エルサレム・セージ
Flora of Mikawa
シソ科 Lamiaceae フロミス属
別 名 | フロミス・フルティコサ |
英 名 | Jerusalem sage |
中国名 | 橙花糙苏 cheng hua cao su |
学 名 | Phlomis fruticosa L. |
花 期 | 5~8月 |
高 さ | 60~120㎝ |
生活型 | 常緑亜低木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 帰化種 アルバニア、キプロス、ギリシャ、イタリア、トルコ、旧ユーゴスラビア原産 |
撮 影 | 浜松市 18.5.22 |
シソ科フロミス属の栽培種。葉は灰緑色。花は黄色、輪散花序に多数つく。Jerusalem sageと呼ばれるよく似た種もあり、混同が起きやすい。
常緑亜低木、茎は木質、高さ60~120(25~45:Flora of China)㎝、密に伏した星状の綿毛があり、枝は広がる。葉はミントの芳香も味もなく、楕円形~披針形、長さ5~10㎝。基部の茎葉の葉柄は長さ1~2.5㎝。上部の茎葉は無柄、卵形、波打ち、上面には単毛と星状の軟毛があり、下面には密に灰白色の星状の綿毛があり、基部は円状楔形、縁は浅い円鋸歯。輪散花序は茎の上半分と頂部につき、花を10~15(20)個もち、茎の先に1又は2個つく。花は長さ約3㎝。苞は長楕円状披針形~線状披針形、長さ1~1.4㎝×幅2~4㎜、花に密着し、内側にまばらに縁毛があり、外側の縁近くに星状の綿毛と密に縁毛がある。萼は長さ1.5~1.7㎝、外側に密に星状の綿毛と単純毛がある。萼歯は長さ1.5~2.5㎜、先は類切形、長さ約1.5㎜の刺をもつ。花冠は黄色(橙色)、外側に密に橙色の星状の絨毛があり、長さは萼の約2倍。上唇は下唇より短く、先近くの内側の縁に橙色の短毛がある。下唇の中裂片は広卵形、凹形。側裂片は披針形。後ろ側の花糸は基部に長い、斜めの反曲する付属体をもち、花冠筒部の内側の環毛より上に離れる。小堅果は無毛。花期は夏(5~8月)、少数咲きが秋まである。
品種) 'Butterfly' , 'Compact Grey' , 'Miss Grace' , 'Nana'
多年草、亜低木、低木。葉は波打つ。花序の葉(苞)と茎葉は似ていて、上部で次第に小さくなる。輪散花序は腋生。花は普通、無柄。萼は筒形又は筒状鐘形、のど部は斜めにならず、脈は5、10、又は11本、萼歯は5個、等形、湾曲し、しばしば間で三角形に広がり、ときに、凹形の歯がある。花冠は黄色、紫色、又は白色、2唇形、筒部は突き出ないか又はわずかに突き出て、普通、内側に環状に絨毛ある。上唇は真っすぐ又はヘルメット形(galeate)、凹面又は折り畳むか竜骨があり、まれに狭い鎌形、全縁又は房飾り状の歯があり、綿毛又は絨毛がある。下唇は広がり、3裂し、中裂片は側裂片より幅が広い。雄しべは2強雄しべ。葯は2個が長く、花冠の上唇に斜上する。後ろの2個はしばしば基部に付属体がある。葯は対になり、2個が開出し、先に融合した細胞がある。花柱は裂片が錐形、普通、後ろ側の裂片が前側の裂片の長さの1/2以下、まれに等しいときもある。小堅果は卵形、断面が三角形、先は鈍形、まれに切形。
世界に100種以上あり、アフリカ、アジア、ヨーロッパに分布する。英名はsage , lampwick plant。
synonym Phlomis schwarzii P.H.Davis
トルコ原産。英名はJerusalem sage。
常緑低木、高さ150㎝以下。葉は帯緑色、腺毛があり、上面には疎に星状毛(stellate indumentum)をもち、下面には密に帯灰色又は帯白色の星状の綿毛をもつ。下部の葉は三角状卵形~長楕円状披針形、基部は心形、円鋸歯状の鋸歯縁、長さ3~16㎝×幅1.5~6㎝。葉柄は長さ5㎝以下。花序の葉は三角形~卵形~披針形、短柄があり、輪散花序の長さの2倍以下。輪散花序は1~2個、花が12~20個つく。小苞は錐形、密に長い粘る剛毛があり、長さ12~17㎜×幅0.75~1.5㎜。萼は無柄、長さ17~20㎜、密に粘る剛毛があり、萼歯は錐形、長さ3~7㎜。花冠は黄色、長さ20~30㎜。小堅果は無毛。花期は4~8月。
品種) 'Whirling Dervish'
2 Phlomis fruticosa L. エルサレム・セージ
地中海沿岸地域原産。 英名はJerusalem sage。中国名は橙花糙苏 cheng hua cao su。
常緑亜低木、茎は木質、高さ25~45(60~120)㎝、密に伏した星状の綿毛があり、枝は広がる。葉はミントの芳香も味もなく、楕円形~披針形、長さ5~10㎝。基部の茎葉の葉柄は長さ1~2.5㎝。上部の茎葉は無柄、卵形、波打ち、上面には単毛と星状の軟毛があり、下面には密に灰白色の星状の綿毛があり、基部は円状楔形、縁は浅い円鋸歯。輪散花序は茎の上半分と頂部につき、花を10~15個もち、茎の先に1又は2個つく。花は長さ約3㎝。苞は長楕円状披針形~線状披針形、長さ1~1.4㎝×幅2~4㎜、花に密着し、内側にまばらに縁毛があり、外側の縁近くに星状の綿毛と密に縁毛がある。萼は長さ1.5~1.7㎝、外側に密に星状の綿毛と単純毛がある。萼歯は長さ1.5~2.5㎜、先は類切形、長さ約1.5㎜の刺をもつ。花冠は橙色、外側に密に橙色の星状の絨毛があり、長さは萼の約2倍。上唇は下唇より短く、先近くの内側の縁に橙色の短毛がある。下唇の中裂片は広卵形、凹形。側裂片は披針形。後ろ側の花糸は基部に長い、斜めの反曲する付属体をもち、花冠筒部の内側の環毛より上に離れる。小堅果は無毛。花期は夏(5~8月)、少数咲きが秋まである。
品種) 'Butterfly' , 'Compact Grey' , 'Miss Grace' , 'Nana'
3 Phlomis grandiflora H.S.Thomps. フロミス・グランディフロラ
synonym Phlomis fimbrilligera Hub.-Mor.
