フチベニベンケイ 縁紅弁慶
Flora of Mikawa
ベンケイソウ科 Crassulaceae クラッスラ属
別 名 | カネノナルキ、カゲツ(花月)、ユーチャリス |
中国名 | 玉树 yu shu |
英 名 | baby jade , cauliflower-ears , dollarplant, jadeplant , jadetree , Japanese rubberplan , Japanese-laurel , jade plant , lucky plant , money plant , money tree |
学 名 | Crassula ovata (Mill.) Druce |
花 期 | 11~2月 |
高 さ | 1~3m |
生活型 | 常緑低木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 帰化種 南アフリカ、モザンビーク原産 |
撮 影 | 浜松フラワーパーク 20.2.17 |
フチベニベンケイは多肉植物であり、カネノナルキとかカゲツと呼ばれる。
常緑低木。多数、分枝し、完全に無毛、高さ3m又はそれ以上、幹の直径6㎝以下。茎は多肉質、帯灰色。葉は対生、斜上又は開出し、長さ5㎝×幅3㎝以下(栽培種は長さ3~9㎝×幅1.8~4㎝)、無柄(長さ5㎜以下)、倒卵形~倒卵状へら形、新鮮なときに光沢があり、縁は鋭い角(かど)があり、帯赤色。花は5数性、頂生の散房花序につき、甘い芳香がある。萼片は長さ約2㎜。花弁は長さ6~7.5㎜×幅2.5、長円形又は披針形、鋭形、白色又はかすかにピンク色。雄しべは長さ約5㎜。袋果は長さ3~3.25㎜、斜めの長円状卵形。 野生では疎林の中の砂質粘土の灰色の土壌に生える。花期は冬。
1年草又は多年草、まれに低木、しばしば肉質。葉はごく稀に無く、対生、普通、十字対生、最も下部は普通、ロゼットになり、分離又は基部が±合着て茎の周りに鞘を作り、普通、無柄、普通、単葉、ほとんどが全縁、平らになり、半円柱形又は類円柱形、無毛、軟毛状パピラがあるか、又はザラつき、縁は平滑、縁毛があるか又はパピラがある。花序は普通、散房花序、類散形花序、頭状花序、又は密錘花序、ときに腋生の密散花序(束生)又はまれに花が単生する。同数花、3、4又は5数性、まれに6又は9数性(普通、5数性)。萼は普通、花冠よりかなり短い。萼片は分離又は基部でわずかに合着する。花弁は普通、わずかに基部で合着して筒になり、白色又は赤色、まれに黄色又は帯青色、ときに乾くと褐色になり、裂片は星形、直立、開出又は輻合(connivent)し、先はしばしば背側に微突形があり、微突起は小さく、半球形又は円筒形、普通、鈍く又は目立ち、卵形又は類球形。雄しべは花弁と同数、萼上生(episepalous)又は筒に固着した融合花弁花冠(gamopetalous)につく。花糸はしばしば、錐形、ときに平らになる。葯は卵形又は長円形、ときに目立つ葯隔をもつ。蜜腺の鱗片は普通、ごく小さく、狭へら形~広へら形~倒楔形~四角形、先は円形でわずかに凹形、まれに柄がある。心皮は分離又はわずかに基部で統合し、1~2個。花柱はしばしば、錐形、狭円筒形、又は糸状、しばしば、子房の長さと同長又は短くて比較的、太い。柱頭は小さく、頂生又はまれに類背着。
世界に約200種あり、全世界に分布する。英名はjade plant 。
アフリカ原産。湿った草原、ドラケンスバーグ草原、ほぼ断崖の草原、ほぼ断崖のサバンナに生える。
多年草または2年草、多肉質、1枚のロゼット葉をもつ。茎葉は対生し、螺旋状に配置され、古い葉は茎に残り、花時の高さは約0.5m、塊茎がある。葉は披針形~線状三角形、長さ60~150㎜x幅5~15㎜、先は鋭形、先から乾燥し、背腹方向が扁平、折り畳まれ、縁の縁毛を除いて無毛、暗緑色~黄緑色で紫色の斑点がある。花序は頭部が平らな密錐花序(thyrse)で、小花柄がある花が多数つく。花序柄には葉状の苞があり、上部では短くなる。萼片は肉質、鋭く先細りになり、丈夫な毛になり、縁に縁毛があり、緑色。花冠は筒状で融合し、長さ0.2~0.5㎜、ピンク色~白色。花冠裂片は長円形~倒卵形、長さ3.0~5.5㎜、先は鋭形、わずかにフード状になり、直立し、ほとんど反り返らない。花期は2~4月。
1-1 Crassula alba var. parvisepala (Schonland) Toelken
南アフリカ、モザンビーク、スワジランド原産。
葉はロゼットを形成し、高さ22.5㎝までになる。葉は無柄、多肉質で、披針形、先は細くなり、鋭形、縁は全縁、緑色に密に栗色の斑点がある。花茎の葉も下部では大きく、上部ほど小さくなる。花はブーケのように束生し、バラ赤色(rosy-red)。花期は夏。
品種) 'Solo Verde'
2 Crassula alsinoides (Hook.f.) Engl. クラッスラ・アルシノイデス
synonym Crassula pellucida subsp. alsinoides (Hook.f.) Toelken
ブルンジ、カメルーン、南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州TVL)、エチオピア、ギニア湾岸、ケニア、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、、ルワンダ、ソマリア、スーダン、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、イエメン、ザイール、ジンバブエ原産。熱帯アフリカ、トランスバール北部および東部、スワジランドに広く分布しているが、まれにしか見られない。ナタール州およびケープ州南部でもまれに見られる。湿った日陰の場所に生育し、小川沿いの森林や沼地でよく見られる。
多年草、枝が傾伏~平伏し、節間に少なくとも茎の両側の1本の線に沿って毛があり、節の上の葉の基部の鞘から下方に毛がある。葉は無柄で、卵形~披針状へら形、先は鋭形で先端が尖り、下部は急に狭まり、細長いパピラが小鋸歯状になり、鞘には毛が少し生え、縁に沿って長い毛がある。花序は頂生の単生花に縮小し、節ごとの2枚の葉のうちの1枚の葉腋につく。萼は花冠の長さの3分の2の長さで、肉質。花期は10~3月。2n=16。
3 Crassula arborescens (Mill.) Willd クラッスラ・アルボレッセンス
南アフリカ原産。英名はtree crassula
大きくて印象的な外観の単幹で多枝の低木または小高木、高さ3mに達し、幹は太くて肉厚で、樹皮は平滑、緑灰色。葉柄は非常に短いか、または無い。葉にはほとんど変化がなく、厚い肉質で、青灰色のワックス状になり、先は円形で不明瞭な鋭い先端になり、基部は漸尖し、縁はほぼ全縁、しばしば縁が赤みがかる。花は非常に華やかで、密集した枝に咲き、星形、白色~ピンク色、ほぼ球形の頭状になり、葉のわずか上に咲く。春~夏に開花し、植物はほぼ完全に花で覆われる。受粉後、花は紙のような茶色に変化し、それ自体が装飾的である。果実は小さく、長さ6㎜、3~5 個の独立した楕円形の鋭い先端の袋果(1 つの縫合線に沿って分裂する単純な乾燥果実)があり、宿存する花弁の乾燥した残骸の間に残る。果実は11月~1月に熟す。種子は非常に小さく、風によって散布される。
2 つの亜種がある。
3-1 Crassula arborescens subsp. arborescens
ヘックス川渓谷からリトル カルー、さらに北のクワズール ナタール州やスワジランドまで分布する。
品種) 'Blue Mist' , Curly Green = 'Ovcras03' (PBR) , 'Frodo' , 'Ovcras03'(PBR)
3-2 Crassula arborescens subsp. undulatifolia
東ケープ州のクライン ウィンターフック山脈の南部では、通常、岩の多い砂利のような条件の砂岩や頁岩由来の土壌に生える。西ケープ州と東ケープ州の両方の生息地では丘や斜面、時には崖の広い範囲を占めるが、谷間にも見られる。日当たりが良く露出した場所を好む。
葉が楕円形で波打っており、直立した葉を持つ。
品種) 'Ripple Jade'
4 Crassula barklyi N.E.Br. タマツバキ 玉椿
synonym Crassula teres Marloth
南アフリカ、ナミビア、レソト、スワジランド原産。英名はrattlesnake tail , crassula teres , rattlesnake crassula , rattlesnake buttons , Bandaged finger。なだらかな斜面の珪岩の砂利に生え、まれに大きな岩や岩の露頭に生える。
多肉植物、矮性で小型。枝は直立またはまれに傾伏し、重なり合った葉で覆われ、短くほぼ円筒形の柱を形成する。ゆっくりと高さ10㎝まで成長し、茎の基部または下部で分岐する。若い枝はほぼ球形、灰緑色のバラの蕾のように見える。葉は緑色~褐緑色、縁は白色の膜質で縁に密に縁毛がある。葉は厚く肉質、皿のような形をしており、長さ0.5㎝×幅1.5㎝まで。花は小さく、無柄、クリーム色、葉の間に埋め込まれ、先端に密な丸い房状に花がつく。花期は冬。
5 Crassula capitella Thunb. ヒマツリ 火祭り
アフリカ南部原産。英名はred flames , red pagoda , campfire plant
多年草、小型で、直立または傾伏し、高さ150~400㎜、直径1mまでのマットを形成する。地面に触れる前に節に不定根を出す。肉厚でプロペラのような葉を持ち、明るいライムグリーン色~明るい赤色に成長する。背の高い太い茎に小さな星状の白色の花がつく。花期は夏。
品種) 'Campfire' , 'Campfire Variegated
3亜種がある。
5-1 Crassula capitella subsp. capitella
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、レソト)原産。
ほとんどが2年生、基部に1個のロゼットがあり、通常は茎が無毛、夏の半ばから終わりにかけて、枝分かれしていない穂状花序に小さな白色の花をつける。
5-2 Crassula capitella subsp. meyeri (Harv.) Toelken
synonym Crassula brevistyla Baker f.
南アフリカ(ケープ州)原産。海岸沿いの砂質土壌にのみ生える。
茎は基部が木質化して傾伏し、1個から数個のロゼットと直立した茎を持ち、茎は無毛またはまばらに毛がある。枝分かれしない穂状花序に小さな白色の花をつける。花期は晩夏~冬。
5-3 Crassula capitella subsp. thyrsiflora (Thunb.) Toelken カクレイ 赫麗
synonym Crassula corymbulosa Link
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州)、ナミビア原産。英名は red pagoda plant , shark's tooth
枝分かれした多年生亜低木で、最初は帯ピンク色のロゼットになり、後に葉が塔の形になり、赤くなる。そのため、一般に赤い塔(red pagoda)と呼ばれる。夏には、枝分かれしていない穂状花序に小さな白色の花をつける。
品種) 'Giant Form' , 'Pagoda Village'
6 Crassula coccinea L. クレナイロケア
synonym Rochea coccinea DC.
南アフリカ原産。英名はred crassula , rochea。ニュージーランドに帰化。別名はロケア。
多年草、多肉質の亜低木、高さ15~50㎝、ほぼ無毛。茎は太さ約1.3㎝以下、木質になる。葉は無柄、基部で合着し、4列に十字対生、強く覆瓦状、シュートの先にほとんど集まらず、長さ20~30㎜×幅13~17㎜、楕円形~卵状長円形、平ら、緑色、排水組織(hydathodes)は無く、先は鈍形。花序は密錐花序と散房花序、幅約8㎝以下、主軸は短く、葉がある。花は5数性、直径20~24㎜、少数~約25個つく。花柄は無~長さ10㎜。咢は長さ1.8~2.5㎝。咢片は披針形、縁毛がある。花冠は長さ40~47㎜、星形ではなく、筒部は長さ3~3.5㎝、基部は白色、上部はピンク色。花冠裂片は5個、長さ1~1.2㎝、卵状長円形~楕円状長円形、深紅色、半曲する。雄しべと心皮(花柱を含めて)は長さ約3㎝。鱗片は長さ約0.8㎜、ほぼ長円形。種子は見られないが、花序で花が小植物に変わることはない。(Flora of New Zealan)。花期は5~6月。耐暑性が無く、1年草として扱われることが多い。
品種) 'Campfire' , 'Flame' , Variegated Fire
7 Crassula columnaris L.f. レイジン 麗人
synonym Crassula mitrata Friedrich
synonym Tetraphyle columnaris (L.f.) P.V.Heath 南アフリカ、ナミビア原産。英名はUpright Crassula, Khaki Button, Khakibutton。
矮性でコンパクトな多年生または2年生の多肉植物。この植物は成熟するまでに5~10年かかり、成熟して雨が降ると丸い体が開き、クリーム色から橙黄色の甘い香りの花が密し、シェービング ブラシのように咲く。
根は繊維質。枝は短く、直立し、1本、高さ(3~)15~60(~70)㎜、直径3~4㎜、まれに基部に短い腋枝があり、全体に8~10対の葉で完全に隠れる。種小名は不適切であり、自然界の典型的な植物は陥没した球形であることが多く、栽培されると円柱状になるだけである。葉は無柄、基部で合着し、4列、幅が長さより広く、長さ10~15㎜×幅10~23㎜、上部では短くなり、短く先細の円柱状、褐緑色、覆瓦状、しっかりと抱き合い、皿形(patelliform)、丸みを帯び、肉質、内側が凹状、外側が凸状、下面は竜骨状ではなく、先端は丸みを帯び、まれに微顆粒状、しばしば膜質の縁を持ち、灰緑色~褐色の内曲した(わずかに反り返った)縁毛を持つ。花は無柄の頭花(頭状花序)になり、植物の上部に直接咲き(上部の葉の間に部分的に隠れていることが多い)、高さ10㎜、直径22㎜まで、まれに丸い萼片が下部の葉に多少隠れ、密集して多数咲く。花は白色、クリーム黄色または帯赤色で、甘い香りがする。萼片は線形~楕円状長円形、長さ(1.5)3~4(~5)㎜、鈍形、緑色~褐色で半透明、先は緑色。花冠は細いアンプル形(ampulliform)、基部で融合して長さ7~13㎜、白色、淡黄色でしばしば赤みがかる。花弁は下部で合着し、狭い楕円状長円形、長さ7~13㎜、上部は先細、鈍く黄色がかった長さ1㎜の嘴になる。柱頭はほぼ無柄。雄しべには黄色~褐色の葯がある。花糸は長さ1.2~2㎜。葯は黄色または褐色。蜜腺は帯赤色。
8 Crassula cotyledonis Thunb. クラッスラ・コチレドニス
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。流通名はエントウ 円刀。岩や茂みの間の砂利の多い斜面に生える。
小型の多肉植物、基部にロゼットがあり、まれに木質化する短い枝が数本ある。高さ20㎝までになる。葉は灰緑色~黄緑色、倒披針形~広倒卵形、長さ9㎝×幅3.5㎝・以下、通常はこれより小さく、粗い反曲する毛に密に覆われ、縁に縁毛がある。古い葉は枝に残る。花茎は毛があり、長さ30㎝までになる。球形の頭状花序(頭花)を密につける。花は筒状~ほぼ円筒形、クリーム色~黄色。花期は晩春~夏。
9 Crassula deceptor Schonl. and Baker f. チゴスガタ 稚児姿
南アフリカ、ナミビア原産。alabaster towers。半砂漠地帯である多肉植物カルーバイオームの斜面または岩の露頭に生え、砂利や石英の露頭であることが多い。このバイオームは、極度の暑さ、寒さ、年間降雨量の少なさで特徴づけられる。
矮性多年生、多肉植物、成熟すると高さ80㎜に達する。形や大きさが非常に変化に富んだ種である。葉は肉質で灰緑色、主に卵形で無柄、最終的には長さ15㎜×幅15㎜まで成長する。茎は節間が短く、葉は密集し、高さ約70~150㎜、直径25㎜、4角形の凝縮した列を形成する。花序は甘い香りがする集散花序で、小さな花が緩く丸く集まる。花の萼片には最小限の毛(縁毛)があり、長円形~三角形、長さは約1.5㎜。花弁は長さ2~2.5㎜、クリーム色~帯ピンク色で、次第に褐色になる。雄しべには褐色の葯がある。花期は生息地では夏の半ば~終り(1~3月)、栽培では冬に花が咲くことが多く、適切な生育条件が整えば、一年中いつでも花を咲かせる。
10 Crassula exilis Harv. クラッスラ・エグジリス
南アフリカ、ナミビア原産。通常は垂直または急峻な岩面の割れ目や土壌ポケットにクッションを形成する。
枝分かれが激しく、密集した葉のマットを形成する。根は不定根。葉は大きさや外観が様々であるが、通常は長さ4~45㎜×幅3~10㎜、多くの場合、葉の上部は凸型で、先に向かって細くなり、通常、葉の縁には細かい毛があり、通常灰緑色、上部には不規則に配置された暗い窪みがある。花序には花が密に束生し、高さ100㎜以下になる。花は小さいカップ形、花冠筒部の中央から花弁の先端が広がり、通常、直径3㎜、白色~ピンク色、かび臭い蜂蜜のような香りがする。果実は蒴果、細かい粉のような種子を放出する。花期は晩夏~晩秋。
4亜種が認められている。C. exilis subsp. exilis、subsp. cooperi、subsp. picturata、subsp. sedifolia。
10-1 Crassula exilis subsp. exilis
南アフリカ原産。オレンジ川付近の西部に分布する。
花序柄に広がる鈍い毛がこの亜種の特徴である。
10-2 Crassula exilis subsp. picturata (Boom) G.D.Rowley
南アフリカ原産。非常に乾燥した地域に生息する絶崖の生息種であり、垂直または急峻な岩面の割れ目や土壌ポケットに密集したマットまたはクッションを形成する。岩石は砂岩、花崗岩、頁岩である。
矮性の1年草または多年草の多肉植物。根は不定根。垂直の木質の根茎から多数の茎が房状に伸びる。花茎は直立し、毛深い。茎は短く、直立し、多肉質で、単一または同じ根から複数が生え、密集して葉が茂り、ザラつき、高さ2.5~5㎝、直径4~6㎜。ロゼットは茎の基部に向かって螺旋状に並び、古い葉は茎に付いたままになる。葉は対生し、対が基部で合着し、上部で散在し、広がり、下部の葉は長さ26㎜×幅3㎜まで、へら状倒披針形、中間と上部の葉は長さ8~13㎜、楕円状披針形、多少肉質で、薄緑色、葉身に暗赤色の斑点が散在し、縁に縁毛があり、葉ごとに先端に尖った太い毛が1本ある。葉の大きさや外観は様々である。花序は頂生、花序柄があり、長さ15㎝以下、斜上し、 非常に細く、草質で、長さ1㎜以下の帯白色の開出する鈍い剛毛があり、多少、平らな頂部の少数の花がつく集散花序があり、葉は不明瞭な直立した花序柄に沿って徐々に短くなる。 短い小花柄があり、小さいカップ形、長さ約3㎜、白色またはピンク色で、花弁の先端は花冠筒部の途中から広がる。萼は長さが花冠の半分またはそれ以上ある。萼片は2~2.5㎜、卵状長円形~三角形、鈍形または尖り、反り返った倒卵形の花弁の半分の長さで、縁に縁毛がある。花冠は筒状で、基部で0.2~0.8㎜融合し、白色または多少ピンク色を帯びる。花弁は卵状披針形、先が鋭形、、先端の下に短く尖った平滑な微突があり、星状に広がり、平滑。花柱は錐形。雄しべは長さ3~3.5㎜、微小で肉質。葯は長さ0.25~0.4㎜、ほぼ球形~ほぼ長円形。花はかび臭い蜂蜜のような香りがある。蒴果は小さく、長さ約1.5㎜、平滑、最終的に花柄に対して直角に広がる頂部の短い花柱に狭まる。種子は細かい粉状。花期は晩夏~晩秋。
10-3 Crassula exilis subsp. schmidtii (Regel) G.D.Rowley ツクバネ 筑羽根
synonym Crassula schmidtii Regel
南アフリカ原産。英名はfairy tongue。流通名はかぐや姫。
マット状になる多肉植物。短い茎に厚い肉質の葉をロゼット状につける。茎は直立または斜上し、茎は長さ9㎝まで、緑色または紫色、反り返った毛で覆われる。葉は緑色、断面が三角形、長さ4㎝までになる。花は頂生、束生し、紫ピンク色、星形で、直径は約4㎜。花期は晩秋~冬。
品種) 'Delta' (PBR) , 'Desert Rose' , 'Desert Ruby'
10-4 Crassula exilis subsp. sedifolia (N.E.Br.) Toelken
南アフリカ、ナミビア原産。崖や岩の露頭の南側と南西側の岩の割れ目に生える。
この亜種はより丈夫で、花序柄に毛がないことで他の 2 種と区別される。多肉植物、枝分かれが多い。根は木質、太く、直径は1㎝まで。枝は短い木質。葉はややゆるいロゼット状に密集する。葉身は線状楕円形、断面はほぼ三角形で、長さ1.5㎝×幅0.3㎝に達し、肉質、通常、灰緑色、上面には暗く不規則な窪んだ斑点がある。花はカップ形、直径0.3㎝、白色~帯ピンク色、かび臭い(musty)蜂蜜のような香りがする。花期は晩夏~秋。
11 Crassula fusca Herre アカオニジョウ 赤鬼城
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。stone crop。南アフリカ植物のレッドリストの準絶滅危惧 (NT) 。多くは南向きの保護された斜面や谷の岩の割れ目に生える。
多年生の亜低木で、高さ40㎝まで、植物の基部からまばらに枝分かれする。葉は宿存性があり、対につき、植物の基部に密集する。葉は長さ40~90(~150)㎜×幅8~15㎜、鈍い褐色、卵形~披針形~線状披針形、初めは縁に小鋸歯があり、後に平滑になり、通常は褐赤色で、まれに灰緑色。古い葉は落葉しない。若い葉は上向きに曲がるが、後に反り返る。花序は頂生、広円錐形または丸い密錘花序(thyrse)。花序柄は長さ10~30㎜、下部の葉に半分隠れていることが多い。小花柄は無い。萼片は披針形、長さ2~3㎜、無毛または広く間隔をあけた尖った鋸歯が縁にあり、肉質で褐色。花冠は筒状、基部で0.2~0.4㎜合着し、白色~クリーム色~淡いピンク色。花弁は楕円状披針形、長さ4~5㎜、鋭形またはややフード状で反り返る。葯は黒色。花期は初夏(11~12月)。 2n=14。
12 Crassula hirtipes Harv. クラッスラ・ヒルチペス
synonym Crassula hystrix Schonland
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はhedgehog, stonecrop。標高50~500mの岩面や岩の下、その他の日陰にある岩の割れ目に生える。
小型の多肉植物、茎は多数、傾伏~直立し、株立し、直径15㎝まで広がる。葉は緑色~赤緑色、卵形~披針形、長さ2㎝×幅0.7㎝まで、短い反り返った毛がある。花茎は高さ35㎝まで、毛がある。花序は細長い房状になる。花は筒状で、クリーム色~黄色。花期は冬の終わり~春の初め。 品種) 'Jakkalskoppie' , 'Variegata' (v)
13 Crassula mesembrianthemopsis Dinter ミヤコボシ 都星
南アフリカ、ナミビア原産。英名はfoam flower。砂質または砂利質の土壌で育ち、珪岩の砂利で覆われていることが多いが、表面が石灰岩の地域にも生える。
矮性の多年草、1~数個の密集した直径20~50㎜のロゼットをつけ、上部の葉縁のみが地上に露出する。葉は無柄で、螺旋状に並び、古い葉は落葉しない。葉は楔形~ほぼ倒錐形で、長さ10~20㎜×幅3~6㎜、通常、断面は幅と厚さがほぼで、三角形、先は切形で基部に向かって次第に細くなり、主に露出面は小さく硬く丸いパピラで覆われ、しばしば水を出す気孔(hydathodes)の周りに明らかに密集し、パピラで覆われている場合は緑色~褐色~灰緑色。花序は頂部が丸いコンパクトな2出集散花序(dichasium)、下部の葉に部分的に隠れ、花は通常短い小花柄があり、花序柄は長さ6~20㎜、反り返った毛が少しある。萼片は長円状三角形で長さ2.5~3.5㎜、先は円形または鈍い鋭形、先に向かって短毛が少し散在し、縁の縁毛は開出し、肉質で緑色。花冠は筒状で、基部で0.6~1㎜融合し、白色~クリーム色。花冠裂片は狭長円形、長さ5~6(~7)㎜、それぞれいくらかフード状で、背側の付属体は不明瞭。雄しべは黄色の葯を持つ。蜜腺の鱗片(squamae)は長円状楔形、長さ0.8~1.2㎜×幅0.5~0.7㎜、凹形、わずかに肉質で、淡黄色~白色(e-Flora of South Africa)。
14 Crassula mesembryanthoides (Haw.) D.Dietr. ギンゾロエ 銀箭
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はCrassula Moon Glow。東ケープ州のカルーとバレーブッシュフェルトに生える。
小亜低木、叢生多肉植物(plexiform succulent)、成長が遅い。夏季に休眠する。高さ40㎝以下。茎は緑色で肉質、時間が経つと木質の赤褐色に変わり、毛深い。葉は斜上し、先端が尖った線状楕円形(長い涙形)、長さ2㎝×幅0.4㎝・以下、緑色~黄緑色、柔らかい反り返った緑色と短い白毛で密に覆われる。花は枝の先に房状につき、小さく、鐘形で、白色~クリーム色。花期は秋~冬。
品種) 'Fuzzy Hair' , 'Tenelli' (PBR)
14-1 Crassula mesembryanthoides subsp. hispida (Haw.) Toelken
synonym Crassula hispida (Haw.) D.Dietr.
