イワセントウソウ 岩仙洞草

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Flora of Mikawa

セリ科 Apiaceae イワセントウソウ属

中国名 东亚囊瓣芹 dong ya nang ban qin
学 名 Pternopetalum tanakae (Franch. et Savat.) Hand.-Mazz.
イワセントウソウの花
イワセントウソウの茎葉
イワセントウソウの根生葉
イワセントウソウ
花 期 5~6月
高 さ 10~25㎝
生活型 多年草
生育場所 深山の日陰の湿った苔上
分 布 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国
撮 影 あてび平(長野県)  05.5.29
 山野で見られるセントウソウより全体に繊細である。
 高さ10~25cm。 根は紡錘形、 根茎は這い、しばしば節にいくつかの塊茎をもつ。 茎は1~2本、無毛、1~2分枝するかまたは非分枝。根生葉は葉柄があり、葉柄は長さ2~10cm。葉身は卵状三角形、長さ2~4cm×幅1.5~3.5cm、3出2回羽状複葉(ternate-2-pinnate)。最終裂片は扇形または披針形、長さ5~15×幅3~8mm。茎葉は1~2枚、3出1~2回羽状複葉(ternate-1–2-pinnate)または3出複葉。最終裂片は披針形または細長い線形、長さ10~25mm×幅2~3mm。複散形花序は花時に直径2~3cm、果時に7cm以下。苞は無い(たまに1個、小さい)。大散形花序の柄(ray)は5~25(~30)本、長さ1.5~3cm。小苞は1~3個、長さ0.3~2mm。小散形花序(umbellules)は花が1~2(~3)個。花柄は長さ0.2~2.5mm。萼歯は小さく、長さ約0.1mm、または無い。花弁は5個、白色、長円形、先は鋭形。柱下体(stylopodium)は低い円錐形。花柱は長さ約0.2mm、柱下体より短い。果実は長円状卵形、長さ2~2.5mm×幅1~2mm、隆条は糸状、油管(vittae)は各溝に1~2本、合成面(commissure)に2本。花期と果期は4~8月(長野県では5~6月)

イワセントウソウ属

  family Apiaceae - genus Pternopetalum

 一年草または多年草。根は直根、紡錘形。茎は直立。根生葉は葉柄があり、葉鞘は卵形。茎葉は根生葉と似るかまたは異形であり、小さいか、または無い。花序は枝分かれするかまたは枝分かれしない。枝の先に散形花序をつける。苞は普通、無い。大散形花序の柄(ray)は4~40本、不等長、花時に直立~斜上し、果時に広がり、長くなる。小苞は1~4個、線状披針形、不等長。小散形花序(umbellules)は花がごく少なく、2~3(~5)個。花柄はごく不等長。萼歯は明らかに三角形または錐形で、不等長、ときに不明瞭。花弁は白色または帯紫色、卵形または長い倒卵形、基部は漸尖し、付着部の近くで肥厚し、先は狭く、内曲し、まれに平坦。柱下体(stylopodium)は円錐形で長く先細になり、直立する長い花柱になる(普通は花柱は柱下体の長さの2倍)、または低い円錐形で急に先細になり、短い下曲する花柱になる(花柱は柱下体の長さ以下)。果実は楕円状卵形または卵形、わずかに横方向に扁平、無毛。隆条は5本、歯状、細かくザラつきまたは糸状、油管(vittae)は各溝に1~3本、合成面(commissure)に2~4本。種子は表面が平坦。分果柄(carpophore)は2深裂または2裂(2岐)。
 世界に約25種があり、東アジア、ヒマラヤ地域に分布し、中国には23種(固有19種)ある。

イワセントウソウ属の主な種と園芸品種

1 Pternopetalum tanakae (Franch. et Sav.) Hand.-Mazz. イワセントウソウ 岩仙洞草
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は东亚囊瓣芹 dong ya nang ban qin。
 高さ10~25cm。 根は紡錘形、 根茎は這い、しばしば節にいくつかの塊茎をもつ。 茎は1~2本、無毛、1~2分枝するかまたは非分枝。根生葉は葉柄があり、葉柄は長さ2~10cm。葉身は卵状三角形、長さ2~4cm×幅1.5~3.5cm、3出2回羽状複葉(ternate-2-pinnate)。最終裂片は扇形または披針形、長さ5~15×幅3~8mm。茎葉は1~2枚、3出1~2回羽状複葉(ternate-1–2-pinnate)または3出複葉。最終裂片は披針形または細長い線形、長さ10~25mm×幅2~3mm。複散形花序は花時に直径2~3cm、果時に7cm以下。苞は無い(たまに1個、小さい)。大散形花序の柄(ray)は5~25(~30)本、長さ1.5~3cm。小苞は1~3個、長さ0.3~2mm。小散形花序(umbellules)は花が1~2(~3)個。花柄は長さ0.2~2.5mm。萼歯は小さく、長さ約0.1mm、または無い。花弁は5個、白色、長円形、先は鋭形。柱下体(stylopodium)は低い円錐形。花柱は長さ約0.2mm、柱下体より短い。果実は長円状卵形、長さ2~2.5mm×幅1~2mm、隆条は糸状、油管(vittae)は各溝に1~2本、合成面(commissure)に2本。花期と果期は4~8月(長野県では5~6月)

参考

1) Flora of China
 Pternopetalum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=127435
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Pternopetalum
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:40445-1
3) World Flora Online
 Pternopetalum
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000031917