トルコ、エーゲ海諸島原産。
Phlomis fruticosa に似ていて、しばしばJerusalem sageと呼ばれる。両者とも茎は木質になり、花は黄色で、若い時は区別が難しい。Phlomis fruticosaより大きく、高さ2~3m。Phlomis grandifloraの葉の上面葉緑色で、毛があるが、Phlomis fruticosaの葉は上面が灰緑色、綿毛に被われ、時間が経つと銀色になる。葉の長さがPhlomis fruticosa より長いが、葉柄は短い。輪散花序は1個、Phlomis fruticosa は1個以上になる。
品種) 'Anatolica' , 'Lloyd's Variety' , 'Lloyd's Silver' , 'Sulieman'
4 Phlomis italica L. フロミス・イタリカ
スペイン(バレアレス諸島)原産。英名はBalearic Island Sage。標高150~1400mの石灰岩の壁の基部、斜面や未耕作の牧草地、野生のオリーブや コショウボクの低木林に生える。
低木、常緑、高さ50~70(100)㎝。茎は羊毛状毛があり、有柄の星状毛で完全に覆われる。葉は葉柄は長さ1.2~2.7㎝、葉身は長さ3.1~6.1(6.7)㎝×幅1.7~2.5㎝、三角形、時には心形、楕円形、披針形、全縁または若干の鋸歯があり、上面は光沢の無い灰緑色、凹んだ網状の静脈と灰緑色の毛があり、下面には肥厚した中脈と側脈、と白灰色の毛がある。花序は2または3個の離れた仮輪からなり、各仮輪に4~8個の花がつき、ときに下部で分枝する。苞は葉に似ているが、より小さく、葉柄が短く、通常は長さ1㎝未満。小苞は長さ8~10㎜、幅2㎜まで、狭い披針形または線形。萼は長さ10~14 mm、羊毛状毛があり、長さ1.2㎜以下の萼歯が5個あり、均等、ほぼ半円形、時には目立たず、萼は貝殻状で密に縁毛があるように見える。花冠は淡いピンク色~ライラック色。花冠筒部は長さ約9㎜、無毛。上唇は長さ10~12㎜、凸面形、ヘルメット形、外側には羊毛状毛があり、密に縁毛がある。下唇は長さ約10㎜、外側が凸面形、丸い端と2個の切形の側裂片があり、内側の端に小さな付属体がある。雄しべが突き出て下側に曲がる。2n=20。花期は(4)5~7(8)月。
品種) 'Pink Glory'
5 Phlomis lanata Willd. フロミス・ラナータ
クレタ島原産。英名はwoolly Jerusalem sage , small Jerusalem sage。
小型の常緑低木。高さ30~55㎝、腺はなく、密に星状の綿毛がある。葉は葉柄は長さ1㎝以下、下部の葉身は灰緑色、長さ1.5~2.8㎝、広楕円形~長円形または倒卵形~ほぼ円形、基部は楔形~円形、縁には鋸歯があり、革質、両面に星状毛がある。花葉はほぼ無柄、ほぼ円形、鈍形。輪散花序は2~10個の花がつく。小苞は長さ6~10㎜×幅3~5.5㎜、広楕円形~倒針形または倒卵形、微突形、先端は真っすぐ、星状毛がある。萼は長さ10~12㎜、星状の綿毛がある。萼歯は長さ0.5~1mm、刺状。花は長さ約2㎝、直径2~2.3㎝、レモンイエロー色~濃黄色。小堅果には軟毛がある。花期は通年。
品種) 'Pygmy'
6 Phlomis leucophracta P.H.Davis & Hub.-Mor. フロミス・レウコフラクタ
トルコ原産。
常緑低木。高さ50~180㎝、全体に白色の毛があり、古くなると淡褐色を帯びる。葉柄は長さ2~4.6㎝。葉は三角状卵形、長さ(1.6)5~12㎝×幅(0.6)2~5㎝、基部は心形、先は鋭形、上面は灰緑色、縁が小さく内曲し、白毛の縁取り状に見える。下面は毛が密にあり、帯白色。小苞は線形、先が尖鋭形、長さ10~26㎜。萼は狭い鐘形、長さ(15)20~30㎜。萼歯は腺形、長さ5~14㎜。輪散花序は花が密につき半球形になる。花冠は黄色~橙黄色、長さ(20)30~38㎜。花期は3~5月。
品種) 'Golden Janissary' , 'Silver Janissary'
7 Phlomis lychnitis L. フロミス・リチニティス
synonym Phlomis clusii Bubani
フランス、モロッコ、ポルトガル、スペイン原産。英名はlampwickplant。ドイツに帰化している。標高20~2000mの低木地帯や荒地に生える。
落葉亜低木、高さ14.5~70㎝で、ときに匍匐茎がある。茎は直立し、ときにアーチ状になり、4稜形、不稔の枝は端に葉があり、密に毛があり、特に低くなる。葉は長さ3~14㎝×0.5~1.4㎝、披針形、茎葉はやや長めである。上部で次第に苞になり、上面は粗く、暗緑色になり、星状毛があり、ときに毛は長い枝を持ち、毛は帯白色、脈が目立ち、若い毛は羊毛状、基部は漸尖して葉柄があり、対生の葉と結合し、茎葉は無柄。花序はそれぞれ6個の花を持つ4~6個の仮輪からなり、仮輪は頂部で互いに接近している。苞は長さ1.1~5.3(5.9)㎝×幅1.2~2.6(3)㎝、無柄、2個の対生の苞が杯形になり、広卵形、下部の苞は長く尖り、上部の苞は卵形で鋭形、上部の表面は平滑、広い部分には脈があり、不規則な網目になり、縁にはもつれた毛がある。小苞は長さ10~15㎜、萼ごとに2~3個つき、線形、長い羽状毛があり、毛は長さ約4㎜。萼は長さ13~14㎜、萼歯は長さ3.5~4㎜。花冠は長さ2~3㎝、レモンイエロー色~明るい黄色、無毛の花冠筒部は萼の中に含まれる。唇は長さ13~16㎜、上部はヘルメット形、外側は星状毛で覆われ、縁毛がある。下唇は中央に凸状の裂片があり、ときに長くなり、側裂片は長さ2~3.5㎜、三角形、それらの間にはほぼ水平な開口部がある。雄しべは一般に、上側の裂片の湾曲に沿って上側の裂片内で反り返る。葯は半葯が溶着して、花糸の方向に整列しているため、単一のもののように見え、側方に裂開する。花柱は反り返る。小堅果は長さ4~6㎜×幅2~4㎜、卵形、ほぼ三角形、褐色。 2n=20。花期は6~8月。
品種) 'Lemon and Gold'
8 Phlomis purpurea L. パープル・エルサレム・セージ
ポルトガル、スペイン、アルジェリア、モロッコ原産。英名はDusky Pink Flowered , Purple Phlomis , urple Jerusalem Sage。標高20~1000mのあらゆる種類の基質(石灰岩を好む)の岩場や石の多い場所に生える。
