イブキボウフウ 伊吹防風
Flora of Mikawa
セリ科 Apiaceae イブキボウフウ属
学 名 | Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. japonica (H.Boissieu) T.Yamaz. synonym Seseli ugoense Koidz. |
花 期 | 8~9月 |
高 さ | 30~90cm |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地の草原 |
分 布 | 在来種 北海道、本州(近畿地方以北)、朝鮮 |
撮 影 | 霧ケ峰高原 03.8.8 |
多年草、高さ30~90cm。全草有毛で、茎はよく分枝する。葉は2~3回3出複葉、長さ5~30㎝。小葉の先は細かく切れ込み、無柄。小葉の大きさや切れ込みの深さ、先の尖り方など変化が多い。茎頂の直径約6㎝の複散形花序に、白い小さな花を密集してつける。小花序が丸くなる。総苞片、小総苞とも線形、小総苞片は5~6個、花よりかなり短い。花は5弁、花弁の先は爪状に内側に曲がる。雄しべ5個、葯は白色。萼筒にパピラ状の微軟毛があるか又はまばらに粗毛がある。萼歯は長三角形。果実は長さ2.5~3.5㎜の扁平な惰円形、パピラ状の微軟毛があるか又はまばらに粗毛がある。花期は8~9月。
ハマイブキボウフウ Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. ugoensis は海岸型であり、葉が厚く、裂片の幅が広く、先は類鋭形で微突形。
タカネイブキボウウフウLibanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz.は高山~亜高山に生える日本固有種。花序が大きく、直径約10㎝、小総苞片が約10個。咢筒と果実にはパピラ状の微軟毛がある。
Kewscoence では日本産のイブキボウフウ属の学名をセセリ属のSeseli ugoense Koidz.とし、変種や品種を統合している。
草本、まれに亜低木、多年草、丈夫、ときに小さく、まれに無茎。根は直根、円錐形、分枝しない。てい幹は単純、まれに分枝し、木質。茎はしばしば強く角(かど)と溝があり、基部は繊維状の葉の残片に密に覆われる。根生葉は1~4回羽状複葉または1~4開羽状全裂。最終の裂片は線形、卵形、または披針形、全縁または浅裂する。散形花序は複合、頂生および側生。苞は少数~多数、または無く。大散形花序の柄(ray)は多数~少数。小苞は数個、線形または披針形。萼歯は目立ち、線形、三角形、または楕円形。花弁は白色、まれに帯ピンク色、卵形または倒心形、先は狭く、内曲する。柱下体(stylopodium:花柱の基部の肥大、柱脚ともいう)は低円錐、縁はしばしば基部で波打つ。果実は卵形または長円形、わずか~中程度に背側に扁平。背隆条(dorsal rib)は糸状で、低くまたは明瞭、うねが鋭く、側隆条(lateral rib)はときにわずかに広い。油管(vittae)は各溝に1~2(~3)本、合成面(commissure)で2~4(まれに6~8)本 。種子の表面は平坦。分果柄(carpophore)は全縁または2深裂。
世界に約30種があり、アジア、ヨーロッパに分布する。
synonym Seseli coreanum H.Wolff
朝鮮原産。
2 Libanotis seseloides Fisch. et C.A.Mey. ex Turcz. ホソバノイブキボウフウ
synonym Seseli seseloides (Fisch. & C.A.Mey. ex Ledeb.) M.Hiroe
synonym Libanotis amurensis Schischk.
