イズセンリョウ 伊豆千両
Flora of Mikawa
サクラソウ科 Primulaceae イズセンリョウ属
別 名 | ウバガネモチ |
中国名 | 杜茎山 du jing shan |
学 名 | Maesa japonica (Thunb.) Moritzi ex Zollinger. |
花 期 | 4~5月 |
高 さ | 1~1.5m |
生活型 | 常緑小低木 |
生育場所 | 山地の常緑樹林内 |
分 布 | 在来種 本州(茨城県以西)、四国、九州、沖縄、中国、台湾、ベトナム |
撮 影 | 田原市(花) 13.4.17 田原市(実) 13.12.25 |
和名の由来は伊豆半島の伊豆神社に多く、赤い実のセンリョウに似ていることから。新分類(APG)ではヤブコウジ科はサクラソウ科へ含められた。
幹は紫褐色、皮目がある。若枝は緑色。葉は互生し、長さ5~15㎝、幅2~5㎝の長楕円形、縁に不明瞭な波状鋸歯があり、先が尖る。表面は光沢があり、主脈が葉裏に盛り上がる。葉裏には小さな腺点がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。雌雄別株。葉脇に小さな黄白色の花を5~10個かたまってつける。花冠は長さ約5㎜の筒状で、先が浅く5裂する。雄しべ5個。雌しべ1個。果実は直径約5㎜の液果、白色に熟す。種子は長さ0.5~1㎜、黒色、角のある不定形。
低木、まれに小高木。葉は全縁、鋸歯縁、又は縁に歯があり、普通、細点がある。花序は総状花序、しばしば円錐花序になる。苞は小さい。小苞は2個、普通、萼の基部につく。花は5数性、両性又は 雌雄混株。萼は漏斗形、子房につく。萼片は敷石状。花冠は白色~帯黄色、鐘形、しばしば、点状の線(punctate-lineate)がある。雄しべは離生、突き出さない。子房は半下位又は下位、雄葉根では不稔。胚珠は多数、球形の分離下中央の胎座につく。花柱は雄しべの長さと同長又は長い。柱頭は全縁又は3~5裂。果実は球形又は卵形の液果又は核果、痂状(crustose)の内果皮をもち、先は宿存する萼に±被われ、しばしば縦の橙色の 点状の線がある。種子は小さく、多数、角(かど) があり、中空の胎座に埋め込まれる。
世界に約200種があり、主に旧世界の熱帯に分布する。
常緑小低木、高さ1~1.5m。幹は紫褐色、皮目がある。若枝は緑色。葉は互生し、長さ5~15㎝、幅2~5㎝の長楕円形、縁に不明瞭な波状鋸歯があり、先が尖る。表面は光沢があり、主脈が葉裏に盛り上がる。葉裏には小さな腺点がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。雌雄別株。葉脇に小さな黄白色の花を5~10個かたまってつける。花冠は長さ約5㎜の筒状で、先が浅く5裂する。雄しべ5個。雌しべ1個。果実は直径約5㎜の液果、白色に熟す。種子は長さ0.5~1㎜、黒色、角のある不定形。花期は4~5月。
2 Maesa lanyuensis Yuen P.Yang
台湾原産。中国名は兰屿山桂花 lanyu shan gui hua。蘭嶼山桂花。蘭嶼島、ルタオ島の道端、林縁に生える。
低木、直立し、高さ2.5mまで。茎は無毛。葉は紙質またはほぼ革質、倒卵形~楕円形、長さ5~12㎝×幅3.2~6㎝、先は円形~鈍形または鋭形~尖鋭形、基部は鋭形~鈍形~ほぼ円形、縁は鋸歯状、両面とも無毛、側脈は6~9対、網状脈の縦が上部でやや明瞭。葉柄は長さ1.2~2㎝、無毛。花序は円錐花序、枝は多数または少数で、無毛。小苞は三角形、卵形~円状卵形、全縁。花は白色。萼片は円状卵形、無毛、全縁。花冠は鐘形、花冠裂片は卵形、長さ約2㎜、細点の線があり、無毛、全縁、先は鈍形。小花柄は長さ1.3~1.7mm、無毛。果実は卵形。
