キバナヒナギク 黄花雛菊  

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae コレオステフス属

別 名 コレオステフス・ムルティカウリス、クリサンセマム・ムルチコーレ
中国名 黄晶菊 huang jing ju
英 名 yellow buttons dasy , yellow daisy
学 名 Coleostephus multicaulis (Desf.) Durieu
 synonym Chrysanthemum multicaule Desf.
キバナヒナギク頭花
キバナヒナギク総苞
キバナヒナギク蕾2
キバナヒナギク蕾
キバナヒナギク
キバナヒナギク葉
花 期 2~5月
高 さ 10~20㎝
生活型 1年草
生育場所 栽培種
分 布 帰化種 アルジェリア原産
撮 影 浜松市  18.4.11
和名は英名のyellow daisyから。普通、クリサンセマム・ムルチコーレと呼ばれる。
 1年草、茎は半匍匐性、高さ10~20㎝。茎や葉はピンクを帯びる。葉はロゼット状、互生し、やや肉質、小さいものは無柄、葉身は長さ約3㎝、幅.約0.5㎝のへら形、淡緑色、少数の粗い歯がある。頭状花序は直径5㎝以下。内総苞片は先が膜質。舌状小花、中心小花とも黄色。小舌は丸みを帯びる。痩果は長さ約2㎜。花期は(11)2~5月、高温多湿に弱い。果期は5月。2n=18。

コレオステフス属

  family Asteraceae - genus Coleostephus
 1年草、地上茎がある。葉は円鋸歯~鋸歯があり、単葉。総苞は数列の総苞片があり、総苞片は縁が薄膜質。花托は凸形または円錐形で、パレアは無い。頭花は放射状で、異形配偶、周辺小花は長楕円形~長楕円状披針形、半舌状、雌性、稔性または不稔、黄色。中心小花は放射相称で、両性、著しく扁平な筒を持ち、基部は切形、一般に2個のほぼ鋭形の外側の歯と3個の内側の歯があり、内側の歯は外側の歯よりもやや短く、切形でパピラがある。痩果は2形性。周辺小花の痩果は、普通、背腹側が扁平で、側部に2本の剛毛状の付属体がある。中心小花の痩果は、著しく内側に曲がり、約10本の縦うねと基部に1個の突出がある。冠毛は王冠(coroniform)、または腹側部分に向かってつく舌状の半王冠(semicorona liguliforme)=耳形(auriculiform)であり、まれに冠毛がない。基準種はC. myconis 。
 世界に3種ある。

コレオステフス属の主な種と園芸品種

1 Coleostephus multicaulis (Desf.) Durieu  キバナヒナギク(コレオステフス・ムルティカウリス)

  synonym Chrysanthemum multicaule Desf.
 アルジェリア原産。英名はyellow buttons dasy , yellow daisy。
 1年草、茎は半匍匐性、高さ10~20㎝。茎や葉はピンクを帯びる。葉はロゼット状、互生し、やや肉質、小さいものは無柄、葉身は長さ約3㎝、幅.約0.5㎝のへら形、淡緑色、少数の粗い歯がある。頭状花序は直径5㎝以下。内総苞片は先が膜質。舌状小花、中心小花とも黄色。小舌は丸みを帯びる。痩果は長さ約2㎜。花期は(11)2~5月、高温多湿に弱い。果期は5月。2n=18。
品種)  'Goblin' , 'Yellow' , アップライト イエロー

2 Coleostephus myconis (L.) Cass. コレオステフス・マイコニス
 スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、ユーゴスラビア、ギリシャ、アルジェリア、モロッコ原産。英名は corn marigold。
 1年草、無毛。茎は長さ20~80cm、直立し、上半分で分枝する。下部の葉は有柄、へら形、円鋸歯~鋸歯がある。上部の葉は無柄、普通、線状披針形、鋸歯縁、牙歯状の耳がある。頭花は橙黄色、幅約2~3㎝、単生、頂生する。総苞は倒卵形~楕円形、縁が狭く薄膜質、ときに暗色を帯びる。舌状小花は小舌が黄色、長さ4~12㎜、先が分裂する。中心小花は黄色、長さ約3㎜、拡大部は鐘形。痩果は長さ1.4~2.5㎜、基部に厚いカルスがある。普通、冠毛は長さ1.7~2.5㎜で、痩果とほぼ同長。2n=18。花期は4月~8月。果期は10月~11月(Flora Vascular)。
品種)  'Moonlight'

