フウセントウワタ 風船唐綿
Flora of Mikawa
キョウチクトウ科 Apocynaceae フウセントウワタ属
中国名 | 钉头果 ding tou guo |
英 名 | milkweed, wild cotton , balloon cottonbush , bladderbush , cottonbush , narrow-leaf cottonbush , swanplant |
学 名 | Gomphocarpus physocarpus E.Meyr. |
花 期 | 8~11月 |
高 さ | 1~2m |
生活型 | 常緑低木 |
生育場所 | 道端、草地 |
分 布 | 帰化種 アフリカ南部原産 |
撮 影 | 一色町 08.10.20 |
旧ガガイモ科はキョウチクトウ科に含められた。フウセントウワタはGomphocarpus physocarpusとされているが、Gomphocarpus
fruticosusもフウセントウワタと呼ばれ混同している。両者は別種であり、果実の形で区別できる。果実がほぼ球形に近く、先が凹むのがGomphocarpus
physocarpusであり、果実が卵形で先が次第に尖るのがGomphocarpus fruticosusである。
常緑低木、少数、茎を出し、茎は直立、高さ1~2m、たまに分枝し、若い茎は短軟毛で覆われる。茎や葉を傷つけると毒性のある白色の乳状の樹液(ラテックス)がしみ出る。葉は対生し、葉柄は長さ3~10㎜。葉身は狭披針形~狭楕円形、基部は漸尖し、先は鋭形、長さ3.5~12㎝×幅5~16㎜、全縁、上面は普通、緑色、無毛、下面はしばしばより淡緑色でまばらに軟毛があり、ときに中脈に多い。枝先近くの垂れ下がる小さな散形花序に花が4~10個つく。花序柄は2~3.5㎝、上部の葉腋から出る。花柄は長さ10~25㎜、まばらに毛がある。花は幅12~13[FOC:14~20]㎜、白色、中心に副花冠があり、副花冠は白色又は帯ピンク色。花弁(花冠裂片)は長さ6~11㎜。咢片は5個、小さく長さ3~4㎜。雄しべは5本。果実は膨れた類球形の袋果、風船状、長さ5~7.5㎝×幅4~5.5㎝[FOC: 6-8 × 2.5-5]、果皮は長さ7~10㎜の柔らかい刺で覆われ、急に尖り、普通、沈み込んで果実の先が凹み、ごく短い嘴をもつ。種子は多数、小さく、黒色、長さ約4.5㎜×幅2㎜、頂部に長さ約3㎝の絹毛状の白色の毛の束(種髪)をもつ。2n = 22。花期は8~11月。
低木又は亜低木、直立。葉は対生、又は輪生、短い葉柄がある。集散花序は腋外生(extra-axillary)、散形花序状、垂れ下がり、多数の花がつく。咢は腺が5個又はそれ以上。花冠は車形、深裂し、裂片は開出又は後屈し、敷石状。副花冠は5裂し、肉柱体(gynostegium)につき、直立、フード形、先の内側に2個の反曲又は真っすぐな尖り(cusps)があり、フードには付属体は無い。花糸は筒部に合着する。葯の付属体は内側に曲がる。花粉塊は花粉団に2個、長円形、垂れ下がる。柱頭の頭部は凹む。袋果は広卵形、膨れ、果皮は普通、長く、柔らかい刺又は剛毛をもつ。種子は長円形。
世界に約50種あり、熱帯アフリカ、西南アジアに分布する。
アフリカ、アジア(オマーン、サウジアラビア、イエメン)原産。英名はarghel, arghel of Syria, balloon cotton, balloon cotton bush, Cape cotton, narrow leaf cotton bush, duck bush, duckbush, milk weed, milkweed, narrow-leaf cotton bush, narrowleaf cotton bush, narrow-leaf cottonbush, narrowleaf cottonbush, narrow-leaved cotton bush, narrowleaved cotton-bush, swan bush, swan plant, swanplant, wild cotton