3 Maesa montana A.DC.
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、四川省、台湾、西蔵、雲南省)、アッサム、ミャンマー、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム原産。中国名は金珠柳 jin zhu liu。標高400~2800mの混交林、丘陵地に生える。
低木または高木、高さ2~3(~10)m。小枝は円柱形、白色の軟毛および綿毛があり、無毛。髄は中実。葉柄は深い細溝があり、長さ1~1.5(~1.8)㎝。葉身は楕円形、長円形、または披針形、まれに広卵形で、長さ7~14(~23)㎝×長さ3~7(~9)㎝、膜質、基部は楔形または鈍形、縁は粗い歯状または波打ち、点状の鋸歯があり、先は鋭形または尖鋭形、側脈は中脈の両側に8~12本あり、先端は歯で終わり、無毛になるかまたは微細剛毛があり(hispidulous)、亜葉縁脈はない。花序は腋生で総状花序または円錐花序状、長さ2~7(~10)㎝、粗毛がある(hirsute)。小苞は微細、披針形または卵形。花は長さ約2㎜。小花柄は長さ1~2(~3)㎜。萼片は卵形または長円形、無毛またはときに縁毛があり、全縁、先は鈍形。花冠は白色、鐘形。花冠裂片は卵形で、花冠筒部と同じ長さかそれより長く、橙色の細点の線があり、縁は全縁または小円鋸歯状、先は鈍形または円形。雄しべは花冠の喉部に付き、花冠に含まれる。葯は円形または腎形。雌しべは花冠内に含まれる。花柱は宿存し、柱頭は微細に裂ける。果実は白色で球形または卵形、直径3~4㎜、橙色の点線がある。萼片は果実の2/3~3/4を覆う。花期は2~4月。果期は10~12月。
4 Maesa perlaria (Lour.) Merr. シマウバガネ
synonym Dartus perlarius Loureiro
中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、四川省、雲南)、台湾、ラオス、カンボジア、インドネシア、タイ、ベトナム原産。中国名は鲫鱼胆 ji yu dan。標高200~1400mのまばらな広葉樹林、低木地帯、丘陵地、湿地に生える。
低木、高さ1~3m。小枝は微細粗毛があり、腺顆粒があり、ときに無毛になり、髄は中実。葉柄は細溝があり、長さ約10㎜。葉身は楕円形~広卵形、長さ7~11(~12)㎝×幅3~5(~6)㎝、若いときは密に微細粗毛があり、基部は鋭形角、縁は上部に粗い鋸歯があり基部に向かって全縁になり、先は鋭形または尖鋭形、側脈は中脈の両側に7~9本あり、先は歯で終わり、亜葉縁脈はない。花序は腋生、円錐花序またはまれに総状花序、長さ2~4cm、微細粗毛(hirtellous)と腺顆粒がある。苞は披針形または錐形、長さ2mm未満。小苞は披針形またはほぼ卵形。花は長さ約2㎜。小花柄は長さ1.8~2㎜。萼は円盤形。萼片は広卵形、点線があり(punctate-lineate)、粗毛がある(hirsute)かまたは無毛、縁は全縁、縁毛があり、先は鈍形または鋭形。花冠は萼片の長さの約2倍で、点線があり、無毛。花冠裂片は広卵形、花冠筒部の長さと同じで、不規則に小円鋸歯がある。雄しべは花冠筒の上部半分に付く。葯は広楕円形または腎形、腺はなく、花糸より短い。雌しべは花冠に含まれる。花柱は太く円筒形で柱頭は4裂する。果実は球形、直径約3㎜、点線があり、無毛、1/4~1/3が露出し、宿存する萼片が果実の先端で合することはまれである。花期は3~4月。果期は12月~5月。
synonym Maesa montana auct. non A.DC.
synonym Maesa montana A.DC. var. formosana (Mez) T.Yamaz.