南アフリカ(東ケープ州)に分布する。ブッシュフェルト渓谷に生える。
ssp. mesembryanthoidesとの違いは節間は短くなり、5㎜以下。葉は直立し、線状披針形、長さ2~5cm、わずかに湾曲した柔らかい毛で覆われる。花期は真夏~秋。
14-2 Crassula mesembryanthoides subsp. mesembryanthoides
synonym Crassula trachysantha (Eckl. & Zeyh.) Harv.
多年草、高さ40㎝、軟毛がある。根はひげ根。茎は直立し、枝分かれし、小さなグループを形成する。枝は多肉質、緑色、古い枝は木質化し赤褐色になり、節間は5~20㎜、長さはほぼ一定。葉は長さ10~20㎜x幅2~4㎜、平ら、上向き、線状楕円形、緑色~黄緑色、密に反曲した毛で覆われ、上面は平ら~凸状、下面は凸状、基部は楔形、先は鋭形、古い葉は宿存しない。花序は球形~平らな密錘花序(thyrses)、長さ30㎝まで、数個の2出集散花序をもつ。萼片は線状三角形、長さ3.5㎜以下、鋭形。花冠は筒状、クリーム色、花弁は線状バイオリン形(linear-panduriform)、長さ4.5㎜以下、基部で短く融合し、線状楕円形の先端の付属体は互いに密着する。葯は黒色。花期は3~6月。
15 Crassula multicava Lem. ナルト 鳴門
synonym Crassula quadrifida Baker
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。英名はfairy crassula。別名はイソベノマツ(磯辺の松)。ポート・シェプストーン付近のナタール南部からポート・エリザベス付近の東ケープ州にかけて稀に発生し、通常は日陰の場所で岩の露頭に伴って生える。
多年草、枝が柔らかく傾伏する。葉がつくとまれに3㎜より太くなり、まれに長さ40㎝(花序を含む)より長くなり、枝分かれはまばらで、植物全体が無毛で、古い葉は落葉しない。葉柄は長さ5~20㎜、葉身は広楕円形~長楕円形、長さ20~50(~65)㎜×幅15~40㎜、鈍形または凹形で、多少急に葉柄に向かって狭まり、基部は楔形~心形で、背腹方向が平らで、縁はわずかに反り返り、全縁で、目立つ水を出す気孔(hydathodes)があり、緑色、しばしば黄緑色になり、下面はまれに紫色を帯びる。花序は長い密錘花序で、高さ18~22㎝、多数の部分花序がしばしば散形花序に集まり、基部には数対の通常錐形の苞があり、または、しばしば腋に花がない代わりに不定芽が発達している苞の対を形成する。小花柄は長さ3~8㎜。花は主に4数性。萼片は三角形、長さ1~2㎜、先は鋭形、緑色でときに赤色を帯びる。花冠は長さ3~4㎜、クリーム色で赤色を帯び、花弁は星形だが開花後に閉じる。花期は5~8月。
葉の縁が黄色い品種は'Marginated Orbit'として2003年に発表されたものである。
16 Crassula muscosa L. セイサリュウ 青鎖竜
synonym Crassula lycopodioides Lam.
南アフリカ、ナミビア原産。英名はtoy-cypress , watch-chain。
多年草、高さ25㎝まで、直立~傾伏し、疎~密に枝分かれする。葉のサイズや葉の形は様々。根はひげ根。枝は明るい方向へ曲がることが多く、主枝は木質で直径1㎝まで、節間は見えない、葉は平らで、灰緑色~褐緑色で、直立することが多く、すべて同じ長さで密に覆瓦状になって四角形から円柱形の草形になり(短い腋生花序で広がる場合)、卵状三角形~広楕円形で、長さ2~7㎜x幅1.5~4㎜、縁は全縁で1列の水を出す気孔(hydathodes)があり、先は鋭形~鈍形。花序は栄養枝とほとんど区別がつかず、腋芽は無柄の腋生の2出集散花序を持つ。萼片は長円状三角形、長さ1.5㎜以下。花冠はカップ形、淡黄緑色~褐色、長さ2㎜以下。花弁は長円状三角形、長さ2㎜以下、鋭形、葯は黄色。2n=32, 64, 96-112。
品種) 'Dacamelod' (PBR)
17 Crassula nodulosa Schönland クラッスラ・ヌドゥロサ
synonym Crassula capitella subsp. nodulosa (Schönland) Toelken
synonym Crassula nodulosa subsp. sessilicymula (Mogg) Toelken
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、北部州)、アンゴラ、ボツワナ、ケニア、モザンビーク、ナミビア、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエ原産。海岸沿いの砂質土壌などに生える。
多年生亜低木。高さ400㎜以下。茎は短いか、または全くなく、葉が密生する。葉はほ根生し、密にロゼットをつけ、半円柱形の錐形、鋭形、ほぼ軟毛がある。花序は花序柄のある穂状花序状で、軟毛があり、円錐花序または密錘花序、少数の離れた鱗片葉を有し、小集散花序(cymules)は密な頭花、毛がある。萼片は縁毛があり、面はほぼ無毛、線状長円形、先は鈍形。花弁はほぼ合着し、バイオリン形(panduriform)、凹面、先端の下の背側に球形の付属体がある。柱頭はほぼ無柄。、蜜鱗片(squamae)は切形状凹形。2n=28。
18 Crassula nudicaulis L. クラッスラ・ヌディカウリス
synonym Crassula cephalophora Thunb.
synonym Crassula obvallata L
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト原産。
3変種ある。
18-1 Crassula nudicaulis var.herrei クラッスラ・ヌディカウリス・ヘレー (ルドリッツ)
synonym Crassula herrei Friedrich
南アフリカ(ケープ州)原産。ケープ州北西部、主にコマッガスとオレンジ川の間の海岸山脈の西側、ただしシュタインコップフ付近にも分布。通常は緩やかな砂利の斜面で、通常は南西の斜面に生育する。
葉は線状長円形、長さ(2~)3~4(~8)㎝、上部は平らで下部は多少凸型~断面がほぼ半円形、先は鈍形、通常は無毛、まれに基部に向かって縁毛が数本あり、緑灰緑色~褐色。花は部分花序につき、通常は上向き、子房には(18~)20~30個の胚珠がある。
18-2 Crassula nudicaulis var. nudicaulis
synonym Crassula cephalophora Thunb.
synonym Crassula obvallata L
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト原産。
茎は短く、肉質で、密に葉がつく。葉は単葉、ほぼ根生し、披針状長円形または斜めのナイフ形(cultrate)、先はほぼ鋭形または鈍形、無毛、軟骨質の縁毛がある(cartilagineo-ciliate)。花序柄は花茎状で、円錐花序に少数の鱗片葉(leaf-scales)がある。小集散花序は密に束生し、軟毛がある。萼片は微軟毛があり、縁毛があり、長円形、先が鈍形。花弁はほぼ合着し、バイオリン形、先端の下側に長円形の背腺がある。柱頭は無柄、頭状。蜜鱗片は長楕円形。
18-3 Crassula nudicaulis var. platyphylla
synonym Crassula platyphylla Harv.
南アフリカ(ケープ州)原産。南部カルー山脈に分布が限定され、乾燥した岩の多い斜面に生え、露出した場所に多い。
茎はほとんどなく、葉が密生する。葉はほぼ根生し、ロゼット状、長さ2.5~3㎝x幅1.9~2.5㎝、広倒卵形またはほぼ円形、先は鈍形~円形、平ら、硬く、無毛、縁は平滑。花序柄は長さ20~25㎝、花茎状、微軟毛があり、溝があり、小さな葉鱗片(leaf-scales)が数個あり、長いほぼ穂状花序状の密錘花序で終わり、、小集散花序は頭状ほぼ無柄、軟毛がある。萼片は線形、鈍く、毛があり、背面は丸い。花弁は基部で合着し、バイオリン形、ほぼ先の背側に卵形の付属体を1個もつ。柱頭はほぼ無柄、蜜鱗片は切形。
品種) 'Burgundy'
19 Crassula ovata (Mill.) Druce フチベニベンケイ 縁紅弁慶
synonym Crassula portulacea Lam.
synonym Crassula argentea Thunb.
南アフリカ、モザンビーク原産。英名はbaby jade , cauliflower-ears , dollarplant, jadeplant , jadetree , Japanese rubberplan , Japanese-laurel , jade plant , lucky plant , money plant , money tree。別名はカゲツ(花月)、カネノナルキ。
常緑低木。多数、分枝し、完全に無毛、高さ3m又はそれ以上、幹の直径6㎝以下。茎は多肉質、帯灰色。葉は対生、斜上又は開出し、長さ5㎝×幅3㎝以下(栽培種は長さ3~9㎝×幅1.8~4㎝)、無柄(長さ5㎜以下)、倒卵形~倒卵状へら形、新鮮なときに光沢があり、縁は鋭い角(かど)があり、帯赤色。花は5数性、頂生の散房花序につき、甘い芳香がある。萼片は長さ約2㎜。花弁は長さ6~7.5㎜×幅2.5、長円形又は披針形、鋭形、白色又はかすかにピンク色。雄しべは長さ約5㎜。袋果は長さ3~3.25㎜、斜めの長円状卵形。 野生では疎林の中の砂質粘土の灰色の土壌に生える。花期は冬。
品種) 'Basutoland' , 'Blue Bird' , 'Blue Haze' , 'Blue Surprise' , 'Crasmada' (PBR) , 'Crosby's Compact' , 'Dwarf Green' , 'Gollum'宇宙の木 , 'Hobbit' , 'Horn Tree' , 'Hummel's Red' , 'Hummel's Sunset' (v)[AGM]='Living Coral , 'Lemon & Lime , 'Minima' , 'Minor' , 'Minova Magic' (PBR) , 'Obliqua' , 'Odessa' (PBR) , 'Ogre Ears' , 'Red Horn Tree' , 'Riversii' , 'Sunset Magic' (PBR) , 'Undulata' , 'Variegata' (v) , オウゴンカゲツ(黄金花月) , カゲツニシキ(花月錦) , サクラカゲツ(桜花月) , ヒメカゲツ(姫花月) , ラクジツノカリ(落日の雁)
20 Crassula pellucida L. クラッスラ・ペルシダ
synonym Crassula marginata Thunb.
