キダチアロエ 木立蘆薈
Flora of Mikawa
ツルボラン科 Asphodelaceae アロエ属
別 名 | イシャイラズ、キダチロカイ(木立蘆薈)、アロエ |
中国名 | 木剑芦荟 mu jian lu hui、日本芦荟 |
英 名 | candelabra aloe , candelabra-plant , octopus-plant , torchplant , krantz aloe |
学 名 | Aloe arborescens Mill. |
花 期 | 12~2月 |
高 さ | 2~3m(日本では普通30~100㎝) |
生活型 | 多年草、低木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 帰化種 アフリカ南部原産 |
撮 影 | 蒲郡市 16.1.10 |
クロンキスト分類ではアロエ科 Aloeaceaeに分類されていた。APGⅣ(2016年)でススキノキ科(Xanthorrhoeaceae)からツルボラン科(Asphodelaceae) に改められた。日本には江戸時代以前に中国から渡来し、「医者いらず」と呼ばれる民間薬として利用され、広く栽培されている。
叢生し、茎は多数、分枝し、多肉質のマルチヘッドの低木状になる。葉は枝の先に輪生状(ロゼット状)に多数つき、灰緑色、多肉質、かま形、長さ約30㎝、幅3~4㎝、厚さ1~1.5㎝、葉縁に先が刺状になった三角状の歯がある。葉は噛むと苦味が強い。花は枝先の直立する円錐状の穂状花序(総状花序)に多数つく。真冬に開花する。花序は長さ30㎝以下で、分枝しない。花はユリと似た形の円筒形、長さ約4㎝、橙红色(スカーレット)~濃橙色、ときに黄色。花被片6個、外側の3個はやや小さく、色が濃い。雄しべ6個。雌しべ1個。子房上位。蒴果は春に熟す。2n=14。
アロエベラ(バルバドスアロエ)Aloe vera (L.) Burm. f. は北アフリカのカナリア諸島原産。世界で広く栽培され、Aloeというと普通、これを指し、日本ではアロエというとキダチアロエが一般的である。中国名は芦荟(lu hui)。キダチアロエより、葉が大きく、苦味が少なく食用に栽培されている。茎は短く、葉は基部にほぼつき、長さ15~35(50)㎝、幅4~5(7)㎝、若いとき淡色の斑点がある。花序は直立し、幅2㎝以下の花序柄を含めて長さ60~90㎝。総状花序は長さ30~40㎝、幅5~6㎝、ときに2~3の分枝する。花は多数つき、花被片は淡黄色と赤色のまだらで、片側が膨れ、長さ2.5~3㎝。外側の3個は長さ約1.8㎝。雄しべは4~5㎜、突き出る。雌しべも突き出る。2n=14。
多年草、低木又は高木、普通、多肉質の葉がロゼットを作る。茎はしばしば、ごく短くなるが、ときによく発達し、又は2次的に太くなる。葉はロゼットになり、抱茎、厚く、多肉質、常に無毛、縁はほとんどが硬い歯状又は刺があり、先は鋭く、尖る。花序はほぼ頂生、斜上~直立の総状花序、しばしば分枝する。花序柄は普通、よく発達する。苞は宿存し、薄膜質。花柄は普通、花被よりごく短い。花被は普通、赤色、橙色、又は黄色、まれに帯緑色~帯白色、円筒形~3面形、ときに、わずかに曲がるか又は基部が膨れる。花被片は普通、合着して筒になり、ごくまれに離生、普通、無毛、先は広がる。雄しべは6本、花被筒の基部につき、普通、突き出る。花糸は錐形。葯は背着。子房は3室。胚珠は各室に多数。花柱は糸状。柱頭は小さい。蒴果は胞背裂開。種子は3角(かど)があるか、扁平で、しばしば翼がある。
世界に約570種あり、アフリカ南部~熱帯、マダガスカル、熱帯アラビアに分布する。
アフリカ南部原産。英名はcandelabra aloe , candelabra-plant , octopus-plant , torchplant , krantz aloe。中国名は木剑芦荟 mu jian lu hui。
多年草、低木。高さ2~3m(日本では普通30~100㎝)。叢生し、茎は多数、分枝し、多肉質のマルチヘッドの低木状になる。葉は枝の先に輪生状(ロゼット状)に多数つき、灰緑色、多肉質、かま形、長さ約30㎝、幅3~4㎝、厚さ1~1.5㎝、葉縁に先が刺状になった三角状の歯がある。葉は噛むと苦味が強い。花は枝先の直立する円錐状の穂状花序(総状花序)に多数つく。真冬に開花する。花序は長さ30㎝以下で、分枝しない。花はユリと似た形の円筒形、長さ約4㎝、橙红色(スカーレット)~濃橙色、ときに黄色。花被片6個、外側の3個はやや小さく、色が濃い。雄しべ6個。雌しべ1個。子房上位。蒴果は春に熟す。2n=14。花期は12~2月。
品種) 'Variegata' (v)
2 Aloe capitata Baker ニンギョウニシキ 人形錦
マダガスカル原産。標高1300~1500mの中央マダガスカルの高原の岩壁に生える。A. capitata という名前で栽培されている多くの植物は、実際には Aloe cipolinicolaであることも多い。
多肉植物。通常、単独で茎がないか、長さ60㎝まで。葉は根生しロゼット状に密に20~30枚付き、尖った三角形、青緑色、長い時間直射日光に当たると葉は赤褐色に変化し、約・長さ50㎝×幅6㎝、先は少し捻じれ、縁に赤褐色~赤色の長さ約2㎜の軟骨の歯が、間隔8~12㎜につき、乾燥した葉の汁は黄色である。長い花茎の先で分枝し3~4本の枝が直立し、枝先に頭状の短い散形花序状の総状花序を数個つけ、長さは約80㎝に達する。各総状花序に花は多数、長い小花柄がつき、下向きに垂れ下がり、細い鐘形、橙黄色~橙赤色、長さは25~30㎜、基部は丸い。
