色、基部から先まで3脈があり、披針形~披針状卵形~卵形、長さ 7~18㎝、幅2~10㎝、基部は類心形~楔形、縁は全縁~鋸歯縁、葉裏は無毛~短毛、普通、腺点が密生する。頭花は3~15個つき、花序柄は長さ1~9㎝、総苞は筒形~半球形、直径8~20㎜。総苞片は18~25個、直立し、疎につき、表面がざらつき、披針形長さ 5.5~10㎜、幅1.5~3㎜、縁は普通、縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形、外面は無毛又は剛毛があり、普通、腺点はない。パラエは長さ5.3~6.5㎜、3歯がある。周辺小花は10~20個、小舌は長さ約12~20(~30)㎜。中心小花は35+個、花冠は長さ5.5~.6.5㎜、裂片は黄色。葯は暗色、付属体は暗褐色~赤褐色。下位痩果は長さ4~5.5㎜、ほぼ無毛。冠毛は2個の芒状の鱗片、長さ(1~)2~2.5㎜。2n=68 , 102。
キクイモモドキはHeliopsis helianthoidesは毛が少なく、あっても軟毛。葉の基部は心形にならない。パレアは先が鈍形。痩果は長さ4~5㎜、無毛~角に軟毛があり、平滑。冠毛は無いか又は2~4個の小さな歯状の鱗片がある。
幕末の頃のイギリス初代駐日総領事を務めたラザフォード・オールコック(1809~1897)がキャベツ、レタス、パセリなどとともに日本に導入したと彼の著書『大君の都(The Capital of the Tycoon)』に記述されている。食糧難の戦時中によく栽培され、野生化した。現在の日本では菊芋の漬物を見かける程度で、根菜としての利用は少なく、小規模の栽培に限られ、生産量は少ない。
根茎があり、成長すると塊茎をつくる。塊茎は瘤状、大きいものは長さ7.5~10㎝、小さいものでも3~5㎝になり、10数%のイヌリン(多糖類)を含み、アルコールの原料とすることができる。全体に荒い毛を密生し、ざらつく。茎は直立し、ざらつき、粗毛を密生し、ときに白粉を帯びる。葉は上部が互生、下部は対生し、葉柄は長さ2~8㎝、しばしば翼状になる。葉身は長さ10~23㎝、幅7~15㎝の披針形~卵形、基部付近から3脈があり、葉表は微軟毛~微細剛毛~微綿毛があり、腺点があり、ざらつく。葉の基部は広~狭楔形、縁は全縁~鋸歯縁、葉裏には毛が密生し、腺点が多い。頭花は黄色で、直径(5)6~8(10)㎝、3~15個つく。花柄は長さ1~15㎝。総苞は長さ10~25㎜、幅8~12㎜、半球形。総苞片はしばしば暗緑色、乾くと黒色に近くなり、22~35個つき、ほぼ同長、披針形、長さ8.5~15㎜、幅2~4㎜。総苞片の外面は小剛毛と微綿毛と腺点があり、基部は密着し、縁毛があり、先は広がり、ときに果時に反曲し、鋭形。パレア(paleae)は鱗片ともいわれ、長さ8~9㎜、3歯があり、先端は有毛。周辺の周辺小花は(8)10~20個。小舌は長さ25~40㎜。中心小花は60個程度、花冠は筒状、長さ6~7㎜、黄色。葯は暗褐色~黒色、葯の付属体は暗色か帯黄色。痩果は長さ5~7㎜、無毛又は先に毛がある、冠毛は2個の芒状、長さ1.9~3㎜に加えて0~1個の長さ0.5~0.8㎜の三角状鱗片がつく。2n=102
イヌキクイモHelianthus strumosus は北アメリカに自生し、ヨーロッパなどに帰化している。英名はpale-leaf sunflower 、rough sunflower、swollen sunflower。葉形や覆われる細かい毛に変化が多く、地域的な形態が分類学上認めるに足る十分な研究がなされていない。H. decapetalus、H. hirsutus、H. tuberosusなどの他の倍数体との交雑が状況をさらに複雑にしている。キクイモとの差は茎が無毛~ほぼ無毛で、塊茎を作らないことである。日本ではキクイモは舌状花の先が3裂し、イヌキクイモは先が尖り、分裂しないともいわれる。現在では、イヌキクイモは種内変異であるとする見解もある。日本で見られるものは長い根茎の先に節のある紡錘形の小さな塊茎がある。
夏から秋に開花する。根茎があり、高さ1~2m。茎は直立し、無毛~ほぼ無毛。葉は茎葉、ほぼ対生し、ときに互生(先で)、葉柄は長さ1~3㎝。葉身は淡緑色~暗緑色、基部から先まで3脈があり、披針形~披針状卵形~卵形、長さ 7~18㎝、幅2~10㎝、基部は類心形~楔形、縁は全縁~鋸歯縁、葉裏は無毛~短毛、普通、腺点が密生する。頭花は3~15個つき、花序柄は長さ1~9㎝、総苞は筒形~半球形、直径8~20㎜。総苞片は18~25個、直立し、疎につき、表面がざらつき、披針形長さ 5.5~10㎜、幅1.5~3㎜、縁は普通、縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形、外面は無毛又は剛毛があり、普通、腺点はない。パラエは長さ5.3~6.5㎜、3歯がある。周辺小花は10~20個、小舌は長さ約12~20(~30)㎜。中心小花は35+個、花冠は長さ5.5~.6.5㎜、裂片は黄色。葯は暗色、付属体は暗褐色~赤褐色。下位痩果は長さ4~5.5㎜、ほぼ無毛。冠毛は2個の芒状の鱗片、長さ(1~)2~2.5㎜。2n=68 , 102。
キクイモモドキはHeliopsis helianthoidesは毛が少なく、あっても軟毛。葉の基部は心形にならない。パレアは先が鈍形。痩果は長さ4~5㎜、無毛~角に軟毛があり、平滑。冠毛は無いか又は2~4個の小さな歯状の鱗片がある。