常緑低木、多数、茎を出し、叢生し、茎は直立、高さ1~2m、淡緑色、若いときに微細な白色の毛で覆われ、古くなると薄褐色に変わり、やや木質になる。植物全体、とくに茎は傷つけると白色の乳状の樹液(ラテックス)がしみ出る。葉は対生し、葉柄は長さ3~10㎜。葉身は線状披針形、基部は漸尖し、先は鋭形、長さ4~12.5㎝×幅5~15㎜、上面は普通、光沢があり、淡緑色~緑色、下面はより淡色で鈍い。葉腋の、垂れ下がる疎な散形花序に花が3~10個つく。花柄は細く、長さ10~20㎜。花は長さ約2㎝×幅12~13㎜、白色又はクリーム色、ときに中心部がわずかにピンク色を帯び、わずかに筒形。花弁(花冠裂片)は5個、ワックス状、基部が合着し、長さ6~7㎜。花の中心に5個の袋のような突起があり、王冠のようになる(副花冠)。咢片は5個、小さく、幅が狭い。雄しべは5本。花期は春~早秋、主は夏。果実は薄壁(紙質)の風船状又は嚢状、長さ4~7㎝、幅1.5~3.5㎝、薄緑色、しばしば莢(pods)と呼ばれるが、袋果であり、花柄(果時の)はS字形である。果実は狭卵形、わすかに曲がり(かま形)、長さ10㎜以下の柔らかい刺又は剛毛で覆われ、次第に先細になり、先端が短い嘴になる。古くなると果実は褐色に変わり、熟すと隙間が開き、多数の種子を放出する。種子は約・長さ6㎜×幅3㎜、褐色又は黒色、扁平、先に種髪(coma)がつく。種髪は白色の絹毛状(綿毛状)、長さ約30㎜。果期は晩夏~晩春。
【特徴】
(1)小型の直立する低木で普通、高さ0.5~2m、かなり細く、分枝は少ない。
(2)茎と葉は毒性のある乳状の樹液を含む。
(3)葉は対生、細く、長さ5~12.5㎝×幅5~15㎜。
(4)花は幅12~13㎜、白色、クリーム色、花弁は5個、ワックス状、副花冠がある。
(5)果実は膨らみ、長さ4~6㎝×幅2~3.5㎝、わずかに曲がり、柔らかい剛毛があり、次第に先細になり、先端が短く尖る。
(6)種子は多数、種子の種髪は長さ約30㎜の白色の絹毛状。
2 Gomphocarpus physocarpus E.Mey. フウセントウワタ 風船唐綿
synonym Gomphocarpus fruticosus auct. non (L.) W.T.Aiton
アフリカ南部原産。英名はballoon cotton bush, balloon cotton-bush, balloon cottonbush, balloon gomphocarpus, balloon plant, balloonplant, bladderbush, Cape cotton, cotton bush, cottonbush, gomphocarpus, swan plant, wild cotton。中国名は钝钉头果 dun ding tou guo 。別名はフウセンダマノキ
常緑低木、少数、茎を出し、茎は直立、高さ1~2m、たまに分枝し、若い茎は短軟毛で覆われる。茎や葉を傷つけると毒性のある白色の乳状の樹液(ラテックス)がしみ出る。葉は対生し、葉柄は長さ3~10㎜。葉身は狭披針形~狭楕円形、基部は漸尖し、先は鋭形、長さ3.5~12㎝×幅5~16㎜、全縁、上面は普通、緑色、無毛、下面はしばしばより淡緑色でまばらに軟毛があり、ときに中脈に多い。枝先近くの垂れ下がる小さな散形花序に花が4~10個つく。花序柄は2~3.5㎝、上部の葉腋から出る。花柄は長さ10~25㎜、まばらに毛がある。花は幅12~13[FOC:14~20]㎜、白色、中心に副花冠があり、副花冠は白色又は帯ピンク色。花弁(花冠裂片)は長さ6~11㎜。咢片は5個、小さく長さ3~4㎜。雄しべは5本。果実は膨れた類球形の袋果、風船状、長さ5~7.5㎝×幅4~5.5㎝[FOC: 6-8 × 2.5-5]、果皮は長さ7~10㎜の柔らかい刺で覆われ、急に尖り、普通、沈み込んで果実の先が凹み、ごく短い嘴をもつ。種子は多数、小さく、黒色、長さ約4.5㎜×幅2㎜、頂部に長さ約3㎝の絹毛状の白色の毛の束(種髪)をもつ。2n = 22。花期は8~11月。
【特徴】
(1)小型の低木で普通、高さ2m以下。 .
