カンガルーポー
Flora of Mikawa
ハエモドルム科 Haemodoraceae アニゴザントス属
中国名 | 袋鼠爪花 dai shu zhao hua |
英 名 | kangaroo paw , kangaroo's foot plant |
学 名 | Anigozanthos sp. |
花 期 | 4~6月 |
高 さ | 0.2~1.5(2)m |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 外来種 オーストラリア南西部原産 |
撮 影 | 浜松市 19.4.1 |
カンガルーポーはアニゴザントス属の栽培品種アニゴザントス属は全てオーストラリア南西部の固有種である。写真のものはAnigozanthos manglesiiに近いものであるが、花序の形が異なり、品種不明。
オーストラリア南部の乾いた砂質の珪質地域に固有の種であるが、他の環境や土質にも適用し、オーストラリア、米国、日本、イスラエルで商業的にも育成されている。地下に水平の短い根茎をもち、長さは種によって変わり、肉質又はもろく、根の汁液は、極度の乾燥期間を生き抜くために必要である。ある種は夏には根茎に戻り、秋に、再び生長する。葉は根生し、ロゼットを形成し、長く、緑色~灰緑色、有毛又は無毛。花茎はロゼットの中心から出て、葉をつけず、高さ2mに達し、有色の毛に覆われ、茎頂に総状花序をつける。高さなどは種により異なる。筒状の蕾も有色の毛に覆われ、ビロード状になる。これらの長い柔毛が花の色を決定し、ほとんどが黒色~黄色、橙色、赤色、2色のもの(Anigozanthos manglesii))もある。蕾の形がカンガルーの足(kangaroo paw,)に似ているため、カンガルーポーと呼ばれる。花の先は6個の花弁が扇状に広がる。十分に成長した植物は花を10個以下つける。
多年草、有色の汁液をもち、又は乳液が無くて有色の汁液もない。葉は根生葉と茎葉(主に根生葉で少数の小さい茎葉をもつ)。葉は基部に集中し、全て根生する。根茎がある(短く、水平、内部は赤色でない)。根茎と根の組織は明るい赤色色素が有又は無。中生(mesophytic)又は乾生(xerophytic).。葉は大きさが中~大、互生、2列生、革質、無柄、鞘がある。葉鞘は縁が分離。葉は茎まで縁に沿うか又は普通の向きになり、単葉、葉枕は無い。葉身は全縁、平ら、又は中実(又は類円柱形)、線形(又は剣状突起形)、平行脈、鞘がある。葉は托葉g無い。葉縁は全縁。葉は基部に宿存する分裂組織をもち、求基的に発達する。葉脈は縦に折り畳まれる。[葉の構造]孔辺細胞はガラス型でない。毛は有り又は無い(しばしば)。枝の毛は有る。花外蜜腺は無い。[茎の構造]2次の肥厚は無い。 繁殖型の受粉。稔性の花は両性。単性の花は無い。植物は両性。花の蜜腺がある。蜜腺は雌しべから分泌する(中隔の蜜腺経由で)。虫媒花又は鳥媒花又は異例の方法で受粉する。[花序と花の特徴]花は総状花序(1側に)又は穂状花序(1側に)につく。花序の単位は集散花序又は総状花序。花序は花茎につき、頂生、花茎は1本又は又状又は円錐花序状。花序に毛があり、少数~多数の花をつける。花は類無柄、不規則な左右相称のときに、非常に不規則、3数性、輪状、3輪状又は4輪状。花被筒がある。花被片は6個、1輪につき、同数生。仮雄しべは2輪につき、緑色、黄色、橙色、赤色又は黒色(帯黒色:すべての色は羽毛状の羊毛状の毛の色による)。雄しべ群のメンバーは数に限界がある。雄しべ群は6本、密着し、全て等長、互いに分離、1~3輪につく。雄しべ群はもっぱら稔性の雄しべである。雄しべは6本(1~3列に)。全て多少、形が似て、花被や2輪の雄しべと同数、花被片の基部近くにつき、花被互生(alterniperianthial)。花糸は付属体が有(appendiculate)又は無。葯は底着、多方向又は多方向でなく、縦の隙間から裂開し、内向き。付属体(ときに小さく、先につく)が有又は無。雌しべ群は心皮が3個。雌しべは3室。雌しべ群は合成心皮、真正の合成心皮(eu-syncarpous)、一部下位又は下位。子房は複室、3室。雌しべ群は花柱があり、花柱は1個、3個のときには部分的に結合し、子房から漸尖し、又は子房の先端にくぼみを生じ、花時には子房よりかなり長くなる。柱頭は1個、頭状。中軸胎座.胚珠は各室に2~100個(多数)。仮種皮は無い。直生胚珠~半倒生胚珠。果実は肉質で無く、胞背裂開する蒴果、3室がある。種子は少数、胚乳は豊富、油質、翼は有又は無。使用は1個、種皮にはフィトメラン(phytomelan:木炭に似た物質)は無い。
世界に11種あり、全て、オーストラリア南西部の固有種。