東アジア、北東アジア、ヨーロッパ中部原産。中国名は香芹 xiang qin。
高さ30~130㎝。てい幹は単純。 茎は単生、硬く、中間から分枝し、中実、鋭いうねと深い溝があり、節には微軟毛があるかまたは無毛。 葉身は広楕円形、長さ5~18cm×幅4~10cm、3回羽状全裂。最終裂片は線状披針形、長さ3~15×幅1~4 mm、縁は狭く 外巻き、先は小突形。合成花序は多数分枝する。散形花序は直径2~7cm。花序柄には粗毛がある。苞はなく、たまに1~5個あり、錐形または線形、長さ約4mm×幅0.2mm。大散形花序の柄(ray)は8~20本、長さ1~2.5㎝、内面と基部に粗毛がある。小苞は8~14個、線形、約・長さ1.5mm×幅0.1mm、縁に毛がある。小散形花序には花が15~30個つく。花柄は長さ1~5.5mm。 萼歯は三角形または披針形、長さ約0.5mm、毛がある。花弁は白色、外側に微軟毛がある。果実は長円状卵形、わずかに背側が扁平、長さ2.5~3.5mm×幅約1.5mm、側隆条(lateral rib)は背側よりわずかに広い。管(vittae)は各溝に3~4本、合成面(commissure)で6本。 花期と果期は7~10月(Flora of China)
3 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. ハマイブキボウフウ 浜伊吹防風 [広義]
synonym Seseli ugoense Koidz. [Kewscience]
synonym Libanotis ugoensis var. japonica (H.Boissieu) T.Yamaz. [Kewscience]
synonym Libanotis ugoensis f. akaishi-alpina T.Yamaz. [Kewscience]
synonym Libanotis ugoensis var. kurilensis (Takeda) T.Yamaz [Kewscience]
synonym Seseli libanotis var. alpicola (Kitag.) H.Ohba [Kewscience]
日本(北海道、本州の近畿地方以北)に分布。KewscienceではLibanotis属をSeseli属とし、日本産をSeseli ugoenseとし、変種、品種をまとめている。
ハマイブキボウフウは茎が円筒形でわずかに隆条がある。花弁の外側にまばらに短毛があり、葉柄と葉縁に目立つ毛がある。朝鮮、中国、ロシア、ヨーロッパに分布するホソバノイブキボウフウLibanotis seseloidesに似ている。ホソバノイブキボウフウは葉が3回羽状全裂で、最終裂片は線状披針形で先が尖鋭形、無毛又は無毛になる(?)。 また、Libanotis ugoensisはヨーロッパ産のL. vulgaris DC.(Seseli libanotis)やロシア、ヨーロッパ産のL. montana Cranz(現在はL. vulgarisに含まれる)と同種として頻繁に扱われてきたこともあるが、L. vulgarisは茎が著しく角張っており、強くうねがつき、花弁の外側が無毛。
3-1 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. ugoensis ハマイブキボウフウ 浜伊吹防風
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara f. ugoensis (Koidz.) H.Hara
synonym Libanotis coreana (H.Wolff) Kitag. f. ugoensis (Koidz.) Kitag.
日本(北海道、本州の近畿地方以北)に分布。海岸、草地に生える。別名はハマノイブキボウフウ。
多年草、茎は高さ60~100㎝。m。茎は直立し、よく分枝し、やや太く硬く、中実、うねがあり、全体に突起状毛がある。葉は互生し、根生葉には長い柄がある。葉身は長さ5~30cm、2~3回羽状複葉、質がやや厚く、小葉は分裂又は浅裂し、裂片は類鋭形で微突形。複散形花序を頂生し、花序は幅3~6㎝、花を多数つける。苞と小苞は線形。花は小さな白色の5弁花。果実は楕円形、密に小剛毛がある。
3-2 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz.
小葉は深裂、裂片は鋭形。咢筒と果実にパピラ状の微軟毛があるか又は密に微細剛毛がある。小散形花序の小総苞片は約10個、線状披針形、花よりわずかに短いか又は同長
3-2-1 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz. f. alpicola (Kitag.) T.Yamaz. タカネイブキボウフウ
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara f. alpicola (Kitag.) Okuyama
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara var. alpicola (Kitag.) H.Ohba
synonym Libanotis coreana (H.Wolff) Kitag. var. alpicola Kitag.