(2)茎と葉は毒性のある乳状の樹液を含む。
(3)葉は対生、細く、長さ3.5~12㎝×幅5~16㎜。
(4)花は束生、白色又は帯ピンク色、副花冠がある。
(5)果実は風船状、類球形、長さ5~7.5㎝×幅4~5.5㎝、わずかに曲がり、柔らかい長さ7~10㎜の刺があり、普通、沈み込んで先が凹み、ごく短い嘴をもつ。
(6)種子は多数、黒色、種子の種髪は長さ約30㎜の白色の絹毛状。
果実が卵形でわずかに曲がり、次第に先が細くなり、短い曲がった嘴になる。
2 balloon cotton bush (Gomphocarpus physocarpus)
果実が球形又はほぼ球形、先が急に尖り、しばしば凹み、ごく小さい嘴をもつ。
Gomphocarpus
Gomphocarpus
Gomphocarpus fruticosus (L.) W.T. Aiton
Gomphocarpus
常緑低木、少数、茎を出し、茎は直立、高さ1~2m、たまに分枝し、若い茎は短軟毛で覆われる。茎や葉を傷つけると毒性のある白色の乳状の樹液(ラテックス)がしみ出る。葉は対生し、葉柄は長さ3~10㎜。葉身は狭披針形~狭楕円形、基部は漸尖し、先は鋭形、長さ3.5~12㎝×幅5~16㎜、全縁、上面は普通、緑色、無毛、下面はしばしばより淡緑色でまばらに軟毛があり、ときに中脈に多い。枝先近くの垂れ下がる小さな散形花序に花が4~10個つく。花序柄は2~3.5㎝、上部の葉腋から出る。花柄は長さ10~25㎜、まばらに毛がある。花は幅12~13[FOC:14~20]㎜、白色、中心に副花冠があり、副花冠は白色又は帯ピンク色。花弁(花冠裂片)は長さ6~11㎜。咢片は5個、小さく長さ3~4㎜。雄しべは5本。果実は膨れた類球形の袋果、風船状、長さ5~7.5㎝×幅4~5.5㎝[FOC: 6-8 × 2.5-5]、果皮は長さ7~10㎜の柔らかい刺で覆われ、急に尖り、普通、沈み込んで果実の先が凹み、ごく短い嘴をもつ。種子は多数、小さく、黒色、長さ約4.5㎜×幅2㎜、頂部に長さ約3㎝の絹毛状の白色の毛の束(種髪)をもつ。2n = 22。花期は8~11月。
フウセントウワタ属
family Apocynaceae - genus Gomphocarpus低木又は亜低木、直立。葉は対生、又は輪生、短い葉柄がある。集散花序は腋外生(extra-axillary)、散形花序状、垂れ下がり、多数の花がつく。咢は腺が5個又はそれ以上。花冠は車形、深裂し、裂片は開出又は後屈し、敷石状。副花冠は5裂し、肉柱体(gynostegium)につき、直立、フード形、先の内側に2個の反曲又は真っすぐな尖り(cusps)があり、フードには付属体は無い。花糸は筒部に合着する。葯の付属体は内側に曲がる。花粉塊は花粉団に2個、長円形、垂れ下がる。柱頭の頭部は凹む。袋果は広卵形、膨れ、果皮は普通、長く、柔らかい刺又は剛毛をもつ。種子は長円形。
世界に約50種あり、熱帯アフリカ、西南アジアに分布する。
フウセントウワタ属の主な種と園芸品種
1 Gomphocarpus fruticosus (L.) W. T. Aitonアフリカ、アジア(オマーン、サウジアラビア、イエメン)原産。英名はarghel, arghel of Syria, balloon cotton, balloon cotton bush, Cape cotton, narrow leaf cotton bush, duck bush, duckbush, milk weed, milkweed, narrow-leaf cotton bush, narrowleaf cotton bush, narrow-leaf cottonbush, narrowleaf cottonbush, narrow-leaved cotton bush, narrowleaved cotton-bush, swan bush, swan plant, swanplant, wild cotton
常緑低木、多数、茎を出し、叢生し、茎は直立、高さ1~2m、淡緑色、若いときに微細な白色の毛で覆われ、古くなると薄褐色に変わり、やや木質になる。植物全体、とくに茎は傷つけると白色の乳状の樹液(ラテックス)がしみ出る。葉は対生し、葉柄は長さ3~10㎜。葉身は線状披針形、基部は漸尖し、先は鋭形、長さ4~12.5㎝×幅5~15㎜、上面は普通、光沢があり、淡緑色~緑色、下面はより淡色で鈍い。葉腋の、垂れ下がる疎な散形花序に花が3~10個つく。花柄は細く、長さ10~20㎜。花は長さ約2㎝×幅12~13㎜、白色又はクリーム色、ときに中心部がわずかにピンク色を帯び、わずかに筒形。花弁(花冠裂片)は5個、ワックス状、基部が合着し、長さ6~7㎜。花の中心に5個の袋のような突起があり、王冠のようになる(副花冠)。咢片は5個、小さく、幅が狭い。雄しべは5本。花期は春~早秋、主は夏。果実は薄壁(紙質)の風船状又は嚢状、長さ4~7㎝、幅1.5~3.5㎝、薄緑色、しばしば莢(pods)と呼ばれるが、袋果であり、花柄(果時の)はS字形である。果実は狭卵形、わすかに曲がり(かま形)、長さ10㎜以下の柔らかい刺又は剛毛で覆われ、次第に先細になり、先端が短い嘴になる。古くなると果実は褐色に変わり、熟すと隙間が開き、多数の種子を放出する。種子は約・長さ6㎜×幅3㎜、褐色又は黒色、扁平、先に種髪(coma)がつく。種髪は白色の絹毛状(綿毛状)、長さ約30㎜。果期は晩夏~晩春。