オーストラリア南部の乾いた砂質の珪質地域に固有の種であるが、他の環境や土質にも適用し、オーストラリア、米国、日本、イスラエルで商業的にも育成されている。地下に水平の短い根茎をもち、長さは種によって変わり、肉質又はもろく、根の汁液は、極度の乾燥期間を生き抜くために必要である。ある種は夏には根茎に戻り、秋に、再び生長する。葉は根生し、ロゼットを形成し、長く、緑色~灰緑色、有毛又は無毛。花茎はロゼットの中心から出て、葉をつけず、高さ2mに達し、有色の毛に覆われ、茎頂に総状花序をつける。高さなどは種により異なる。筒状の蕾も有色の毛に覆われ、ビロード状になる。これらの長い柔毛が花の色を決定し、ほとんどが黒色~黄色、橙色、赤色、2色のもの(Anigozanthos manglesii))もある。蕾の形がカンガルーの足(kangaroo paw,)に似ているため、カンガルーポーと呼ばれる。花の先は6個の花弁が扇状に広がる。十分に成長した植物は花を10個以下つける。
【アニゴザントス属の種】
1 Anigozanthos bicolor Endl. (little kangaroo paw)
Anigozanthos bicolor ssp. bicolor (two-coloured kangaroo paw)
Anigozanthos bicolor ssp. decrescens
Anigozanthos bicolor ssp. exstans
Anigozanthos bicolor ssp. minor
2 Anigozanthos flavidus DC. (tall kangaroo paw)
3 Anigozanthos gabrielae Domin (dwarf kangaroo paw)
4 Anigozanthos humilis Lindl. (cat's paw)
Anigozanthos humilis ssp. chrysanthus (Mogumber cat's paw)
Anigozanthos humilis ssp. grandis (tall cat's paw)
5 Anigozanthos kalbarriensis Hopper (Kalbarri cat's paw)
6 Anigozanthos manglesii D.Don (red-and-green kangaroo paw)
Anigozanthos manglesii ssp. manglesii
Anigozanthos manglesii ssp. quadrans
7 Anigozanthos onycis A.S.George (branched cat's paw)
8 Anigozanthos preissii Endl.(Albany cat's paw)
9 Anigozanthos pulcherrimus Hook. (golden kangaroo paw)
10 Anigozanthos rufus Labill. (red kangaroo paw)
11 Anigozanthos viridis Endl. (green kangaroo paw)
Anigozanthos viridis subsp. terraspectans Hopper (dwarf green kangaroo paw)
Anigozanthos viridis subsp. metallica (metallic green kangaroo paw)
オーストラリア南西部原産。英名はlittle kangaroo paw , two-coloured kangaroo paw。
多年草、根茎をもち、高さ0.2~0.6m。花は緑色と赤色、花期は8~10月。灰色又は黒色砂、粘土質の芝地、紅土(laterite)、花崗岩(granite)、花崗岩の露頭(granite outcrops)、冬に湿った低湿地に生える。葉は平ら、長さ7~28㎝×幅3~8㎜、葉縁に剛毛や毛があり、毛は長さ0.2~0.7㎜、少なくとも基部に小さな枝をもち、真っすぐで、うねがあり、約90°又は葉先に向かって角度をつけ外側に広がる。葉の表面には毛がある。花茎は有り、有毛、長さ25~63.5㎝。花序は苞を基部につけ、苞は長さ15~30㎜、数個の花をつける。花の苞(小苞)は長さ8~12㎜。花柄は長さ5~6㎜。花は長さ45~80㎜。花被は毛があり、左右相称、はっきり、2色、赤色と緑色、花被片は6個、多少、等長。内花被片は長さ7~10㎜。雄しべは6本、3レベルに、対につく。花糸は長さ2.5~4㎜。葯は長さ3.7~7.7㎜、付属体は無い。花柱は長さ40~65㎜。花期は8~10月(オーストラリア)。
品種) 'Rambofling' (PBR) , 'Rambotation' (PBR)