アンゴラ、南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 TVL[北西州(North West), ハウテン州(Gauteng), ムプマランガ州(Mpumalanga), リンポポ州(Limpopo)])、ケニア、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産。英名はtrailing crassula。葉柄はかごく短く、そのため、葉の基部が直接、茎の周りに固定されているように見える。この特徴は、この種を似た近縁のCrassula spathulataと区別するのに役立つ。花序柄は明瞭ではなく、個々の花には小花柄がある。類似のクラッスラ属の植物と区別するのに便利な方法である。
多年草まれに1年草、茎は長さ60㎝まで、傾伏または平伏し、多少枝分かれし、古い葉は落葉しない。葉は通常無柄、まれに長さ8㎜までの葉柄を持ち、葉身は披針形~卵形~楕円形または倒披針形、長さ10~25(~35)㎜x幅(3~)5~12(~20)㎜、通常は先が鋭い鋭形、しばしば小突起形または尖頭(せんとう)形で、基部は多少急に狭まり、くさび形~ほぼ葉柄になり、背腹面が平らで、通常は無毛、緑色、ときに褐色の縞模様があり、縁が無色または赤色。花序は頂生の2出集散花序、多少束生または花が単生になり、明確な花序柄はなく、しばしば先端の葉に半分隠れる。個々の花には小花柄がある。花は小さく、長さ3~5㎜。萼片は線状三角形、長さ2.5~5(~6)㎜、それぞれ鋭く鋭形で無色も先端になり、無毛、肉質だがしばしば膜質の縁を持ち、緑色またはほぼ無色。花冠は星形、基部はほとんど融合せず、白色、しばしばピンク色を帯びる。花弁は楕円形~倒披針状長円形、長さ3~5㎜、鋭い鋭形、背側に付属体がない。花期は春~夏(9~2月)。
非常に変異の激しい種で、4亜種が認められる。そのうち3亜種は南アフリカ(ケープ州)固有種であり、他の1種は南アフリカの近隣諸国や熱帯アフリカにも生息する。
20-1 Crassula pellucida subsp. brachypetala (Drège ex Harvey) Tölken
アンゴラ、南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、ケニア、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産。熱帯アフリカ南部から北部、東部、南東南部、アフリカ温帯に分布し、森林の縁と草原に生える。
基本亜種(ssp. pellucida)と異なる点は次のとおり。茎は傾伏し、太さ約1㎜、節間の茎に沿って2本の帯状に葉柄間毛(interpetiolar hairs)がある。葉は卵状披針形で、短い葉柄~無柄、葉柄または葉の基部には縁に縁毛がある。花序は頂生の2出集散花序。小花柄には毛がある。萼片は花弁の長さと同じかそれより長い。花期は12~4月。2n=32。
20-2 Crassula pellucida subsp. marginalis (Aiton) Tölken エドコマチニシキ 江戸小町錦
ケープ州に分布する。通常は岩の露頭に生え、岩の下や森林の日陰の湿った場所にも生える。
多年草、無毛の平伏または匍匐する枝を持つ。葉は広卵形、先端が尖り、基部に向かって急に狭まり、多少、対が融合し、直径10㎜までの円盤を形成し、角質のパピラの無い縁をもち、鞘は無毛、または多少縁に縁毛がある。花序は1~3個の頂生の2出集散花序からなり、しばしば縮小して散形花序になることが多く、無毛の小花柄がある。萼は通常花冠の長さの約半分で、まれに花冠と同じ長さで、肉質。花期は9~12月。2n=16。
品種) 'Variegata' (v) '斑入り江戸小町錦
20-3 Crassula pellucida subsp. pellucida
synonym Crassula marginata Thunberg
ケープ州に分布する。ウィンターフック山脈からケープ半島、スワートバーグ、スウェレンダム付近までの南西ケープ州に見られ、通常は岩の露頭、岩の下の日陰の湿った場所、または森林に生える。グランドカバーとしてのCrassula pellucida subsp. pellucidaは適切な条件ではクッションのような塊を形成する。
多年草、傾伏する無毛の枝を持つ。葉は倒卵形~広楕円形、鈍形または小突起形、基部は明瞭な楔形~ほぼ葉柄となり、縁は不規則にパピラがあり、鞘は無毛。花序は通常は頂生の2出集散花序だが、まれに頂生の花が1個、葉腋につくこともある。萼は花冠の長さの3分の2から同じ長さで、肉質。花期は11~2月。
20-4 Crassula pellucida ssp. spongiosa Tölken
西ケープ州の狭い地域に分布する。希少種であり、保護された谷間の砂質土壌に生える。
基本亜種(ssp. pellucida)と異なる点:
1年草、茎は傾伏、無毛。葉は楕円形、基部は楔形、先は鋭形、鞘は無毛または少数の散在する縁毛がある。花序は頂生の2出集散花序。萼片は花弁と同じ長さで、花後はスポンジ状になる。花期は春。
21 Crassula perfoliata L. クラッスラ・パーフォリアータ
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。流通名はジントウ(神刀)。
多肉質の低木、直立し多年生、枝分かれが少なく、高さ約1.3mになる。この属の中で最大かつ最も印象的で、大きく尖った葉が対になって生える。この興味深い種は、かなり変化に富んでおり、その変種のいくつかは、以前は別種として扱われていた。Crassula perfoliata var. perfoliata では、葉に溝があり、長さ10~15㎝、交互に平面に配置され、かなり直立し、灰緑色で、ビロード状の質感がある。夏に先端が丸く平らな白い花が咲く。
根はひげ根。茎は、結合した葉の基部の中心から直立し、緑色、多肉質、年を経るにつれて木質化し、基部から枝分かれする。枝は長さ0.5~1.3(~1.5)m、上部は単枝またはほとんど枝分かれせず、粗くて硬く、しばしば丸みを帯びた疣で覆われ、古い乾燥した葉は落葉しない。葉は長さ(4~)6~10(~15)㎝×幅(8~)13~18(~40)㎜、十字対生し、基部で合着し、単葉、斜上して広がる、披針形~三角形またはわずかに鎌形、緑色、平滑、上面は平ら、基部に溝が入り、縁は先まで鋭く、下部は切形、下面は凸状、または明らかに横方向に扁平で両面がほとんど凸状ではなく、先は鋭形で微突形、密に丸いまたはしばしば不規則な形のパピラで覆われ、緑色か~灰色、粉白色、ときに紫色の斑点がある。上部の葉は退化する。花序は丸く、頂部が平らな密錘花序(thyrses)、毛があり、多数、枝分かれする。花序柄は長さ3~10(~15)㎝、直径5㎜、伏剛毛(strigose)がある。苞は葉状、下部では長さ10㎜x幅7㎜。花は甘い芳香がある。小花柄は長さ1㎜。萼片は長さ1~3㎜、三角状披針形、鋭形、開出毛と縁の縁毛で覆われ、肉質、緑色または帯赤色。花冠は筒状で、長さ3~3.6㎜、下部は筒状、上部は星形で基部で1~1.5㎜癒合している。花弁は反り返り、白色、雄しべをあまり超えない。雄しべは葯が黒色。花柱は錐形。蜜鱗片は横長の長円形、長さ0.2~0.4㎜x幅0.5~0.6㎜、通常は凹形、下部でわずかに狭まり、肉質、黄色。花期は春~夏中旬。
品種) 'Ivory Tower' , Jintou 神刀 , Jintou Nisiki(神刀錦)variegata
5変種がある。POWOではvar. minorを基本変種に含め4変種としている。
21-1 Crassula perfoliata var. coccinea (Sweet) G.D.Rowley
南アフリカ(ケープ州)原産。東ケープ州のバレーブッシュフェルトに生える。
var. perfoliata との違い
葉は直立または広がり、三角状披針形で、細長く、細管状。萼片は長さ2~3㎜。花冠は濃赤色、長さ5~7㎜。花期は真夏。
品種) 'Giant Propeller Plant'
21-2 Crassula perfoliata var. falcata (J.C.Wendl.) Toelken
synonym Crassula falcata J.C.Wendl.
ケープ州原産。東ケープ州に分布する。英名はairplane plant , airplane propellers。
葉は非常に独特な灰緑色の鎌形、通常は枝分かれしない茎に沿って、重なり合った対になってつく。花は鮮やかな赤色。
21-3 Crassula perfoliata var. heterotricha (Schinz) Toelken
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。南アフリカ(東ケープ州、東ムプマランガ州)、南東熱帯アフリカに分布し、亜熱帯の茂みや岩の間の乾燥した川の谷のサバンナに生える。
var. perfoliata との違い:
より小さく、高さ40㎝まで。茎は枝分かれし、葉は直立し、披針形、基部は細管状。萼片は長さ3㎜まで。花冠は白色、長さ5~7㎜。花糸と心皮はピンク色。花期は真冬~早春。
21-4 Crassula perfoliata var. minor (Haworth) Rowley
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はsickle-leaf red crassula , Eastern Cape red crassula。東ケープ州の乾燥した川の谷にある渓谷ブッシュフェルトに生える。POWOでは基本変種に含めている。
var. perfoliata と異なる点:
高さ20~50㎝、まれに枝分かれする。葉は横に平らで、はっきりと鎌形、丸くまたはしばしば不規則な形のパピラが密にあり、灰色がかっており、緑色~灰色、ときに紫色の斑点がある。花冠は長さ7㎜、赤色、ピンク色、まれに白色。花期は真夏。2n=14。
21-5 Crassula perfoliata var. perfoliata
synonym Crassula perfoliata var. minor (Haw.) G.D.Rowley
南アフリカ(ケープ州)原産。東ケープ州の乾燥したフィンボスおよびバレーブッシュフェルトに生える。
直立し、枝分かれが少ない低木で、高さは1.3 m。根はひげ根。枝は緑色、多肉質、成長すると木質になる。葉は長さ6~9.5㎝x幅1.3~1.8㎝、十字対生し、斜上し、広がり、披針形わずかに鎌形で、緑色、平滑、上面は平ら、基部には溝が入り、縁は先端に向かって鋭形、下部では切形、下面は凸状、先端は鋭形で微突形。花序は丸い密錘花序、小花柄は長さ1㎜。花は甘い芳香がある。萼片は長さ1㎜、三角状披針形、帯赤色。花冠は小さく、長さ3~4㎜、下部は筒状、上部は星形、花弁は反り返り、白色。花期は春~夏中旬。2n=14。
品種) 'Chunky' , 'Morgan's Beauty' ,'Propeller Plant'
22 Crassula perforata Thunb. ホシノオウジ 星の王子
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。英名はstring of buttons。
2亜種がある。
22-1 Crassula perforata subsp. perforata
synonym Crassula anthurus E.Mey. ex Harv.
synonym Crassula conjuncta N.E.Br.
synonym Crassula connata Donn
synonym Crassula coronata Heynh.
synonym Crassula nealeana V.Higgins
synonym Crassula patersoniae Schönland
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。
低木、高さ1m。やや這い回り、枝分かれする。根はひげ根。枝は灰褐色、直径は3㎜。葉は大きさと形が様々で、長さ14~33㎜x幅12~20㎜、平らで、卵形、無毛、灰緑色、基部で急に狭まり、対の葉と融合し、縁は帯赤色、先は鋭形または鈍形、古い葉は宿存する。花序は長さ8㎝、長い密錘花序、無柄の花がつき、花序柄は下部の葉から苞へと次第に変わる。萼片は三角形、長さ1㎜以下、鋭形。花冠は筒状、帯黄色。花弁は基部で短く融合し、長円形、長さ2.5㎜以下。葯は褐色。花期は11~4月。2n=14。
22-2 Crassula perforata subsp. kougaensis van Jaarsv. & A.E.van Wyk
南アフリカ(ケープ州)原産。
矮性亜低木、垂れ下がり、枝分かれが少なく、長さ80㎜x幅40㎜。根はひげ根。枝は軟らかく、葉がつき、垂れ下がり、直径0.8㎜、灰色。葉は背腹方向に扁平、十字対生し、広がり、基部で融合し、卵形~広卵形、先は鋭形、融合した葉の対が密集して上下の対が密着し、長さ8~10㎜x幅8~10㎜の4角柱になり、節間は 長さ2㎜、上面は平ら~凸状、下面は凸状、灰色~青緑色、縁は全縁、紫赤色で、一列の水を出す気孔(hydathodes)がある。花序は丸い凝縮した密錘花序で、苞は長さ1~1.5㎜、抱茎。萼片は三角形、長さ0.5㎜x幅0.4㎜。花冠は直径3.5㎜、筒状、淡黄色。花弁は長円形、長さ2~1㎜、基部で短く融合する。花期は1~3月。
品種) 'Giant Pagoda' , 'Ivory Towers' , 'Nealeana' , 'Variegata' (v) 南十字星
23 Crassula pubescens Thunb. クラッスラ・プベスケンス
synonym Crassula fergusoniae Schonland
synonym Crassula fragilis Schonland
南アフリカ(ケープ州)原産。
23-1 Crassula pubescens subsp. pubescens
岩の多い斜面や岩の割れ目に生えることが多く、通常は南向きの斜面や日陰の多い保護された場所に生える。
直立または広がる枝を持ち、まれに基部ロゼットがあり、節から根を張らず、節間は0~10(~20)㎜で、しばしば葉の間に見える。葉は倒披針形、長円形または線状倒披針形、長さ(6~)15~25㎜×幅(2~)4~12(~15)㎜、軟毛~微軟毛があり、まれに綿毛がある。花序は丸い~頂部がほぼ平らな密錘花序(すなわち、部分花序は中心軸の1、2(3)節から生じる)。花序柄は(1)2~3(4)対の苞を持ち、苞腋に花はない。花:萼:萼片は長円状三角形、長さ1~1.5 mm、鈍形~鈍い鋭形、微軟毛があり、肉質、緑色、花冠は筒形~ほぼ円筒形、基部が0.3~0.5㎜融合し、クリーム色~淡黄色。花弁は倒披針形~バイオリン形、長さ2~3㎜、背側の付属体は長い楕円形、長さ0.8~1㎜、長さが幅の約2倍である。花期は9~10(11)月。2n=14, 28。
23-2 Crassula pubescens subsp. rattrayi (Schönland & Baker) Tölken
東ケープ州の岩陰に生える。
subsp. pubescens と異なる点:
葉は密集した根生のロゼット状で、側枝は根を張らず、節間は短く、長さ約10㎜以下。葉は倒卵形~倒披針形、長さ15~40㎜x幅8~20㎜、微軟毛~ビロード状毛がある。花序は長い密錘花序、花の下に7対以下の苞がある。花弁には卵形~球形の先端付属体がある。花期は10~2月。
24 Crassula radicans (Haw.) D.Dietr. ベニチゴ 紅稚児
synonym Crassula pubescens subsp. radicans (Haw.) Toelken
南アフリカ(ケープ州)原産。英名は red carpet。東ケープ州ポートエリザベスとキングウィリアムズタウンの間のあたりに生息。保護された谷間に生育し、低木や樹木の下に広く群落を形成することが多い。
植物は多少、直立するが、側枝は垂れ下がり、地面に触れたところで根を張り、節間は長さ2~5(~10)㎜、葉の間に見え、密集したマットを形成する。葉は倒披針形、長さ(6-)10~25(-30)㎜x幅2~5㎜、無毛またはまれに微軟毛がある。花序は丸い~頂部の平らな密錘花序(つまり、部分花序は中心軸の1個または2個の節に生じる)と花序柄は、腋に花のない3~5(~7)対の苞を持つ。花弁の先端の背側には卵形~ほぼ球形の付属体があり、付属体は長さ0.4~0.6㎜、幅と長さがほぼ同じ。花期は11~2月。2n=28。
25 Crassula pyramidalis Thunb. リョクトウ 緑塔
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はPagoda Mini Jade, Pyramid crassula。別名はクラッスラ・ピラミダリス、オオガタリョクトウ(大型緑塔)。沿海地地生える。
直立~傾伏、まばらに枝分かれし、高さ12(~25)㎝、大きさは様々。根はひげ根、茎は節間が4列の密な覆瓦状の葉で完全に覆われ、直径約12㎜のきれいな四角形の長円形の体を形成し、先は鈍形。葉は緑色~褐緑色、三角状卵形、長さ3~12㎜x幅4~8㎜、平らで斜上し、縁は全縁、先端は鈍い鋭形。花序は密な頂生の丸い集散花序の頭花で、基部は葉に部分的に隠れる。萼片は長さ5㎜以下、長円状倒披針形、縁には縁毛があり、先は鈍形。花冠は筒状、アンプル形(ampulliform)、長さ14㎜以下、白色またはクリーム色。花弁は長円形、下部1/3が融合し、先端に鈍い嘴がある。葯は黄色。2n=14, 28。花期は春中旬~夏。
品種) 'Red Pagoda'
26 Crassula rupestris L.f. クラッスラ・ルペストリス
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。英名はRosary plant, Kebab bush, Concertina plant, Rock Crassula, Rosary Vine, Necklace Vine。中国名は翠星。別名は寿珠玉(ジュズダマ)。小さな葉が 数珠の様に連なってつく。
亜低木で、高さ50㎝以下。茎は直立、広がりまたは傾伏し、枝分かれが多い。葉は密接して対生し、肉質、卵形~披針形、完全に全縁、ほぼ凸形で下面が隆起し、先は鈍形または円形、長さ3~15㎜×幅2~13㎜、平滑、無毛または明らかに軟毛があり、葉の基部は肉質の円盤に融合し、灰緑色、赤褐色または紫色で、縁は赤色または黄色の角質になる。新芽の反対側に生えた葉は、基部でつながって、数珠状になる。古い葉は通常落葉する。花序は密錘花序で頭状、3分岐、短い柄があり、円形。花序柄は長さ20㎜まで、上部の葉に部分的に隠れ、花序の基部に少なくとも長さ3㎜の広がった苞がある。花は白色またはピンク色。小花柄は無毛、帯紫色。萼片は狭三角形~広三角形、長さ約1㎜、尖り、無毛、肉質、灰緑色でしばしば赤みがかる。花冠は筒状、基部が融合し、長さ0.4~0.6㎜、白色で、多少ピンク色または赤色を帯びる。雄しべは褐色の葯を持つ。蜜鱗片は長円形~正方形、長さ0.4~0.9㎜x幅0.3~0.6㎜、通常は切形だが、まれにやや楔形、肉質の黄色。花期は春(生息地では6~10月に開花)。
品種) 'Variegata' , ハイブリッド品種:'Baby's Necklace' [C.rupestris x C.perforata]. 数珠星・数珠姫
26-1 Crassula rupestris subsp. commutata (Friedrich) Toelken
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。オレンジ川下流の山々の西側の狭い地域に生息。通常は南向きの岩の多い斜面や谷間の岩の間に生える。
多年生亜低木。枝は直立し、ほぼ根を張り、直径0.2~0.8㎝、地面に触れても根を張らない。葉は長さ0.5~1㎝×幅0.3~0.4㎝、長円形~披針形、先端は鋭く、基部ではほとんど融合せず、節間が見える。古い葉は落葉する。花序はかすかに花序柄があり、直径約1㎝。花期は10~12月。2n=14。
C. rupestris ssp. commutataの特徴は葉がほとんど融合せず、幅が0.4㎝より広くならず、長さが1㎝より長くない。
26-2 Crassula rupestris subsp. marnieriana (Huber & Jacobsen) Toelken
synonym Crassula marnieriana Huber & Jacobsen
南アフリカ(ケープ州)原産。英名は jade necklace , Chinese pagoda。クライン・スヴァルトベルゲとアニスベルグの南斜面に生息。通常は高地の岩盤や岩棚の上の浅い土壌に生える。
多年生、亜低木。枝は傾伏し、直径約0.2㎝、しばしば地面に触れると根を張り、茎は密に葉で覆われる。葉は長さ(0.3~)0.4~0.5(~0.6)㎝×幅0.4~0.6㎝、卵形、先はかなり丸く、対生の葉の基部は長さの半分以上が円盤状に融合し、肉質で節間は見えない。花序は無柄、直径1.5㎝以下。花期は4~5(6)月。2n=14。
品種) 'Hottenton'
26-3 Crassula rupestris subsp. rupestris
南アフリカ(ケープ州)原産。主にケープ中央部の半乾燥地帯に生息し、北または東向きの低い岩場の斜面、および岩の間の露出した場所や岩棚の上に生える。
多年生、亜低木、高さ50㎝まで。枝は直立し、広がりまたはまれに傾伏し、通常直径0.2㎝以上で、根を張らない。葉は無柄、長さ0.5~1(~1.5)㎝×幅(0.4~)0.5~1(1.5)㎝、先は鈍形、まれに円形、基部は円盤状に融合し、融合部は長さ0.1~0.6㎝で、葉の長さの半分未満であり、卵形~披針形、上面は平らまたは凹形で、下面は凸形、肉質で、無毛または角質の縁があり、粉白を帯びた緑色~褐赤色~紫色、縁は赤色または黄色、節間が見える、古い葉は落葉する。花序は少数~多数の2出集散花序を持つ密錘花序、直径2.5~4(~5)㎝。花序柄は長さ2㎝以下で、しばしば上部の葉に隠れる。苞はへら形または錐形、長さ0.3㎝。花は小花柄がある。萼片は三角形、長さ約1㎜、鋭形、無毛、肉質、粉白状緑色~帯赤色。花弁は長円形、長さ3~4㎜、先は円形背側にうねがあり、ほとんど付属体がなく、先端は反曲し、白色、多少ピンクがかった色から赤みがかった色になり、葯は褐色、柱頭は目立つ。花期は6~10月。2n=28。
27 Crassula sarcocaulis Eckl. & Zeyh.
synonym Crassula parvisepala Schonland
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。英名はbonsai crassula。
品種) 'Alba' , 'Ken Aslet'
27-1 Crassula sarcocaulis var. lignosa (Burtt Davy) J.M.H.Shaw
南アフリカ(北部諸州)原産。subsp. sarcocaulisに含める見解もある。
27-2 Crassula sarcocaulis var. mlanjiana R.Fern.
マラウイ原産。subsp. rupicolaに含める見解もある。
27-3 Crassula sarcocaulis var. parvisepala (Schönland) J.M.H.Shaw
南アフリカ(北部諸州)原産。subsp. sarcocaulisに含める見解もある。
27-4 Crassula sarcocaulis subsp. rupicola Toelken
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト原産。 岩の上の浅い土壌にあるアフリカ温帯の草原に生える。
直立して広がり、まれに傾伏し、多数枝分かれして密生した低木を形成し、枝は直径50㎜以下、樹皮は剥がれやすい(まれに若い枝ではやや薄片状)。葉は線状披針形、基部が最も広く、長さ8~20㎜×幅1.5㎜以下、通常はほぼ円柱形(葉の長さは非常に多様)。萼片は長さ1.5~2㎜、または花冠の約半分の長さ。花期は1~4月。
27-5 Crassula sarcocaulis subsp. sarcocaulis
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。岩の上の浅い土壌にあるアフリカ温帯の草原に生える。
直立し密に枝分かれする低木、樹冠は高さ60㎝、幅は±同程度に広がる。若い枝は直径2㎜、緑色、毛のようなパピラがある。古い枝は無毛、ときに褐色の薄片が剥がれ、灰色の樹皮が露出し、基部の直径は2.5㎝以下。葉は形や大きさが様々、長さ15~35㎜x幅4~10㎜、楕円形、中央付近が最も広く、斜上して広がり、両面が平らで、ときにほぼ円柱形になり、縁には水を出す気孔(hydathodes)の輪があり、先端は鋭形、古い葉は落葉する。花序は丸い密錘花序で、高さ1~1.5㎝、直径1~2.5㎝、多数の2出集散花序がある。花序柄は不明瞭。小花柄は長さ2~4㎜。萼片は長さ1㎜以下、または花冠の約3分の1の長さ。花冠はカップ形、直径2~3㎜、短い筒状。花弁は基部で融合し、卵状三角形、白色、ピンク色、またはクリーム色、葯は褐色。花期は(3)4~6月。2n=16, 48。
27-6 Crassula sarcocaulis var. scaberula Harv.