synonym Maesa tenera auct. non Mez
台湾原産。台湾では、島全体の低地から標高1500 m の森林内または林縁、道路沿いに生育する。
低木、高さ1~3m。枝は若いときは密にまたはまばらに微細粗毛と腺顆粒があり状、無毛になり、非常にまれに無毛。葉は膜質、披針形~卵形~楕円形、または倒卵形、長さ5~11㎝×幅2.7~5㎝、若いときは特に中脈に沿ってまばらに微細粗毛があり、成熟すると無毛になり、先は尖鋭形または鋭形、基部は鋭形、鈍形またはほぼ円形、縁は波打ち、小鋸歯状、または鋸歯状、側脈は6~9対ある。葉柄は長さ7~13㎜、密にまたはまばらに微細粗毛があり、無毛になる。花序は円錐花序またはまれに総状花序、腋生、長さ2~10㎝、密にまたはまばらに微細粗毛がある。小苞は錐形、披針形または卵形。花は白色。萼片は広卵形、細点が線状になり(punctate-lineate)、外側は微細粗毛があるかまたは無毛、縁は縁毛がある。花冠の裂片は広卵形または卵形、花冠筒部とほぼ同じ長さ、細点が線状になり、縁はわずかに不規則に裂けるかまたはほぼ全縁。雄しべは花冠に含まれ、葯は長円形で花糸より短い。柱頭はわずかに分裂する。果実は球形。
この変種は、以前 Walker (1959) によって M. tenera Mez のsynonymとされ、その後 Chen (1979) によって M. montana A. DC. のsynonymとされた。最近、Yamazaki (1991) はこれを変種、M. montana var. formosana (Mez) Yamazaki とみなした。中国本土で採集された M. montana および M. perlaria (Lour.) Merr. との比較により、M. perlariaに近く、M. perlariaの変種に改められた。M. perlariaは花序が大部分が円錐花序でまれに総状花序であること、葉の側脈が 6~9対であること、柱頭がわずかに裂けていることなどが特徴である。この変種の唯一の違いは、茎と葉の多毛の長さと密度である。 M. montana も本種と同様に若い茎と葉に微細な多毛があるが、花序がほとんど総状花序(まれに円錐花序)であること、葉の側脈が 8~12 対であること、柱頭が肥大して裂片状であることから、この分類群は M. perlaria の変種であることが裏付けられる。
Maesa
Maesa
Maesa
Maesa lanyuensis 蘭嶼山桂花
シマイズセンリョウとオーガス卜ノキについて(山崎敬)
幹は紫褐色、皮目がある。若枝は緑色。葉は互生し、長さ5~15㎝、幅2~5㎝の長楕円形、縁に不明瞭な波状鋸歯があり、先が尖る。表面は光沢があり、主脈が葉裏に盛り上がる。葉裏には小さな腺点がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。雌雄別株。葉脇に小さな黄白色の花を5~10個かたまってつける。花冠は長さ約5㎜の筒状で、先が浅く5裂する。雄しべ5個。雌しべ1個。果実は直径約5㎜の液果、白色に熟す。種子は長さ0.5~1㎜、黒色、角のある不定形。
イズセンリョウ属
family Primulaceae - genus Maesa低木、まれに小高木。葉は全縁、鋸歯縁、又は縁に歯があり、普通、細点がある。花序は総状花序、しばしば円錐花序になる。苞は小さい。小苞は2個、普通、萼の基部につく。花は5数性、両性又は 雌雄混株。萼は漏斗形、子房につく。萼片は敷石状。花冠は白色~帯黄色、鐘形、しばしば、点状の線(punctate-lineate)がある。雄しべは離生、突き出さない。子房は半下位又は下位、雄葉根では不稔。胚珠は多数、球形の分離下中央の胎座につく。花柱は雄しべの長さと同長又は長い。柱頭は全縁又は3~5裂。果実は球形又は卵形の液果又は核果、痂状(crustose)の内果皮をもち、先は宿存する萼に±被われ、しばしば縦の橙色の 点状の線がある。種子は小さく、多数、角(かど) があり、中空の胎座に埋め込まれる。
世界に約200種があり、主に旧世界の熱帯に分布する。
イズセンリョウ属の主な種と園芸品種
1 Maesa japonica (Thunb.) Moritzi et Zoll. イズセンリョウ 伊豆千両
synonym Maesa japonica (Thunb.) Moritzi et Zoll. f. latifolia (Miq. ex Mez) Nakai
synonym Maesa japonica (Thunb.) Moritzi et Zoll. f. elongata (Mez) Makino
日本(本州の茨城県以西、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、ベトナム原産。中国名は杜茎山 du jing shan。別名はウバガネモチ。山地の常緑樹林内に生える。常緑小低木、高さ1~1.5m。幹は紫褐色、皮目がある。若枝は緑色。葉は互生し、長さ5~15㎝、幅2~5㎝の長楕円形、縁に不明瞭な波状鋸歯があり、先が尖る。表面は光沢があり、主脈が葉裏に盛り上がる。葉裏には小さな腺点がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。雌雄別株。葉脇に小さな黄白色の花を5~10個かたまってつける。花冠は長さ約5㎜の筒状で、先が浅く5裂する。雄しべ5個。雌しべ1個。果実は直径約5㎜の液果、白色に熟す。種子は長さ0.5~1㎜、黒色、角のある不定形。花期は4~5月。