2-2 Aloe capitata var. capitata
マダガスカル中央高地、標高1000~2000mに分布する。
ほとんど常に単生し、通常は茎が無い(日陰の場所では長さ60cmまでになる)。葉はロゼット状に密に20~30枚つき、直径約90㎝まで、葉身は緑色~灰青色(ときに赤色を帯び)、上向きから広がり、わずかに上向きに湾曲し、長い披針形で、長さ50㎝×幅6㎝・以下、先は丸く、縁には歯が並び、歯は厚く、硬く、鋭く、角質で帯褐色~赤色、間隔は8~12㎜、長さ2㎜以下。花序は単純または4本以下のアーチ状の斜め~直立する枝を持ち、花序は直立し、高さ80㎝まで。個々の枝先につく総状花序は頭状(ときに長く伸びる)、密で(総状花序当たり最大60個の花を持つ)、長さ9㎝×直径10㎝・まで。花は黄色~黄橙色、細長い鐘形からわずかに棍棒形で、長さ2.5㎝以下、帯赤色の小花柄が曲がり、下向きに垂れ下がり、赤みがかった蕾は、しばしば上部から下部まで一斉に開く。花期は5~8月。
茎のない多肉植物で、葉が開いたロゼットを形成し、幅60㎝まで広がり、葉身は肉厚で先細り、粉白を帯びた青灰色~日差しが強いと帯紫色まで様々になり、縁には小さな三角形の暗赤色の歯がある。花茎は枝分かれし、冬の後半(通常2月頃)に現れ、高さ1m以上になる。各枝の先端には丸い頭状の花序がつく。花は蕾が筒形で、開くと口部が広がり、細長い鐘形になる。蕾は鮮やかな光沢のあるオレンジ色で、開いた花は黄色になり、他のほとんどのアロエ種とは異なり、この花は必ずしも下から上へ順番に開くわけではなく、しばしば中間のどこかから咲き始める。小花柄は長く、帯赤色。
2-4 Aloe capitata var. silvicola H.Perrier
標高990~2400mの北部の海岸に近い場所に生える。
葉は先が次第に狭くなり、先端は幅が狭く鈍形、縁に鋭い歯が間隔を開けて並ぶ。花茎はあまり高くならず、葉と同長程度まで。
3 Aloe ferox Mill. アオワニ 青鰐
南アフリカ原産。英名はbitter aloe , Cape aloe。同時に開花する他のアロエとも交雑し、栽培されている多くは交雑種である。
茎が一本で、茎葉が茎頂に密にロゼット状に並び、枯れた葉が残り、高さ約2~3m、またはまれに5mに達し、直径10~15㎝になる。葉は30~60枚が茎頂部につき、披針形で、質感は非常に硬く、上面は浅い溝があり、下面は凸状で、先端に刺があり、弓状に直立~広がり、葉の先端はわずかに下向きに曲がり、鈍い緑色または灰緑色で、わずかに青みがかって見え、しばしばストレス状態では赤褐色を帯びる。葉身は長さ50~100㎝×幅65~150㎜、縁には長さ3~6㎜の赤褐色~暗褐色の三角状の刺が間隔10~20㎜でつき、 表面は無毛または葉の表面、特に下面に少数~多数の不規則な棘が散在する。若い植物は非常に棘が多い傾向がある。厚いクチクラがあるため、葉は乾燥した環境によく適応する。花序は1個の背の高い燭台のように分岐した円錐花序で、5~8(~12)本の枝があり、各枝には直立した円筒形または狭い円錐形の密な総状花序があり、高 50~80(~100)㎝×直径9~12㎝、先端で約6c㎝に狭まり、非常に密集した芽が水平に伸びる多数の花をもつ穂状花序がつく。苞は卵状鋭形、長さ8~10㎝×幅3~6㎜、3~多数の脈がある。小花柄は長さ3~8㎜。花は華やかで、黄橙色~明るい赤色(まれに黄色または白色)で、内側の花被片の先は白色の筒状、ほぼこん棒形または腹便形、長さ約3㎝、基部は丸く、上部が大きくなる。子房は口部でわずかに狭くなる。花被片は長さ22㎜が自由部分である。雄しべと花柱は暗橙色~明るい赤色で、葯は口部から9~25㎜突き出る。外花被片は下部3分の1が合着し、内花被片は離生であるが、下部の3分の1で背側が外花被片に接する。鳥によって受粉されるが、ミツバチも受粉に関与する。花は自家不稔で、総状花序あたり数個の花だけが同時に成熟する。雄しべは午前中に花粉を生成し、午後には枯れるが、花柱は開花2日目に展開する。花期は冬(地域によって5~11月)だが、寒い地域では春まで遅れることがある。果実は長さ20~23㎜×幅10~12㎜、黄色がかった灰褐色、種子は多数。種子はほぼ黒色、約・長さ5.0㎜x幅3.0㎜x暑さ0.6㎜、広い翼がある。2n=14。
品種) Variegata
4 Aloe maculata All. アロエ・マクラータ
南アフリカ原産。英名は soap aloe , zebra aloe。別名はソープアロエ、ゼブラアロエ。乾燥と塩分に強い特性がある。樹液が水に触れると石けんのような泡を出す。