南アフリカ(ケープ州)原産。subsp. sarcocaulisに含める見解もある。
28 Crassula sarmentosa Harv. クラッスラ・サルメントーサ
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。
品種) 'Comet' (v) , 'Variegata'
28-1 Crassula sarmentosa var. integrifolia Toelken
南アフリカ(クワズール・ナタール州)原産。草原およびサバンナに生える。
var. sarmentosa との相違点。
葉は楕円形で、縁は全縁。花は直立する。花期は真冬~春。
28-2 Crassula sarmentosa var. sarmentosa
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。オーストラリア(ニューサウスウェールズ州)に帰化している。温帯および亜熱帯の森林の日陰に生える。
平伏し、マット状から這い上がり、高さ約40㎝。根はひげ根。枝は円柱形、赤みがかったピンク色~緑色、白色の斑点があり、長さ1m以下、直径6㎜以下、節間は1~2.5㎝。葉は葉柄があり、長さ3㎜以下。葉身は平らで、長さ20~55㎜x幅10~35㎜、斜上し、薄緑色、卵形、楕円形~披針形、縁は鋸歯があり、帯赤色~緑色、水を出す気孔(hydathodes)の輪があり、基部は円形~楔形~やや心形、先は鋭形または尖鋭形。花序は頂生の密錘花序、少数の2出集散花序で終わり、長さ5㎝×幅5㎝・まで。小花柄は長さ5㎜まで。花は互いに直角に広がる。萼片は長さ3㎜まで、線状三角形、無毛、先が鋭形。花冠は星形で、白色でピンク色を帯び、直径10㎜まで。花弁は披針形、長さ4㎜x幅1㎜・まで、下面はしばしば暗ピンク色になる。葯は淡ピンク色~白色。花期は真冬。2n=56。
29 Crassula setulosa Harv. クラッスラ・セトゥロサ
synonym Crassula bloubergensis R.A.Dyer
synonym Crassula impressa N.E.Br.
synonym Crassula scheppigiana Diels
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、レソト、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。
品種) 'Milfordiae' , 'Silver Stars'
5変種がある。
29-1 Crassula setulosa var. curta (N.E.Br.) Schönland
synonym Crassula curta N.E.Br.
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、モザンビーク原産。英名はpygmyweed。
常緑の多肉植物、地面に葉がマット状に密着する、高さ3~5㎝。葉は対生、密につき、無柄、小さく、卵形、淡緑色~暗緑色。花茎は高さ5~15㎝、赤色を帯びる。葉を超えて花茎を直立し、頂部が丸い花序を頂生し、小さな花が密集してつく。花は星形、白色~淡黄色。花期は夏。
品種) 'Variegata'
29-2 Crassula setulosa var. deminuta (Diels) Toelken
北部諸州 Northern Provincesに分布。浅い岩場の草原に生える。
基本変種(var. setulosa)との相違点:
葉は直立し、長さ6~12㎜x幅2~6㎜、披針形~楕円状倒披針形、無毛、縁は縁毛があり、上面は平ら、下面は凸状。花序は頂生の穂状花序状の密錘花序。萼片は三角形。花弁は倒披針形。葯は褐色。花期は真夏。2n=14。
29-3 Crassula setulosa var. jenkensii Schönland
北部諸州 Northern Provincesに分布。浅い岩の窪みや割れ目の草原に生える。
基本変種(var. setulosa)との相違点:
葉は不規則に並び、直立し、長さ5~25㎜x幅3~7㎜、披針形または線状披針形、無毛または小数の直立した縁毛があり、上面は平らまたはやや溝があり、下面は著しく凸状になる。花序は頂生の集散花序、花は5個以下つく。萼片は線状三角形。花弁は長円形~長円状倒披針形。葯は暗紫色~黒色。花期は秋。
29-4 Crassula setulosa var. longiciliata Toelken
南アフリカ(クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、レソトに分布。湿った場所の浅い岩の窪みや割れ目の草地に生える。
基本変種(var. setulosa)との相違点:
枝は木質で、冬には15㎝まで伸び、ロゼットの芽ができる。葉は長さ3~10㎜x幅1.5~3㎜、楕円形~倒披針形、無毛、縁は明瞭な縁毛があり、上面は平ら、下面は凸状。花序は頂生の、頂部が平らな密錘花序。萼片は三角形。花弁は長円形~倒披針形、先は円形。葯は黄色。花期は夏中旬~秋。
29-5 Crassula setulosa nothovar. schlechteri (Schönland) Govaerts
synonym Crassula × schlechteri Schönland
南アフリカ(クワズール・ナタール州)に分布。
Crassula setulosa var. rubra (N.E.Br.) G.D.Rowley(=Crassula setulosa var. curta) と setulosa Harv. var. setulosaの交雑種。
29-6 Crassula setulosa var. setulosa
synonym Crassula setulosa f. latipetala R.Fern. ジンバブエに分布。
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、レソト、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。浅い岩の割れ目や窪みの草原に生える。
ロゼットになり、基部から増殖して密集し、高さ25㎝(花序を含む)になる。根はひげ根。葉は長さ10~30㎜x幅6~14㎜、平ら、楕円形~広楕円形~卵状披針形で、反り返って最初は密なロゼット状(日光に当たると)、開花すると緩くなり、上面は平ら~わずかに溝があり、下面は凸形、色と被毛は多様で、日光に当たると緑色~帯赤色になり、反り返った毛があるかまたは無毛、縁は縁毛があり、基部は楔形、先は鋭形。花序は頂生の頂部が丸い密錘花序、1個~少数の2出集散花序をもつ。花は小花柄がある。萼片は長さ3㎜以下、三角形、縁には縁毛があり、先端には丈夫な毛がある、花冠は白色、筒状、長さ4㎜以下。花弁は長円状披針形、長さ3.5㎜以下、基部が短く融合し、広がって反り返る、先は鋭形。葯は黄色~褐色。花期は真夏。2n=28, 56。
30 Crassula socialis Schonland ユキノヨウセイ 雪の妖精
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はkommadagga crassula , ring plant。東ケープ州の岩陰に生える。
ロゼットは基部から増殖して密集した丸い房を形成し、高さ4㎝(花序を除く)までに成長する。根はひげ根。葉は長さ4~11㎜x幅8~16㎜、扁平、卵形~楕円形~倒卵形、4列につき、明るい緑色~暗緑色、無毛だが縁に縁毛があり、先端は鋭形。花序は頂生の丸い密錘花序、1~3個の2出集散花序をもち、高さ7㎝まで。花は無柄。萼片は長さ1.5㎜以下、三角形状卵形、縁毛ある。花冠は白色、筒状、長さ6㎜。花弁は長円状倒卵形、長さ2.5㎜以下、基部で短く癒合し、先は広がる。葯は黄色。花期は春。
品種) 'Major'
31 Crassula swaziensis Schonland クラッスラ・スワジエンシス(
synonym Crassula argyrophylla Diels ex Schonl. & Baker
南アフリカ、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。露出した岩の隙間に生える。
多年草、枝は長さ25㎝までで短く、直立または傾伏し、わずかに木質で、葉のロゼットで終わる。葉は長さ2~5(~7)㎝、倒卵形まれに倒披針形、先は通常、円形、背腹が扁平(断面は楕円形)で、両面がわずかに凸状、開出毛で覆われ、まれに無毛、縁は縁毛があり、葉の基部に向かって短くなり、緑色~灰緑色~灰褐色。古い葉は宿存する。花序は頂生、頂部が平な密錘花序(thyrse)、多数の密な2出集散花序をもつ。花序柄は長さ(2~)4~10(~12)㎝。苞は短い長円状三角形、先は円形。花はほぼ無柄、花冠は筒状。萼片は長さ1.5~2.5㎜、長円状三角形、通常は鈍い鋭形、無毛、または開出毛および/または縁が縁毛で覆われ、多肉質で緑色。花弁は長さ3~5㎜、長円形~長円状披針形、鋭形、多少、明瞭な背の付属体があり、先端は反曲し、白色、クリーム色になり、しばしば蕾中ではピンク色を帯びる。葯は黄色~褐色。2n=14。
品種) 'Money Maker'(PBR)
32 Crassula tabularis Dinter アカネノトウ 茜の塔
南アフリカ、ナミビア原産。英名は red pagoda。ナマ・カルー(Nama Karoo:半砂漠地帯)および岩の割れ目の中の草原に生える。
単生または基部から増殖して小さな房状になり、高さ30cm(花序を含む)まで。根はひげ根。葉は長さ10~45㎜x幅5~15㎜、披針形~卵形、斜上・開出し、平らで無毛、上面は平ら、下面はやや竜骨状、縁は縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形、緑色~褐色、しばしば上面に暗色の斑点があり、水を出す気孔(hydathodes)は上面の縁と下面の縁に沿って1列に並び、主に葉の上面に散在し、通常は明瞭である。古い葉は宿存する。花序は頂生、長くなった密錘花序(thyrses)で、多数の2出集散花序をもつ。花は無柄。萼片は長さ3㎜まで、三角形、縁に縁毛があり、先は鋭形で、先端には長い毛がある。花冠は白色、筒状で、長さ5㎜。花弁は長円状倒卵形、長さ4.5㎜まで、広がって後屈し、先端は鋭形。葯は黄色。花期は晩夏~秋(2~5月)。
33 Crassula tecta Thunb. サヨギヌ 小夜衣
synonym Crassula decipiens N.E.Br.
南アフリカ原産。英名は英名は lizard skin crassula。 緩やかな低斜面に生育し、しばしば砂利の中に生える。
多年草、基部にロゼットがあり、しばしば多数分枝し、通常は基部が膨れる。開花時には高さ20㎝までになる。葉は密集してつき、無柄、長円形~長円状倒披針形、長さ2~3.5㎝×幅0.5~1.2(~1.5)㎝、先は円形、まれに鈍い鋭形または鈍形、幅ほど厚くなく、両面がわずかに凸形で、両面が不規則な形状の硬いパピラで覆われ、先に向かって幅が広がり、しばしば基部に向かって反り返った縁毛があり、灰緑色、古い葉は落葉しない。花序は頂生、ほぼ球形の密錘花序(thyrse)、まれに長くなり、数個の球形の2出集散花をもつ。花序柄は長さ3~8(~12)㎝、丸いパピラで覆われる。苞は三角形または披針形、先は円形、萼片に似ている。花は無柄。花冠は筒状。萼片は広三角形、長さ1.5~2㎜、先は円形または鈍形、反り返った毛と縁に縁毛があり、肉質で灰緑色。花弁は長円形~長円状披針形、長さ3~4㎜、鈍形、背側の付属体は不明瞭、先端はかすかに反り返り、白色またはクリーム色。葯は黄色。花期は4~6月。2n=14。
34 Crassula tetragona L. トウゲンキョウ 桃源郷
南アフリカ(ケープ州)原産。英名は mini pine tree , Chinese pine。
6亜種がある。
34-1 Crassula tetragona subsp. acutifolia (Lam.) Toelken
西ケープ州、東ケープ州に分布。谷間や窪地で他の低木と一緒に、または他の低木と絡み合って生える。
植物は傾伏し、ときにほぼ平伏し、通常は枝分かれが多く、節で根を張ることが多く、主枝は肉質で、樹皮はまれに剥がれる。葉は長さ5~15㎜x幅1~2(~3)㎜、急に鋭い先端で終わり、上向きに曲がり、古い葉は茎に付いたまま残る。鞘は長さ0.5~1(~1.5)㎜。花序は不規則に枝分かれし、数個またはまれに1個の2出集散花序があり、明瞭な花序柄があり、腋に花のない1~2対の苞がある。花冠は長さ1.5㎜まで、通常は花弁に沿ってうねがある。花期は1~3月。2n=16, 32。
34-2 Crassula tetragona subsp. connivens (Schönland) Toelken
ケープ州の主にリトル カルーの北の山地に分布し、 通常は北向きの砂岩の尾根または砂利の斜面に生える。
多年生植物、高さ35~100㎝。茎は直立し、硬く、房(ほうき)状に分枝し(fastigiated)、多肉質(carnose)、基部は木質で、直径3~5㎝まで。若い茎は緑色で、パピラに覆われる。古い茎の樹皮はパピラがなく、褐色で光沢があり、年を取ると剥がれる。葉は斜上し、長さ18~27㎜x幅1~2㎜、線状楕円形、ほぼ円柱形またはわずかに扁平で、上面は凸状~平ら、下面は凸状、先は鈍形~鋭形、古い葉は落葉する。花序は直立し、頂部が丸い密錘花序は数本の枝を持ち、花序柄は不明瞭で、非常に短いかまたは長さ8㎝以下、苞はない。花冠は長さ1.5~2㎜、白色で、花弁はわずかにうねがある。花期は秋。
34-3 Crassula tetragona subsp. lignescens Toelken
ケープ州の主にウースターとグラハムズタウンの間の低地の砂利質斜面に生える。
直立またはしばしば他の植物に絡みつき、高さ80㎝まで、枝は基部の直径が2~5㎜、木質。樹皮は剥がれ落ちる。葉は長さ12~20(~25)㎜×幅2~3㎜、鈍形またはまれに鋭い鋭形、若い枝の葉は広がるか上向きに湾曲し、古い葉は落葉する。鞘は長さ0.5(~1)㎜。花序は頂部が丸い密錘花序、通常は多数の2出集散花序と多数の花があり、しばしば花のない(0~)1対の苞を持つ不明瞭な花序柄がある。花冠は長さ約2㎜、白色~クリーム色。萼片は三角状卵形、鈍形、長さ1㎜。花弁は背側にうねがある。葯は褐色。花期は夏中期~秋。
34-4 Crassula tetragona subsp. robusta (Toelken) Toelken
東ケープ州では主にフィッシュ川、サンデー川、グルート川の谷沿いの低木植物に囲まれた谷間の乾燥した斜面に生える。
植物は直立し、しばしばほうき状に株立し(fastigiate)、高さ30~50(~100)㎝、通常は中程度に枝分かれし、主枝は基部の直径が5~15(~20)㎜、肉質、樹皮は剥がれ落ちる。葉は長さ(15~)20~30(~40)㎜×幅3~5(~6)㎜、先は鈍形、上向きに湾曲し、まれに広がる。古い葉は落葉しする。鞘の長さは0.5~1㎜。花序は頂部が丸い密錘花序、多数の2出集散花序を持ち、花のない苞が(0~)1対ある不明瞭な花序柄を持つ。花冠は長さ1.5~2.5㎜、裂片に沿って背側にうねがある。花期は(12)1~3月。2n=48。
34-5 Crassula tetragona subsp. rudis (Schönland & Baker f.) Toelken
ケープ州に分布し、主にオレンジ川の南のナマクアランドからガリーズ付近の砂利質の斜面に生え、岩の露頭や多肉植物の中に見られる。
植物は直立し、まれに古い枝が傾伏する。高さ25㎝まで、まばらに枝分かれし、茎は直径2~4㎜、肉質、肉質の根に続く。まれに樹皮が剥がれる。葉は長さ8~25㎜×幅2~3(~4)㎜、尖り、古い葉が茎に付いたまま広がる。鞘は長さ1.5~2㎜。花序は不規則に枝分かれした密錘花序で、数個(まれに1個のみ)の2出集散花序をもつ。花序柄は明瞭、花のない2~3対の苞がある。花冠は長さ1~2㎜、白色。花弁はほとんどうねが無い。葯は褐色。花期は夏中期~秋。2n=16。
34-6 Crassula tetragona subsp. tetragona
ケープ州南西部のギフバーグからユニオンデール付近まで広く分布する。やや乾燥した植生のある砂利の斜面に生える。
多年生植物。直立または平伏し、先が直立する。高さ10~20㎝以下、枝分かれはまばら。茎は多肉質(carnose)、無毛、直径1.5~2~8㎜、緑色。古い茎は褐色で樹皮は帯黒色、葉は斜上して広がり、長さ10~25㎜x幅2~3㎜、錐形だがわずかに平ら、先端は鋭形、帯赤色。古い葉は茎に付いたまま残る。花序: 長い花序柄があり、2~3対の苞がある。頂部が平らな2出集散花序は密に花がつく。花冠は長さ2.5㎜以下、筒状、基部が0.5㎜融合し、クリーム色~白色。花弁は長さ2㎜以下、楕円形~倒披針形、先は鈍い鋭形、やや反曲し、しばしば、明瞭な背側のうねがある。葯は褐色。花期は真夏~秋。2n=48。
35 Crassula tomentosa Thunb. クラッスラ・トメントサ
南アフリカ、ナミビア原産。英名はwoolly crassula。
品種) 'Variegata' (v)
2変種がある。
35-1 Crassula tomentosa var. tomentosa
南アフリカ、ナミビア原産。海岸沿いの砂地や砂利の多い斜面に生え、ときに大きな岩石に生える。
多年草または2年草、開花時の高さは20~)30~60㎝。ロゼットは1~数個あり、葉は最初は密集しているが、花後に伸びてやや緩く並ぶ。葉は無柄、長さ2~8(~10)㎝×幅1~2.5㎝、長円形~倒披針形、まれに倒卵形、先は鈍形または鋭形、背腹が平らでほとんど凸状ではなく、次第に狭くなり、密に毛があり、まれにほとんど無毛、縁毛は細く、直立または反り返り、緑色~灰色、古い葉は宿存する。花序は頂生の穂状花序状の密錘花序で、多数の小花無の無い花が密に束生する。花序柄は高さ15㎝までで、しばしば栄養枝と区別できず、しばしば分枝または、下部の腋生の2出集散花序の柄があり、密に毛がある。苞は多数あり、上部ほど小さくなる。花は無柄、萼片は広三角形、長さ2.5~3㎜、先は円形、開出または反り返った毛と不規則な縁毛で覆われ、肉質、緑色。花弁は長円状倒披針形バイオリン形、長さ3~5.5㎜、先に嘴があり溝と背側の隆起があり、先端はわずかに反曲し、オフホワイト色~淡黄色。葯は黒色。蜜鱗片は長円形で基部に向かってわずかに細くなる。花期は11~12月。2n=14。
35-2 Crassula tomentosa var. interupta (E.Mey. ex Harv.) Toelken
synonym Crassula glabrifolia Harv.
synonym Crassula glabrifolia (Harvey) G.D.Rowley
南アフリカ、ナミビア原産。保護区域の岩の割れ目や張り出した岩の下に生える。
var. tomentosa との違いはより小型で、高さ30㎝まで(花序を含む)。ロゼットは密に枝分かれし、密集する。葉は長さ15㎜未満、広倒卵形、先は切形。花序は分枝せず、穂状花序状の密錘花序で、下部に花序柄のある2出集散花序がある。花時は10~12月。2n=14。
36 Crassula umbella Jacq.
南アフリカ原産。英名はwinw cup。南オーストラリア州 (北ケープ州、西ケープ州)の高山Succulent Karooに生える。
直立した枝分かれのない茎を持つ地生植物、茎は長さ15(~25)㎝まで伸びる。塊茎は球形、繊維状の不定根がある。葉は長さ1~9㎝×幅2~15㎝、対になって生え、横方向に窪んだ倒卵形または茎の周囲でほぼ融合して丸みを帯びた傘のような構造になり、縁は全縁または円鋸歯状、上面は無毛で、通常は黄緑色。花序は頂生の長い密錘花序、まれにほぼ散形花序であり、花序柄は長さ10㎝まで。萼片は三角状披針形、長さ2㎜まで、先が鋭形~鈍形、黄緑色。花冠は星形で、直径1㎝まで、白色またはピンク色、花弁は披針形~卵形、長さ4.5㎜まで。葯は黄色。花期は冬~春。2n=16。
品種) 'Wine Cup'
37 Crassula undulata Haw. テングノマイ 天狗の舞
synonym Crassula dejecta Jacq.