2 Maesa lanyuensis Yuen P.Yang
台湾原産。中国名は兰屿山桂花 lanyu shan gui hua。蘭嶼山桂花。蘭嶼島、ルタオ島の道端、林縁に生える。
低木、直立し、高さ2.5mまで。茎は無毛。葉は紙質またはほぼ革質、倒卵形~楕円形、長さ5~12㎝×幅3.2~6㎝、先は円形~鈍形または鋭形~尖鋭形、基部は鋭形~鈍形~ほぼ円形、縁は鋸歯状、両面とも無毛、側脈は6~9対、網状脈の縦が上部でやや明瞭。葉柄は長さ1.2~2㎝、無毛。花序は円錐花序、枝は多数または少数で、無毛。小苞は三角形、卵形~円状卵形、全縁。花は白色。萼片は円状卵形、無毛、全縁。花冠は鐘形、花冠裂片は卵形、長さ約2㎜、細点の線があり、無毛、全縁、先は鈍形。小花柄は長さ1.3~1.7mm、無毛。果実は卵形。
3 Maesa montana A.DC.
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、四川省、台湾、西蔵、雲南省)、アッサム、ミャンマー、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム原産。中国名は金珠柳 jin zhu liu。標高400~2800mの混交林、丘陵地に生える。
低木または高木、高さ2~3(~10)m。小枝は円柱形、白色の軟毛および綿毛があり、無毛。髄は中実。葉柄は深い細溝があり、長さ1~1.5(~1.8)㎝。葉身は楕円形、長円形、または披針形、まれに広卵形で、長さ7~14(~23)㎝×長さ3~7(~9)㎝、膜質、基部は楔形または鈍形、縁は粗い歯状または波打ち、点状の鋸歯があり、先は鋭形または尖鋭形、側脈は中脈の両側に8~12本あり、先端は歯で終わり、無毛になるかまたは微細剛毛があり(hispidulous)、亜葉縁脈はない。花序は腋生で総状花序または円錐花序状、長さ2~7(~10)㎝、粗毛がある(hirsute)。小苞は微細、披針形または卵形。花は長さ約2㎜。小花柄は長さ1~2(~3)㎜。萼片は卵形または長円形、無毛またはときに縁毛があり、全縁、先は鈍形。花冠は白色、鐘形。花冠裂片は卵形で、花冠筒部と同じ長さかそれより長く、橙色の細点の線があり、縁は全縁または小円鋸歯状、先は鈍形または円形。雄しべは花冠の喉部に付き、花冠に含まれる。葯は円形または腎形。雌しべは花冠内に含まれる。花柱は宿存し、柱頭は微細に裂ける。果実は白色で球形または卵形、直径3~4㎜、橙色の点線がある。萼片は果実の2/3~3/4を覆う。花期は2~4月。果期は10~12月。
4 Maesa perlaria (Lour.) Merr. シマウバガネ
synonym Dartus perlarius Loureiro
synonym Maesa perlarius (Loureiro) Merrill [flora of China]
4-1 Maesa perlaria var. perlaria中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、四川省、雲南)、台湾、ラオス、カンボジア、インドネシア、タイ、ベトナム原産。中国名は鲫鱼胆 ji yu dan。標高200~1400mのまばらな広葉樹林、低木地帯、丘陵地、湿地に生える。
低木、高さ1~3m。小枝は微細粗毛があり、腺顆粒があり、ときに無毛になり、髄は中実。葉柄は細溝があり、長さ約10㎜。葉身は楕円形~広卵形、長さ7~11(~12)㎝×幅3~5(~6)㎝、若いときは密に微細粗毛があり、基部は鋭形角、縁は上部に粗い鋸歯があり基部に向かって全縁になり、先は鋭形または尖鋭形、側脈は中脈の両側に7~9本あり、先は歯で終わり、亜葉縁脈はない。花序は腋生、円錐花序またはまれに総状花序、長さ2~4cm、微細粗毛(hirtellous)と腺顆粒がある。苞は披針形または錐形、長さ2mm未満。小苞は披針形またはほぼ卵形。花は長さ約2㎜。小花柄は長さ1.8~2㎜。萼は円盤形。萼片は広卵形、点線があり(punctate-lineate)、粗毛がある(hirsute)かまたは無毛、縁は全縁、縁毛があり、先は鈍形または鋭形。花冠は萼片の長さの約2倍で、点線があり、無毛。花冠裂片は広卵形、花冠筒部の長さと同じで、不規則に小円鋸歯がある。雄しべは花冠筒の上部半分に付く。葯は広楕円形または腎形、腺はなく、花糸より短い。雌しべは花冠に含まれる。花柱は太く円筒形で柱頭は4裂する。果実は球形、直径約3㎜、点線があり、無毛、1/4~1/3が露出し、宿存する萼片が果実の先端で合することはまれである。花期は3~4月。果期は12月~5月。
4-2 Maesa perlaria (Lour.) Merr. var. formosana (Mez) Yuen P.Yang シマイズセンリョウ 島伊豆
synonym Maesa formosana Mezsynonym Maesa montana auct. non A.DC.