茎が無い多年草または短い茎がある低木、茎は葉があり、直立し、高さ25㎝まで、二股分枝する。葉は長さ15~30㎝×幅6~12㎝、根生のロゼット状に密に10(15)枚まで集まってつき、幅広三角形、平坦またはわずかに溝状になり、真っすぐまたはやや曲がり、開出または直立・開出し、草質、灰緑色~薄褐色で、粉白にならず、白色の斑点があり、縁にのみ長さ約2㎜の歯があり、厚く、硬く、下面は縁よりも色が薄い。花序は花序柄を含んで、長さ45㎝以下、円錐花序状の散房花序、長さ10~15㎝×幅12~16㎝、花時には密で、果時には緩くなる。花の苞は長さ8~15㎜×幅2~3㎜、三角形、尖鋭形、膜質。花は長い小花柄があり、花時には直立し、成熟時および果時には垂れ下がる。小花柄は長さ35~50㎜、花後に大きくなり、果時には長さ75㎜以下になる。花被片は長さ35~50㎜、筒形、基部が著しく肥厚し、橙赤色を帯びる。外花被片は少なくともその長さの下半分が融合する。雄しべは長さ25~35㎜、等長。花柱と柱頭は同長。蒴果は長さ30~40㎜×幅15~20㎜。種子は翼を除いて長さ約6㎜。2n=14;n=7。
5 Aloe marlothii A.Berger オニキリマル 鬼切丸 広義
アフリカ南部(南アフリカ、ボツワナ、スワジランド)原産。英名はmountain aloe , Transvaal aloe , flat-flowered aloe。別名はアロエ・マルロシー。気温が高く霜が降りにくい山岳地帯、岩の多い地形、斜面沿いのブッシュフェルト植生に生える。
多年生、多肉質の、1本の茎を持つアロエで、通常高さ2~4m(ときに6mまで)で、上部の生きている葉の下の茎に古い乾燥した葉が残っている。葉は大きく、幅広く、多肉質で、薄緑色~灰緑色~青緑色で、長さ1500㎜×幅250㎜・以下、広い基部は先細り~鋭く尖り、上下の面は刺で覆われ、葉の縁には橙の歯先を持つ栗色の歯がある。花は枝分かれした燭台形の総状花序に付き、総状花序(個々の花で覆われた単一の穂)は最大30個ある。花の色は典型的な橙赤色~黄色または明るい赤色まで様々で、花期は5~9月。特徴的なの花序が斜めになり、通常はほぼ水平だが、形状によってはほぼ垂直になることもある。
5-1 Aloe marlothii subsp. marlothii オニキリマル 鬼切丸
アフリカ南部(南アフリカ、ボツワナ、スワジランド)原産。
高木、高さ5~6mまで成長する。茎は単生で直立し、、密集して宿存する乾燥した葉で覆われる。葉は密にロゼットになり、直立~広がり、やがて垂れ下がり、鈍い灰緑色~粉白色、斑点はなく、散在して赤褐色の刺激臭のある刺があり、通常下面に多くあり、披針形で漸尖形、長さ100~150㎝、基部の幅20~25㎝、縁には、赤褐色の鋭い歯があり、歯は長さ3~6㎜で、間隔は10~20㎜。滲出液は蜂蜜色。花序は高さ0.8mまでになり、中央下から10~30本分岐し、下の枝は再分岐し、枝は水平~広がる。総状花序は円筒形で、長さ30~50㎝、水平~ほぼ斜め、密集する。花は著しく偏側生。花の苞は長さ8~9㎜×幅5㎜ 。小花柄は長さ5~8㎜。花は花被片が橙色~黄橙色、長さ30~35㎜、子房の幅は約7㎜まで、子房の上部で大きくなり、通常は大きく開いた口部に向かって狭くなり、円筒状棍棒形~円筒状便腹形である。外花被片は長さ20~23㎜、離生。雄しべは15㎜まで突き出る。花柱は15~20㎜、突出する。
5-2 Aloe marlothii subsp. orientalis Glen & D.S.Hardy
アフリカ南部(南アフリカ、スワジランド)原産。
低木、高さ1.00~1.75m。茎はしばしば小さなグループを形成して吸芽し、直立または斜め~平伏し、密な宿存する乾燥した葉に覆われる。葉は密に鋸歯があり、弓状に湾曲~広がるまたはわずかに湾曲し、粉白色~青緑色、斑点はなく、赤褐色の刺激臭のある刺が散在し、通常、表面の刺が全くないかまたは少数しかなく、披針形で漸尖し、長さ75~150㎝、基部の幅8~25㎝、縁には、赤褐色の鋭い歯があり、歯は長さ3~4㎜、間隔は8~25㎜。滲出液は蜂蜜色。花序は高さ0.8 mまでになり、中央下から10~30本分岐し、下の枝は再分岐し、枝は水平~広がる。総状花序は円筒形で、長さ15~25㎝、広がる~まれに直立し、密。花は著しく偏側生。花の苞は長さ4~9㎜×幅2~5㎜。小花柄は長さ3~5㎜。花は花被片が黄色~橙色、長さ18~30㎜、子房の上部で大きくなり、通常は大きく開いた口部に向かって狭くなり、円筒形~便腹形である。外花被片は長さ6~15㎜、離生。雄しべと花柱は8~12㎜突出する。
6 Aloe perryi Baker ソコトラアロエ
ソコトラ島原産。英名はSocotrine aloe, Turkey Aloe, Bombay Aloe。標高0~900mの乾燥した岩場の平地または緩斜面、主に石灰岩の道路に生え、砂地や花崗岩の山地にもときに見られる。
多肉植物、通常は1本の茎からなる(または、たまに主ロゼットの外側に枝分かれして発生する)。根は強いひげ根。葉はロゼット状に密に星形に12~30枚つく。茎は直立または平伏し、長さ約30㎝、幅5㎝以下。葉は宿存し、長さ35㎝×幅7.5㎝・以下、披針形で、細く、先細りで、厚い肉質、淡緑色、粉白色を帯びた緑色~帯赤色で、根の上部から生じ、均一またはやや条線があるが、まだらではなく(または若いときはまだら)、縁には、6㎜の間隔で、長さ約4㎜のの薄褐色の歯がある。花序は最大3回分枝し、直立し、頂生、中央から突き出し、高さ50~60㎝になる。総状花序は密な長い円筒形で、長さ15~25㎝×幅5~7.5㎝。苞は三角状披針形、長さ4~6㎜。萼はなく、花序柄は長さ8㎜、花冠は筒形、子房の上ではわずかに狭くなり、口部に向かって再び広がり、長さ20~25㎜、口部で狭い6花被片に分かれ、赤緑色、開くと黄色になる。花被片は長さ8㎜未満。雄しべと花柱は花から最大1㎜、突き出る。花期は夏。胞背裂開は多数の角張った種子が入る。Aloe forbesii Balf.f.は茎が細く、より繊細で、ときに明らかに一年草となるが、典型的な Aloe perryiとの中間種が多数存在する。
