世界最古の植物であり、生きた化石と言われるナンヨウスギ科の針葉樹。最も古い化石は2憶年前のものが発見されている。学名はWollemia nobilis、発見されたニューサウスウェールズ州の Wollemi National Parkの名がつけられ、Wollemi Pineと呼ばれる。
　浜名湖ガーデンパークに植えられている。花博が2004年に開催され、浜名湖ガーデンパークとして一部が残され、珍しい木が植えられている。その中の1つがこのジェラシックツリー（Wollemi Pine）である。

ウォレミア属

　 family　Araucariaceae － genus Wollemia

　ウォレミア属ナンヨウスギ科の針葉樹であり、オーストラリアで発見されるまでは化石に記録があるだけであった。Wollemia nobilisは1994年にニューサウスウェールズ州の Wollemi National Parkの温帯雨林の原始林の区域で発見された。シドニーの北西150kmの急勾配の砂岩の峡谷に離れた狭い列になっている。属名はナショナルパークから名付けられた。Wollemi pineと呼ばれているが、マツ科 (Pinaceae)ではなく、アガチス属(Agathis)やナンヨウスギ属(Araucaria)と同じナンヨウスギ科（Araucariaceae）である。Wollemi tree の最も古い化石は2億年前のものである。Wollemi treeは国際自然保護連合（IUCN）のレッドリストの絶滅寸前種(CR)に分類されている。

ウォレミア属の種

1 Wollemia nobilis W.G.Jones, K.D.Hill et J.M.Allen　
　オーストラリア原産。英名はWollemi Pine , jurassic tree
　常緑高木、高さ25～40m、胸高直径1.2m以下。樹皮は赤褐色～暗褐色、小さな薄片に裂け、成熟した木では樹皮が深く、スポンジ状で、長さ1.5㎝以下の明瞭なこぶをもつ(朝食のシリアルのCoco Popsに似ているといわれる)。樹冠は細く、円柱形であるが、しばしば基部から分枝する。シュートの先に休芽をつけ、普通、重い白色の樹脂状の分泌物に覆われ、ときにpolar capと呼ばれる。主枝はかなり短く、上向きに弓なりに曲がるか又は水平。枝は繰り返し成長する明瞭なユニットからなり、その中の葉は初め小さく、鱗片状、次第に長くなり、これらのユニッが茎のモジュールになる。葉は2列生、上面は暗緑色で、下面は粉白を帯び、長さ0.3～8㎝×幅0.2～0.5㎝、線形～狭三角形、先は鈍形。成葉は4列につき、沿下し、革質、鈍い薄緑色～暗緑色、長さ0.3～4㎝×幅0.4～0.8㎝、中脈は不明瞭、先は円い。雄の球果（male strobili）は葉のある1次シュ－トの先につき、約長さ10㎝×幅2㎝、小苞葉（microsporophylls）は多数（球果に500以上）、暗赤褐色。雌の球果(cone)は葉のある1次シュートの先につき、しばしば雄の球果をつけるシュートの上につく。雌の球果は無柄、球形～楕円形、約長さ12.5㎝×幅10㎝、緑色、後に褐色に変わり、苞鱗片（bract scales）を落とす。苞鱗片の複合体は種子鱗片（seed scales）と苞の融合から形成され、これらの構成要素は不明瞭。苞鱗片の複合体は多数（雌球果に300以上）つき、扁平、粗い菱形、長さ1.2～1.7㎝×幅1.4～2.2㎝、先端が反曲して目立ち、それぞれ1種子をもつ。種子は淡褐色、長方形～楔形、狭い周囲の翼を含めて長さ0.7～1.1㎝×幅0.5～0.7㎝。

参考

1) Atlas of Living Australia
　Wollemia nobilis W.G.Jones, K.D.Hill & J.M.Allen 　 2) Trees and Shrubs Online
　Wollemia nobilis 　 3) College of Agricultural Sciences - Department of Horticulture
　Wollemia nobilis 　 4） Plant Finder - Missouri Botanical Garden
　Wollemia nobilis 　 5）Flora of China
　Araucariaceae