低木 高さ50~80(150)㎝。茎は羊毛状毛があり、帯灰色、ときに黄色を帯び、直立し、下部には葉が多く、星状毛で覆われる。葉は長さ4.6~11㎝×幅1.2~3.4cm、葉身は長さ2.3~7.8cm、広披針形、披針形または三角形、基部は心形、ときに基部で幅が最大になり、先は鋭形、縁は円鋸歯状、若い葉は上面に密に帯白色の粗い毛があり、下面には密な羊毛状の毛がある。葉柄は長さ1.2~2.7㎝。 花序は密な(1)2~5個の輪散花序からなり、輪散花序は離れ、通常各輪散花序に花が8個つく。苞は長さ4.8~8.2(8.7)㎝×幅1.4~2.5㎝、披針形~楕円形、通常短い葉柄がある。ときに2個の小さな花序がつく。小苞は長さ10~18㎜×幅3~4.5(5)㎜、披針形~楕円形、鋭形、微突形、しっかりと花を囲む。萼は長さ11~13㎜、萼歯は5個、長さ2.5~6㎜、三角形~ほぼ刺状、帯黒色の微突があり、基部は非常に毛がある。花冠は多少派手なピンク色。花冠筒部は長さ9~12㎜、直径約1.5㎜、狭く、無毛。上唇は長さ12~13㎜、下側は凹面形、外側に毛があり、縁毛で終わる。下唇は長さ12~13.5㎜、上側は凸面形、側部に長さ約2㎜の付属体がある。雄しべは花冠筒部から突き出し、上唇に含まれている。葯は背着。小堅果は長さ3.5~6.5㎜×幅1~2.5㎜、±ほぼ三角形、帯黒色。2n=20。花期は夏~秋。
品種) 'Alba' , 'Compact' , 'Green Leaf'
9 Phlomis russeliana (Sims) Lag. ex Benth. フロミス・ルッセリアナ
アジア南西部(トルコ、シリア)原産。turkish sage , Jerusalem sage
多年草、高さ90㎝以下。根生葉は無毛、手触りが粗く、香りがあり、広卵形、灰緑色、長さ15~20㎝、基部は心形。輪散花序は間隔が開き、基部の葉の上に伸び、高さ60~90㎝になる。花は淡黄色のフードのある2唇形。花期は7~9月。種子は秋~冬に落ちる。
品種) 'Dappled Shade' (v) , 'Mosaic' (v)
10 Phlomis samia L. フロミス・サミア
ギリシャ、ユーゴスラビア、トルコ原産。
多年草、半常緑~落葉性、地下茎で広がり、高さ90~120㎝。葉は卵形、基部は心形、灰緑色、綿毛がある。輪散花序は多段につき、間隔が開き、多数の花をつける。花はフードがある2唇形、ライラック色~ラベンダー色にローズピンク色を帯びる。萼は褐色~紫色。苞の先は刺状。花期は6~9月。
品種) 'Green Cap' , 'Green Glory'
11 その他ハイブリッド
品種) 'Edward Bowles'= 'Grande Verde'(P. russeliana x P. fruticosa) , 'Elliot's Variety' , 'Le Chat' , 'Marina' , 'Nova' , 'Sunningdale Gold' , 'Toob' , 'Tramuntana'
多年草、普通、木質の根茎と(又は)塊根をもつ。茎は直立し、1本又は分枝し、高さ20~120㎝。根生葉は長楕円形~頂楕円状円形~心形、長さ 7~15 (25)㎝x幅3~15 (20)㎝、不分裂又は不規則に切れ込み~羽状全裂、歯状の縁をもち、裂片は4~7対。茎葉は無柄又は有柄、長楕円形~卵状円形~長楕円状披針形、長さ2~15㎝×幅1~10㎝、不分裂又は分裂、1~5対、縁は切刻状の歯状~歯状~円鋸歯~重円鋸歯。花序の葉は無柄、楕円形~長楕円状披針形~卵状楕円形、長さ1.5~8㎝×幅0.5~4㎝、切刻状の歯状~歯状~全縁。花序は密錐花序(thyrsoid)~総状花序、対生する腋生の集散花序に花が2~20個つき、輪散花序を形成し、小苞をもつ。小苞は線形~披針形~錐形、長さ5~30㎜×幅1.5~3㎜。咢は筒状鐘形又は広漏斗形、長さ12~40㎜。咢片は等長~ほぼ等長、ときに基部が広く、急に狭くなり、先に短い刺があり、まれに鉤状になる。花冠は長さ10~40㎜、淡レモンイエロー~白色~クリーム色~帯ピンク色赤色~暗紫色、強く2唇形。後側の唇はフード状(しばしば不快凹面でドーム形)、毛があり、長さ10~18㎜。下唇は唇状3裂片又は三角状心形、白色~帯クリーム色~橙黄色~バフオレンジ色~ピンク色~赤色~紫色、中裂片は倒心形~卵状心形~卵状楕円形~長楕円形、側裂片は長楕円形~卵状円形~円状楕円形~卵状楕円形~倒心形。花冠筒部は円筒形でときにのど部に毛がある。雄しべは4個、上側の花糸は縦に、長毛縁がある。下側の花糸には鱗片があり、基部に歯状の毛の環をもつ。柱頭は裂片が等長。小堅果は切形又は類切形、ほとんど先に毛があり、長さ3~6㎜×幅1~5㎜。x=11。
世界に174種あり、ヨーロッパ東南部~アジアに広く分布する。日本には自生はない。英語の通称名はフロミス属の種と同様にJerusalem sage , Lampwick plantと呼ばれる。
朝鮮、中国(吉林省の長白山)原産。中国名は长白糙苏 chang bai cao su 。英名は Korean Jerusalem sage。標高2200mの高山草原に生える。
茎は高さ約44cm、±円柱形、節に細かい後屈する細柔毛がある。根生葉は葉柄が長さ8~11.5㎝、茎葉の葉柄は長さ約2.5㎝。根生葉身は広卵形で、約・長さ14㎝×幅12㎝、上面はしわがあり(corrugate)、まばらに伏剛毛(strigose)がある、下面には脈に密に星状毛と細かい細柔毛があり、基部は深い心形、縁は円鋸歯状、先は鈍形または鋭形。茎葉はの葉身が心形、長さ5.5~8㎝×幅約5㎝、縁は円鋸歯状。花序は約8個。花葉は短柄~ほぼ無柄、卵形~披針形、長さ2.5~4.5㎝×幅0.7~2.7㎝、基部は浅い心形~広楔形、縁は不規則な歯状円鋸歯または浅い鋸歯があり、先は鈍形~尖鋭形。苞は剛毛状、長さ0.9~1.1㎝、密に星状の微軟毛があり、縁毛がある。萼は鐘形、長さ1.1~1.2㎝、外側に密に星状の微軟毛がある。萼歯は髭があり、基部は幅広く、ほぼ切形または凹形、先端の刺は長さ2~3㎜である。花冠は赤紫色、長さ約2.2㎝、拡大部に密に軟毛があり、背の外側以外は無毛、内側に環状に絨毛がある。上唇は長さ約9㎜、深く切れ込みがあり、縁の内側に髭がある。下唇は約・長さ8㎜×幅7㎜、中央裂片は倒心形、約・長さ5㎜×幅6㎜、先は凹形。側裂片は卵形、長さ約2.5㎜。雄しべは突き出ない。花糸は絨毛があり、付属体は長く、花冠筒部の環状の絨毛の上部の基部で反り返る。小堅果は無毛。
中国原産。中国名は大叶糙苏 da ye cao su 。
茎は直立、高さ80~100㎝、まばらに小さな下向きの剛毛があり、先で分枝する。下部の葉柄は長さ7~9㎝、他は長さ2~3㎝。根生葉の葉身は卵形、長さ9~15㎝×幅8~10㎝、上面にはまばらに剛毛があり、下面にはまばらに星状軟毛があり、基部は浅い心形、縁は鋸歯状又は歯状、先は尖鋭形。上部の茎葉はかなり小さい。輪散花序は多数の花がつき、間隔が離れる。花序柄は長さ1~2㎜。基部の花序の葉(苞)は類無柄、輪散花序より、長く、卵状披針形。上部の花序の葉は長さ2~3㎝×幅1~2㎝、全縁又は歯状、ときに、輪散花序と同長。苞は披針形、長さ9~10㎜、縁毛がある。萼は筒形、先がわずかに伸び、長さ8~10㎜、脈上の剛毛は外側に開出する。萼歯は切形、内側の先の房を除いて微軟毛があり、先は刺状。花冠は帯赤色、長さ約2㎝。花冠筒部は先の後ろの外側の白色の軟毛を除いて無毛、内側に環状に絨毛がある。上唇は長さ約9㎜、縁は不規則な小歯があり、内側に密に長毛があり、外側には密に羊毛状の毛と星状綿毛があり、毛には長い中心の刺(arm)がある。下唇は約長さ5㎜×幅7㎜、外側に軟毛があり、中裂片と側裂片は卵形。雄しべは突き出ず、花糸は先に絨毛があり、後ろ側の花糸は付属体が不明瞭にひろがり、環の上の基部に短い距がある。子房は裂片の先に短毛がある、花期は7~8月。