synonym Crassula albiflora Sims
南アフリカ原産。英名はdoily crassula。
多年生亜低木、高さ40㎝、枝分かれすることが多く、枝は少なくとも若いうちは反り返った毛で覆われ、古い葉は落葉しない。葉は長円状楕円形~まれに卵形、長さ(5~)8~15(~35)㎜×幅4~13(~15)㎜、鈍形で、背腹が平らかまたは下面がわずかに凸状で、球形に近い縁毛以外は無毛、緑色~黄緑色、ときに帯赤色。花序は平ら~丸い頂部の密錘花序で、少数~多数の2出集散花序があり、明確な花序柄はない。萼片は三角形~披針形、長さ3~4㎜、鋭い鋭形で、しばしば先端が尖り、通常は無毛、肉質、緑色。花冠は筒状で、基部で1~1.3㎜融合し、白色、しばしば赤色やピンク色を帯びる。花弁は倒状長円形、長さ6~8㎜、鋭形、背側に付属体があり、強く反曲するか、または後屈する。葯は褐色。2n=14。この種は、特に葉の形と大きさにおいて、非常に変異が多い。
38 その他ハイブリッド
品種) 'Baby Jade' , 'Baby's Necklace' [C.rupestris x C.perforata]. 数珠星・数珠姫 , 'Baby Surprise' , 'Blue Bird' , 'Blue Waves' , 'Buddha's Temple'[C. perfoliate x C. pyramidalis ] , 'Calico Kitten' , 'Candy Cane' , 'Carnival' , 'Devil's Horns' , 'Dorothy' , 'Emerald' , 'Estagnol' , 'Green Pagoda , 'High Voltage' , 'Imperialis' , 'Ivory Pagoda' , 'Jade Necklace' , 'Kimnatii' , 'Magical' (PBR) , 'Moonglow'紀ノ川(キノカワ) , 'Morgan's Beauty'呂千絵(ロチエ) , 'Morgan's Pink' , 'Morgan's Pride' , 'Murielle' , 'Pagoda , 'Pink Pagoda' , 'Red Edge' , 'Springtime' , 'Tom Thumb' , 'Tres Bon' , 'Tresco Seaspray'
多肉質で軟木質の低木または小高木。枝が太い。葉は対生し、十字対生、肉質、倒卵形。花序は上部の枝に腋生、または1本の長い茎に腋せいする。花は密に束生し、小花柄があり、それぞれに小さな鱗片状の苞がある。萼片は2個、広卵形、宿存する。花弁は4~5個、基部で合着する。子房は上位。果実は裂開せず、壁が薄く、3角(かど)または3翼がある。
世界に7種あり、アフリカ南部に分布する。
synonym Crassula afra Jacq. クラッスラ・アフラ
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部州)、ケニア、モザンビーク、スワジランド原産。英名はelephant bush , dwarf jade plant , porkbush , spekboom。
低木、高さ2~4m、枝が密集する。茎は赤色になることが多い。上部の枝は直立する。葉は広卵形、光沢があり、あまり硬くなく多肉質、小さく、長さ1~2.5㎝。花序は長さ3~7㎝、短い花序軸に多数、花が束生する。花はピンク色または藤色、長さ約2㎜。果実は楕円形、翼がある。花期は9~11月。 品種) 'Variegata'
Crassula
Eucharis amazonica
Crassula
Crassula
Systematics of the Amazon Lilies, Eucharis and Caliphruria (Amaryllidaceae)
Crassula tetragona L.
Rochea coccinea
Crassula coccinea L.
Crassula
Crassula perfoliata L.
常緑低木。多数、分枝し、完全に無毛、高さ3m又はそれ以上、幹の直径6㎝以下。茎は多肉質、帯灰色。葉は対生、斜上又は開出し、長さ5㎝×幅3㎝以下(栽培種は長さ3~9㎝×幅1.8~4㎝)、無柄(長さ5㎜以下)、倒卵形~倒卵状へら形、新鮮なときに光沢があり、縁は鋭い角(かど)があり、帯赤色。花は5数性、頂生の散房花序につき、甘い芳香がある。萼片は長さ約2㎜。花弁は長さ6~7.5㎜×幅2.5、長円形又は披針形、鋭形、白色又はかすかにピンク色。雄しべは長さ約5㎜。袋果は長さ3~3.25㎜、斜めの長円状卵形。 野生では疎林の中の砂質粘土の灰色の土壌に生える。花期は冬。
クラッスラ属
family Crassulaceae - genus Crassula1年草又は多年草、まれに低木、しばしば肉質。葉はごく稀に無く、対生、普通、十字対生、最も下部は普通、ロゼットになり、分離又は基部が±合着て茎の周りに鞘を作り、普通、無柄、普通、単葉、ほとんどが全縁、平らになり、半円柱形又は類円柱形、無毛、軟毛状パピラがあるか、又はザラつき、縁は平滑、縁毛があるか又はパピラがある。花序は普通、散房花序、類散形花序、頭状花序、又は密錘花序、ときに腋生の密散花序(束生)又はまれに花が単生する。同数花、3、4又は5数性、まれに6又は9数性(普通、5数性)。萼は普通、花冠よりかなり短い。萼片は分離又は基部でわずかに合着する。花弁は普通、わずかに基部で合着して筒になり、白色又は赤色、まれに黄色又は帯青色、ときに乾くと褐色になり、裂片は星形、直立、開出又は輻合(connivent)し、先はしばしば背側に微突形があり、微突起は小さく、半球形又は円筒形、普通、鈍く又は目立ち、卵形又は類球形。雄しべは花弁と同数、萼上生(episepalous)又は筒に固着した融合花弁花冠(gamopetalous)につく。花糸はしばしば、錐形、ときに平らになる。葯は卵形又は長円形、ときに目立つ葯隔をもつ。蜜腺の鱗片は普通、ごく小さく、狭へら形~広へら形~倒楔形~四角形、先は円形でわずかに凹形、まれに柄がある。心皮は分離又はわずかに基部で統合し、1~2個。花柱はしばしば、錐形、狭円筒形、又は糸状、しばしば、子房の長さと同長又は短くて比較的、太い。柱頭は小さく、頂生又はまれに類背着。
世界に約200種あり、全世界に分布する。英名はjade plant 。
クラッスラ属の主な種と園芸品種
1 Crassula alba Forssk. クラッスラ・アルバアフリカ原産。湿った草原、ドラケンスバーグ草原、ほぼ断崖の草原、ほぼ断崖のサバンナに生える。
多年草または2年草、多肉質、1枚のロゼット葉をもつ。茎葉は対生し、螺旋状に配置され、古い葉は茎に残り、花時の高さは約0.5m、塊茎がある。葉は披針形~線状三角形、長さ60~150㎜x幅5~15㎜、先は鋭形、先から乾燥し、背腹方向が扁平、折り畳まれ、縁の縁毛を除いて無毛、暗緑色~黄緑色で紫色の斑点がある。花序は頭部が平らな密錐花序(thyrse)で、小花柄がある花が多数つく。花序柄には葉状の苞があり、上部では短くなる。萼片は肉質、鋭く先細りになり、丈夫な毛になり、縁に縁毛があり、緑色。花冠は筒状で融合し、長さ0.2~0.5㎜、ピンク色~白色。花冠裂片は長円形~倒卵形、長さ3.0~5.5㎜、先は鋭形、わずかにフード状になり、直立し、ほとんど反り返らない。花期は2~4月。
1-1 Crassula alba var. parvisepala (Schonland) Toelken
南アフリカ、モザンビーク、スワジランド原産。
葉はロゼットを形成し、高さ22.5㎝までになる。葉は無柄、多肉質で、披針形、先は細くなり、鋭形、縁は全縁、緑色に密に栗色の斑点がある。花茎の葉も下部では大きく、上部ほど小さくなる。花はブーケのように束生し、バラ赤色(rosy-red)。花期は夏。
品種) 'Solo Verde'
2 Crassula alsinoides (Hook.f.) Engl. クラッスラ・アルシノイデス
synonym Crassula pellucida subsp. alsinoides (Hook.f.) Toelken
ブルンジ、カメルーン、南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州TVL)、エチオピア、ギニア湾岸、ケニア、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、、ルワンダ、ソマリア、スーダン、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、イエメン、ザイール、ジンバブエ原産。熱帯アフリカ、トランスバール北部および東部、スワジランドに広く分布しているが、まれにしか見られない。ナタール州およびケープ州南部でもまれに見られる。湿った日陰の場所に生育し、小川沿いの森林や沼地でよく見られる。
多年草、枝が傾伏~平伏し、節間に少なくとも茎の両側の1本の線に沿って毛があり、節の上の葉の基部の鞘から下方に毛がある。葉は無柄で、卵形~披針状へら形、先は鋭形で先端が尖り、下部は急に狭まり、細長いパピラが小鋸歯状になり、鞘には毛が少し生え、縁に沿って長い毛がある。花序は頂生の単生花に縮小し、節ごとの2枚の葉のうちの1枚の葉腋につく。萼は花冠の長さの3分の2の長さで、肉質。花期は10~3月。2n=16。
3 Crassula arborescens (Mill.) Willd クラッスラ・アルボレッセンス
南アフリカ原産。英名はtree crassula
大きくて印象的な外観の単幹で多枝の低木または小高木、高さ3mに達し、幹は太くて肉厚で、樹皮は平滑、緑灰色。葉柄は非常に短いか、または無い。葉にはほとんど変化がなく、厚い肉質で、青灰色のワックス状になり、先は円形で不明瞭な鋭い先端になり、基部は漸尖し、縁はほぼ全縁、しばしば縁が赤みがかる。花は非常に華やかで、密集した枝に咲き、星形、白色~ピンク色、ほぼ球形の頭状になり、葉のわずか上に咲く。春~夏に開花し、植物はほぼ完全に花で覆われる。受粉後、花は紙のような茶色に変化し、それ自体が装飾的である。果実は小さく、長さ6㎜、3~5 個の独立した楕円形の鋭い先端の袋果(1 つの縫合線に沿って分裂する単純な乾燥果実)があり、宿存する花弁の乾燥した残骸の間に残る。果実は11月~1月に熟す。種子は非常に小さく、風によって散布される。
2 つの亜種がある。
3-1 Crassula arborescens subsp. arborescens
ヘックス川渓谷からリトル カルー、さらに北のクワズール ナタール州やスワジランドまで分布する。
品種) 'Blue Mist' , Curly Green = 'Ovcras03' (PBR) , 'Frodo' , 'Ovcras03'(PBR)
3-2 Crassula arborescens subsp. undulatifolia
東ケープ州のクライン ウィンターフック山脈の南部では、通常、岩の多い砂利のような条件の砂岩や頁岩由来の土壌に生える。西ケープ州と東ケープ州の両方の生息地では丘や斜面、時には崖の広い範囲を占めるが、谷間にも見られる。日当たりが良く露出した場所を好む。
葉が楕円形で波打っており、直立した葉を持つ。
品種) 'Ripple Jade'
4 Crassula barklyi N.E.Br. タマツバキ 玉椿
synonym Crassula teres Marloth
南アフリカ、ナミビア、レソト、スワジランド原産。英名はrattlesnake tail , crassula teres , rattlesnake crassula , rattlesnake buttons , Bandaged finger。なだらかな斜面の珪岩の砂利に生え、まれに大きな岩や岩の露頭に生える。
多肉植物、矮性で小型。枝は直立またはまれに傾伏し、重なり合った葉で覆われ、短くほぼ円筒形の柱を形成する。ゆっくりと高さ10㎝まで成長し、茎の基部または下部で分岐する。若い枝はほぼ球形、灰緑色のバラの蕾のように見える。葉は緑色~褐緑色、縁は白色の膜質で縁に密に縁毛がある。葉は厚く肉質、皿のような形をしており、長さ0.5㎝×幅1.5㎝まで。花は小さく、無柄、クリーム色、葉の間に埋め込まれ、先端に密な丸い房状に花がつく。花期は冬。
5 Crassula capitella Thunb. ヒマツリ 火祭り
アフリカ南部原産。英名はred flames , red pagoda , campfire plant
多年草、小型で、直立または傾伏し、高さ150~400㎜、直径1mまでのマットを形成する。地面に触れる前に節に不定根を出す。肉厚でプロペラのような葉を持ち、明るいライムグリーン色~明るい赤色に成長する。背の高い太い茎に小さな星状の白色の花がつく。花期は夏。
品種) 'Campfire' , 'Campfire Variegated
3亜種がある。
5-1 Crassula capitella subsp. capitella
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、レソト)原産。
ほとんどが2年生、基部に1個のロゼットがあり、通常は茎が無毛、夏の半ばから終わりにかけて、枝分かれしていない穂状花序に小さな白色の花をつける。
5-2 Crassula capitella subsp. meyeri (Harv.) Toelken
synonym Crassula brevistyla Baker f.
南アフリカ(ケープ州)原産。海岸沿いの砂質土壌にのみ生える。
茎は基部が木質化して傾伏し、1個から数個のロゼットと直立した茎を持ち、茎は無毛またはまばらに毛がある。枝分かれしない穂状花序に小さな白色の花をつける。花期は晩夏~冬。
5-3 Crassula capitella subsp. thyrsiflora (Thunb.) Toelken カクレイ 赫麗
synonym Crassula corymbulosa Link
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州)、ナミビア原産。英名は red pagoda plant , shark's tooth
枝分かれした多年生亜低木で、最初は帯ピンク色のロゼットになり、後に葉が塔の形になり、赤くなる。そのため、一般に赤い塔(red pagoda)と呼ばれる。夏には、枝分かれしていない穂状花序に小さな白色の花をつける。
品種) 'Giant Form' , 'Pagoda Village'
6 Crassula coccinea L. クレナイロケア
synonym Rochea coccinea DC.