日本(本州の中部地方)に分布。標高2000~3000mの高山~亜高山の岩場に生える。
花序が大きく、直径約10cm、小苞が約10個。咢筒と果実にはパピラ状の微軟毛がある。
3-2-2 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz. f. akaishialpina T.Yamaz. ケタカネイブキボウフウ
咢筒と果実に密に小剛毛がある。
3-3 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. japonica (H.Boissieu) T.Yamaz. イブキボウフウ 伊吹防風
synonym Seseli libanotis (L.) Koch var. japonica H.Boissieu
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara
synonym Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. f. japonica (H.Boissieu) Kitag.
synonym Libanotis coreana auct. non (H.Wolff) Kitag.
北海道、本州(近畿地方以北)、朝鮮に分布。山地の草原に生える。
多年草、高さ30~90cm。全草有毛で、茎はよく分枝する。葉は2~3回3出複葉、長さ5~30㎝。小葉の先は細かく切れ込み、無柄。小葉の大きさや切れ込みの深さ、先の尖り方など変化が多い。茎頂の直径約6㎝の複散形花序に、白い小さな花を密集してつける。小花序が丸くなる。総苞片、小総苞とも線形、小総苞片は5~6個、花よりかなり短い。花は5弁、花弁の先は爪状に内側に曲がる。雄しべ5個、葯は白色。萼筒にパピラ状の微軟毛があるか又はまばらに粗毛がある。萼歯は長三角形。果実は長さ2.5~3.5㎜の扁平な惰円形、パピラ状の微軟毛があるか又はまばらに粗毛がある。花期は8~9月。
3-4 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. kurilensis (Takeda) T.Yamaz. チシマイブキボウフウ
茎は高さ約20㎝。小葉は分裂又は浅裂し、裂片は類鋭形で微突形。果実はパピラ状の微軟毛がある。
A. 小葉は分裂又は浅裂し、裂片は類鋭形で微突形
B. 茎は高さ60~100㎝。果実に密に小剛毛がある
多年草または2年草、ときに基部が柔らかい木質。 根茎はしばしば繊維状。葉は1~4回羽状または3出複葉。複散形花序。苞は有又は無。小苞は有り、部内又は統合。萼片は小さいかまたは無い。花弁は白色または、まれに帯黄色または帯ピンク色。果実はかすかに扁平、長円形~卵形で、無毛~有毛、1次隆条が目立つ; 油管(vittae)は各溝に1~3本。柱下体(stylopodium)は円錐形。
世界に140種以上あり、主にユーラシア大陸に分布する。
synonym Libanotis vulgaris DC.
synonym Libanotis montana Crantz
ヨーロッパ、ロシア、南西アジア、北アフリカ原産。
2年草又は短命の多年草、高さ約1m、無毛。根は太く、長く、木質。 幹は分枝し、角張る。下部の葉は長さ約30㎝、2回羽状複葉。羽片は長さ1~2㎝。裂片は卵形、無毛、縁には鋭い歯がある。 散形花序は頂生および側生、幅5~10㎝。総苞は1~12本個の線形の苞または欠く。大散形花序の柄(ray)は20~50本、無毛~剛毛があり。小総苞(involucel) には 多数の線形~披針形の有毛の小苞がある。小苞は長さ5~8mm。花柄は有毛。 萼歯は線形、有毛。花弁は白色。子房は密に毛がある。 果実は長円形で、背側が扁平、長さ4~5mm、有毛、隆条が目立つ。溝に油管(vittae)は1本。合成面(commissure)では油管が2本、油管は大。2n=22。花期は7~9月。
Libanotis
Seseli
Seseli libanotis (L.) W.D.J.Koch
日本のセリ科植物 11 Umbelliferae in Japan 11
Seseli libanotis (L.) W. Koch
ハマイブキボウフウ Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. ugoensis は海岸型であり、葉が厚く、裂片の幅が広く、先は類鋭形で微突形。
タカネイブキボウウフウLibanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz.は高山~亜高山に生える日本固有種。花序が大きく、直径約10㎝、小総苞片が約10個。咢筒と果実にはパピラ状の微軟毛がある。
Kewscoence では日本産のイブキボウフウ属の学名をセセリ属のSeseli ugoense Koidz.とし、変種や品種を統合している。
イブキボウフウ属
family Apiaceae - genus Libanotis草本、まれに亜低木、多年草、丈夫、ときに小さく、まれに無茎。根は直根、円錐形、分枝しない。てい幹は単純、まれに分枝し、木質。茎はしばしば強く角(かど)と溝があり、基部は繊維状の葉の残片に密に覆われる。根生葉は1~4回羽状複葉または1~4開羽状全裂。最終の裂片は線形、卵形、または披針形、全縁または浅裂する。散形花序は複合、頂生および側生。苞は少数~多数、または無く。大散形花序の柄(ray)は多数~少数。小苞は数個、線形または披針形。萼歯は目立ち、線形、三角形、または楕円形。花弁は白色、まれに帯ピンク色、卵形または倒心形、先は狭く、内曲する。柱下体(stylopodium:花柱の基部の肥大、柱脚ともいう)は低円錐、縁はしばしば基部で波打つ。果実は卵形または長円形、わずか~中程度に背側に扁平。背隆条(dorsal rib)は糸状で、低くまたは明瞭、うねが鋭く、側隆条(lateral rib)はときにわずかに広い。油管(vittae)は各溝に1~2(~3)本、合成面(commissure)で2~4(まれに6~8)本 。種子の表面は平坦。分果柄(carpophore)は全縁または2深裂。
世界に約30種があり、アジア、ヨーロッパに分布する。
イブキボウフウ属の主な種と園芸品種
1 Libanotis coreana (H.Wolff) Kitag. タンナボウフウsynonym Seseli coreanum H.Wolff
朝鮮原産。
2 Libanotis seseloides Fisch. et C.A.Mey. ex Turcz. ホソバノイブキボウフウ
synonym Seseli seseloides (Fisch. & C.A.Mey. ex Ledeb.) M.Hiroe
synonym Libanotis amurensis Schischk.
東アジア、北東アジア、ヨーロッパ中部原産。中国名は香芹 xiang qin。
高さ30~130㎝。てい幹は単純。 茎は単生、硬く、中間から分枝し、中実、鋭いうねと深い溝があり、節には微軟毛があるかまたは無毛。 葉身は広楕円形、長さ5~18cm×幅4~10cm、3回羽状全裂。最終裂片は線状披針形、長さ3~15×幅1~4 mm、縁は狭く 外巻き、先は小突形。合成花序は多数分枝する。散形花序は直径2~7cm。花序柄には粗毛がある。苞はなく、たまに1~5個あり、錐形または線形、長さ約4mm×幅0.2mm。大散形花序の柄(ray)は8~20本、長さ1~2.5㎝、内面と基部に粗毛がある。小苞は8~14個、線形、約・長さ1.5mm×幅0.1mm、縁に毛がある。小散形花序には花が15~30個つく。花柄は長さ1~5.5mm。 萼歯は三角形または披針形、長さ約0.5mm、毛がある。花弁は白色、外側に微軟毛がある。果実は長円状卵形、わずかに背側が扁平、長さ2.5~3.5mm×幅約1.5mm、側隆条(lateral rib)は背側よりわずかに広い。管(vittae)は各溝に3~4本、合成面(commissure)で6本。 花期と果期は7~10月(Flora of China)
3 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. ハマイブキボウフウ 浜伊吹防風 [広義]
synonym Seseli ugoense Koidz. [Kewscience]
synonym Libanotis ugoensis var. japonica (H.Boissieu) T.Yamaz. [Kewscience]
synonym Libanotis ugoensis f. akaishi-alpina T.Yamaz. [Kewscience]
synonym Libanotis ugoensis var. kurilensis (Takeda) T.Yamaz [Kewscience]
synonym Seseli libanotis var. alpicola (Kitag.) H.Ohba [Kewscience]