中国(甘粛省、河北省、内モンゴル語、陝西省、山西省)原産。中国名は串铃草 chuan ling cao。標高800~2200mの芝生の斜面に生える。
主根は木質で太く、側根は球形~紡錘形。茎は高さ15~70cm、少数の分岐があり、軟毛があるか広がる剛毛がある。節は密に剛毛がある。葉柄は長さ1~6cm。基部の葉身は三角形、長さ4~13.5㎝×幅2.7~7㎝、上面は星状剛毛と単毛またはまばらに剛毛があるかほぼ無毛、下面は±細柔毛があるか房状の伏剛毛があり、まれに剛毛があり、基部は心形、縁は円鋸歯状、先は鈍形、茎葉は似ているがより小さい。輪散花序は多数花がつき、数が多く、離れる。花葉は葉柄が長さ6~11㎜あり、葉身は三角形~卵状披針形、上部で次第に托葉より短くなる。苞は線状錐形、萼と同長、硬く、広がる縁毛があり、刺がある。萼は筒状、約・長さ14㎜×幅6㎜、剛毛のある脈を除き外側に粉状の微軟毛がある。萼歯は円形、長さ約1.2㎜、縁には細柔毛があり、先は凹形、2.5~3㎜mの刺がある。花冠は紫色、長さ約2.2cm、花冠筒部は中央より上部に星状の軟毛があり、基部の外側は無毛、内側は絨毛が環状にある。上唇は長さ約1㎝、内側は星状の髭があり、縁は縁飾りがある。下唇は約・長さ1㎝×幅1㎝、中央裂片が最も大きく、円状倒卵形、約・長さ6㎜×幅7㎜、先は凹形、側裂片は卵形、縁は不規則に小歯がある。雄しべは突き出ず、毛がある。後側の花糸は付属体が反り返り、短い距がある。小堅果の先には毛がある。開花期は5~9月。果期は7~10月。
中国(黒龍江省、内モンゴル、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、イラン、トルコ、ヨーロッパ東南部原産。中国名は块根糙苏 kuai gen cao su。標高1200~2100mの湿地、谷間に生える。
根は肥大し、塊茎がある。茎は直立し、高さ40~150㎝、上向きは準無毛、基部にまばらに軟毛があり、ときに赤紫色。根生葉の葉柄は長さ4~25㎝、その他は長さ1.5~3.5㎝。根生葉は葉身が三角形、長さ5.5~19㎝× 幅5~13㎝、基部は深い心形、縁は粗い鋸歯状、先は鈍形~鋭形。茎中央部の葉身は三角状披針形、長さ5~9.5㎝×幅2.2~6㎝、上面はまばらに剛毛があるかほぼ無毛、下面には無毛または葉脈のみにまばらに剛毛があり、基部は心形、縁は粗い歯状、まれに波打つ。輪散花序は約3~10個、広く間隔が開き、多数の花がつく。花葉は短い葉柄があるか~無柄、披針形、上方では小さくなり、輪散花序よりわずかに長くなり、縁は歯状。苞は線状錐形、長さ約1cm、縁毛がある。萼は筒状鐘形、長さ8~10㎜、萼歯の近くにはまばらに剛毛があるが、外側は他は無毛。萼歯は半円形、長さ0.5~0.7㎜、先は凹形、刺は長さ1.8~2.5㎜。花冠は赤紫色、長さ1.2~2㎝、花冠筒部は無毛。拡大部は外側に密に星状の綿毛があり、内側に絨毛が輪状にある。上唇は内側に密に髭があり、縁は不規則は小歯状。下唇は卵形、約・長さ6㎜×幅5㎜、中央裂片は最も大きく、倒心形、側裂片は卵形。後側の花糸は付属体が反り返り、短い距がある。小堅果は先に星状毛がある。花期は7~9月。
品種) 'Bronze Flamingo' , 'Prima Donna' (PBR)
中国(安徽省、甘粛省、広東省、貴州省、河北省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、遼寧省、内モンゴル、陝西省、山東省、山西省、四川省、雲南省)原産。中国名は糙苏 cao su 。英名はshady Jerusalem sage。700~3200mの森林、芝生の斜面、川沿い、藪、湿った場所に生える。
根は長さ30㎝×幅1㎝・まで、側根は多肉質。茎は長さ0.5~1.5m、まばらに後ろ向きの微細剛毛があり(hispidulous)、ときに先に星状毛があり、赤紫色、よく分枝する。葉柄は長さ1~12㎝、微細な剛毛がある。葉身は円状卵形~卵状長円形、長さ5.2~12㎝×幅2.5~12㎝、細柔毛および/または星状毛があり、基部は心形~円形、縁は鋸歯状歯~不規則な円鋸歯があり、先は鋭形~尖鋭形。輪散花序は多数つき、それぞれに花が4~8個つき、花序柄がある。花葉は長さ2~3㎜の葉柄があり、葉身は長さ1~3.5㎝×幅 0.6~2㎝、縁は粗い鋸歯状。苞は赤紫色。萼片は筒形、長さ約1.5~2㎝。花冠は赤色~紫赤色まれに白色、下唇弁に赤色の斑点があり、長さ約1.7㎝、花冠筒部は長さ約1㎝、外側背部の毛以外は無毛、内側の基部の1/3に環状毛がある。上唇弁は長さ約7㎜、縁は不規則に小歯があり外側は絹毛状絨毛があり、内側は髭がある。下唇弁は約・長さ5㎜×長さ6㎜、外側の縁が無毛である以外は絹毛状絨毛が密にあり、内側は無毛、裂片は卵形~ほぼ円形、中央の裂片が最も大きい。雄しべは突き出ない。花糸は無毛で、基部に付属体はない。小堅果は無毛。花期は6~9月。果期は9月。
Phlomis fruticosa
Phlomis
Phlomis bourgaei
Phlomis
Y. Salmaki , S.Zarre & G.Heubl 2012.12.31
Phlomis
Phlomis lanata
常緑亜低木、茎は木質、高さ60~120(25~45:Flora of China)㎝、密に伏した星状の綿毛があり、枝は広がる。葉はミントの芳香も味もなく、楕円形~披針形、長さ5~10㎝。基部の茎葉の葉柄は長さ1~2.5㎝。上部の茎葉は無柄、卵形、波打ち、上面には単毛と星状の軟毛があり、下面には密に灰白色の星状の綿毛があり、基部は円状楔形、縁は浅い円鋸歯。輪散花序は茎の上半分と頂部につき、花を10~15(20)個もち、茎の先に1又は2個つく。花は長さ約3㎝。苞は長楕円状披針形~線状披針形、長さ1~1.4㎝×幅2~4㎜、花に密着し、内側にまばらに縁毛があり、外側の縁近くに星状の綿毛と密に縁毛がある。萼は長さ1.5~1.7㎝、外側に密に星状の綿毛と単純毛がある。萼歯は長さ1.5~2.5㎜、先は類切形、長さ約1.5㎜の刺をもつ。花冠は黄色(橙色)、外側に密に橙色の星状の絨毛があり、長さは萼の約2倍。上唇は下唇より短く、先近くの内側の縁に橙色の短毛がある。下唇の中裂片は広卵形、凹形。側裂片は披針形。後ろ側の花糸は基部に長い、斜めの反曲する付属体をもち、花冠筒部の内側の環毛より上に離れる。小堅果は無毛。花期は夏(5~8月)、少数咲きが秋まである。
品種) 'Butterfly' , 'Compact Grey' , 'Miss Grace' , 'Nana'
フロミス属