2 Anigozanthos flavidus DC. アニゴザントス・フラビダス
オーストラリア原産。英名はtall kangaroo paw , yellow kangaroo paw , Albany kangaroo paw , evergreen kangaroo paw 。最も栽培が多く、ハイブリッドの親とされている。
多年草、根茎をもち、高さ0.5~3m。花は黄緑色/褐赤色、花期は11~1月、灰色~黄色砂、粘土、砂利地の放水路、湿地の縁、道端、側溝に生える。葉は平ら、長さ39~52㎝×幅3~10㎜、剛毛又は毛は葉縁に無く、毛は面に無い(葉の表面は無毛)。花茎はあり、有毛、長さ59~70㎝。花序は苞を基部につけ、苞は長さ8~20㎜、数個の花をつける。花の苞は長さ5~7㎜。花柄は長さ3~6㎜。花は長さ3.5~4㎝。花被は毛があり、左右相称、色は均一又は地色の上に暗色が被い、黄色、緑色又は赤色~赤褐色~紫色、6個のほぼ等しい花被片をもつ。内花被片は長さ8~11㎜。雄しべは6本、一水準につく。花糸は長さ3.2~4.2㎜。葯は長さ2.5~3㎜、付属体をもつ。花柱は長さ31~38㎜。花期は11~1月(オーストラリア)。
品種) Bush Ballad = 'Ramboball' (PBR) , Bush Dance = 'Rambudan' , 'Ember' , 'Flashpoint' (v) , 'Illusion' , 'Opal' , 'Orange Cross' , 'Pearl' , 'Purpurea' , 'Ramboball' (PBR) , 'Rambubona' (PBR) , 'Rambudan' , 'Rambueleg' (PBR) , 'Splendour' , 'Yellow Gem'
3 Anigozanthos manglesii D.Don アニゴザントス・マングレシー
オーストラリア南西部原産。英名は red-and-green kangaroo paw , Mangles kangaroo paw , Kurulbrang。
多年草、高さ0.2~1.1m。葉は長さ30~60㎝以下、灰緑色、ひも状。花茎は高さ80~120㎝、帯赤色、茎頂の総状花序に花が12個又はそれ以上つく。花は大きい筒形、花の基部は明るい赤色、細毛に被われ、花冠は先が6裂し、緑色。花色は赤色と緑色が基本だが、緑色だけの場合、赤色になる場合など変異がある。花期は8~11月(オーストラリア)。
品種) 'Bush Dawn' (Bush Gems Series)
4 Anigozanthos rufus Labill. アニゴザントス・ルフス
オーストラリア原産。英名はred kangaroo paw
多年草、根茎をもち、高さ0.2~1m。花は赤紫色、8~1月。白色、灰色又は褐色砂、季節ごとに湿る地域に生える。葉は平ら、長さ17.5~28㎝×幅4~7㎜、葉縁に剛毛や毛があり、毛は長さ0.5~1㎜、少なくとも基部に小さな枝をもち、真っすぐで、うねがあり、縁に平行又は葉先に向かって角度をつけ横たわる。葉の表面には毛がある。花茎は有り、有毛、長さ40~46㎝。花序は苞を基部につけ、苞は長さ15~30㎜、数個の花をつける。花の苞(小苞)は長さ6~10㎜。花柄は長さ2.5~6㎜。花は長さ25~30㎜。花被は毛があり、左右相称、色は均一、黄色、赤色、花被片は6個、多少、等長。内花被片は長さ7~8㎜。雄しべは6本、3レベルに、対につく。花糸は長さ3~4㎜。葯は長さ2.3㎜、付属体は無い。花柱は長さ17~25㎜。花期は8~1月(オーストラリア)。
5 ハイブリッド・ カンガルーポー
品種) 'Amber Velvet' (PBR) , 'Autumn Blaze' (orange-yellow) , 'Autumn Mystery' , 'Autumn Sunrise' , 'Baby Roo' , 'Big Red' , 'Bush Aura' (Bush Gems Series) , Bush Bonanza = 'Rambubona' (PBR) (Bush Gems Series) , Bush Chameleon = 'Rambocham' (PBR) , Bush Diamond = 'Rambodiam' (PBR) (Bush Gems Series) , 'Bush Emerald' (Bush Gems Series) , Bush Elegance = 'Rambueleg' (PBR) (Bush Gems Series) , Bush Gems Series , 'Bush Glow' (Bush Gems Series) , 'Bush Haze' (Bush Gems Series) , 'Bush Inferno' (PBR) (Bush