南アフリカ原産。英名はred crassula , rochea。ニュージーランドに帰化。別名はロケア。
多年草、多肉質の亜低木、高さ15~50㎝、ほぼ無毛。茎は太さ約1.3㎝以下、木質になる。葉は無柄、基部で合着し、4列に十字対生、強く覆瓦状、シュートの先にほとんど集まらず、長さ20~30㎜×幅13~17㎜、楕円形~卵状長円形、平ら、緑色、排水組織(hydathodes)は無く、先は鈍形。花序は密錐花序と散房花序、幅約8㎝以下、主軸は短く、葉がある。花は5数性、直径20~24㎜、少数~約25個つく。花柄は無~長さ10㎜。咢は長さ1.8~2.5㎝。咢片は披針形、縁毛がある。花冠は長さ40~47㎜、星形ではなく、筒部は長さ3~3.5㎝、基部は白色、上部はピンク色。花冠裂片は5個、長さ1~1.2㎝、卵状長円形~楕円状長円形、深紅色、半曲する。雄しべと心皮(花柱を含めて)は長さ約3㎝。鱗片は長さ約0.8㎜、ほぼ長円形。種子は見られないが、花序で花が小植物に変わることはない。(Flora of New Zealan)。花期は5~6月。耐暑性が無く、1年草として扱われることが多い。
品種) 'Campfire' , 'Flame' , Variegated Fire
7 Crassula columnaris L.f. レイジン 麗人
synonym Crassula mitrata Friedrich
synonym Tetraphyle columnaris (L.f.) P.V.Heath 南アフリカ、ナミビア原産。英名はUpright Crassula, Khaki Button, Khakibutton。
矮性でコンパクトな多年生または2年生の多肉植物。この植物は成熟するまでに5~10年かかり、成熟して雨が降ると丸い体が開き、クリーム色から橙黄色の甘い香りの花が密し、シェービング ブラシのように咲く。
根は繊維質。枝は短く、直立し、1本、高さ(3~)15~60(~70)㎜、直径3~4㎜、まれに基部に短い腋枝があり、全体に8~10対の葉で完全に隠れる。種小名は不適切であり、自然界の典型的な植物は陥没した球形であることが多く、栽培されると円柱状になるだけである。葉は無柄、基部で合着し、4列、幅が長さより広く、長さ10~15㎜×幅10~23㎜、上部では短くなり、短く先細の円柱状、褐緑色、覆瓦状、しっかりと抱き合い、皿形(patelliform)、丸みを帯び、肉質、内側が凹状、外側が凸状、下面は竜骨状ではなく、先端は丸みを帯び、まれに微顆粒状、しばしば膜質の縁を持ち、灰緑色~褐色の内曲した(わずかに反り返った)縁毛を持つ。花は無柄の頭花(頭状花序)になり、植物の上部に直接咲き(上部の葉の間に部分的に隠れていることが多い)、高さ10㎜、直径22㎜まで、まれに丸い萼片が下部の葉に多少隠れ、密集して多数咲く。花は白色、クリーム黄色または帯赤色で、甘い香りがする。萼片は線形~楕円状長円形、長さ(1.5)3~4(~5)㎜、鈍形、緑色~褐色で半透明、先は緑色。花冠は細いアンプル形(ampulliform)、基部で融合して長さ7~13㎜、白色、淡黄色でしばしば赤みがかる。花弁は下部で合着し、狭い楕円状長円形、長さ7~13㎜、上部は先細、鈍く黄色がかった長さ1㎜の嘴になる。柱頭はほぼ無柄。雄しべには黄色~褐色の葯がある。花糸は長さ1.2~2㎜。葯は黄色または褐色。蜜腺は帯赤色。
8 Crassula cotyledonis Thunb. クラッスラ・コチレドニス
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。流通名はエントウ 円刀。岩や茂みの間の砂利の多い斜面に生える。
小型の多肉植物、基部にロゼットがあり、まれに木質化する短い枝が数本ある。高さ20㎝までになる。葉は灰緑色~黄緑色、倒披針形~広倒卵形、長さ9㎝×幅3.5㎝・以下、通常はこれより小さく、粗い反曲する毛に密に覆われ、縁に縁毛がある。古い葉は枝に残る。花茎は毛があり、長さ30㎝までになる。球形の頭状花序(頭花)を密につける。花は筒状~ほぼ円筒形、クリーム色~黄色。花期は晩春~夏。
9 Crassula deceptor Schonl. and Baker f. チゴスガタ 稚児姿
南アフリカ、ナミビア原産。alabaster towers。半砂漠地帯である多肉植物カルーバイオームの斜面または岩の露頭に生え、砂利や石英の露頭であることが多い。このバイオームは、極度の暑さ、寒さ、年間降雨量の少なさで特徴づけられる。
矮性多年生、多肉植物、成熟すると高さ80㎜に達する。形や大きさが非常に変化に富んだ種である。葉は肉質で灰緑色、主に卵形で無柄、最終的には長さ15㎜×幅15㎜まで成長する。茎は節間が短く、葉は密集し、高さ約70~150㎜、直径25㎜、4角形の凝縮した列を形成する。花序は甘い香りがする集散花序で、小さな花が緩く丸く集まる。花の萼片には最小限の毛(縁毛)があり、長円形~三角形、長さは約1.5㎜。花弁は長さ2~2.5㎜、クリーム色~帯ピンク色で、次第に褐色になる。雄しべには褐色の葯がある。花期は生息地では夏の半ば~終り(1~3月)、栽培では冬に花が咲くことが多く、適切な生育条件が整えば、一年中いつでも花を咲かせる。
10 Crassula exilis Harv. クラッスラ・エグジリス
南アフリカ、ナミビア原産。通常は垂直または急峻な岩面の割れ目や土壌ポケットにクッションを形成する。
枝分かれが激しく、密集した葉のマットを形成する。根は不定根。葉は大きさや外観が様々であるが、通常は長さ4~45㎜×幅3~10㎜、多くの場合、葉の上部は凸型で、先に向かって細くなり、通常、葉の縁には細かい毛があり、通常灰緑色、上部には不規則に配置された暗い窪みがある。花序には花が密に束生し、高さ100㎜以下になる。花は小さいカップ形、花冠筒部の中央から花弁の先端が広がり、通常、直径3㎜、白色~ピンク色、かび臭い蜂蜜のような香りがする。果実は蒴果、細かい粉のような種子を放出する。花期は晩夏~晩秋。
4亜種が認められている。C. exilis subsp. exilis、subsp. cooperi、subsp. picturata、subsp. sedifolia。
10-1 Crassula exilis subsp. exilis
南アフリカ原産。オレンジ川付近の西部に分布する。
花序柄に広がる鈍い毛がこの亜種の特徴である。
10-2 Crassula exilis subsp. picturata (Boom) G.D.Rowley
南アフリカ原産。非常に乾燥した地域に生息する絶崖の生息種であり、垂直または急峻な岩面の割れ目や土壌ポケットに密集したマットまたはクッションを形成する。岩石は砂岩、花崗岩、頁岩である。
矮性の1年草または多年草の多肉植物。根は不定根。垂直の木質の根茎から多数の茎が房状に伸びる。花茎は直立し、毛深い。茎は短く、直立し、多肉質で、単一または同じ根から複数が生え、密集して葉が茂り、ザラつき、高さ2.5~5㎝、直径4~6㎜。ロゼットは茎の基部に向かって螺旋状に並び、古い葉は茎に付いたままになる。葉は対生し、対が基部で合着し、上部で散在し、広がり、下部の葉は長さ26㎜×幅3㎜まで、へら状倒披針形、中間と上部の葉は長さ8~13㎜、楕円状披針形、多少肉質で、薄緑色、葉身に暗赤色の斑点が散在し、縁に縁毛があり、葉ごとに先端に尖った太い毛が1本ある。葉の大きさや外観は様々である。花序は頂生、花序柄があり、長さ15㎝以下、斜上し、 非常に細く、草質で、長さ1㎜以下の帯白色の開出する鈍い剛毛があり、多少、平らな頂部の少数の花がつく集散花序があり、葉は不明瞭な直立した花序柄に沿って徐々に短くなる。 短い小花柄があり、小さいカップ形、長さ約3㎜、白色またはピンク色で、花弁の先端は花冠筒部の途中から広がる。萼は長さが花冠の半分またはそれ以上ある。萼片は2~2.5㎜、卵状長円形~三角形、鈍形または尖り、反り返った倒卵形の花弁の半分の長さで、縁に縁毛がある。花冠は筒状で、基部で0.2~0.8㎜融合し、白色または多少ピンク色を帯びる。花弁は卵状披針形、先が鋭形、、先端の下に短く尖った平滑な微突があり、星状に広がり、平滑。花柱は錐形。雄しべは長さ3~3.5㎜、微小で肉質。葯は長さ0.25~0.4㎜、ほぼ球形~ほぼ長円形。花はかび臭い蜂蜜のような香りがある。蒴果は小さく、長さ約1.5㎜、平滑、最終的に花柄に対して直角に広がる頂部の短い花柱に狭まる。種子は細かい粉状。花期は晩夏~晩秋。
10-3 Crassula exilis subsp. schmidtii (Regel) G.D.Rowley ツクバネ 筑羽根
synonym Crassula schmidtii Regel
南アフリカ原産。英名はfairy tongue。流通名はかぐや姫。
マット状になる多肉植物。短い茎に厚い肉質の葉をロゼット状につける。茎は直立または斜上し、茎は長さ9㎝まで、緑色または紫色、反り返った毛で覆われる。葉は緑色、断面が三角形、長さ4㎝までになる。花は頂生、束生し、紫ピンク色、星形で、直径は約4㎜。花期は晩秋~冬。
品種) 'Delta' (PBR) , 'Desert Rose' , 'Desert Ruby'
10-4 Crassula exilis subsp. sedifolia (N.E.Br.) Toelken
南アフリカ、ナミビア原産。崖や岩の露頭の南側と南西側の岩の割れ目に生える。
この亜種はより丈夫で、花序柄に毛がないことで他の 2 種と区別される。多肉植物、枝分かれが多い。根は木質、太く、直径は1㎝まで。枝は短い木質。葉はややゆるいロゼット状に密集する。葉身は線状楕円形、断面はほぼ三角形で、長さ1.5㎝×幅0.3㎝に達し、肉質、通常、灰緑色、上面には暗く不規則な窪んだ斑点がある。花はカップ形、直径0.3㎝、白色~帯ピンク色、かび臭い(musty)蜂蜜のような香りがする。花期は晩夏~秋。
11 Crassula fusca Herre アカオニジョウ 赤鬼城
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。stone crop。南アフリカ植物のレッドリストの準絶滅危惧 (NT) 。多くは南向きの保護された斜面や谷の岩の割れ目に生える。
多年生の亜低木で、高さ40㎝まで、植物の基部からまばらに枝分かれする。葉は宿存性があり、対につき、植物の基部に密集する。葉は長さ40~90(~150)㎜×幅8~15㎜、鈍い褐色、卵形~披針形~線状披針形、初めは縁に小鋸歯があり、後に平滑になり、通常は褐赤色で、まれに灰緑色。古い葉は落葉しない。若い葉は上向きに曲がるが、後に反り返る。花序は頂生、広円錐形または丸い密錘花序(thyrse)。花序柄は長さ10~30㎜、下部の葉に半分隠れていることが多い。小花柄は無い。萼片は披針形、長さ2~3㎜、無毛または広く間隔をあけた尖った鋸歯が縁にあり、肉質で褐色。花冠は筒状、基部で0.2~0.4㎜合着し、白色~クリーム色~淡いピンク色。花弁は楕円状披針形、長さ4~5㎜、鋭形またはややフード状で反り返る。葯は黒色。花期は初夏(11~12月)。 2n=14。
12 Crassula hirtipes Harv. クラッスラ・ヒルチペス
synonym Crassula hystrix Schonland
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はhedgehog, stonecrop。標高50~500mの岩面や岩の下、その他の日陰にある岩の割れ目に生える。
小型の多肉植物、茎は多数、傾伏~直立し、株立し、直径15㎝まで広がる。葉は緑色~赤緑色、卵形~披針形、長さ2㎝×幅0.7㎝まで、短い反り返った毛がある。花茎は高さ35㎝まで、毛がある。花序は細長い房状になる。花は筒状で、クリーム色~黄色。花期は冬の終わり~春の初め。 品種) 'Jakkalskoppie' , 'Variegata' (v)
13 Crassula mesembrianthemopsis Dinter ミヤコボシ 都星
南アフリカ、ナミビア原産。英名はfoam flower。砂質または砂利質の土壌で育ち、珪岩の砂利で覆われていることが多いが、表面が石灰岩の地域にも生える。
矮性の多年草、1~数個の密集した直径20~50㎜のロゼットをつけ、上部の葉縁のみが地上に露出する。葉は無柄で、螺旋状に並び、古い葉は落葉しない。葉は楔形~ほぼ倒錐形で、長さ10~20㎜×幅3~6㎜、通常、断面は幅と厚さがほぼで、三角形、先は切形で基部に向かって次第に細くなり、主に露出面は小さく硬く丸いパピラで覆われ、しばしば水を出す気孔(hydathodes)の周りに明らかに密集し、パピラで覆われている場合は緑色~褐色~灰緑色。花序は頂部が丸いコンパクトな2出集散花序(dichasium)、下部の葉に部分的に隠れ、花は通常短い小花柄があり、花序柄は長さ6~20㎜、反り返った毛が少しある。萼片は長円状三角形で長さ2.5~3.5㎜、先は円形または鈍い鋭形、先に向かって短毛が少し散在し、縁の縁毛は開出し、肉質で緑色。花冠は筒状で、基部で0.6~1㎜融合し、白色~クリーム色。花冠裂片は狭長円形、長さ5~6(~7)㎜、それぞれいくらかフード状で、背側の付属体は不明瞭。雄しべは黄色の葯を持つ。蜜腺の鱗片(squamae)は長円状楔形、長さ0.8~1.2㎜×幅0.5~0.7㎜、凹形、わずかに肉質で、淡黄色~白色(e-Flora of South Africa)。
14 Crassula mesembryanthoides (Haw.) D.Dietr. ギンゾロエ 銀箭
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はCrassula Moon Glow。東ケープ州のカルーとバレーブッシュフェルトに生える。
小亜低木、叢生多肉植物(plexiform succulent)、成長が遅い。夏季に休眠する。高さ40㎝以下。茎は緑色で肉質、時間が経つと木質の赤褐色に変わり、毛深い。葉は斜上し、先端が尖った線状楕円形(長い涙形)、長さ2㎝×幅0.4㎝・以下、緑色~黄緑色、柔らかい反り返った緑色と短い白毛で密に覆われる。花は枝の先に房状につき、小さく、鐘形で、白色~クリーム色。花期は秋~冬。
品種) 'Fuzzy Hair' , 'Tenelli' (PBR)
14-1 Crassula mesembryanthoides subsp. hispida (Haw.) Toelken
synonym Crassula hispida (Haw.) D.Dietr.
南アフリカ(東ケープ州)に分布する。ブッシュフェルト渓谷に生える。
ssp. mesembryanthoidesとの違いは節間は短くなり、5㎜以下。葉は直立し、線状披針形、長さ2~5cm、わずかに湾曲した柔らかい毛で覆われる。花期は真夏~秋。
14-2 Crassula mesembryanthoides subsp. mesembryanthoides
synonym Crassula trachysantha (Eckl. & Zeyh.) Harv.
多年草、高さ40㎝、軟毛がある。根はひげ根。茎は直立し、枝分かれし、小さなグループを形成する。枝は多肉質、緑色、古い枝は木質化し赤褐色になり、節間は5~20㎜、長さはほぼ一定。葉は長さ10~20㎜x幅2~4㎜、平ら、上向き、線状楕円形、緑色~黄緑色、密に反曲した毛で覆われ、上面は平ら~凸状、下面は凸状、基部は楔形、先は鋭形、古い葉は宿存しない。花序は球形~平らな密錘花序(thyrses)、長さ30㎝まで、数個の2出集散花序をもつ。萼片は線状三角形、長さ3.5㎜以下、鋭形。花冠は筒状、クリーム色、花弁は線状バイオリン形(linear-panduriform)、長さ4.5㎜以下、基部で短く融合し、線状楕円形の先端の付属体は互いに密着する。葯は黒色。花期は3~6月。
15 Crassula multicava Lem. ナルト 鳴門
synonym Crassula quadrifida Baker
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。英名はfairy crassula。別名はイソベノマツ(磯辺の松)。ポート・シェプストーン付近のナタール南部からポート・エリザベス付近の東ケープ州にかけて稀に発生し、通常は日陰の場所で岩の露頭に伴って生える。
多年草、枝が柔らかく傾伏する。葉がつくとまれに3㎜より太くなり、まれに長さ40㎝(花序を含む)より長くなり、枝分かれはまばらで、植物全体が無毛で、古い葉は落葉しない。葉柄は長さ5~20㎜、葉身は広楕円形~長楕円形、長さ20~50(~65)㎜×幅15~40㎜、鈍形または凹形で、多少急に葉柄に向かって狭まり、基部は楔形~心形で、背腹方向が平らで、縁はわずかに反り返り、全縁で、目立つ水を出す気孔(hydathodes)があり、緑色、しばしば黄緑色になり、下面はまれに紫色を帯びる。花序は長い密錘花序で、高さ18~22㎝、多数の部分花序がしばしば散形花序に集まり、基部には数対の通常錐形の苞があり、または、しばしば腋に花がない代わりに不定芽が発達している苞の対を形成する。小花柄は長さ3~8㎜。花は主に4数性。萼片は三角形、長さ1~2㎜、先は鋭形、緑色でときに赤色を帯びる。花冠は長さ3~4㎜、クリーム色で赤色を帯び、花弁は星形だが開花後に閉じる。花期は5~8月。
葉の縁が黄色い品種は'Marginated Orbit'として2003年に発表されたものである。
16 Crassula muscosa L. セイサリュウ 青鎖竜
synonym Crassula lycopodioides Lam.
南アフリカ、ナミビア原産。英名はtoy-cypress , watch-chain。
多年草、高さ25㎝まで、直立~傾伏し、疎~密に枝分かれする。葉のサイズや葉の形は様々。根はひげ根。枝は明るい方向へ曲がることが多く、主枝は木質で直径1㎝まで、節間は見えない、葉は平らで、灰緑色~褐緑色で、直立することが多く、すべて同じ長さで密に覆瓦状になって四角形から円柱形の草形になり(短い腋生花序で広がる場合)、卵状三角形~広楕円形で、長さ2~7㎜x幅1.5~4㎜、縁は全縁で1列の水を出す気孔(hydathodes)があり、先は鋭形~鈍形。花序は栄養枝とほとんど区別がつかず、腋芽は無柄の腋生の2出集散花序を持つ。萼片は長円状三角形、長さ1.5㎜以下。花冠はカップ形、淡黄緑色~褐色、長さ2㎜以下。花弁は長円状三角形、長さ2㎜以下、鋭形、葯は黄色。2n=32, 64, 96-112。
品種) 'Dacamelod' (PBR)
17 Crassula nodulosa Schönland クラッスラ・ヌドゥロサ
synonym Crassula capitella subsp. nodulosa (Schönland) Toelken
synonym Crassula nodulosa subsp. sessilicymula (Mogg) Toelken
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、北部州)、アンゴラ、ボツワナ、ケニア、モザンビーク、ナミビア、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエ原産。海岸沿いの砂質土壌などに生える。
多年生亜低木。高さ400㎜以下。茎は短いか、または全くなく、葉が密生する。葉はほ根生し、密にロゼットをつけ、半円柱形の錐形、鋭形、ほぼ軟毛がある。花序は花序柄のある穂状花序状で、軟毛があり、円錐花序または密錘花序、少数の離れた鱗片葉を有し、小集散花序(cymules)は密な頭花、毛がある。萼片は縁毛があり、面はほぼ無毛、線状長円形、先は鈍形。花弁はほぼ合着し、バイオリン形(panduriform)、凹面、先端の下の背側に球形の付属体がある。柱頭はほぼ無柄。、蜜鱗片(squamae)は切形状凹形。2n=28。
18 Crassula nudicaulis L. クラッスラ・ヌディカウリス
synonym Crassula cephalophora Thunb.
synonym Crassula obvallata L
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト原産。
3変種ある。
18-1 Crassula nudicaulis var.herrei クラッスラ・ヌディカウリス・ヘレー (ルドリッツ)
synonym Crassula herrei Friedrich
南アフリカ(ケープ州)原産。ケープ州北西部、主にコマッガスとオレンジ川の間の海岸山脈の西側、ただしシュタインコップフ付近にも分布。通常は緩やかな砂利の斜面で、通常は南西の斜面に生育する。
葉は線状長円形、長さ(2~)3~4(~8)㎝、上部は平らで下部は多少凸型~断面がほぼ半円形、先は鈍形、通常は無毛、まれに基部に向かって縁毛が数本あり、緑灰緑色~褐色。花は部分花序につき、通常は上向き、子房には(18~)20~30個の胚珠がある。
18-2 Crassula nudicaulis var. nudicaulis
synonym Crassula cephalophora Thunb.
synonym Crassula obvallata L
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト原産。
茎は短く、肉質で、密に葉がつく。葉は単葉、ほぼ根生し、披針状長円形または斜めのナイフ形(cultrate)、先はほぼ鋭形または鈍形、無毛、軟骨質の縁毛がある(cartilagineo-ciliate)。花序柄は花茎状で、円錐花序に少数の鱗片葉(leaf-scales)がある。小集散花序は密に束生し、軟毛がある。萼片は微軟毛があり、縁毛があり、長円形、先が鈍形。花弁はほぼ合着し、バイオリン形、先端の下側に長円形の背腺がある。柱頭は無柄、頭状。蜜鱗片は長楕円形。
18-3 Crassula nudicaulis var. platyphylla
synonym Crassula platyphylla Harv.
南アフリカ(ケープ州)原産。南部カルー山脈に分布が限定され、乾燥した岩の多い斜面に生え、露出した場所に多い。
茎はほとんどなく、葉が密生する。葉はほぼ根生し、ロゼット状、長さ2.5~3㎝x幅1.9~2.5㎝、広倒卵形またはほぼ円形、先は鈍形~円形、平ら、硬く、無毛、縁は平滑。花序柄は長さ20~25㎝、花茎状、微軟毛があり、溝があり、小さな葉鱗片(leaf-scales)が数個あり、長いほぼ穂状花序状の密錘花序で終わり、、小集散花序は頭状ほぼ無柄、軟毛がある。萼片は線形、鈍く、毛があり、背面は丸い。花弁は基部で合着し、バイオリン形、ほぼ先の背側に卵形の付属体を1個もつ。柱頭はほぼ無柄、蜜鱗片は切形。
品種) 'Burgundy'
19 Crassula ovata (Mill.) Druce フチベニベンケイ 縁紅弁慶
synonym Crassula portulacea Lam.
synonym Crassula argentea Thunb.
南アフリカ、モザンビーク原産。英名はbaby jade , cauliflower-ears , dollarplant, jadeplant , jadetree , Japanese rubberplan , Japanese-laurel , jade plant , lucky plant , money plant , money tree。別名はカゲツ(花月)、カネノナルキ。
常緑低木。多数、分枝し、完全に無毛、高さ3m又はそれ以上、幹の直径6㎝以下。茎は多肉質、帯灰色。葉は対生、斜上又は開出し、長さ5㎝×幅3㎝以下(栽培種は長さ3~9㎝×幅1.8~4㎝)、無柄(長さ5㎜以下)、倒卵形~倒卵状へら形、新鮮なときに光沢があり、縁は鋭い角(かど)があり、帯赤色。花は5数性、頂生の散房花序につき、甘い芳香がある。萼片は長さ約2㎜。花弁は長さ6~7.5㎜×幅2.5、長円形又は披針形、鋭形、白色又はかすかにピンク色。雄しべは長さ約5㎜。袋果は長さ3~3.25㎜、斜めの長円状卵形。 野生では疎林の中の砂質粘土の灰色の土壌に生える。花期は冬。
品種) 'Basutoland' , 'Blue Bird' , 'Blue Haze' , 'Blue Surprise' , 'Crasmada' (PBR) , 'Crosby's Compact' , 'Dwarf Green' , 'Gollum'宇宙の木 , 'Hobbit' , 'Horn Tree' , 'Hummel's Red' , 'Hummel's Sunset' (v)[AGM]='Living Coral , 'Lemon & Lime , 'Minima' , 'Minor' , 'Minova Magic' (PBR) , 'Obliqua' , 'Odessa' (PBR) , 'Ogre Ears' , 'Red Horn Tree' , 'Riversii' , 'Sunset Magic' (PBR) , 'Undulata' , 'Variegata' (v) , オウゴンカゲツ(黄金花月) , カゲツニシキ(花月錦) , サクラカゲツ(桜花月) , ヒメカゲツ(姫花月) , ラクジツノカリ(落日の雁)
20 Crassula pellucida L. クラッスラ・ペルシダ
synonym Crassula marginata Thunb.