7 Aloe × schonlandii Baker アロエ・スコエンランディー
南アフリカ原産。
Aloe maculata とAloe striataの交雑種。カリフォルニアに帰化。
8 Aloe vera (L.) Burm.f. バルバドスアロエ
synonym Aloe indica Royle
オマーン原産。英名はaloe , Barbados aloe。中国名は中国名は芦荟 lu hui。別名はアロエベラ。古くから薬用として栽培され、キダチアロエより、葉が大きく、苦味が少なく食用に栽培されている。地中海地域を含む両半球の亜熱帯および温帯地域に帰化したものと考えられている。葉に斑点のあるものと無いものがある。
葉で覆われた短い茎を持つ、無茎の植物または低木、匍匐茎がある。茎は長さ30㎝まで、直立し、側芽はない。葉は長さ40~50㎝×幅5~8㎝、16(20)枚が基部にロゼット状に密に集まり、狭三角状披針形、溝があり、真っすぐ、直立・開出し、草質、灰緑色、粉白を帯び、斑点がなく、縁だけに歯があり、歯は長さ約2㎜、厚く、硬く、逆向き、葉身よりも色が薄い。花序(花序柄を含む)は長さ70~100㎝、中の総状花序は長さ30~50㎝×幅5~6㎝、単純、花時や果時には密である。花の苞は長さ8~11㎜×幅5~6㎜、三角形、先は尖鋭形、膜質。小花柄は短く、花時に明瞭で、成熟時および果時には垂れ下がる。小花柄は長さ4~5㎜、やや花後に長くなり、果時には長さ7㎜までになる。花被は長さ25~30㎜、筒形、基部がわずかに狭くなり、黄色。外花被片は長さの下半分が融合する。雄しべは長さ30~35㎜、3~5㎜突き出る。花柱は部分的に、柱頭は突き出る。蒴果は長さ20~25㎜×幅6~8㎜。種子は翼を除いて長さ約5㎜。2n=14, 21, 28, 60。n=7(Flora Iberica)。
多肉質の草本。茎は短く、自由に吸芽して密集した群落を形成する。葉は基部近くまであり、実生および新芽ではわずかに二股で、直立し、淡緑色、ごく若い植物では淡い斑点があることもあり、線状披針形、長さ15~35(~50)㎝×幅4~5(~7)㎝、縁はまばらに刺状の歯があり、先端には2または3 歯があり尖る。花序は直立し、長さ60~90㎝。花序柄は太さ2㎝。総状花序は長さ30~40㎝×幅5~6㎝、1または2本の枝が斜上し、多数の花がつく。苞は帯白色、広披針形で、長さ約10㎜×幅5~6㎜、脈が5~7本あり、先は鋭形。花は反り返り、小花柄は苞の長さの約1/2の長さ。花被片は淡黄色、赤色のまだらになり、わずかに便腹形で、長さ2.5(~3)㎝、外花被片は約1.8㎝が離生部分で、先がわずかに反り返る。雄しべは4~5㎜突き出る。花柱は顕著に突き出る。2n=14。
中国では薬用として栽培され、南雲南省の暑く乾燥した元江渓谷で帰化したと考えられる。中国の種は、典型的なアロエベラよりもすべての部分が小さいが、著しく小さいわけではなく、非常に広く栽培されている種の栽培品種以外のものとして扱う十分な理由はないように思われる。A. vera の起源は、栽培の長い歴史と明確な野生個体群の不在によって不明瞭になっている。 Aloe indica Royle (Ill. Bot. Himal. Mts. 1: 390. 1840) は北インド、ネパール、タイ原産で、近縁種ですが、赤みがかった花を咲かせる点だけが明らかに異なる。アロエの多くの種では花の色にばらつきがあり、この種は A. vera と同種である可能性が高い(Flora of China)。
Aloe indicaは現在ではAloe veraのsynonymとされている。北アフリカ、カナリア諸島、マデイラ諸島で見られ、高さ60~100㎝のコンパクトで硬いロゼットに成長する。葉は通常、長さ約20㎝、肉厚で短剣形、溝のある青緑色または灰緑色で、一部の品種では葉の上下面に紫色または白色の斑点があるが、斑点は薄くなる傾向がある。花は帯赤色。
品種) 'Varal01'
synonym Aloe aristata Haw. アヤニシキ 綾錦
南アフリカ原産。英名はlace aloe。
2 Aloidendron barberae (Dyer) Klopper & Gideon F.Sm.
synonym Aloe bainesii Dyer タイザンニシキ 泰山錦
南アフリカ、スワジランド原産。
3 Aloidendron dichotomum (Masson) Klopper & Gideon
synonym Aloe dichotoma L.f. オオジニシキ
南アフリカ、ナミビア原産
4 Kumara plicatilis (L.) G.D.Rowley ゴジュウノトウ 五重塔
synonym Aloe plicatilis (L.) Mill.
南アフリカ原産。英名はFan Aloe。
5 Gonialoe variegata (L.) Boatwr. & J.C.Manning チヨダニシキ
synonym Aloe variegata L.