3 Coleostephus paludosus (Durieu) Alavi 寒白菊(コレオステフス・パルドスス)
 ポルトガル、シチリア、アルジェリア、リビア、チュニジア原産。Kewscienceではコレオステフス属としている。マウランセマム属とされることも多い。ノースポールの名で広く栽培されている。
 痩果は小さく、長さ1.2㎜よりかなり小さく、基部のカルスは小さい。冠毛は王冠形(coroniform)。

類似属

マウランセマム属

 subfamily Asteroideae - tribe Anthemideae - subtribe Leucantheminae - genus Mauranthemum

 1年草 [多年草]高さ2~25[40] ㎝。茎は直立、普通、基部近くで分枝し、無毛。葉は互生、有柄又は無柄、ときに茎を抱き、線形~披針形~長楕円形~倒卵形、普通、不規則に、羽状分裂又は歯があり、下面には腺点があり、上面は無毛になる。花序は頭状花序、放射状、1個又は開き、頂部が平らに束生する。総苞は鐘形、半球形、直径8~12(15+)㎜。総苞片は25~40+個、3~4列に配列し、分離、卵形又は長楕円形~+-披針形、宿存性、縁や先端は褐色~黒色の薄膜質。花托は +-円錐形、パレアは無い。周辺花は10~21+個、花冠はほとんど白色、、普通、基部が黄色、乾くと、+-ピンク色、小舌は長楕円形~卵形。中心花は60~100+個、花冠は+-黄色、筒部は+-円筒形、のど部は+-鐘形、裂片は(2)5個、デルタ形、樹脂嚢は無い。葯の先は+-卵形。花柱の先は切形、パピラがある。果実は +- 円柱形~倒卵形~紡錘形(外側はときに3稜があり)、7~10本のうねがあり、無毛。冠毛は無い。周辺小花の果実は普通、先(冠毛とする場合もある)が王冠形(coroniform)。
 世界に4種あり、ヨーロッパ、北アフリカに分布する。

マウランセマム属の主な種と品種

1 Mauranthemum paludosum (Poir.) R.Vogt & Oberpr. カンシロギク 寒白菊
  synonym Coleostephus paludosus (Durieu) Alavi
  synonym Chrysanthemum clausonis (Pomel) Batt.
  synonym Leucanthemum clausonis (Pomel) P.Giraud
  synonym Leucoglossum paludosum (Poir.) B. H. Wilcox et al.
  synonym Hymenostemma paludosum (Poir.) Pomel
 ヨーロッパ(スペイン、ポルトガル)、アフリカ(アルジェリア、リビア、モロッコ、チュニジア)原産。オーストラリア、オーストリアなどに帰化。英名はmini marguerite , paludosum daisy。別名はノースポールギク。
 1年草(多年草)、高さ15~30㎝、よく分枝する。葉身は長さ15~35(55) ㎜、幅 3~12(20)㎜。花はマーガレットに似るが小さく、直径約3㎝。周辺花は長さ6~12+㎜。果実は長さ2~3㎜。2n=18。花期は3~1月、高温多湿に弱いため日本では夏に枯れ、12~5月。2n=18。
品種) )'North Pole'

参考

1) Taxonomy - GRIN-Global Web v 1.9.9.2
 Coleostephus Cass.
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=119565
2) Yellow daisy
 Coleostephus multicaulis
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~tsuyu/top/plt/aster/chrysanthemum/mul.html
3) Jepson eFlora
 Mauranthemum
http://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=89044
4) Genus Coleostephus Cassini in Europe" (Asteraceae) - Zobodat
 Genus Coleostephus
https://www.zobodat.at/stable/pdf/PHY_17_3_4_0319-0328.pdf