アンゴラ、南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 TVL[北西州(North West), ハウテン州(Gauteng), ムプマランガ州(Mpumalanga), リンポポ州(Limpopo)])、ケニア、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産。英名はtrailing crassula。葉柄はかごく短く、そのため、葉の基部が直接、茎の周りに固定されているように見える。この特徴は、この種を似た近縁のCrassula spathulataと区別するのに役立つ。花序柄は明瞭ではなく、個々の花には小花柄がある。類似のクラッスラ属の植物と区別するのに便利な方法である。
多年草まれに1年草、茎は長さ60㎝まで、傾伏または平伏し、多少枝分かれし、古い葉は落葉しない。葉は通常無柄、まれに長さ8㎜までの葉柄を持ち、葉身は披針形~卵形~楕円形または倒披針形、長さ10~25(~35)㎜x幅(3~)5~12(~20)㎜、通常は先が鋭い鋭形、しばしば小突起形または尖頭(せんとう)形で、基部は多少急に狭まり、くさび形~ほぼ葉柄になり、背腹面が平らで、通常は無毛、緑色、ときに褐色の縞模様があり、縁が無色または赤色。花序は頂生の2出集散花序、多少束生または花が単生になり、明確な花序柄はなく、しばしば先端の葉に半分隠れる。個々の花には小花柄がある。花は小さく、長さ3~5㎜。萼片は線状三角形、長さ2.5~5(~6)㎜、それぞれ鋭く鋭形で無色も先端になり、無毛、肉質だがしばしば膜質の縁を持ち、緑色またはほぼ無色。花冠は星形、基部はほとんど融合せず、白色、しばしばピンク色を帯びる。花弁は楕円形~倒披針状長円形、長さ3~5㎜、鋭い鋭形、背側に付属体がない。花期は春~夏(9~2月)。
非常に変異の激しい種で、4亜種が認められる。そのうち3亜種は南アフリカ(ケープ州)固有種であり、他の1種は南アフリカの近隣諸国や熱帯アフリカにも生息する。
20-1 Crassula pellucida subsp. brachypetala (Drège ex Harvey) Tölken
アンゴラ、南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、ケニア、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産。熱帯アフリカ南部から北部、東部、南東南部、アフリカ温帯に分布し、森林の縁と草原に生える。
基本亜種(ssp. pellucida)と異なる点は次のとおり。茎は傾伏し、太さ約1㎜、節間の茎に沿って2本の帯状に葉柄間毛(interpetiolar hairs)がある。葉は卵状披針形で、短い葉柄~無柄、葉柄または葉の基部には縁に縁毛がある。花序は頂生の2出集散花序。小花柄には毛がある。萼片は花弁の長さと同じかそれより長い。花期は12~4月。2n=32。
20-2 Crassula pellucida subsp. marginalis (Aiton) Tölken エドコマチニシキ 江戸小町錦
ケープ州に分布する。通常は岩の露頭に生え、岩の下や森林の日陰の湿った場所にも生える。
多年草、無毛の平伏または匍匐する枝を持つ。葉は広卵形、先端が尖り、基部に向かって急に狭まり、多少、対が融合し、直径10㎜までの円盤を形成し、角質のパピラの無い縁をもち、鞘は無毛、または多少縁に縁毛がある。花序は1~3個の頂生の2出集散花序からなり、しばしば縮小して散形花序になることが多く、無毛の小花柄がある。萼は通常花冠の長さの約半分で、まれに花冠と同じ長さで、肉質。花期は9~12月。2n=16。
品種) 'Variegata' (v) '斑入り江戸小町錦
20-3 Crassula pellucida subsp. pellucida
synonym Crassula marginata Thunberg
ケープ州に分布する。ウィンターフック山脈からケープ半島、スワートバーグ、スウェレンダム付近までの南西ケープ州に見られ、通常は岩の露頭、岩の下の日陰の湿った場所、または森林に生える。グランドカバーとしてのCrassula pellucida subsp. pellucidaは適切な条件ではクッションのような塊を形成する。
多年草、傾伏する無毛の枝を持つ。葉は倒卵形~広楕円形、鈍形または小突起形、基部は明瞭な楔形~ほぼ葉柄となり、縁は不規則にパピラがあり、鞘は無毛。花序は通常は頂生の2出集散花序だが、まれに頂生の花が1個、葉腋につくこともある。萼は花冠の長さの3分の2から同じ長さで、肉質。花期は11~2月。
20-4 Crassula pellucida ssp. spongiosa Tölken
西ケープ州の狭い地域に分布する。希少種であり、保護された谷間の砂質土壌に生える。
基本亜種(ssp. pellucida)と異なる点:
1年草、茎は傾伏、無毛。葉は楕円形、基部は楔形、先は鋭形、鞘は無毛または少数の散在する縁毛がある。花序は頂生の2出集散花序。萼片は花弁と同じ長さで、花後はスポンジ状になる。花期は春。
21 Crassula perfoliata L. クラッスラ・パーフォリアータ
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。流通名はジントウ(神刀)。
多肉質の低木、直立し多年生、枝分かれが少なく、高さ約1.3mになる。この属の中で最大かつ最も印象的で、大きく尖った葉が対になって生える。この興味深い種は、かなり変化に富んでおり、その変種のいくつかは、以前は別種として扱われていた。Crassula perfoliata var. perfoliata では、葉に溝があり、長さ10~15㎝、交互に平面に配置され、かなり直立し、灰緑色で、ビロード状の質感がある。夏に先端が丸く平らな白い花が咲く。
根はひげ根。茎は、結合した葉の基部の中心から直立し、緑色、多肉質、年を経るにつれて木質化し、基部から枝分かれする。枝は長さ0.5~1.3(~1.5)m、上部は単枝またはほとんど枝分かれせず、粗くて硬く、しばしば丸みを帯びた疣で覆われ、古い乾燥した葉は落葉しない。葉は長さ(4~)6~10(~15)㎝×幅(8~)13~18(~40)㎜、十字対生し、基部で合着し、単葉、斜上して広がる、披針形~三角形またはわずかに鎌形、緑色、平滑、上面は平ら、基部に溝が入り、縁は先まで鋭く、下部は切形、下面は凸状、または明らかに横方向に扁平で両面がほとんど凸状ではなく、先は鋭形で微突形、密に丸いまたはしばしば不規則な形のパピラで覆われ、緑色か~灰色、粉白色、ときに紫色の斑点がある。上部の葉は退化する。花序は丸く、頂部が平らな密錘花序(thyrses)、毛があり、多数、枝分かれする。花序柄は長さ3~10(~15)㎝、直径5㎜、伏剛毛(strigose)がある。苞は葉状、下部では長さ10㎜x幅7㎜。花は甘い芳香がある。小花柄は長さ1㎜。萼片は長さ1~3㎜、三角状披針形、鋭形、開出毛と縁の縁毛で覆われ、肉質、緑色または帯赤色。花冠は筒状で、長さ3~3.6㎜、下部は筒状、上部は星形で基部で1~1.5㎜癒合している。花弁は反り返り、白色、雄しべをあまり超えない。雄しべは葯が黒色。花柱は錐形。蜜鱗片は横長の長円形、長さ0.2~0.4㎜x幅0.5~0.6㎜、通常は凹形、下部でわずかに狭まり、肉質、黄色。花期は春~夏中旬。
品種) 'Ivory Tower' , Jintou 神刀 , Jintou Nisiki(神刀錦)variegata
5変種がある。POWOではvar. minorを基本変種に含め4変種としている。
21-1 Crassula perfoliata var. coccinea (Sweet) G.D.Rowley
南アフリカ(ケープ州)原産。東ケープ州のバレーブッシュフェルトに生える。
var. perfoliata との違い
葉は直立または広がり、三角状披針形で、細長く、細管状。萼片は長さ2~3㎜。花冠は濃赤色、長さ5~7㎜。花期は真夏。
品種) 'Giant Propeller Plant'
21-2 Crassula perfoliata var. falcata (J.C.Wendl.) Toelken
synonym Crassula falcata J.C.Wendl.
ケープ州原産。東ケープ州に分布する。英名はairplane plant , airplane propellers。
葉は非常に独特な灰緑色の鎌形、通常は枝分かれしない茎に沿って、重なり合った対になってつく。花は鮮やかな赤色。
21-3 Crassula perfoliata var. heterotricha (Schinz) Toelken
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。南アフリカ(東ケープ州、東ムプマランガ州)、南東熱帯アフリカに分布し、亜熱帯の茂みや岩の間の乾燥した川の谷のサバンナに生える。
var. perfoliata との違い:
より小さく、高さ40㎝まで。茎は枝分かれし、葉は直立し、披針形、基部は細管状。萼片は長さ3㎜まで。花冠は白色、長さ5~7㎜。花糸と心皮はピンク色。花期は真冬~早春。
21-4 Crassula perfoliata var. minor (Haworth) Rowley
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はsickle-leaf red crassula , Eastern Cape red crassula。東ケープ州の乾燥した川の谷にある渓谷ブッシュフェルトに生える。POWOでは基本変種に含めている。
var. perfoliata と異なる点:
高さ20~50㎝、まれに枝分かれする。葉は横に平らで、はっきりと鎌形、丸くまたはしばしば不規則な形のパピラが密にあり、灰色がかっており、緑色~灰色、ときに紫色の斑点がある。花冠は長さ7㎜、赤色、ピンク色、まれに白色。花期は真夏。2n=14。
21-5 Crassula perfoliata var. perfoliata
synonym Crassula perfoliata var. minor (Haw.) G.D.Rowley
南アフリカ(ケープ州)原産。東ケープ州の乾燥したフィンボスおよびバレーブッシュフェルトに生える。
直立し、枝分かれが少ない低木で、高さは1.3 m。根はひげ根。枝は緑色、多肉質、成長すると木質になる。葉は長さ6~9.5㎝x幅1.3~1.8㎝、十字対生し、斜上し、広がり、披針形わずかに鎌形で、緑色、平滑、上面は平ら、基部には溝が入り、縁は先端に向かって鋭形、下部では切形、下面は凸状、先端は鋭形で微突形。花序は丸い密錘花序、小花柄は長さ1㎜。花は甘い芳香がある。萼片は長さ1㎜、三角状披針形、帯赤色。花冠は小さく、長さ3~4㎜、下部は筒状、上部は星形、花弁は反り返り、白色。花期は春~夏中旬。2n=14。
品種) 'Chunky' , 'Morgan's Beauty' ,'Propeller Plant'
22 Crassula perforata Thunb. ホシノオウジ 星の王子
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。英名はstring of buttons。
2亜種がある。
22-1 Crassula perforata subsp. perforata
synonym Crassula anthurus E.Mey. ex Harv.
synonym Crassula conjuncta N.E.Br.
synonym Crassula connata Donn
synonym Crassula coronata Heynh.
synonym Crassula nealeana V.Higgins
synonym Crassula patersoniae Schönland
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。
低木、高さ1m。やや這い回り、枝分かれする。根はひげ根。枝は灰褐色、直径は3㎜。葉は大きさと形が様々で、長さ14~33㎜x幅12~20㎜、平らで、卵形、無毛、灰緑色、基部で急に狭まり、対の葉と融合し、縁は帯赤色、先は鋭形または鈍形、古い葉は宿存する。花序は長さ8㎝、長い密錘花序、無柄の花がつき、花序柄は下部の葉から苞へと次第に変わる。萼片は三角形、長さ1㎜以下、鋭形。花冠は筒状、帯黄色。花弁は基部で短く融合し、長円形、長さ2.5㎜以下。葯は褐色。花期は11~4月。2n=14。
22-2 Crassula perforata subsp. kougaensis van Jaarsv. & A.E.van Wyk
南アフリカ(ケープ州)原産。
矮性亜低木、垂れ下がり、枝分かれが少なく、長さ80㎜x幅40㎜。根はひげ根。枝は軟らかく、葉がつき、垂れ下がり、直径0.8㎜、灰色。葉は背腹方向に扁平、十字対生し、広がり、基部で融合し、卵形~広卵形、先は鋭形、融合した葉の対が密集して上下の対が密着し、長さ8~10㎜x幅8~10㎜の4角柱になり、節間は 長さ2㎜、上面は平ら~凸状、下面は凸状、灰色~青緑色、縁は全縁、紫赤色で、一列の水を出す気孔(hydathodes)がある。花序は丸い凝縮した密錘花序で、苞は長さ1~1.5㎜、抱茎。萼片は三角形、長さ0.5㎜x幅0.4㎜。花冠は直径3.5㎜、筒状、淡黄色。花弁は長円形、長さ2~1㎜、基部で短く融合する。花期は1~3月。
品種) 'Giant Pagoda' , 'Ivory Towers' , 'Nealeana' , 'Variegata' (v) 南十字星
23 Crassula pubescens Thunb. クラッスラ・プベスケンス
synonym Crassula fergusoniae Schonland
synonym Crassula fragilis Schonland
南アフリカ(ケープ州)原産。
23-1 Crassula pubescens subsp. pubescens
岩の多い斜面や岩の割れ目に生えることが多く、通常は南向きの斜面や日陰の多い保護された場所に生える。
直立または広がる枝を持ち、まれに基部ロゼットがあり、節から根を張らず、節間は0~10(~20)㎜で、しばしば葉の間に見える。葉は倒披針形、長円形または線状倒披針形、長さ(6~)15~25㎜×幅(2~)4~12(~15)㎜、軟毛~微軟毛があり、まれに綿毛がある。花序は丸い~頂部がほぼ平らな密錘花序(すなわち、部分花序は中心軸の1、2(3)節から生じる)。花序柄は(1)2~3(4)対の苞を持ち、苞腋に花はない。花:萼:萼片は長円状三角形、長さ1~1.5 mm、鈍形~鈍い鋭形、微軟毛があり、肉質、緑色、花冠は筒形~ほぼ円筒形、基部が0.3~0.5㎜融合し、クリーム色~淡黄色。花弁は倒披針形~バイオリン形、長さ2~3㎜、背側の付属体は長い楕円形、長さ0.8~1㎜、長さが幅の約2倍である。花期は9~10(11)月。2n=14, 28。
23-2 Crassula pubescens subsp. rattrayi (Schönland & Baker) Tölken
東ケープ州の岩陰に生える。
subsp. pubescens と異なる点:
葉は密集した根生のロゼット状で、側枝は根を張らず、節間は短く、長さ約10㎜以下。葉は倒卵形~倒披針形、長さ15~40㎜x幅8~20㎜、微軟毛~ビロード状毛がある。花序は長い密錘花序、花の下に7対以下の苞がある。花弁には卵形~球形の先端付属体がある。花期は10~2月。
24 Crassula radicans (Haw.) D.Dietr. ベニチゴ 紅稚児
synonym Crassula pubescens subsp. radicans (Haw.) Toelken
南アフリカ(ケープ州)原産。英名は red carpet。東ケープ州ポートエリザベスとキングウィリアムズタウンの間のあたりに生息。保護された谷間に生育し、低木や樹木の下に広く群落を形成することが多い。
植物は多少、直立するが、側枝は垂れ下がり、地面に触れたところで根を張り、節間は長さ2~5(~10)㎜、葉の間に見え、密集したマットを形成する。葉は倒披針形、長さ(6-)10~25(-30)㎜x幅2~5㎜、無毛またはまれに微軟毛がある。花序は丸い~頂部の平らな密錘花序(つまり、部分花序は中心軸の1個または2個の節に生じる)と花序柄は、腋に花のない3~5(~7)対の苞を持つ。花弁の先端の背側には卵形~ほぼ球形の付属体があり、付属体は長さ0.4~0.6㎜、幅と長さがほぼ同じ。花期は11~2月。2n=28。
25 Crassula pyramidalis Thunb. リョクトウ 緑塔
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はPagoda Mini Jade, Pyramid crassula。別名はクラッスラ・ピラミダリス、オオガタリョクトウ(大型緑塔)。沿海地地生える。
直立~傾伏、まばらに枝分かれし、高さ12(~25)㎝、大きさは様々。根はひげ根、茎は節間が4列の密な覆瓦状の葉で完全に覆われ、直径約12㎜のきれいな四角形の長円形の体を形成し、先は鈍形。葉は緑色~褐緑色、三角状卵形、長さ3~12㎜x幅4~8㎜、平らで斜上し、縁は全縁、先端は鈍い鋭形。花序は密な頂生の丸い集散花序の頭花で、基部は葉に部分的に隠れる。萼片は長さ5㎜以下、長円状倒披針形、縁には縁毛があり、先は鈍形。花冠は筒状、アンプル形(ampulliform)、長さ14㎜以下、白色またはクリーム色。花弁は長円形、下部1/3が融合し、先端に鈍い嘴がある。葯は黄色。2n=14, 28。花期は春中旬~夏。
品種) 'Red Pagoda'
26 Crassula rupestris L.f. クラッスラ・ルペストリス
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。英名はRosary plant, Kebab bush, Concertina plant, Rock Crassula, Rosary Vine, Necklace Vine。中国名は翠星。別名は寿珠玉(ジュズダマ)。小さな葉が 数珠の様に連なってつく。
亜低木で、高さ50㎝以下。茎は直立、広がりまたは傾伏し、枝分かれが多い。葉は密接して対生し、肉質、卵形~披針形、完全に全縁、ほぼ凸形で下面が隆起し、先は鈍形または円形、長さ3~15㎜×幅2~13㎜、平滑、無毛または明らかに軟毛があり、葉の基部は肉質の円盤に融合し、灰緑色、赤褐色または紫色で、縁は赤色または黄色の角質になる。新芽の反対側に生えた葉は、基部でつながって、数珠状になる。古い葉は通常落葉する。花序は密錘花序で頭状、3分岐、短い柄があり、円形。花序柄は長さ20㎜まで、上部の葉に部分的に隠れ、花序の基部に少なくとも長さ3㎜の広がった苞がある。花は白色またはピンク色。小花柄は無毛、帯紫色。萼片は狭三角形~広三角形、長さ約1㎜、尖り、無毛、肉質、灰緑色でしばしば赤みがかる。花冠は筒状、基部が融合し、長さ0.4~0.6㎜、白色で、多少ピンク色または赤色を帯びる。雄しべは褐色の葯を持つ。蜜鱗片は長円形~正方形、長さ0.4~0.9㎜x幅0.3~0.6㎜、通常は切形だが、まれにやや楔形、肉質の黄色。花期は春(生息地では6~10月に開花)。
品種) 'Variegata' , ハイブリッド品種:'Baby's Necklace' [C.rupestris x C.perforata]. 数珠星・数珠姫
26-1 Crassula rupestris subsp. commutata (Friedrich) Toelken
南アフリカ(ケープ州)、ナミビア原産。オレンジ川下流の山々の西側の狭い地域に生息。通常は南向きの岩の多い斜面や谷間の岩の間に生える。
多年生亜低木。枝は直立し、ほぼ根を張り、直径0.2~0.8㎝、地面に触れても根を張らない。葉は長さ0.5~1㎝×幅0.3~0.4㎝、長円形~披針形、先端は鋭く、基部ではほとんど融合せず、節間が見える。古い葉は落葉する。花序はかすかに花序柄があり、直径約1㎝。花期は10~12月。2n=14。
C. rupestris ssp. commutataの特徴は葉がほとんど融合せず、幅が0.4㎝より広くならず、長さが1㎝より長くない。
26-2 Crassula rupestris subsp. marnieriana (Huber & Jacobsen) Toelken
synonym Crassula marnieriana Huber & Jacobsen
南アフリカ(ケープ州)原産。英名は jade necklace , Chinese pagoda。クライン・スヴァルトベルゲとアニスベルグの南斜面に生息。通常は高地の岩盤や岩棚の上の浅い土壌に生える。
多年生、亜低木。枝は傾伏し、直径約0.2㎝、しばしば地面に触れると根を張り、茎は密に葉で覆われる。葉は長さ(0.3~)0.4~0.5(~0.6)㎝×幅0.4~0.6㎝、卵形、先はかなり丸く、対生の葉の基部は長さの半分以上が円盤状に融合し、肉質で節間は見えない。花序は無柄、直径1.5㎝以下。花期は4~5(6)月。2n=14。
品種) 'Hottenton'
26-3 Crassula rupestris subsp. rupestris
南アフリカ(ケープ州)原産。主にケープ中央部の半乾燥地帯に生息し、北または東向きの低い岩場の斜面、および岩の間の露出した場所や岩棚の上に生える。
多年生、亜低木、高さ50㎝まで。枝は直立し、広がりまたはまれに傾伏し、通常直径0.2㎝以上で、根を張らない。葉は無柄、長さ0.5~1(~1.5)㎝×幅(0.4~)0.5~1(1.5)㎝、先は鈍形、まれに円形、基部は円盤状に融合し、融合部は長さ0.1~0.6㎝で、葉の長さの半分未満であり、卵形~披針形、上面は平らまたは凹形で、下面は凸形、肉質で、無毛または角質の縁があり、粉白を帯びた緑色~褐赤色~紫色、縁は赤色または黄色、節間が見える、古い葉は落葉する。花序は少数~多数の2出集散花序を持つ密錘花序、直径2.5~4(~5)㎝。花序柄は長さ2㎝以下で、しばしば上部の葉に隠れる。苞はへら形または錐形、長さ0.3㎝。花は小花柄がある。萼片は三角形、長さ約1㎜、鋭形、無毛、肉質、粉白状緑色~帯赤色。花弁は長円形、長さ3~4㎜、先は円形背側にうねがあり、ほとんど付属体がなく、先端は反曲し、白色、多少ピンクがかった色から赤みがかった色になり、葯は褐色、柱頭は目立つ。花期は6~10月。2n=28。
27 Crassula sarcocaulis Eckl. & Zeyh.
synonym Crassula parvisepala Schonland
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。英名はbonsai crassula。
品種) 'Alba' , 'Ken Aslet'
27-1 Crassula sarcocaulis var. lignosa (Burtt Davy) J.M.H.Shaw
南アフリカ(北部諸州)原産。subsp. sarcocaulisに含める見解もある。
27-2 Crassula sarcocaulis var. mlanjiana R.Fern.