南アフリカ、ナミビア原産。英名はtiger aloe and partridge-breasted aloe。
Aloe
Aloe
Aloe
Aloe
Aloe
Aloe marlothii A.Berger
Aloe marlothii A.Berge
Aloe capitata var. capitata (Baker 1883)
叢生し、茎は多数、分枝し、多肉質のマルチヘッドの低木状になる。葉は枝の先に輪生状(ロゼット状)に多数つき、灰緑色、多肉質、かま形、長さ約30㎝、幅3~4㎝、厚さ1~1.5㎝、葉縁に先が刺状になった三角状の歯がある。葉は噛むと苦味が強い。花は枝先の直立する円錐状の穂状花序(総状花序)に多数つく。真冬に開花する。花序は長さ30㎝以下で、分枝しない。花はユリと似た形の円筒形、長さ約4㎝、橙红色(スカーレット)~濃橙色、ときに黄色。花被片6個、外側の3個はやや小さく、色が濃い。雄しべ6個。雌しべ1個。子房上位。蒴果は春に熟す。2n=14。
アロエベラ(バルバドスアロエ)Aloe vera (L.) Burm. f. は北アフリカのカナリア諸島原産。世界で広く栽培され、Aloeというと普通、これを指し、日本ではアロエというとキダチアロエが一般的である。中国名は芦荟(lu hui)。キダチアロエより、葉が大きく、苦味が少なく食用に栽培されている。茎は短く、葉は基部にほぼつき、長さ15~35(50)㎝、幅4~5(7)㎝、若いとき淡色の斑点がある。花序は直立し、幅2㎝以下の花序柄を含めて長さ60~90㎝。総状花序は長さ30~40㎝、幅5~6㎝、ときに2~3の分枝する。花は多数つき、花被片は淡黄色と赤色のまだらで、片側が膨れ、長さ2.5~3㎝。外側の3個は長さ約1.8㎝。雄しべは4~5㎜、突き出る。雌しべも突き出る。2n=14。
アロエ属
family Asphodelaceae - genus Aloe多年草、低木又は高木、普通、多肉質の葉がロゼットを作る。茎はしばしば、ごく短くなるが、ときによく発達し、又は2次的に太くなる。葉はロゼットになり、抱茎、厚く、多肉質、常に無毛、縁はほとんどが硬い歯状又は刺があり、先は鋭く、尖る。花序はほぼ頂生、斜上~直立の総状花序、しばしば分枝する。花序柄は普通、よく発達する。苞は宿存し、薄膜質。花柄は普通、花被よりごく短い。花被は普通、赤色、橙色、又は黄色、まれに帯緑色~帯白色、円筒形~3面形、ときに、わずかに曲がるか又は基部が膨れる。花被片は普通、合着して筒になり、ごくまれに離生、普通、無毛、先は広がる。雄しべは6本、花被筒の基部につき、普通、突き出る。花糸は錐形。葯は背着。子房は3室。胚珠は各室に多数。花柱は糸状。柱頭は小さい。蒴果は胞背裂開。種子は3角(かど)があるか、扁平で、しばしば翼がある。
世界に約570種あり、アフリカ南部~熱帯、マダガスカル、熱帯アラビアに分布する。
アロエ属の主な種と園芸品種
1 Aloe arborescens Mill. キダチアロエ 木立蘆薈アフリカ南部原産。英名はcandelabra aloe , candelabra-plant , octopus-plant , torchplant , krantz aloe。中国名は木剑芦荟 mu jian lu hui。
多年草、低木。高さ2~3m(日本では普通30~100㎝)。叢生し、茎は多数、分枝し、多肉質のマルチヘッドの低木状になる。葉は枝の先に輪生状(ロゼット状)に多数つき、灰緑色、多肉質、かま形、長さ約30㎝、幅3~4㎝、厚さ1~1.5㎝、葉縁に先が刺状になった三角状の歯がある。葉は噛むと苦味が強い。花は枝先の直立する円錐状の穂状花序(総状花序)に多数つく。真冬に開花する。花序は長さ30㎝以下で、分枝しない。花はユリと似た形の円筒形、長さ約4㎝、橙红色(スカーレット)~濃橙色、ときに黄色。花被片6個、外側の3個はやや小さく、色が濃い。雄しべ6個。雌しべ1個。子房上位。蒴果は春に熟す。2n=14。花期は12~2月。
品種) 'Variegata' (v)
2 Aloe capitata Baker ニンギョウニシキ 人形錦
マダガスカル原産。標高1300~1500mの中央マダガスカルの高原の岩壁に生える。A. capitata という名前で栽培されている多くの植物は、実際には Aloe cipolinicolaであることも多い。
多肉植物。通常、単独で茎がないか、長さ60㎝まで。葉は根生しロゼット状に密に20~30枚付き、尖った三角形、青緑色、長い時間直射日光に当たると葉は赤褐色に変化し、約・長さ50㎝×幅6㎝、先は少し捻じれ、縁に赤褐色~赤色の長さ約2㎜の軟骨の歯が、間隔8~12㎜につき、乾燥した葉の汁は黄色である。長い花茎の先で分枝し3~4本の枝が直立し、枝先に頭状の短い散形花序状の総状花序を数個つけ、長さは約80㎝に達する。各総状花序に花は多数、長い小花柄がつき、下向きに垂れ下がり、細い鐘形、橙黄色~橙赤色、長さは25~30㎜、基部は丸い。
2-1 Aloe capitata var. angavoana J.-P.Castillon アロエ・カピタータ・アンガボアナ
葉はロゼットにつき、幅が狭く、厚く、葉縁の鋸歯は鋭い三角形、赤味があって間隔は広く荒く、粉白色を帯びた灰青色(ときに赤色を帯びる)。2-2 Aloe capitata var. capitata
マダガスカル中央高地、標高1000~2000mに分布する。
ほとんど常に単生し、通常は茎が無い(日陰の場所では長さ60cmまでになる)。葉はロゼット状に密に20~30枚つき、直径約90㎝まで、葉身は緑色~灰青色(ときに赤色を帯び)、上向きから広がり、わずかに上向きに湾曲し、長い披針形で、長さ50㎝×幅6㎝・以下、先は丸く、縁には歯が並び、歯は厚く、硬く、鋭く、角質で帯褐色~赤色、間隔は8~12㎜、長さ2㎜以下。花序は単純または4本以下のアーチ状の斜め~直立する枝を持ち、花序は直立し、高さ80㎝まで。個々の枝先につく総状花序は頭状(ときに長く伸びる)、密で(総状花序当たり最大60個の花を持つ)、長さ9㎝×直径10㎝・まで。花は黄色~黄橙色、細長い鐘形からわずかに棍棒形で、長さ2.5㎝以下、帯赤色の小花柄が曲がり、下向きに垂れ下がり、赤みがかった蕾は、しばしば上部から下部まで一斉に開く。花期は5~8月。