family Asteraceae- genus Phlomis多年草、亜低木、低木。葉は波打つ。花序の葉(苞)と茎葉は似ていて、上部で次第に小さくなる。輪散花序は腋生。花は普通、無柄。萼は筒形又は筒状鐘形、のど部は斜めにならず、脈は5、10、又は11本、萼歯は5個、等形、湾曲し、しばしば間で三角形に広がり、ときに、凹形の歯がある。花冠は黄色、紫色、又は白色、2唇形、筒部は突き出ないか又はわずかに突き出て、普通、内側に環状に絨毛ある。上唇は真っすぐ又はヘルメット形(galeate)、凹面又は折り畳むか竜骨があり、まれに狭い鎌形、全縁又は房飾り状の歯があり、綿毛又は絨毛がある。下唇は広がり、3裂し、中裂片は側裂片より幅が広い。雄しべは2強雄しべ。葯は2個が長く、花冠の上唇に斜上する。後ろの2個はしばしば基部に付属体がある。葯は対になり、2個が開出し、先に融合した細胞がある。花柱は裂片が錐形、普通、後ろ側の裂片が前側の裂片の長さの1/2以下、まれに等しいときもある。小堅果は卵形、断面が三角形、先は鈍形、まれに切形。
世界に100種以上あり、アフリカ、アジア、ヨーロッパに分布する。英名はsage , lampwick plant。
フロミス属の主な種と園芸品種
1 Phlomis bourgaei Boiss. フロミス・ボウルガエイsynonym Phlomis schwarzii P.H.Davis
トルコ原産。英名はJerusalem sage。
常緑低木、高さ150㎝以下。葉は帯緑色、腺毛があり、上面には疎に星状毛(stellate indumentum)をもち、下面には密に帯灰色又は帯白色の星状の綿毛をもつ。下部の葉は三角状卵形~長楕円状披針形、基部は心形、円鋸歯状の鋸歯縁、長さ3~16㎝×幅1.5~6㎝。葉柄は長さ5㎝以下。花序の葉は三角形~卵形~披針形、短柄があり、輪散花序の長さの2倍以下。輪散花序は1~2個、花が12~20個つく。小苞は錐形、密に長い粘る剛毛があり、長さ12~17㎜×幅0.75~1.5㎜。萼は無柄、長さ17~20㎜、密に粘る剛毛があり、萼歯は錐形、長さ3~7㎜。花冠は黄色、長さ20~30㎜。小堅果は無毛。花期は4~8月。
品種) 'Whirling Dervish'
2 Phlomis fruticosa L. エルサレム・セージ
地中海沿岸地域原産。 英名はJerusalem sage。中国名は橙花糙苏 cheng hua cao su。
常緑亜低木、茎は木質、高さ25~45(60~120)㎝、密に伏した星状の綿毛があり、枝は広がる。葉はミントの芳香も味もなく、楕円形~披針形、長さ5~10㎝。基部の茎葉の葉柄は長さ1~2.5㎝。上部の茎葉は無柄、卵形、波打ち、上面には単毛と星状の軟毛があり、下面には密に灰白色の星状の綿毛があり、基部は円状楔形、縁は浅い円鋸歯。輪散花序は茎の上半分と頂部につき、花を10~15個もち、茎の先に1又は2個つく。花は長さ約3㎝。苞は長楕円状披針形~線状披針形、長さ1~1.4㎝×幅2~4㎜、花に密着し、内側にまばらに縁毛があり、外側の縁近くに星状の綿毛と密に縁毛がある。萼は長さ1.5~1.7㎝、外側に密に星状の綿毛と単純毛がある。萼歯は長さ1.5~2.5㎜、先は類切形、長さ約1.5㎜の刺をもつ。花冠は橙色、外側に密に橙色の星状の絨毛があり、長さは萼の約2倍。上唇は下唇より短く、先近くの内側の縁に橙色の短毛がある。下唇の中裂片は広卵形、凹形。側裂片は披針形。後ろ側の花糸は基部に長い、斜めの反曲する付属体をもち、花冠筒部の内側の環毛より上に離れる。小堅果は無毛。花期は夏(5~8月)、少数咲きが秋まである。
品種) 'Butterfly' , 'Compact Grey' , 'Miss Grace' , 'Nana'
3 Phlomis grandiflora H.S.Thomps. フロミス・グランディフロラ
synonym Phlomis fimbrilligera Hub.-Mor.
トルコ、エーゲ海諸島原産。
Phlomis fruticosa に似ていて、しばしばJerusalem sageと呼ばれる。両者とも茎は木質になり、花は黄色で、若い時は区別が難しい。Phlomis fruticosaより大きく、高さ2~3m。Phlomis grandifloraの葉の上面葉緑色で、毛があるが、Phlomis fruticosaの葉は上面が灰緑色、綿毛に被われ、時間が経つと銀色になる。葉の長さがPhlomis fruticosa より長いが、葉柄は短い。輪散花序は1個、Phlomis fruticosa は1個以上になる。
品種) 'Anatolica' , 'Lloyd's Variety' , 'Lloyd's Silver' , 'Sulieman'
4 Phlomis italica L. フロミス・イタリカ
スペイン(バレアレス諸島)原産。英名はBalearic Island Sage。標高150~1400mの石灰岩の壁の基部、斜面や未耕作の牧草地、野生のオリーブや コショウボクの低木林に生える。
低木、常緑、高さ50~70(100)㎝。茎は羊毛状毛があり、有柄の星状毛で完全に覆われる。葉は葉柄は長さ1.2~2.7㎝、葉身は長さ3.1~6.1(6.7)㎝×幅1.7~2.5㎝、三角形、時には心形、楕円形、披針形、全縁または若干の鋸歯があり、上面は光沢の無い灰緑色、凹んだ網状の静脈と灰緑色の毛があり、下面には肥厚した中脈と側脈、と白灰色の毛がある。花序は2または3個の離れた仮輪からなり、各仮輪に4~8個の花がつき、ときに下部で分枝する。苞は葉に似ているが、より小さく、葉柄が短く、通常は長さ1㎝未満。小苞は長さ8~10㎜、幅2㎜まで、狭い披針形または線形。萼は長さ10~14 mm、羊毛状毛があり、長さ1.2㎜以下の萼歯が5個あり、均等、ほぼ半円形、時には目立たず、萼は貝殻状で密に縁毛があるように見える。花冠は淡いピンク色~ライラック色。花冠筒部は長さ約9㎜、無毛。上唇は長さ10~12㎜、凸面形、ヘルメット形、外側には羊毛状毛があり、密に縁毛がある。下唇は長さ約10㎜、外側が凸面形、丸い端と2個の切形の側裂片があり、内側の端に小さな付属体がある。雄しべが突き出て下側に曲がる。2n=20。花期は(4)5~7(8)月。
品種) 'Pink Glory'
5 Phlomis lanata Willd. フロミス・ラナータ
クレタ島原産。英名はwoolly Jerusalem sage , small Jerusalem sage。
小型の常緑低木。高さ30~55㎝、腺はなく、密に星状の綿毛がある。葉は葉柄は長さ1㎝以下、下部の葉身は灰緑色、長さ1.5~2.8㎝、広楕円形~長円形または倒卵形~ほぼ円形、基部は楔形~円形、縁には鋸歯があり、革質、両面に星状毛がある。花葉はほぼ無柄、ほぼ円形、鈍形。輪散花序は2~10個の花がつく。小苞は長さ6~10㎜×幅3~5.5㎜、広楕円形~倒針形または倒卵形、微突形、先端は真っすぐ、星状毛がある。萼は長さ10~12㎜、星状の綿毛がある。萼歯は長さ0.5~1mm、刺状。花は長さ約2㎝、直径2~2.3㎝、レモンイエロー色~濃黄色。小堅果には軟毛がある。花期は通年。
品種) 'Pygmy'
6 Phlomis leucophracta P.H.Davis & Hub.-Mor. フロミス・レウコフラクタ
トルコ原産。