Gems Series) , 'Bush Pearl' (PBR) (Bush Gems Series) , 'Bush Ranger' (Bush Gems Series) , Bush Spark = 'Rambuspar' , Bush Tenacity = 'Rambocity' (Bush Gems Series) , 'Charm' , 'Copper Charm' , 'Dwarf Delight' , 'Dwarf Light' , 'Early Spring' , 'Galil Orange' , 'Galil Ruby Red' , 'Galileo' , 'Garden Jewel Bush Spark' , 'Gold Fever' (orange-gold) , 'Harmoney' , 'Hickman's Delight' , 'Joey Calypso' , 'Kalbarri Red' , 'Kangaroo Paws' , 'Little Jewel' , 'Miniprolific' , 'Mini Red' , 'Patricia' , 'Pearl Pink' , 'Pink Joey' , Pink Pearl (PBR) , 'Rambodiam' (PBR) , 'Rambocham' (PBR) , 'Rambocity' , 'Rambuspar' , 'Rampaging Roy Slaven' (orange-red) ,'Red Beauty' (PBR) , 'Red Cross' , 'Regal Claw' , 'Regal Velvet' (PBR) , 'Rogue Radiance' , 'Royal Cheer' , 'Ruby Jools' , 'Space Age' , 'Spark Orange' , 'Spence's Spectacular' , 'Sue Dixon' , 'Unity' , 'Velvet Harmony' , 'Werite Woorata' , Yellow Gem' (yellow).
Anigozanthos Labill
Anigozanthos Labill.
Allamanda
オーストラリア南部の乾いた砂質の珪質地域に固有の種であるが、他の環境や土質にも適用し、オーストラリア、米国、日本、イスラエルで商業的にも育成されている。地下に水平の短い根茎をもち、長さは種によって変わり、肉質又はもろく、根の汁液は、極度の乾燥期間を生き抜くために必要である。ある種は夏には根茎に戻り、秋に、再び生長する。葉は根生し、ロゼットを形成し、長く、緑色~灰緑色、有毛又は無毛。花茎はロゼットの中心から出て、葉をつけず、高さ2mに達し、有色の毛に覆われ、茎頂に総状花序をつける。高さなどは種により異なる。筒状の蕾も有色の毛に覆われ、ビロード状になる。これらの長い柔毛が花の色を決定し、ほとんどが黒色~黄色、橙色、赤色、2色のもの(Anigozanthos manglesii))もある。蕾の形がカンガルーの足(kangaroo paw,)に似ているため、カンガルーポーと呼ばれる。花の先は6個の花弁が扇状に広がる。十分に成長した植物は花を10個以下つける。
アニゴザントス属
family Haemodoraceae - genus Anigozanthos多年草、有色の汁液をもち、又は乳液が無くて有色の汁液もない。葉は根生葉と茎葉(主に根生葉で少数の小さい茎葉をもつ)。葉は基部に集中し、全て根生する。根茎がある(短く、水平、内部は赤色でない)。根茎と根の組織は明るい赤色色素が有又は無。中生(mesophytic)又は乾生(xerophytic).。葉は大きさが中~大、互生、2列生、革質、無柄、鞘がある。葉鞘は縁が分離。葉は茎まで縁に沿うか又は普通の向きになり、単葉、葉枕は無い。葉身は全縁、平ら、又は中実(又は類円柱形)、線形(又は剣状突起形)、平行脈、鞘がある。葉は托葉g無い。葉縁は全縁。葉は基部に宿存する分裂組織をもち、求基的に発達する。葉脈は縦に折り畳まれる。[葉の構造]孔辺細胞はガラス型でない。毛は有り又は無い(しばしば)。枝の毛は有る。花外蜜腺は無い。[茎の構造]2次の肥厚は無い。 繁殖型の受粉。稔性の花は両性。単性の花は無い。植物は両性。花の蜜腺がある。蜜腺は雌しべから分泌する(中隔の蜜腺経由で)。虫媒花又は鳥媒花又は異例の方法で受粉する。[花序と花の特徴]花は総状花序(1側に)又は穂状花序(1側に)につく。花序の単位は集散花序又は総状花序。花序は花茎につき、頂生、花茎は1本又は又状又は円錐花序状。花序に毛があり、少数~多数の花をつける。花は類無柄、不規則な左右相称のときに、非常に不規則、3数性、輪状、3輪状又は4輪状。