2-3 Aloe capitata var. quartziticola H.Perrierアロエ・カピタータ・クアルチコーラ
中央高地南部の標高1600mまでの珪岩に生える。ひどくない限り、凍結にも耐えることができる。茎のない多肉植物で、葉が開いたロゼットを形成し、幅60㎝まで広がり、葉身は肉厚で先細り、粉白を帯びた青灰色~日差しが強いと帯紫色まで様々になり、縁には小さな三角形の暗赤色の歯がある。花茎は枝分かれし、冬の後半(通常2月頃)に現れ、高さ1m以上になる。各枝の先端には丸い頭状の花序がつく。花は蕾が筒形で、開くと口部が広がり、細長い鐘形になる。蕾は鮮やかな光沢のあるオレンジ色で、開いた花は黄色になり、他のほとんどのアロエ種とは異なり、この花は必ずしも下から上へ順番に開くわけではなく、しばしば中間のどこかから咲き始める。小花柄は長く、帯赤色。
2-4 Aloe capitata var. silvicola H.Perrier
標高990~2400mの北部の海岸に近い場所に生える。
葉は先が次第に狭くなり、先端は幅が狭く鈍形、縁に鋭い歯が間隔を開けて並ぶ。花茎はあまり高くならず、葉と同長程度まで。
3 Aloe ferox Mill. アオワニ 青鰐
南アフリカ原産。英名はbitter aloe , Cape aloe。同時に開花する他のアロエとも交雑し、栽培されている多くは交雑種である。
茎が一本で、茎葉が茎頂に密にロゼット状に並び、枯れた葉が残り、高さ約2~3m、またはまれに5mに達し、直径10~15㎝になる。葉は30~60枚が茎頂部につき、披針形で、質感は非常に硬く、上面は浅い溝があり、下面は凸状で、先端に刺があり、弓状に直立~広がり、葉の先端はわずかに下向きに曲がり、鈍い緑色または灰緑色で、わずかに青みがかって見え、しばしばストレス状態では赤褐色を帯びる。葉身は長さ50~100㎝×幅65~150㎜、縁には長さ3~6㎜の赤褐色~暗褐色の三角状の刺が間隔10~20㎜でつき、 表面は無毛または葉の表面、特に下面に少数~多数の不規則な棘が散在する。若い植物は非常に棘が多い傾向がある。厚いクチクラがあるため、葉は乾燥した環境によく適応する。花序は1個の背の高い燭台のように分岐した円錐花序で、5~8(~12)本の枝があり、各枝には直立した円筒形または狭い円錐形の密な総状花序があり、高 50~80(~100)㎝×直径9~12㎝、先端で約6c㎝に狭まり、非常に密集した芽が水平に伸びる多数の花をもつ穂状花序がつく。苞は卵状鋭形、長さ8~10㎝×幅3~6㎜、3~多数の脈がある。小花柄は長さ3~8㎜。花は華やかで、黄橙色~明るい赤色(まれに黄色または白色)で、内側の花被片の先は白色の筒状、ほぼこん棒形または腹便形、長さ約3㎝、基部は丸く、上部が大きくなる。子房は口部でわずかに狭くなる。花被片は長さ22㎜が自由部分である。雄しべと花柱は暗橙色~明るい赤色で、葯は口部から9~25㎜突き出る。外花被片は下部3分の1が合着し、内花被片は離生であるが、下部の3分の1で背側が外花被片に接する。鳥によって受粉されるが、ミツバチも受粉に関与する。花は自家不稔で、総状花序あたり数個の花だけが同時に成熟する。雄しべは午前中に花粉を生成し、午後には枯れるが、花柱は開花2日目に展開する。花期は冬(地域によって5~11月)だが、寒い地域では春まで遅れることがある。果実は長さ20~23㎜×幅10~12㎜、黄色がかった灰褐色、種子は多数。種子はほぼ黒色、約・長さ5.0㎜x幅3.0㎜x暑さ0.6㎜、広い翼がある。2n=14。
品種) Variegata
4 Aloe maculata All. アロエ・マクラータ
南アフリカ原産。英名は soap aloe , zebra aloe。別名はソープアロエ、ゼブラアロエ。乾燥と塩分に強い特性がある。樹液が水に触れると石けんのような泡を出す。
茎が無い多年草または短い茎がある低木、茎は葉があり、直立し、高さ25㎝まで、二股分枝する。葉は長さ15~30㎝×幅6~12㎝、根生のロゼット状に密に10(15)枚まで集まってつき、幅広三角形、平坦またはわずかに溝状になり、真っすぐまたはやや曲がり、開出または直立・開出し、草質、灰緑色~薄褐色で、粉白にならず、白色の斑点があり、縁にのみ長さ約2㎜の歯があり、厚く、硬く、下面は縁よりも色が薄い。花序は花序柄を含んで、長さ45㎝以下、円錐花序状の散房花序、長さ10~15㎝×幅12~16㎝、花時には密で、果時には緩くなる。花の苞は長さ8~15㎜×幅2~3㎜、三角形、尖鋭形、膜質。花は長い小花柄があり、花時には直立し、成熟時および果時には垂れ下がる。小花柄は長さ35~50㎜、花後に大きくなり、果時には長さ75㎜以下になる。花被片は長さ35~50㎜、筒形、基部が著しく肥厚し、橙赤色を帯びる。外花被片は少なくともその長さの下半分が融合する。雄しべは長さ25~35㎜、等長。花柱と柱頭は同長。蒴果は長さ30~40㎜×幅15~20㎜。種子は翼を除いて長さ約6㎜。2n=14;n=7。
5 Aloe marlothii A.Berger オニキリマル 鬼切丸 広義
アフリカ南部(南アフリカ、ボツワナ、スワジランド)原産。英名はmountain aloe , Transvaal aloe , flat-flowered aloe。別名はアロエ・マルロシー。気温が高く霜が降りにくい山岳地帯、岩の多い地形、斜面沿いのブッシュフェルト植生に生える。