日本(北海道、本州の近畿地方以北)に分布。KewscienceではLibanotis属をSeseli属とし、日本産をSeseli ugoenseとし、変種、品種をまとめている。
ハマイブキボウフウは茎が円筒形でわずかに隆条がある。花弁の外側にまばらに短毛があり、葉柄と葉縁に目立つ毛がある。朝鮮、中国、ロシア、ヨーロッパに分布するホソバノイブキボウフウLibanotis seseloidesに似ている。ホソバノイブキボウフウは葉が3回羽状全裂で、最終裂片は線状披針形で先が尖鋭形、無毛又は無毛になる(?)。 また、Libanotis ugoensisはヨーロッパ産のL. vulgaris DC.(Seseli libanotis)やロシア、ヨーロッパ産のL. montana Cranz(現在はL. vulgarisに含まれる)と同種として頻繁に扱われてきたこともあるが、L. vulgarisは茎が著しく角張っており、強くうねがつき、花弁の外側が無毛。
3-1 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. ugoensis ハマイブキボウフウ 浜伊吹防風
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara f. ugoensis (Koidz.) H.Hara
synonym Libanotis coreana (H.Wolff) Kitag. f. ugoensis (Koidz.) Kitag.
日本(北海道、本州の近畿地方以北)に分布。海岸、草地に生える。別名はハマノイブキボウフウ。
多年草、茎は高さ60~100㎝。m。茎は直立し、よく分枝し、やや太く硬く、中実、うねがあり、全体に突起状毛がある。葉は互生し、根生葉には長い柄がある。葉身は長さ5~30cm、2~3回羽状複葉、質がやや厚く、小葉は分裂又は浅裂し、裂片は類鋭形で微突形。複散形花序を頂生し、花序は幅3~6㎝、花を多数つける。苞と小苞は線形。花は小さな白色の5弁花。果実は楕円形、密に小剛毛がある。
3-2 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz.
小葉は深裂、裂片は鋭形。咢筒と果実にパピラ状の微軟毛があるか又は密に微細剛毛がある。小散形花序の小総苞片は約10個、線状披針形、花よりわずかに短いか又は同長
3-2-1 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz. f. alpicola (Kitag.) T.Yamaz. タカネイブキボウフウ
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara f. alpicola (Kitag.) Okuyama
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara var. alpicola (Kitag.) H.Ohba
synonym Libanotis coreana (H.Wolff) Kitag. var. alpicola Kitag.
日本(本州の中部地方)に分布。標高2000~3000mの高山~亜高山の岩場に生える。
花序が大きく、直径約10cm、小苞が約10個。咢筒と果実にはパピラ状の微軟毛がある。
3-2-2 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. alpicola (Kitag.) T.Yamaz. f. akaishialpina T.Yamaz. ケタカネイブキボウフウ
咢筒と果実に密に小剛毛がある。
3-3 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. japonica (H.Boissieu) T.Yamaz. イブキボウフウ 伊吹防風
synonym Seseli libanotis (L.) Koch var. japonica H.Boissieu
synonym Seseli libanotis (L.) Koch subsp. japonica (H.Boissieu) H.Hara
synonym Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. f. japonica (H.Boissieu) Kitag.
synonym Libanotis coreana auct. non (H.Wolff) Kitag.