常緑低木。高さ50~180㎝、全体に白色の毛があり、古くなると淡褐色を帯びる。葉柄は長さ2~4.6㎝。葉は三角状卵形、長さ(1.6)5~12㎝×幅(0.6)2~5㎝、基部は心形、先は鋭形、上面は灰緑色、縁が小さく内曲し、白毛の縁取り状に見える。下面は毛が密にあり、帯白色。小苞は線形、先が尖鋭形、長さ10~26㎜。萼は狭い鐘形、長さ(15)20~30㎜。萼歯は腺形、長さ5~14㎜。輪散花序は花が密につき半球形になる。花冠は黄色~橙黄色、長さ(20)30~38㎜。花期は3~5月。
品種) 'Golden Janissary' , 'Silver Janissary'
7 Phlomis lychnitis L. フロミス・リチニティス
synonym Phlomis clusii Bubani
フランス、モロッコ、ポルトガル、スペイン原産。英名はlampwickplant。ドイツに帰化している。標高20~2000mの低木地帯や荒地に生える。
落葉亜低木、高さ14.5~70㎝で、ときに匍匐茎がある。茎は直立し、ときにアーチ状になり、4稜形、不稔の枝は端に葉があり、密に毛があり、特に低くなる。葉は長さ3~14㎝×0.5~1.4㎝、披針形、茎葉はやや長めである。上部で次第に苞になり、上面は粗く、暗緑色になり、星状毛があり、ときに毛は長い枝を持ち、毛は帯白色、脈が目立ち、若い毛は羊毛状、基部は漸尖して葉柄があり、対生の葉と結合し、茎葉は無柄。花序はそれぞれ6個の花を持つ4~6個の仮輪からなり、仮輪は頂部で互いに接近している。苞は長さ1.1~5.3(5.9)㎝×幅1.2~2.6(3)㎝、無柄、2個の対生の苞が杯形になり、広卵形、下部の苞は長く尖り、上部の苞は卵形で鋭形、上部の表面は平滑、広い部分には脈があり、不規則な網目になり、縁にはもつれた毛がある。小苞は長さ10~15㎜、萼ごとに2~3個つき、線形、長い羽状毛があり、毛は長さ約4㎜。萼は長さ13~14㎜、萼歯は長さ3.5~4㎜。花冠は長さ2~3㎝、レモンイエロー色~明るい黄色、無毛の花冠筒部は萼の中に含まれる。唇は長さ13~16㎜、上部はヘルメット形、外側は星状毛で覆われ、縁毛がある。下唇は中央に凸状の裂片があり、ときに長くなり、側裂片は長さ2~3.5㎜、三角形、それらの間にはほぼ水平な開口部がある。雄しべは一般に、上側の裂片の湾曲に沿って上側の裂片内で反り返る。葯は半葯が溶着して、花糸の方向に整列しているため、単一のもののように見え、側方に裂開する。花柱は反り返る。小堅果は長さ4~6㎜×幅2~4㎜、卵形、ほぼ三角形、褐色。 2n=20。花期は6~8月。
品種) 'Lemon and Gold'
8 Phlomis purpurea L. パープル・エルサレム・セージ
ポルトガル、スペイン、アルジェリア、モロッコ原産。英名はDusky Pink Flowered , Purple Phlomis , urple Jerusalem Sage。標高20~1000mのあらゆる種類の基質(石灰岩を好む)の岩場や石の多い場所に生える。
低木 高さ50~80(150)㎝。茎は羊毛状毛があり、帯灰色、ときに黄色を帯び、直立し、下部には葉が多く、星状毛で覆われる。葉は長さ4.6~11㎝×幅1.2~3.4cm、葉身は長さ2.3~7.8cm、広披針形、披針形または三角形、基部は心形、ときに基部で幅が最大になり、先は鋭形、縁は円鋸歯状、若い葉は上面に密に帯白色の粗い毛があり、下面には密な羊毛状の毛がある。葉柄は長さ1.2~2.7㎝。 花序は密な(1)2~5個の輪散花序からなり、輪散花序は離れ、通常各輪散花序に花が8個つく。苞は長さ4.8~8.2(8.7)㎝×幅1.4~2.5㎝、披針形~楕円形、通常短い葉柄がある。ときに2個の小さな花序がつく。小苞は長さ10~18㎜×幅3~4.5(5)㎜、披針形~楕円形、鋭形、微突形、しっかりと花を囲む。萼は長さ11~13㎜、萼歯は5個、長さ2.5~6㎜、三角形~ほぼ刺状、帯黒色の微突があり、基部は非常に毛がある。花冠は多少派手なピンク色。花冠筒部は長さ9~12㎜、直径約1.5㎜、狭く、無毛。上唇は長さ12~13㎜、下側は凹面形、外側に毛があり、縁毛で終わる。下唇は長さ12~13.5㎜、上側は凸面形、側部に長さ約2㎜の付属体がある。雄しべは花冠筒部から突き出し、上唇に含まれている。葯は背着。小堅果は長さ3.5~6.5㎜×幅1~2.5㎜、±ほぼ三角形、帯黒色。2n=20。花期は夏~秋。
品種) 'Alba' , 'Compact' , 'Green Leaf'
9 Phlomis russeliana (Sims) Lag. ex Benth. フロミス・ルッセリアナ
アジア南西部(トルコ、シリア)原産。turkish sage , Jerusalem sage
多年草、高さ90㎝以下。根生葉は無毛、手触りが粗く、香りがあり、広卵形、灰緑色、長さ15~20㎝、基部は心形。輪散花序は間隔が開き、基部の葉の上に伸び、高さ60~90㎝になる。花は淡黄色のフードのある2唇形。花期は7~9月。種子は秋~冬に落ちる。
品種) 'Dappled Shade' (v) , 'Mosaic' (v)
10 Phlomis samia L. フロミス・サミア
ギリシャ、ユーゴスラビア、トルコ原産。
多年草、半常緑~落葉性、地下茎で広がり、高さ90~120㎝。葉は卵形、基部は心形、灰緑色、綿毛がある。輪散花序は多段につき、間隔が開き、多数の花をつける。花はフードがある2唇形、ライラック色~ラベンダー色にローズピンク色を帯びる。萼は褐色~紫色。苞の先は刺状。花期は6~9月。
品種) 'Green Cap' , 'Green Glory'
11 その他ハイブリッド
品種) 'Edward Bowles'= 'Grande Verde'(P. russeliana x P. fruticosa) , 'Elliot's Variety' , 'Le Chat' , 'Marina' , 'Nova' , 'Sunningdale Gold' , 'Toob' , 'Tramuntana'
オオキセワタ属(フロモイデス属)への移動
最近、エレモスタキス属(Eremostachys Bunge)のメンバーとフロミス属(Phlomis L)の Paraeremostachys及びいくつかの単一種属又はoligotypie属をフロモイデス属に含められた(Salmaki & al., 2012)。それらは芳香がなく又は弱く、高山、亜高山植物であり、砂漠を好む少数の種を含む。新しいフロモイデス属には約150~170種を含む。分布域はヨーロッパ中部~極東のロシアまで広がる。フロモイデス属の主な中心は中央アジア(59種;Czerepanov2007)、イラン高地(41種、アフガニスタン、イラン、西パキスタン、南西トルクメニスタン、北東イラクを含む)、雲南省や四川省のホットスポット(22種 Wu & Li, 1982)をもつ中国(約42種)である。少数がヨーロッパの地中海地域に広がっている。フロモイデス属は1794年にMoenchによって、Phlomis tuberosa Lの単一種の属として作られた。中国に分布する42種は中国産のEremostachysの2種とともにフロモイデス属 Phlomoidesに移動すべきだとされ[Adylov, Kamelin, and Makhmedov(Novosti Sist. Vyssh. Rast. 23: 110-114, 1986)and Vvedensky(Conspect. Fl. As. Med. 9: 74-113, 1987)]、オオキセワタ属(フロモイデス属)に移動された。オオキセワタ属(フロモイデス属)