【特徴】
(1)小型の直立する低木で普通、高さ0.5~2m、かなり細く、分枝は少ない。
(2)茎と葉は毒性のある乳状の樹液を含む。
(3)葉は対生、細く、長さ5~12.5㎝×幅5~15㎜。
(4)花は幅12~13㎜、白色、クリーム色、花弁は5個、ワックス状、副花冠がある。
(5)果実は膨らみ、長さ4~6㎝×幅2~3.5㎝、わずかに曲がり、柔らかい剛毛があり、次第に先細になり、先端が短く尖る。
(6)種子は多数、種子の種髪は長さ約30㎜の白色の絹毛状。
2 Gomphocarpus physocarpus E.Mey. フウセントウワタ 風船唐綿
synonym Gomphocarpus fruticosus auct. non (L.) W.T.Aiton
アフリカ南部原産。英名はballoon cotton bush, balloon cotton-bush, balloon cottonbush, balloon gomphocarpus, balloon plant, balloonplant, bladderbush, Cape cotton, cotton bush, cottonbush, gomphocarpus, swan plant, wild cotton。中国名は钝钉头果 dun ding tou guo 。別名はフウセンダマノキ
常緑低木、少数、茎を出し、茎は直立、高さ1~2m、たまに分枝し、若い茎は短軟毛で覆われる。茎や葉を傷つけると毒性のある白色の乳状の樹液(ラテックス)がしみ出る。葉は対生し、葉柄は長さ3~10㎜。葉身は狭披針形~狭楕円形、基部は漸尖し、先は鋭形、長さ3.5~12㎝×幅5~16㎜、全縁、上面は普通、緑色、無毛、下面はしばしばより淡緑色でまばらに軟毛があり、ときに中脈に多い。枝先近くの垂れ下がる小さな散形花序に花が4~10個つく。花序柄は2~3.5㎝、上部の葉腋から出る。花柄は長さ10~25㎜、まばらに毛がある。花は幅12~13[FOC:14~20]㎜、白色、中心に副花冠があり、副花冠は白色又は帯ピンク色。花弁(花冠裂片)は長さ6~11㎜。咢片は5個、小さく長さ3~4㎜。雄しべは5本。果実は膨れた類球形の袋果、風船状、長さ5~7.5㎝×幅4~5.5㎝[FOC: 6-8 × 2.5-5]、果皮は長さ7~10㎜の柔らかい刺で覆われ、急に尖り、普通、沈み込んで果実の先が凹み、ごく短い嘴をもつ。種子は多数、小さく、黒色、長さ約4.5㎜×幅2㎜、頂部に長さ約3㎝の絹毛状の白色の毛の束(種髪)をもつ。2n = 22。花期は8~11月。
【特徴】
(1)小型の低木で普通、高さ2m以下。 .
(2)茎と葉は毒性のある乳状の樹液を含む。
(3)葉は対生、細く、長さ3.5~12㎝×幅5~16㎜。
(4)花は束生、白色又は帯ピンク色、副花冠がある。
(5)果実は風船状、類球形、長さ5~7.5㎝×幅4~5.5㎝、わずかに曲がり、柔らかい長さ7~10㎜の刺があり、普通、沈み込んで先が凹み、ごく短い嘴をもつ。
(6)種子は多数、黒色、種子の種髪は長さ約30㎜の白色の絹毛状。
Gomphocarpus fruticosusとGomphocarpus physocarpusの区別
1 narrow-leaved cotton bush (Gomphocarpus fruticosus)果実が卵形でわずかに曲がり、次第に先が細くなり、短い曲がった嘴になる。
2 balloon cotton bush (Gomphocarpus physocarpus)
果実が球形又はほぼ球形、先が急に尖り、しばしば凹み、ごく小さい嘴をもつ。
参考
1) Flora of ChinaGomphocarpus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=113836
2) GRINGomphocarpus
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=5060
3) Keys - Lucid Key ServerGomphocarpus fruticosus (L.) W.T. Aiton
https://keyserver.lucidcentral.org/weeds/data/media/Html/gomphocarpus_fruticosus.htm
Gomphocarpus physocarpus E. Mey.
https://keyserver.lucidcentral.org/weeds/data/media/Html/gomphocarpus_physocarpus.htm
4) Plants of the World Online | Kew ScienceGomphocarpus
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30051534-2