コマクサ属 Dicentra から ケマンソウ属 Lamprocapnos へ変更された。ケマンソウ科 Fumariaceae とすることもある。中国では古くから薬用に栽培されていた。日本でも古くから栽培されているが、アルカロイドを含み有毒であるため、現在では観賞用に栽培されている。
　茎は直立し、太く、みずみずしく、分枝する。葉柄は長さ5～12㎝。 葉は対生し、葉身は質が柔らかく、長さ10～30㎝、幅10～30㎝、広三角状の2回3出羽状複葉、小葉は楔形、広く、先が尖り、縁は深裂又は粗い歯になる。葉裏は白色を帯び、葉表は緑色。総状様の花序が頂生又は上部の葉腋につく。花茎は斜上し、アーチ状に湾曲しててほぼ水平になり、7～15個の花つける。苞は長さ 3～5(10)㎜、線形。小花柄は長さ5～15㎜、細く、対の小さな小苞がある。花は2個の対称な翼があり、ハート形、幅20～25㎜。萼片は早落性、長さ3～4㎜、全縁。花弁は4個。外側の2個の花弁はピンク色ときに白色、基部は幅の広い袋状、先が細くなって反り返る。内側の2個の花弁は白色、紫色と黄色の班紋があり、外側の花弁から突き出て、それぞれ白色の明瞭なとさかがある。雄しべは幅広で波打ち、舌状、3個ずつが葯の下で融合し、花蜜はその中央の雄しべの基部から分泌される。子房は緑色、紡錘形。花柱は永存性、柱頭は長楕円形、基部で2裂する。蒴果は長さ25～35㎜、長楕円形、種子を2～8個入れる。種子は直径(2.5～)3㎜の円形、平滑、大きな種沈がある。9月頃、地上部は枯れ、休眠に入る。2n=16。

ケマンソウ属

　 family　Papaveraceae － genus Lamprocapnos

　Lamprocapnos spectabilis (L.) Fukuhara　1種だけの属

　世界に1種だけであり、朝鮮、中国、ロシアに分布する。

ケマンソウ属の主な種と園芸品種

1 Lamprocapnos spectabilis (L.) Fukuhara　 ケマンソウ　華鬘草
　　synonym　Dicentra spectabilis (L.) Lem.
　朝鮮、中国、ロシア原産原産。中国名は荷包牡丹 he bao mu dan。英名はAsian bleeding-heart , bleeding-heart。別名はフジボタン、キンチャクボタン、ケマンボタン、ヨウラクボタン、タイツリソウ。草原、斜面、開けた落葉樹林に生える
　多年草、高さ50～90㎝。茎は直立し、太く、みずみずしく、分枝する。葉柄は長さ5～12㎝。 葉は対生し、葉身は質が柔らかく、長さ10～30㎝、幅10～30㎝、広三角状の2回3出羽状複葉、小葉は楔形、広く、先が尖り、縁は深裂又は粗い歯になる。葉裏は白色を帯び、葉表は緑色。総状様の花序が頂生又は上部の葉腋につく。花茎は斜上し、アーチ状に湾曲しててほぼ水平になり、7～15個の花つける。苞は長さ 3～5(10)㎜、線形。小花柄は長さ5～15㎜、細く、対の小さな小苞がある。花は2個の対称な翼があり、ハート形、幅20～25㎜。萼片は早落性、長さ3～4㎜、全縁。花弁は4個。外側の2個の花弁はピンク色ときに白色、基部は幅の広い袋状、先が細くなって反り返る。内側の2個の花弁は白色、紫色と黄色の班紋があり、外側の花弁から突き出て、それぞれ白色の明瞭なとさかがある。雄しべは幅広で波打ち、舌状、3個ずつが葯の下で融合し、花蜜はその中央の雄しべの基部から分泌される。子房は緑色、紡錘形。花柱は永存性、柱頭は長楕円形、基部で2裂する。蒴果は長さ25～35㎜、長楕円形、種子を2～8個入れる。種子は直径(2.5～)3㎜の円形、平滑、大きな種沈がある。9月頃、地上部は枯れ、休眠に入る。2n=16。花期は4～6月。

参考

1) Flora of China
　Lamprocapnos 2) Plants of the World Online | Kew Science
　Lamprocapnos