family Lamiaceae - sub family Lamioideae - tribe Phlomideae- genus Phlomoides多年草、普通、木質の根茎と(又は)塊根をもつ。茎は直立し、1本又は分枝し、高さ20~120㎝。根生葉は長楕円形~頂楕円状円形~心形、長さ 7~15 (25)㎝x幅3~15 (20)㎝、不分裂又は不規則に切れ込み~羽状全裂、歯状の縁をもち、裂片は4~7対。茎葉は無柄又は有柄、長楕円形~卵状円形~長楕円状披針形、長さ2~15㎝×幅1~10㎝、不分裂又は分裂、1~5対、縁は切刻状の歯状~歯状~円鋸歯~重円鋸歯。花序の葉は無柄、楕円形~長楕円状披針形~卵状楕円形、長さ1.5~8㎝×幅0.5~4㎝、切刻状の歯状~歯状~全縁。花序は密錐花序(thyrsoid)~総状花序、対生する腋生の集散花序に花が2~20個つき、輪散花序を形成し、小苞をもつ。小苞は線形~披針形~錐形、長さ5~30㎜×幅1.5~3㎜。咢は筒状鐘形又は広漏斗形、長さ12~40㎜。咢片は等長~ほぼ等長、ときに基部が広く、急に狭くなり、先に短い刺があり、まれに鉤状になる。花冠は長さ10~40㎜、淡レモンイエロー~白色~クリーム色~帯ピンク色赤色~暗紫色、強く2唇形。後側の唇はフード状(しばしば不快凹面でドーム形)、毛があり、長さ10~18㎜。下唇は唇状3裂片又は三角状心形、白色~帯クリーム色~橙黄色~バフオレンジ色~ピンク色~赤色~紫色、中裂片は倒心形~卵状心形~卵状楕円形~長楕円形、側裂片は長楕円形~卵状円形~円状楕円形~卵状楕円形~倒心形。花冠筒部は円筒形でときにのど部に毛がある。雄しべは4個、上側の花糸は縦に、長毛縁がある。下側の花糸には鱗片があり、基部に歯状の毛の環をもつ。柱頭は裂片が等長。小堅果は切形又は類切形、ほとんど先に毛があり、長さ3~6㎜×幅1~5㎜。x=11。
世界に174種あり、ヨーロッパ東南部~アジアに広く分布する。日本には自生はない。英語の通称名はフロミス属の種と同様にJerusalem sage , Lampwick plantと呼ばれる。
オオキセワタ属(フロモイデス属)の主な種と園芸品種
1 Phlomoides koraiensis (Nakai) Kamelin & Makhm. ミヤマキセワタ 深山着せ綿
synonym Phlomis koraiensis Nakai朝鮮、中国(吉林省の長白山)原産。中国名は长白糙苏 chang bai cao su 。英名は Korean Jerusalem sage。標高2200mの高山草原に生える。
茎は高さ約44cm、±円柱形、節に細かい後屈する細柔毛がある。根生葉は葉柄が長さ8~11.5㎝、茎葉の葉柄は長さ約2.5㎝。根生葉身は広卵形で、約・長さ14㎝×幅12㎝、上面はしわがあり(corrugate)、まばらに伏剛毛(strigose)がある、下面には脈に密に星状毛と細かい細柔毛があり、基部は深い心形、縁は円鋸歯状、先は鈍形または鋭形。茎葉はの葉身が心形、長さ5.5~8㎝×幅約5㎝、縁は円鋸歯状。花序は約8個。花葉は短柄~ほぼ無柄、卵形~披針形、長さ2.5~4.5㎝×幅0.7~2.7㎝、基部は浅い心形~広楔形、縁は不規則な歯状円鋸歯または浅い鋸歯があり、先は鈍形~尖鋭形。苞は剛毛状、長さ0.9~1.1㎝、密に星状の微軟毛があり、縁毛がある。萼は鐘形、長さ1.1~1.2㎝、外側に密に星状の微軟毛がある。萼歯は髭があり、基部は幅広く、ほぼ切形または凹形、先端の刺は長さ2~3㎜である。花冠は赤紫色、長さ約2.2㎝、拡大部に密に軟毛があり、背の外側以外は無毛、内側に環状に絨毛がある。上唇は長さ約9㎜、深く切れ込みがあり、縁の内側に髭がある。下唇は約・長さ8㎜×幅7㎜、中央裂片は倒心形、約・長さ5㎜×幅6㎜、先は凹形。側裂片は卵形、長さ約2.5㎜。雄しべは突き出ない。花糸は絨毛があり、付属体は長く、花冠筒部の環状の絨毛の上部の基部で反り返る。小堅果は無毛。
2 Phlomoides maximowiczii (Regel) Kamelin Makhm. オオキセワタ 大着せ綿
synonym Phlomis maximowiczii Regel中国原産。中国名は大叶糙苏 da ye cao su 。
茎は直立、高さ80~100㎝、まばらに小さな下向きの剛毛があり、先で分枝する。下部の葉柄は長さ7~9㎝、他は長さ2~3㎝。根生葉の葉身は卵形、長さ9~15㎝×幅8~10㎝、上面にはまばらに剛毛があり、下面にはまばらに星状軟毛があり、基部は浅い心形、縁は鋸歯状又は歯状、先は尖鋭形。上部の茎葉はかなり小さい。輪散花序は多数の花がつき、間隔が離れる。花序柄は長さ1~2㎜。基部の花序の葉(苞)は類無柄、輪散花序より、長く、卵状披針形。上部の花序の葉は長さ2~3㎝×幅1~2㎝、全縁又は歯状、ときに、輪散花序と同長。苞は披針形、長さ9~10㎜、縁毛がある。萼は筒形、先がわずかに伸び、長さ8~10㎜、脈上の剛毛は外側に開出する。萼歯は切形、内側の先の房を除いて微軟毛があり、先は刺状。花冠は帯赤色、長さ約2㎝。花冠筒部は先の後ろの外側の白色の軟毛を除いて無毛、内側に環状に絨毛がある。上唇は長さ約9㎜、縁は不規則な小歯があり、内側に密に長毛があり、外側には密に羊毛状の毛と星状綿毛があり、毛には長い中心の刺(arm)がある。下唇は約長さ5㎜×幅7㎜、外側に軟毛があり、中裂片と側裂片は卵形。雄しべは突き出ず、花糸は先に絨毛があり、後ろ側の花糸は付属体が不明瞭にひろがり、環の上の基部に短い距がある。子房は裂片の先に短毛がある、花期は7~8月。
3 Phlomoides mongolica (Turcz.) Kamelin & A.L.Budantzev アラゲキセワタ 粗毛着せ綿
synonym Phlomis mongolica Turcz.中国(甘粛省、河北省、内モンゴル語、陝西省、山西省)原産。中国名は串铃草 chuan ling cao。標高800~2200mの芝生の斜面に生える。