synonym Maesa montana A.DC. var. formosana (Mez) T.Yamaz.
synonym Maesa tenera auct. non Mez
台湾原産。台湾では、島全体の低地から標高1500 m の森林内または林縁、道路沿いに生育する。
低木、高さ1~3m。枝は若いときは密にまたはまばらに微細粗毛と腺顆粒があり状、無毛になり、非常にまれに無毛。葉は膜質、披針形~卵形~楕円形、または倒卵形、長さ5~11㎝×幅2.7~5㎝、若いときは特に中脈に沿ってまばらに微細粗毛があり、成熟すると無毛になり、先は尖鋭形または鋭形、基部は鋭形、鈍形またはほぼ円形、縁は波打ち、小鋸歯状、または鋸歯状、側脈は6~9対ある。葉柄は長さ7~13㎜、密にまたはまばらに微細粗毛があり、無毛になる。花序は円錐花序またはまれに総状花序、腋生、長さ2~10㎝、密にまたはまばらに微細粗毛がある。小苞は錐形、披針形または卵形。花は白色。萼片は広卵形、細点が線状になり(punctate-lineate)、外側は微細粗毛があるかまたは無毛、縁は縁毛がある。花冠の裂片は広卵形または卵形、花冠筒部とほぼ同じ長さ、細点が線状になり、縁はわずかに不規則に裂けるかまたはほぼ全縁。雄しべは花冠に含まれ、葯は長円形で花糸より短い。柱頭はわずかに分裂する。果実は球形。
この変種は、以前 Walker (1959) によって M. tenera Mez のsynonymとされ、その後 Chen (1979) によって M. montana A. DC. のsynonymとされた。最近、Yamazaki (1991) はこれを変種、M. montana var. formosana (Mez) Yamazaki とみなした。中国本土で採集された M. montana および M. perlaria (Lour.) Merr. との比較により、M. perlariaに近く、M. perlariaの変種に改められた。M. perlariaは花序が大部分が円錐花序でまれに総状花序であること、葉の側脈が 6~9対であること、柱頭がわずかに裂けていることなどが特徴である。この変種の唯一の違いは、茎と葉の多毛の長さと密度である。 M. montana も本種と同様に若い茎と葉に微細な多毛があるが、花序がほとんど総状花序(まれに円錐花序)であること、葉の側脈が 8~12 対であること、柱頭が肥大して裂片状であることから、この分類群は M. perlaria の変種であることが裏付けられる。
参考
1) Flora of ChinaMaesa
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=119441
2) Plants of the World Online | Kew ScienceMaesa
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:27330-1
3) World Flora OnlineMaesa
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000022843;jsessionid=85CAB01D4C3FE584F2F263A792294CB1
4) 台灣植物資訊整合查詢系統Maesa lanyuensis 蘭嶼山桂花
https://tai2.ntu.edu.tw/species/504%20004%2005%200
Maesa perlaria formosana. 台灣山桂花
https://tai2.ntu.edu.tw/species/504%20004%2003%202
5) J. Jap. Bot. 66(1): 59. 1990シマイズセンリョウとオーガス卜ノキについて(山崎敬)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/66/1/66_66_1_8567/_pdf/-char/ja