北海道、本州(近畿地方以北)、朝鮮に分布。山地の草原に生える。
多年草、高さ30~90cm。全草有毛で、茎はよく分枝する。葉は2~3回3出複葉、長さ5~30㎝。小葉の先は細かく切れ込み、無柄。小葉の大きさや切れ込みの深さ、先の尖り方など変化が多い。茎頂の直径約6㎝の複散形花序に、白い小さな花を密集してつける。小花序が丸くなる。総苞片、小総苞とも線形、小総苞片は5~6個、花よりかなり短い。花は5弁、花弁の先は爪状に内側に曲がる。雄しべ5個、葯は白色。萼筒にパピラ状の微軟毛があるか又はまばらに粗毛がある。萼歯は長三角形。果実は長さ2.5~3.5㎜の扁平な惰円形、パピラ状の微軟毛があるか又はまばらに粗毛がある。花期は8~9月。
3-4 Libanotis ugoensis (Koidz.) Kitag. var. kurilensis (Takeda) T.Yamaz. チシマイブキボウフウ
茎は高さ約20㎝。小葉は分裂又は浅裂し、裂片は類鋭形で微突形。果実はパピラ状の微軟毛がある。
変種・品種へのKey
A. 小葉は分裂又は浅裂し、裂片は類鋭形で微突形
B. 茎は高さ60~100㎝。果実に密に小剛毛がある
.........................ハマイブキボウフウ var.ugoensis
B. 茎は高さ約20㎝。果実はパピラ状の微軟毛がある ......................チシマイブキボウフウ var.kuriZensis
A. 小葉は深裂、裂片は鋭形 B. 萼筒と果実にパピラ状の微軟毛があるか又はまばらに粗毛がある。小散形花序の小総苞片は5~6個、線形または剛毛状、花よりかなり短い
.....................イブキボウフウ var. japonica
B. 咢筒と果実にパピラ状の微軟毛があるか又は密に微細剛毛がある。小散形花序の小総苞片は約10個、線状披針形、花よりわずかに短いか又は同長
.................... .var. alpicola
C. 咢筒と果実にはパピラ状の微軟毛がある......................タカネイブキボウフウ f. alpicola
C. 咢筒と果実に密に小剛毛がある...............ケタカネイブキボウフウ f. akaishialpina
セセリ属
family Apiaceae - genus Seseli多年草または2年草、ときに基部が柔らかい木質。 根茎はしばしば繊維状。葉は1~4回羽状または3出複葉。複散形花序。苞は有又は無。小苞は有り、部内又は統合。萼片は小さいかまたは無い。花弁は白色または、まれに帯黄色または帯ピンク色。果実はかすかに扁平、長円形~卵形で、無毛~有毛、1次隆条が目立つ; 油管(vittae)は各溝に1~3本。柱下体(stylopodium)は円錐形。
世界に140種以上あり、主にユーラシア大陸に分布する。
セセリ属の主な種
1 Seseli libanotis (L.) W.D.J.Kochsynonym Libanotis vulgaris DC.
synonym Libanotis montana Crantz
ヨーロッパ、ロシア、南西アジア、北アフリカ原産。
2年草又は短命の多年草、高さ約1m、無毛。根は太く、長く、木質。 幹は分枝し、角張る。下部の葉は長さ約30㎝、2回羽状複葉。羽片は長さ1~2㎝。裂片は卵形、無毛、縁には鋭い歯がある。 散形花序は頂生および側生、幅5~10㎝。総苞は1~12本個の線形の苞または欠く。大散形花序の柄(ray)は20~50本、無毛~剛毛があり。小総苞(involucel) には 多数の線形~披針形の有毛の小苞がある。小苞は長さ5~8mm。花柄は有毛。 萼歯は線形、有毛。花弁は白色。子房は密に毛がある。 果実は長円形で、背側が扁平、長さ4~5mm、有毛、隆条が目立つ。溝に油管(vittae)は1本。合成面(commissure)では油管が2本、油管は大。2n=22。花期は7~9月。
参考
1) Flora of ChinaLibanotis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=118498
2) Plants of the World Online| KewscienceSeseli
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:40522-1
3) World Flora OnlineSeseli libanotis (L.) W.D.J.Koch
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000012430;jsessionid=3725A4F3D661F11D7231B8D756E5CC1F
4) 植物研究雑誌第76巻 第5号76: 275-287(2001) 日本のセリ科植物 11 Umbelliferae in Japan 11
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_076_275_287.pdf
5) Flora of Pakistan @ efloras.orgSeseli libanotis (L.) W. Koch
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=250063027