主根は木質で太く、側根は球形~紡錘形。茎は高さ15~70cm、少数の分岐があり、軟毛があるか広がる剛毛がある。節は密に剛毛がある。葉柄は長さ1~6cm。基部の葉身は三角形、長さ4~13.5㎝×幅2.7~7㎝、上面は星状剛毛と単毛またはまばらに剛毛があるかほぼ無毛、下面は±細柔毛があるか房状の伏剛毛があり、まれに剛毛があり、基部は心形、縁は円鋸歯状、先は鈍形、茎葉は似ているがより小さい。輪散花序は多数花がつき、数が多く、離れる。花葉は葉柄が長さ6~11㎜あり、葉身は三角形~卵状披針形、上部で次第に托葉より短くなる。苞は線状錐形、萼と同長、硬く、広がる縁毛があり、刺がある。萼は筒状、約・長さ14㎜×幅6㎜、剛毛のある脈を除き外側に粉状の微軟毛がある。萼歯は円形、長さ約1.2㎜、縁には細柔毛があり、先は凹形、2.5~3㎜mの刺がある。花冠は紫色、長さ約2.2cm、花冠筒部は中央より上部に星状の軟毛があり、基部の外側は無毛、内側は絨毛が環状にある。上唇は長さ約1㎝、内側は星状の髭があり、縁は縁飾りがある。下唇は約・長さ1㎝×幅1㎝、中央裂片が最も大きく、円状倒卵形、約・長さ6㎜×幅7㎜、先は凹形、側裂片は卵形、縁は不規則に小歯がある。雄しべは突き出ず、毛がある。後側の花糸は付属体が反り返り、短い距がある。小堅果の先には毛がある。開花期は5~9月。果期は7~10月。
4 Phlomoides tuberosa (L.) Moench タマキセワタ 玉着せ綿
synonym Phlomis tuberosa L.中国(黒龍江省、内モンゴル、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、イラン、トルコ、ヨーロッパ東南部原産。中国名は块根糙苏 kuai gen cao su。標高1200~2100mの湿地、谷間に生える。
根は肥大し、塊茎がある。茎は直立し、高さ40~150㎝、上向きは準無毛、基部にまばらに軟毛があり、ときに赤紫色。根生葉の葉柄は長さ4~25㎝、その他は長さ1.5~3.5㎝。根生葉は葉身が三角形、長さ5.5~19㎝× 幅5~13㎝、基部は深い心形、縁は粗い鋸歯状、先は鈍形~鋭形。茎中央部の葉身は三角状披針形、長さ5~9.5㎝×幅2.2~6㎝、上面はまばらに剛毛があるかほぼ無毛、下面には無毛または葉脈のみにまばらに剛毛があり、基部は心形、縁は粗い歯状、まれに波打つ。輪散花序は約3~10個、広く間隔が開き、多数の花がつく。花葉は短い葉柄があるか~無柄、披針形、上方では小さくなり、輪散花序よりわずかに長くなり、縁は歯状。苞は線状錐形、長さ約1cm、縁毛がある。萼は筒状鐘形、長さ8~10㎜、萼歯の近くにはまばらに剛毛があるが、外側は他は無毛。萼歯は半円形、長さ0.5~0.7㎜、先は凹形、刺は長さ1.8~2.5㎜。花冠は赤紫色、長さ1.2~2㎝、花冠筒部は無毛。拡大部は外側に密に星状の綿毛があり、内側に絨毛が輪状にある。上唇は内側に密に髭があり、縁は不規則は小歯状。下唇は卵形、約・長さ6㎜×幅5㎜、中央裂片は最も大きく、倒心形、側裂片は卵形。後側の花糸は付属体が反り返り、短い距がある。小堅果は先に星状毛がある。花期は7~9月。
品種) 'Bronze Flamingo' , 'Prima Donna' (PBR)
5 Phlomoides umbrosa (Turcz.) Kamelin & Makhm. ヒカゲキセワタ 日陰着せ綿
synonym Phlomis umbrosa Turcz.中国(安徽省、甘粛省、広東省、貴州省、河北省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、遼寧省、内モンゴル、陝西省、山東省、山西省、四川省、雲南省)原産。中国名は糙苏 cao su 。英名はshady Jerusalem sage。700~3200mの森林、芝生の斜面、川沿い、藪、湿った場所に生える。
根は長さ30㎝×幅1㎝・まで、側根は多肉質。茎は長さ0.5~1.5m、まばらに後ろ向きの微細剛毛があり(hispidulous)、ときに先に星状毛があり、赤紫色、よく分枝する。葉柄は長さ1~12㎝、微細な剛毛がある。葉身は円状卵形~卵状長円形、長さ5.2~12㎝×幅2.5~12㎝、細柔毛および/または星状毛があり、基部は心形~円形、縁は鋸歯状歯~不規則な円鋸歯があり、先は鋭形~尖鋭形。輪散花序は多数つき、それぞれに花が4~8個つき、花序柄がある。花葉は長さ2~3㎜の葉柄があり、葉身は長さ1~3.5㎝×幅 0.6~2㎝、縁は粗い鋸歯状。苞は赤紫色。萼片は筒形、長さ約1.5~2㎝。花冠は赤色~紫赤色まれに白色、下唇弁に赤色の斑点があり、長さ約1.7㎝、花冠筒部は長さ約1㎝、外側背部の毛以外は無毛、内側の基部の1/3に環状毛がある。上唇弁は長さ約7㎜、縁は不規則に小歯があり外側は絹毛状絨毛があり、内側は髭がある。下唇弁は約・長さ5㎜×長さ6㎜、外側の縁が無毛である以外は絹毛状絨毛が密にあり、内側は無毛、裂片は卵形~ほぼ円形、中央の裂片が最も大きい。雄しべは突き出ない。花糸は無毛で、基部に付属体はない。小堅果は無毛。花期は6~9月。果期は9月。
参考
1) Phlomis fruticosa - Plant Finder - Missouri Botanical GardenPhlomis fruticosa
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=b726
2) GRINPhlomis
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=9261
3) Turkiyebitkileri.com - Phlomis bourgaeiPhlomis bourgaei
https://www.turkiyebitkileri.com/en/photo-gallery/view-album/3927.html
4)Flora of ChinaPhlomis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=125058
5) THE GENUS PHLOMOIDES MOENCH Y. Salmaki , S.Zarre & G.Heubl 2012.12.31
http://ijb.areeo.ac.ir/article_101424_be4f3faf7f26b51dc48938ec96a581bc.pdf
6) Flora IbericaPhlomis
http://www.floraiberica.es/floraiberica/texto/pdfs/12_140_07_Phlomis.pdf
7) Flora CretaPhlomis lanata
https://www-cretanflora-com.translate.goog/phlomis_lanata.html?_x_tr_sch=http&_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc
8) Türkiye Ormancılık Dergisi 2016, 17(2): 85-93
he morphological and distribution areas characteristics of native Phlomis L. (Lamiaceae) taxa in the Lakes district, Turkey
https://pdfs.semanticscholar.org/5ae6/1e2d2ae2dd1b26f38813cf49ceed94e56981.pdf