花被筒がある。花被片は6個、1輪につき、同数生。仮雄しべは2輪につき、緑色、黄色、橙色、赤色又は黒色(帯黒色:すべての色は羽毛状の羊毛状の毛の色による)。雄しべ群のメンバーは数に限界がある。雄しべ群は6本、密着し、全て等長、互いに分離、1~3輪につく。雄しべ群はもっぱら稔性の雄しべである。雄しべは6本(1~3列に)。全て多少、形が似て、花被や2輪の雄しべと同数、花被片の基部近くにつき、花被互生(alterniperianthial)。花糸は付属体が有(appendiculate)又は無。葯は底着、多方向又は多方向でなく、縦の隙間から裂開し、内向き。付属体(ときに小さく、先につく)が有又は無。雌しべ群は心皮が3個。雌しべは3室。雌しべ群は合成心皮、真正の合成心皮(eu-syncarpous)、一部下位又は下位。子房は複室、3室。雌しべ群は花柱があり、花柱は1個、3個のときには部分的に結合し、子房から漸尖し、又は子房の先端にくぼみを生じ、花時には子房よりかなり長くなる。柱頭は1個、頭状。中軸胎座.胚珠は各室に2~100個(多数)。仮種皮は無い。直生胚珠~半倒生胚珠。果実は肉質で無く、胞背裂開する蒴果、3室がある。種子は少数、胚乳は豊富、油質、翼は有又は無。使用は1個、種皮にはフィトメラン(phytomelan:木炭に似た物質)は無い。
世界に11種あり、全て、オーストラリア南西部の固有種。
オーストラリア南部の乾いた砂質の珪質地域に固有の種であるが、他の環境や土質にも適用し、オーストラリア、米国、日本、イスラエルで商業的にも育成されている。地下に水平の短い根茎をもち、長さは種によって変わり、肉質又はもろく、根の汁液は、極度の乾燥期間を生き抜くために必要である。ある種は夏には根茎に戻り、秋に、再び生長する。葉は根生し、ロゼットを形成し、長く、緑色~灰緑色、有毛又は無毛。花茎はロゼットの中心から出て、葉をつけず、高さ2mに達し、有色の毛に覆われ、茎頂に総状花序をつける。高さなどは種により異なる。筒状の蕾も有色の毛に覆われ、ビロード状になる。これらの長い柔毛が花の色を決定し、ほとんどが黒色~黄色、橙色、赤色、2色のもの(Anigozanthos manglesii))もある。蕾の形がカンガルーの足(kangaroo paw,)に似ているため、カンガルーポーと呼ばれる。花の先は6個の花弁が扇状に広がる。十分に成長した植物は花を10個以下つける。
【アニゴザントス属の種】
1 Anigozanthos bicolor Endl. (little kangaroo paw)
Anigozanthos bicolor ssp. bicolor (two-coloured kangaroo paw)
Anigozanthos bicolor ssp. decrescens
Anigozanthos bicolor ssp. exstans
Anigozanthos bicolor ssp. minor
2 Anigozanthos flavidus DC. (tall kangaroo paw)
3 Anigozanthos gabrielae Domin (dwarf kangaroo paw)
4 Anigozanthos humilis Lindl. (cat's paw)
Anigozanthos humilis ssp. chrysanthus (Mogumber cat's paw)
Anigozanthos humilis ssp. grandis (tall cat's paw)
5 Anigozanthos kalbarriensis Hopper (Kalbarri cat's paw)
6 Anigozanthos manglesii D.Don (red-and-green kangaroo paw)
Anigozanthos manglesii ssp. manglesii
Anigozanthos manglesii ssp. quadrans
7 Anigozanthos onycis A.S.George (branched cat's paw)
8 Anigozanthos preissii Endl.(Albany cat's paw)
9 Anigozanthos pulcherrimus Hook. (golden kangaroo paw)
10 Anigozanthos rufus Labill. (red kangaroo paw)
11 Anigozanthos viridis Endl. (green kangaroo paw)
Anigozanthos viridis subsp. terraspectans Hopper (dwarf green kangaroo paw)