多年生、多肉質の、1本の茎を持つアロエで、通常高さ2~4m(ときに6mまで)で、上部の生きている葉の下の茎に古い乾燥した葉が残っている。葉は大きく、幅広く、多肉質で、薄緑色~灰緑色~青緑色で、長さ1500㎜×幅250㎜・以下、広い基部は先細り~鋭く尖り、上下の面は刺で覆われ、葉の縁には橙の歯先を持つ栗色の歯がある。花は枝分かれした燭台形の総状花序に付き、総状花序(個々の花で覆われた単一の穂)は最大30個ある。花の色は典型的な橙赤色~黄色または明るい赤色まで様々で、花期は5~9月。特徴的なの花序が斜めになり、通常はほぼ水平だが、形状によってはほぼ垂直になることもある。
5-1 Aloe marlothii subsp. marlothii オニキリマル 鬼切丸
アフリカ南部(南アフリカ、ボツワナ、スワジランド)原産。
高木、高さ5~6mまで成長する。茎は単生で直立し、、密集して宿存する乾燥した葉で覆われる。葉は密にロゼットになり、直立~広がり、やがて垂れ下がり、鈍い灰緑色~粉白色、斑点はなく、散在して赤褐色の刺激臭のある刺があり、通常下面に多くあり、披針形で漸尖形、長さ100~150㎝、基部の幅20~25㎝、縁には、赤褐色の鋭い歯があり、歯は長さ3~6㎜で、間隔は10~20㎜。滲出液は蜂蜜色。花序は高さ0.8mまでになり、中央下から10~30本分岐し、下の枝は再分岐し、枝は水平~広がる。総状花序は円筒形で、長さ30~50㎝、水平~ほぼ斜め、密集する。花は著しく偏側生。花の苞は長さ8~9㎜×幅5㎜ 。小花柄は長さ5~8㎜。花は花被片が橙色~黄橙色、長さ30~35㎜、子房の幅は約7㎜まで、子房の上部で大きくなり、通常は大きく開いた口部に向かって狭くなり、円筒状棍棒形~円筒状便腹形である。外花被片は長さ20~23㎜、離生。雄しべは15㎜まで突き出る。花柱は15~20㎜、突出する。
5-2 Aloe marlothii subsp. orientalis Glen & D.S.Hardy
アフリカ南部(南アフリカ、スワジランド)原産。
低木、高さ1.00~1.75m。茎はしばしば小さなグループを形成して吸芽し、直立または斜め~平伏し、密な宿存する乾燥した葉に覆われる。葉は密に鋸歯があり、弓状に湾曲~広がるまたはわずかに湾曲し、粉白色~青緑色、斑点はなく、赤褐色の刺激臭のある刺が散在し、通常、表面の刺が全くないかまたは少数しかなく、披針形で漸尖し、長さ75~150㎝、基部の幅8~25㎝、縁には、赤褐色の鋭い歯があり、歯は長さ3~4㎜、間隔は8~25㎜。滲出液は蜂蜜色。花序は高さ0.8 mまでになり、中央下から10~30本分岐し、下の枝は再分岐し、枝は水平~広がる。総状花序は円筒形で、長さ15~25㎝、広がる~まれに直立し、密。花は著しく偏側生。花の苞は長さ4~9㎜×幅2~5㎜。小花柄は長さ3~5㎜。花は花被片が黄色~橙色、長さ18~30㎜、子房の上部で大きくなり、通常は大きく開いた口部に向かって狭くなり、円筒形~便腹形である。外花被片は長さ6~15㎜、離生。雄しべと花柱は8~12㎜突出する。
6 Aloe perryi Baker ソコトラアロエ
ソコトラ島原産。英名はSocotrine aloe, Turkey Aloe, Bombay Aloe。標高0~900mの乾燥した岩場の平地または緩斜面、主に石灰岩の道路に生え、砂地や花崗岩の山地にもときに見られる。
多肉植物、通常は1本の茎からなる(または、たまに主ロゼットの外側に枝分かれして発生する)。根は強いひげ根。葉はロゼット状に密に星形に12~30枚つく。茎は直立または平伏し、長さ約30㎝、幅5㎝以下。葉は宿存し、長さ35㎝×幅7.5㎝・以下、披針形で、細く、先細りで、厚い肉質、淡緑色、粉白色を帯びた緑色~帯赤色で、根の上部から生じ、均一またはやや条線があるが、まだらではなく(または若いときはまだら)、縁には、6㎜の間隔で、長さ約4㎜のの薄褐色の歯がある。花序は最大3回分枝し、直立し、頂生、中央から突き出し、高さ50~60㎝になる。総状花序は密な長い円筒形で、長さ15~25㎝×幅5~7.5㎝。苞は三角状披針形、長さ4~6㎜。萼はなく、花序柄は長さ8㎜、花冠は筒形、子房の上ではわずかに狭くなり、口部に向かって再び広がり、長さ20~25㎜、口部で狭い6花被片に分かれ、赤緑色、開くと黄色になる。花被片は長さ8㎜未満。雄しべと花柱は花から最大1㎜、突き出る。花期は夏。胞背裂開は多数の角張った種子が入る。Aloe forbesii Balf.f.は茎が細く、より繊細で、ときに明らかに一年草となるが、典型的な Aloe perryiとの中間種が多数存在する。
7 Aloe × schonlandii Baker アロエ・スコエンランディー
南アフリカ原産。
Aloe maculata とAloe striataの交雑種。カリフォルニアに帰化。
8 Aloe vera (L.) Burm.f. バルバドスアロエ
synonym Aloe indica Royle
オマーン原産。英名はaloe , Barbados aloe。中国名は中国名は芦荟 lu hui。別名はアロエベラ。古くから薬用として栽培され、キダチアロエより、葉が大きく、苦味が少なく食用に栽培されている。地中海地域を含む両半球の亜熱帯および温帯地域に帰化したものと考えられている。葉に斑点のあるものと無いものがある。
葉で覆われた短い茎を持つ、無茎の植物または低木、匍匐茎がある。茎は長さ30㎝まで、直立し、側芽はない。葉は長さ40~50㎝×幅5~8㎝、16(20)枚が基部にロゼット状に密に集まり、狭三角状披針形、溝があり、真っすぐ、直立・開出し、草質、灰緑色、粉白を帯び、斑点がなく、縁だけに歯があり、歯は長さ約2㎜、厚く、硬く、逆向き、葉身よりも色が薄い。花序(花序柄を含む)は長さ70~100㎝、中の総状花序は長さ30~50㎝×幅5~6㎝、単純、花時や果時には密である。花の苞は長さ8~11㎜×幅5~6㎜、三角形、先は尖鋭形、膜質。小花柄は短く、花時に明瞭で、成熟時および果時には垂れ下がる。小花柄は長さ4~5㎜、やや花後に長くなり、果時には長さ7㎜までになる。花被は長さ25~30㎜、筒形、基部がわずかに狭くなり、黄色。外花被片は長さの下半分が融合する。雄しべは長さ30~35㎜、3~5㎜突き出る。花柱は部分的に、柱頭は突き出る。蒴果は長さ20~25㎜×幅6~8㎜。種子は翼を除いて長さ約5㎜。2n=14, 21, 28, 60。n=7(Flora Iberica)。
