カテンソウ 花点草

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Flora of Mikawa

イラクサ科 Urticaceae カテンソウ属

中国名 花点草 hua dian cao
英 名 smooth tare, slender vetch
学 名 Nanocnide japonica B.L
Nanocnide dichotoma S.S. Chien
カテンソウの雄花の蕾
カテンソウの雄花
カテンソウの雄花6雄しべ
カテンソウの花被片
カテンソウの花被片2
カテンソウ雌花序
カテンソウ果序
カテンソウの托葉
カテンソウ
カテンソウ雌花
カテンソウ雌花2
カテンソウ葉表
カテンソウ葉裏
カテンソウ基部の葉
カテンソウ痩果
花 期 4~5月
高 さ 10~45㎝
生活型 多年草
生育場所 山野の木陰
分 布 在来種  本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾
撮 影 豊橋市  15.4.16
茎は黄緑色、基部で分枝し、基部近くは断面が円形、紫色を帯び、直立し、基部を除いて断面が四角形、稜に上向きの屈毛がまばらにある。托葉は長さ1~1.5㎜、広卵形、縁が膜質、縁毛が散生する。葉は互生し、葉柄は長さ1~5㎝。葉身は長さ1.5~4㎝、幅1.3~4㎝の三角状卵形~菱形状卵形、基部は広楔形~円形~切形、先は鈍形、縁は深い4~7対の鋸歯がある。基部に近い葉は小さく、類扇状、3~5脈、2又分岐する。葉表は光沢が無く、緑色、やや伏せた刺状の短毛で覆われる。葉裏は光沢があり、淡緑色、ときに紫色を帯び、まばらに毛がある。雌雄同株、異株のこともある。雄花序は上部の葉腋につき、集散花序、花序の柄は長さ3~4㎝程度と葉より長く、数回、分岐し、まばらに毛がある。雌花序は小さく、直径3~6㎜の類球形花序、花序の柄が0.7~2㎜と短く、上部の葉に隠れるように葉腋に固まってつく。雄花は有柄、紫色を帯び、花被片は5個、まれに6個、長さ約1.5㎜、先から下は小剛毛がまばらにある。雄しべ5(6)個。未発達の子房は広卵形、長さ約0.5㎜。雌花は無柄~ごく短柄、緑色を帯び、花被片は4個、不等長、外側の2個が大きく、舟形、長さ1~2㎜、先に1~2個の刺状の毛がある。内側の2個は狭倒卵形、長さ約1㎜、先に1~2個の刺状の毛がある。柱頭は閉じた花被片から突き出て、白色、受粉すると橙褐色になり、子房はすぐに大きくなり始める。痩果は長さ1.4~1.6㎜の広卵形、表面はいぼ状。
 トウカテンソウ Nanocnide lobata 中国、台湾、中国、ベトナムに分布し、中国名は毛花点草(mao hua dian cao)。葉の両面に粗い毛がある。雄花序は集散花序、長さ5~12㎜、葉より長くなることは無い。雄花は淡緑色、花被片は(4又は)5個。2n=24
 シマカテンソウ(ヤエヤマカテンソウ)はトウカテンソウと同一種(Flora of China)。

カテンソウ属

  family  Urticaceae - genus Nanocnide

 多年草、這う根茎をもつ。刺毛の刺がある。茎はしばしば叢生する。葉は互生し、葉柄がある。托葉は宿存し、側生、離生、膜質。葉身は広く、膜質、不規則な2~5脈があり、2次脈は二又分枝し、縁は粗い歯状又は類欠刻状。鐘乳体(cystoliths)はしばしばソーセージ形。花序は腋生、花序柄のある集散花序(雄)、又は無柄の団散花序 glomerule(雌)、単性(雌雄同株)。雄は二又集散花序(dichotomous cymes)、単生、花序柄が糸状。雌の密散花序(clusters)は無柄、同じ又は異なる軸につき、苞がある。雄花は花被片が (4 又は)5個、わずかに覆瓦状、先端の下に横のとさかがつく(crested )。雄しべは(4又は)5本。未熟な子房は倒卵形又はつぼ形、透明。雌花は花被片が4個、不等長。外側(背腹)の2個は大きく竜骨があり、先端の下に角状突起がある(corniculate)。内側の2個は小さく、平ら、全て、普通、先端の下に刺毛(stinging hair)をもつ。柱頭はほぼ無柄、ほうき状の頭状。胚珠は直生。痩果は真っすぐ、卵形、扁平、宿存するが大きくならない花被の中につく。種子は直立、薄い胚乳をもち、子葉は卵形、肉質。
 世界に2種あり、東アジアに分布する。

カテンソウ属の主な種

1 Nanocnide japonica Blume  カテンソウ 花点草
 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は花点草 hua dian cao。英名はsmooth tare, slender vetch
 多年草。高さ10~45㎝。茎は黄緑色、基部で分枝し、基部近くは断面が円形、紫色を帯び、直立し、基部を除いて断面が四角形、稜に上向きの屈毛がまばらにある。托葉は長さ1~1.5㎜、広卵形、縁が膜質、縁毛が散生する。葉は互生し、葉柄は長さ1~5㎝。葉身は長さ1.5~4㎝、幅1.3~4㎝の三角状卵形~菱形状卵形、基部は広楔形~円形~切形、先は鈍形、縁は深い4~7対の鋸歯がある。基部に近い葉は小さく、類扇状、3~5脈、2又分岐する。葉表は光沢が無く、緑色、やや伏せた刺状の短毛で覆われる。葉裏は光沢があり、淡緑色、ときに紫色を帯び、まばらに毛がある。雌雄同株、異株のこともある。雄花序は上部の葉腋につき、集散花序、花序の柄は長さ3~4㎝程度と葉より長く、数回、分岐し、まばらに毛がある。雌花序は小さく、直径3~6㎜の類球形花序、花序の柄が0.7~2㎜と短く、上部の葉に隠れるように葉腋に固まってつく。雄花は有柄、紫色を帯び、花被片は5個、まれに6個、長さ約1.5㎜、先から下は小剛毛がまばらにある。雄しべ5(6)個。未発達の子房は広卵形、長さ約0.5㎜。雌花は無柄~ごく短柄、緑色を帯び、花被片は4個、不等長、外側の2個が大きく、舟形、長さ1~2㎜、先に1~2個の刺状の毛がある。内側の2個は狭倒卵形、長さ約1㎜、先に1~2個の刺状の毛がある。柱頭は閉じた花被片から突き出て、白色、受粉すると橙褐色になり、子房はすぐに大きくなり始める。痩果は長さ1.4~1.6㎜の広卵形、表面はいぼ状。花期は4~5月。

2 Nanocnide lobata Wedd. トウカテンソウ 唐花点草
  synonym Nanocnide pilosa Migo
 中国、台湾、ベトナムに分布し、中国名は毛花点草(mao hua dian cao)。
 葉の両面に粗い毛がある。雄花序は集散花序、長さ5~12㎜、葉より長くなることは無い。雄花は淡緑色、花被片は(4又は)5個。2n=24
 ※シマカテンソウはトウカテンソウと同一種(Flora of China , Kewscience , The lant List)。

参考

1) Flora of China
 Nanocnide
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=121625
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Nanocnide
 http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:40901-1