Anigozanthos viridis subsp. metallica (metallic green kangaroo paw)
アニゴザントス属の主な種
1 Anigozanthos bicolor Endl. subsp. bicolor アニゴザントス・バイカラーオーストラリア南西部原産。英名はlittle kangaroo paw , two-coloured kangaroo paw。
多年草、根茎をもち、高さ0.2~0.6m。花は緑色と赤色、花期は8~10月。灰色又は黒色砂、粘土質の芝地、紅土(laterite)、花崗岩(granite)、花崗岩の露頭(granite outcrops)、冬に湿った低湿地に生える。葉は平ら、長さ7~28㎝×幅3~8㎜、葉縁に剛毛や毛があり、毛は長さ0.2~0.7㎜、少なくとも基部に小さな枝をもち、真っすぐで、うねがあり、約90°又は葉先に向かって角度をつけ外側に広がる。葉の表面には毛がある。花茎は有り、有毛、長さ25~63.5㎝。花序は苞を基部につけ、苞は長さ15~30㎜、数個の花をつける。花の苞(小苞)は長さ8~12㎜。花柄は長さ5~6㎜。花は長さ45~80㎜。花被は毛があり、左右相称、はっきり、2色、赤色と緑色、花被片は6個、多少、等長。内花被片は長さ7~10㎜。雄しべは6本、3レベルに、対につく。花糸は長さ2.5~4㎜。葯は長さ3.7~7.7㎜、付属体は無い。花柱は長さ40~65㎜。花期は8~10月(オーストラリア)。
品種) 'Rambofling' (PBR) , 'Rambotation' (PBR)
2 Anigozanthos flavidus DC. アニゴザントス・フラビダス
オーストラリア原産。英名はtall kangaroo paw , yellow kangaroo paw , Albany kangaroo paw , evergreen kangaroo paw 。最も栽培が多く、ハイブリッドの親とされている。
多年草、根茎をもち、高さ0.5~3m。花は黄緑色/褐赤色、花期は11~1月、灰色~黄色砂、粘土、砂利地の放水路、湿地の縁、道端、側溝に生える。葉は平ら、長さ39~52㎝×幅3~10㎜、剛毛又は毛は葉縁に無く、毛は面に無い(葉の表面は無毛)。花茎はあり、有毛、長さ59~70㎝。花序は苞を基部につけ、苞は長さ8~20㎜、数個の花をつける。花の苞は長さ5~7㎜。花柄は長さ3~6㎜。花は長さ3.5~4㎝。花被は毛があり、左右相称、色は均一又は地色の上に暗色が被い、黄色、緑色又は赤色~赤褐色~紫色、6個のほぼ等しい花被片をもつ。内花被片は長さ8~11㎜。雄しべは6本、一水準につく。花糸は長さ3.2~4.2㎜。葯は長さ2.5~3㎜、付属体をもつ。花柱は長さ31~38㎜。花期は11~1月(オーストラリア)。
品種) Bush Ballad = 'Ramboball' (PBR) , Bush Dance = 'Rambudan' , 'Ember' , 'Flashpoint' (v) , 'Illusion' , 'Opal' , 'Orange Cross' , 'Pearl' , 'Purpurea' , 'Ramboball' (PBR) , 'Rambubona' (PBR) , 'Rambudan' , 'Rambueleg' (PBR) , 'Splendour' , 'Yellow Gem'
3 Anigozanthos manglesii D.Don アニゴザントス・マングレシー
オーストラリア南西部原産。英名は red-and-green kangaroo paw , Mangles kangaroo paw , Kurulbrang。
多年草、高さ0.2~1.1m。葉は長さ30~60㎝以下、灰緑色、ひも状。花茎は高さ80~120㎝、帯赤色、茎頂の総状花序に花が12個又はそれ以上つく。花は大きい筒形、花の基部は明るい赤色、細毛に被われ、花冠は先が6裂し、緑色。花色は赤色と緑色が基本だが、緑色だけの場合、赤色になる場合など変異がある。花期は8~11月(オーストラリア)。
品種) 'Bush Dawn' (Bush Gems Series)
4 Anigozanthos rufus Labill. アニゴザントス・ルフス
オーストラリア原産。英名はred kangaroo paw