多肉質の草本。茎は短く、自由に吸芽して密集した群落を形成する。葉は基部近くまであり、実生および新芽ではわずかに二股で、直立し、淡緑色、ごく若い植物では淡い斑点があることもあり、線状披針形、長さ15~35(~50)㎝×幅4~5(~7)㎝、縁はまばらに刺状の歯があり、先端には2または3 歯があり尖る。花序は直立し、長さ60~90㎝。花序柄は太さ2㎝。総状花序は長さ30~40㎝×幅5~6㎝、1または2本の枝が斜上し、多数の花がつく。苞は帯白色、広披針形で、長さ約10㎜×幅5~6㎜、脈が5~7本あり、先は鋭形。花は反り返り、小花柄は苞の長さの約1/2の長さ。花被片は淡黄色、赤色のまだらになり、わずかに便腹形で、長さ2.5(~3)㎝、外花被片は約1.8㎝が離生部分で、先がわずかに反り返る。雄しべは4~5㎜突き出る。花柱は顕著に突き出る。2n=14。
中国では薬用として栽培され、南雲南省の暑く乾燥した元江渓谷で帰化したと考えられる。中国の種は、典型的なアロエベラよりもすべての部分が小さいが、著しく小さいわけではなく、非常に広く栽培されている種の栽培品種以外のものとして扱う十分な理由はないように思われる。A. vera の起源は、栽培の長い歴史と明確な野生個体群の不在によって不明瞭になっている。 Aloe indica Royle (Ill. Bot. Himal. Mts. 1: 390. 1840) は北インド、ネパール、タイ原産で、近縁種ですが、赤みがかった花を咲かせる点だけが明らかに異なる。アロエの多くの種では花の色にばらつきがあり、この種は A. vera と同種である可能性が高い(Flora of China)。
Aloe indicaは現在ではAloe veraのsynonymとされている。北アフリカ、カナリア諸島、マデイラ諸島で見られ、高さ60~100㎝のコンパクトで硬いロゼットに成長する。葉は通常、長さ約20㎝、肉厚で短剣形、溝のある青緑色または灰緑色で、一部の品種では葉の上下面に紫色または白色の斑点があるが、斑点は薄くなる傾向がある。花は帯赤色。
品種) 'Varal01'
過去にアロエ属に含められていた他属の種
1 Aristaloe aristata (Haw.) Boatwr. & J.C.Manningsynonym Aloe aristata Haw. アヤニシキ 綾錦
南アフリカ原産。英名はlace aloe。
2 Aloidendron barberae (Dyer) Klopper & Gideon F.Sm.
synonym Aloe bainesii Dyer タイザンニシキ 泰山錦
南アフリカ、スワジランド原産。
3 Aloidendron dichotomum (Masson) Klopper & Gideon
synonym Aloe dichotoma L.f. オオジニシキ
南アフリカ、ナミビア原産
4 Kumara plicatilis (L.) G.D.Rowley ゴジュウノトウ 五重塔
synonym Aloe plicatilis (L.) Mill.
南アフリカ原産。英名はFan Aloe。
5 Gonialoe variegata (L.) Boatwr. & J.C.Manning チヨダニシキ
synonym Aloe variegata L.
南アフリカ、ナミビア原産。英名はtiger aloe and partridge-breasted aloe。
参考
1) Flora of ChinaAloe
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=101163
2) Plants of the World Online | Kew ScienceAloe
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30106039-2
3) Flora of North AmericaAloe
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=200027555
4) LLIFLE - Encyclopedia of living formsAloe
https://www.llifle.com/Encyclopedia/SUCCULENTS/Family/Aloaceae/Aloe/
Aloe indica Royle
https://www.llifle.com/Encyclopedia/SUCCULENTS/Family/Aloaceae/696/Aloe_indica
5) Flora IbericaAloe
http://www.floraiberica.es/floraiberica/texto/pdfs/20_183_32_Aloe.pdf
6) GBIFAloe marlothii A.Berger
https://www.gbif.org/species/2778219
7) PlantZAfrica - SANBIAloe marlothii A.Berge
https://pza.sanbi.org/aloe-marlothii
8) KuaS-KettingerAloe capitata var. capitata (Baker 1883)
https://www.kuas-kettinger.de/index.php/aloe-c-d/aloe-capitata-var-capitata