多年草、根茎をもち、高さ0.2~1m。花は赤紫色、8~1月。白色、灰色又は褐色砂、季節ごとに湿る地域に生える。葉は平ら、長さ17.5~28㎝×幅4~7㎜、葉縁に剛毛や毛があり、毛は長さ0.5~1㎜、少なくとも基部に小さな枝をもち、真っすぐで、うねがあり、縁に平行又は葉先に向かって角度をつけ横たわる。葉の表面には毛がある。花茎は有り、有毛、長さ40~46㎝。花序は苞を基部につけ、苞は長さ15~30㎜、数個の花をつける。花の苞(小苞)は長さ6~10㎜。花柄は長さ2.5~6㎜。花は長さ25~30㎜。花被は毛があり、左右相称、色は均一、黄色、赤色、花被片は6個、多少、等長。内花被片は長さ7~8㎜。雄しべは6本、3レベルに、対につく。花糸は長さ3~4㎜。葯は長さ2.3㎜、付属体は無い。花柱は長さ17~25㎜。花期は8~1月(オーストラリア)。
5 ハイブリッド・ カンガルーポー
品種) 'Amber Velvet' (PBR) , 'Autumn Blaze' (orange-yellow) , 'Autumn Mystery' , 'Autumn Sunrise' , 'Baby Roo' , 'Big Red' , 'Bush Aura' (Bush Gems Series) , Bush Bonanza = 'Rambubona' (PBR) (Bush Gems Series) , Bush Chameleon = 'Rambocham' (PBR) , Bush Diamond = 'Rambodiam' (PBR) (Bush Gems Series) , 'Bush Emerald' (Bush Gems Series) , Bush Elegance = 'Rambueleg' (PBR) (Bush Gems Series) , Bush Gems Series , 'Bush Glow' (Bush Gems Series) , 'Bush Haze' (Bush Gems Series) , 'Bush Inferno' (PBR) (Bush Gems Series) , 'Bush Pearl' (PBR) (Bush Gems Series) , 'Bush Ranger' (Bush Gems Series) , Bush Spark = 'Rambuspar' , Bush Tenacity = 'Rambocity' (Bush Gems Series) , 'Charm' , 'Copper Charm' , 'Dwarf Delight' , 'Dwarf Light' , 'Early Spring' , 'Galil Orange' , 'Galil Ruby Red' , 'Galileo' , 'Garden Jewel Bush Spark' , 'Gold Fever' (orange-gold) , 'Harmoney' , 'Hickman's Delight' , 'Joey Calypso' , 'Kalbarri Red' , 'Kangaroo Paws' , 'Little Jewel' , 'Miniprolific' , 'Mini Red' , 'Patricia' , 'Pearl Pink' , 'Pink Joey' , Pink Pearl (PBR) , 'Rambodiam' (PBR) , 'Rambocham' (PBR) , 'Rambocity' , 'Rambuspar' , 'Rampaging Roy Slaven' (orange-red) ,'Red Beauty' (PBR) , 'Red Cross' , 'Regal Claw' , 'Regal Velvet' (PBR) , 'Rogue Radiance' , 'Royal Cheer' , 'Ruby Jools' , 'Space Age' , 'Spark Orange' , 'Spence's Spectacular' , 'Sue Dixon' , 'Unity' , 'Velvet Harmony' , 'Werite Woorata' , Yellow Gem' (yellow).
参考
1) Atlas of livinng AustraliaAnigozanthos Labill
https://bie.ala.org.au/species/http%3A//id.biodiversity.org.au/node/apni/2890004#
2)FloraBase: Flora of Western Australian HerbariumAnigozanthos Labill.
https://florabase.dpaw.wa.gov.au/browse/profile/21227
Anigozanthos preissii Endl.
https://florabase.dpaw.wa.gov.au/browse/profile/1413
3)GRINAllamanda
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=392