マラウイ原産。subsp. rupicolaに含める見解もある。
27-3 Crassula sarcocaulis var. parvisepala (Schönland) J.M.H.Shaw
南アフリカ(北部諸州)原産。subsp. sarcocaulisに含める見解もある。
27-4 Crassula sarcocaulis subsp. rupicola Toelken
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、レソト原産。 岩の上の浅い土壌にあるアフリカ温帯の草原に生える。
直立して広がり、まれに傾伏し、多数枝分かれして密生した低木を形成し、枝は直径50㎜以下、樹皮は剥がれやすい(まれに若い枝ではやや薄片状)。葉は線状披針形、基部が最も広く、長さ8~20㎜×幅1.5㎜以下、通常はほぼ円柱形(葉の長さは非常に多様)。萼片は長さ1.5~2㎜、または花冠の約半分の長さ。花期は1~4月。
27-5 Crassula sarcocaulis subsp. sarcocaulis
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部諸州)、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。岩の上の浅い土壌にあるアフリカ温帯の草原に生える。
直立し密に枝分かれする低木、樹冠は高さ60㎝、幅は±同程度に広がる。若い枝は直径2㎜、緑色、毛のようなパピラがある。古い枝は無毛、ときに褐色の薄片が剥がれ、灰色の樹皮が露出し、基部の直径は2.5㎝以下。葉は形や大きさが様々、長さ15~35㎜x幅4~10㎜、楕円形、中央付近が最も広く、斜上して広がり、両面が平らで、ときにほぼ円柱形になり、縁には水を出す気孔(hydathodes)の輪があり、先端は鋭形、古い葉は落葉する。花序は丸い密錘花序で、高さ1~1.5㎝、直径1~2.5㎝、多数の2出集散花序がある。花序柄は不明瞭。小花柄は長さ2~4㎜。萼片は長さ1㎜以下、または花冠の約3分の1の長さ。花冠はカップ形、直径2~3㎜、短い筒状。花弁は基部で融合し、卵状三角形、白色、ピンク色、またはクリーム色、葯は褐色。花期は(3)4~6月。2n=16, 48。
27-6 Crassula sarcocaulis var. scaberula Harv.
南アフリカ(ケープ州)原産。subsp. sarcocaulisに含める見解もある。
28 Crassula sarmentosa Harv. クラッスラ・サルメントーサ
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。
品種) 'Comet' (v) , 'Variegata'
28-1 Crassula sarmentosa var. integrifolia Toelken
南アフリカ(クワズール・ナタール州)原産。草原およびサバンナに生える。
var. sarmentosa との相違点。
葉は楕円形で、縁は全縁。花は直立する。花期は真冬~春。
28-2 Crassula sarmentosa var. sarmentosa
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州)原産。オーストラリア(ニューサウスウェールズ州)に帰化している。温帯および亜熱帯の森林の日陰に生える。
平伏し、マット状から這い上がり、高さ約40㎝。根はひげ根。枝は円柱形、赤みがかったピンク色~緑色、白色の斑点があり、長さ1m以下、直径6㎜以下、節間は1~2.5㎝。葉は葉柄があり、長さ3㎜以下。葉身は平らで、長さ20~55㎜x幅10~35㎜、斜上し、薄緑色、卵形、楕円形~披針形、縁は鋸歯があり、帯赤色~緑色、水を出す気孔(hydathodes)の輪があり、基部は円形~楔形~やや心形、先は鋭形または尖鋭形。花序は頂生の密錘花序、少数の2出集散花序で終わり、長さ5㎝×幅5㎝・まで。小花柄は長さ5㎜まで。花は互いに直角に広がる。萼片は長さ3㎜まで、線状三角形、無毛、先が鋭形。花冠は星形で、白色でピンク色を帯び、直径10㎜まで。花弁は披針形、長さ4㎜x幅1㎜・まで、下面はしばしば暗ピンク色になる。葯は淡ピンク色~白色。花期は真冬。2n=56。
29 Crassula setulosa Harv. クラッスラ・セトゥロサ
synonym Crassula bloubergensis R.A.Dyer
synonym Crassula impressa N.E.Br.
synonym Crassula scheppigiana Diels
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、レソト、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。
品種) 'Milfordiae' , 'Silver Stars'
5変種がある。
29-1 Crassula setulosa var. curta (N.E.Br.) Schönland
synonym Crassula curta N.E.Br.
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、モザンビーク原産。英名はpygmyweed。
常緑の多肉植物、地面に葉がマット状に密着する、高さ3~5㎝。葉は対生、密につき、無柄、小さく、卵形、淡緑色~暗緑色。花茎は高さ5~15㎝、赤色を帯びる。葉を超えて花茎を直立し、頂部が丸い花序を頂生し、小さな花が密集してつく。花は星形、白色~淡黄色。花期は夏。
品種) 'Variegata'
29-2 Crassula setulosa var. deminuta (Diels) Toelken
北部諸州 Northern Provincesに分布。浅い岩場の草原に生える。
基本変種(var. setulosa)との相違点:
葉は直立し、長さ6~12㎜x幅2~6㎜、披針形~楕円状倒披針形、無毛、縁は縁毛があり、上面は平ら、下面は凸状。花序は頂生の穂状花序状の密錘花序。萼片は三角形。花弁は倒披針形。葯は褐色。花期は真夏。2n=14。
29-3 Crassula setulosa var. jenkensii Schönland
北部諸州 Northern Provincesに分布。浅い岩の窪みや割れ目の草原に生える。
基本変種(var. setulosa)との相違点:
葉は不規則に並び、直立し、長さ5~25㎜x幅3~7㎜、披針形または線状披針形、無毛または小数の直立した縁毛があり、上面は平らまたはやや溝があり、下面は著しく凸状になる。花序は頂生の集散花序、花は5個以下つく。萼片は線状三角形。花弁は長円形~長円状倒披針形。葯は暗紫色~黒色。花期は秋。
29-4 Crassula setulosa var. longiciliata Toelken
南アフリカ(クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、レソトに分布。湿った場所の浅い岩の窪みや割れ目の草地に生える。
基本変種(var. setulosa)との相違点:
枝は木質で、冬には15㎝まで伸び、ロゼットの芽ができる。葉は長さ3~10㎜x幅1.5~3㎜、楕円形~倒披針形、無毛、縁は明瞭な縁毛があり、上面は平ら、下面は凸状。花序は頂生の、頂部が平らな密錘花序。萼片は三角形。花弁は長円形~倒披針形、先は円形。葯は黄色。花期は夏中旬~秋。
29-5 Crassula setulosa nothovar. schlechteri (Schönland) Govaerts
synonym Crassula × schlechteri Schönland
南アフリカ(クワズール・ナタール州)に分布。
Crassula setulosa var. rubra (N.E.Br.) G.D.Rowley(=Crassula setulosa var. curta) と setulosa Harv. var. setulosaの交雑種。
29-6 Crassula setulosa var. setulosa
synonym Crassula setulosa f. latipetala R.Fern. ジンバブエに分布。
南アフリカ(ケープ州、フリーステイト州、クワズール・ナタール州、北部諸州 Northern Provinces)、レソト、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。浅い岩の割れ目や窪みの草原に生える。
ロゼットになり、基部から増殖して密集し、高さ25㎝(花序を含む)になる。根はひげ根。葉は長さ10~30㎜x幅6~14㎜、平ら、楕円形~広楕円形~卵状披針形で、反り返って最初は密なロゼット状(日光に当たると)、開花すると緩くなり、上面は平ら~わずかに溝があり、下面は凸形、色と被毛は多様で、日光に当たると緑色~帯赤色になり、反り返った毛があるかまたは無毛、縁は縁毛があり、基部は楔形、先は鋭形。花序は頂生の頂部が丸い密錘花序、1個~少数の2出集散花序をもつ。花は小花柄がある。萼片は長さ3㎜以下、三角形、縁には縁毛があり、先端には丈夫な毛がある、花冠は白色、筒状、長さ4㎜以下。花弁は長円状披針形、長さ3.5㎜以下、基部が短く融合し、広がって反り返る、先は鋭形。葯は黄色~褐色。花期は真夏。2n=28, 56。
30 Crassula socialis Schonland ユキノヨウセイ 雪の妖精
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はkommadagga crassula , ring plant。東ケープ州の岩陰に生える。
ロゼットは基部から増殖して密集した丸い房を形成し、高さ4㎝(花序を除く)までに成長する。根はひげ根。葉は長さ4~11㎜x幅8~16㎜、扁平、卵形~楕円形~倒卵形、4列につき、明るい緑色~暗緑色、無毛だが縁に縁毛があり、先端は鋭形。花序は頂生の丸い密錘花序、1~3個の2出集散花序をもち、高さ7㎝まで。花は無柄。萼片は長さ1.5㎜以下、三角形状卵形、縁毛ある。花冠は白色、筒状、長さ6㎜。花弁は長円状倒卵形、長さ2.5㎜以下、基部で短く癒合し、先は広がる。葯は黄色。花期は春。
品種) 'Major'
31 Crassula swaziensis Schonland クラッスラ・スワジエンシス(
synonym Crassula argyrophylla Diels ex Schonl. & Baker
南アフリカ、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、ジンバブエ原産。露出した岩の隙間に生える。
多年草、枝は長さ25㎝までで短く、直立または傾伏し、わずかに木質で、葉のロゼットで終わる。葉は長さ2~5(~7)㎝、倒卵形まれに倒披針形、先は通常、円形、背腹が扁平(断面は楕円形)で、両面がわずかに凸状、開出毛で覆われ、まれに無毛、縁は縁毛があり、葉の基部に向かって短くなり、緑色~灰緑色~灰褐色。古い葉は宿存する。花序は頂生、頂部が平な密錘花序(thyrse)、多数の密な2出集散花序をもつ。花序柄は長さ(2~)4~10(~12)㎝。苞は短い長円状三角形、先は円形。花はほぼ無柄、花冠は筒状。萼片は長さ1.5~2.5㎜、長円状三角形、通常は鈍い鋭形、無毛、または開出毛および/または縁が縁毛で覆われ、多肉質で緑色。花弁は長さ3~5㎜、長円形~長円状披針形、鋭形、多少、明瞭な背の付属体があり、先端は反曲し、白色、クリーム色になり、しばしば蕾中ではピンク色を帯びる。葯は黄色~褐色。2n=14。
品種) 'Money Maker'(PBR)
32 Crassula tabularis Dinter アカネノトウ 茜の塔
南アフリカ、ナミビア原産。英名は red pagoda。ナマ・カルー(Nama Karoo:半砂漠地帯)および岩の割れ目の中の草原に生える。
単生または基部から増殖して小さな房状になり、高さ30cm(花序を含む)まで。根はひげ根。葉は長さ10~45㎜x幅5~15㎜、披針形~卵形、斜上・開出し、平らで無毛、上面は平ら、下面はやや竜骨状、縁は縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形、緑色~褐色、しばしば上面に暗色の斑点があり、水を出す気孔(hydathodes)は上面の縁と下面の縁に沿って1列に並び、主に葉の上面に散在し、通常は明瞭である。古い葉は宿存する。花序は頂生、長くなった密錘花序(thyrses)で、多数の2出集散花序をもつ。花は無柄。萼片は長さ3㎜まで、三角形、縁に縁毛があり、先は鋭形で、先端には長い毛がある。花冠は白色、筒状で、長さ5㎜。花弁は長円状倒卵形、長さ4.5㎜まで、広がって後屈し、先端は鋭形。葯は黄色。花期は晩夏~秋(2~5月)。
33 Crassula tecta Thunb. サヨギヌ 小夜衣
synonym Crassula decipiens N.E.Br.
南アフリカ原産。英名は英名は lizard skin crassula。 緩やかな低斜面に生育し、しばしば砂利の中に生える。
多年草、基部にロゼットがあり、しばしば多数分枝し、通常は基部が膨れる。開花時には高さ20㎝までになる。葉は密集してつき、無柄、長円形~長円状倒披針形、長さ2~3.5㎝×幅0.5~1.2(~1.5)㎝、先は円形、まれに鈍い鋭形または鈍形、幅ほど厚くなく、両面がわずかに凸形で、両面が不規則な形状の硬いパピラで覆われ、先に向かって幅が広がり、しばしば基部に向かって反り返った縁毛があり、灰緑色、古い葉は落葉しない。花序は頂生、ほぼ球形の密錘花序(thyrse)、まれに長くなり、数個の球形の2出集散花をもつ。花序柄は長さ3~8(~12)㎝、丸いパピラで覆われる。苞は三角形または披針形、先は円形、萼片に似ている。花は無柄。花冠は筒状。萼片は広三角形、長さ1.5~2㎜、先は円形または鈍形、反り返った毛と縁に縁毛があり、肉質で灰緑色。花弁は長円形~長円状披針形、長さ3~4㎜、鈍形、背側の付属体は不明瞭、先端はかすかに反り返り、白色またはクリーム色。葯は黄色。花期は4~6月。2n=14。
34 Crassula tetragona L. トウゲンキョウ 桃源郷
南アフリカ(ケープ州)原産。英名は mini pine tree , Chinese pine。
6亜種がある。
34-1 Crassula tetragona subsp. acutifolia (Lam.) Toelken
西ケープ州、東ケープ州に分布。谷間や窪地で他の低木と一緒に、または他の低木と絡み合って生える。
植物は傾伏し、ときにほぼ平伏し、通常は枝分かれが多く、節で根を張ることが多く、主枝は肉質で、樹皮はまれに剥がれる。葉は長さ5~15㎜x幅1~2(~3)㎜、急に鋭い先端で終わり、上向きに曲がり、古い葉は茎に付いたまま残る。鞘は長さ0.5~1(~1.5)㎜。花序は不規則に枝分かれし、数個またはまれに1個の2出集散花序があり、明瞭な花序柄があり、腋に花のない1~2対の苞がある。花冠は長さ1.5㎜まで、通常は花弁に沿ってうねがある。花期は1~3月。2n=16, 32。
34-2 Crassula tetragona subsp. connivens (Schönland) Toelken
ケープ州の主にリトル カルーの北の山地に分布し、 通常は北向きの砂岩の尾根または砂利の斜面に生える。
多年生植物、高さ35~100㎝。茎は直立し、硬く、房(ほうき)状に分枝し(fastigiated)、多肉質(carnose)、基部は木質で、直径3~5㎝まで。若い茎は緑色で、パピラに覆われる。古い茎の樹皮はパピラがなく、褐色で光沢があり、年を取ると剥がれる。葉は斜上し、長さ18~27㎜x幅1~2㎜、線状楕円形、ほぼ円柱形またはわずかに扁平で、上面は凸状~平ら、下面は凸状、先は鈍形~鋭形、古い葉は落葉する。花序は直立し、頂部が丸い密錘花序は数本の枝を持ち、花序柄は不明瞭で、非常に短いかまたは長さ8㎝以下、苞はない。花冠は長さ1.5~2㎜、白色で、花弁はわずかにうねがある。花期は秋。
34-3 Crassula tetragona subsp. lignescens Toelken
ケープ州の主にウースターとグラハムズタウンの間の低地の砂利質斜面に生える。
直立またはしばしば他の植物に絡みつき、高さ80㎝まで、枝は基部の直径が2~5㎜、木質。樹皮は剥がれ落ちる。葉は長さ12~20(~25)㎜×幅2~3㎜、鈍形またはまれに鋭い鋭形、若い枝の葉は広がるか上向きに湾曲し、古い葉は落葉する。鞘は長さ0.5(~1)㎜。花序は頂部が丸い密錘花序、通常は多数の2出集散花序と多数の花があり、しばしば花のない(0~)1対の苞を持つ不明瞭な花序柄がある。花冠は長さ約2㎜、白色~クリーム色。萼片は三角状卵形、鈍形、長さ1㎜。花弁は背側にうねがある。葯は褐色。花期は夏中期~秋。
34-4 Crassula tetragona subsp. robusta (Toelken) Toelken
東ケープ州では主にフィッシュ川、サンデー川、グルート川の谷沿いの低木植物に囲まれた谷間の乾燥した斜面に生える。
植物は直立し、しばしばほうき状に株立し(fastigiate)、高さ30~50(~100)㎝、通常は中程度に枝分かれし、主枝は基部の直径が5~15(~20)㎜、肉質、樹皮は剥がれ落ちる。葉は長さ(15~)20~30(~40)㎜×幅3~5(~6)㎜、先は鈍形、上向きに湾曲し、まれに広がる。古い葉は落葉しする。鞘の長さは0.5~1㎜。花序は頂部が丸い密錘花序、多数の2出集散花序を持ち、花のない苞が(0~)1対ある不明瞭な花序柄を持つ。花冠は長さ1.5~2.5㎜、裂片に沿って背側にうねがある。花期は(12)1~3月。2n=48。
34-5 Crassula tetragona subsp. rudis (Schönland & Baker f.) Toelken
ケープ州に分布し、主にオレンジ川の南のナマクアランドからガリーズ付近の砂利質の斜面に生え、岩の露頭や多肉植物の中に見られる。
植物は直立し、まれに古い枝が傾伏する。高さ25㎝まで、まばらに枝分かれし、茎は直径2~4㎜、肉質、肉質の根に続く。まれに樹皮が剥がれる。葉は長さ8~25㎜×幅2~3(~4)㎜、尖り、古い葉が茎に付いたまま広がる。鞘は長さ1.5~2㎜。花序は不規則に枝分かれした密錘花序で、数個(まれに1個のみ)の2出集散花序をもつ。花序柄は明瞭、花のない2~3対の苞がある。花冠は長さ1~2㎜、白色。花弁はほとんどうねが無い。葯は褐色。花期は夏中期~秋。2n=16。
34-6 Crassula tetragona subsp. tetragona
ケープ州南西部のギフバーグからユニオンデール付近まで広く分布する。やや乾燥した植生のある砂利の斜面に生える。
多年生植物。直立または平伏し、先が直立する。高さ10~20㎝以下、枝分かれはまばら。茎は多肉質(carnose)、無毛、直径1.5~2~8㎜、緑色。古い茎は褐色で樹皮は帯黒色、葉は斜上して広がり、長さ10~25㎜x幅2~3㎜、錐形だがわずかに平ら、先端は鋭形、帯赤色。古い葉は茎に付いたまま残る。花序: 長い花序柄があり、2~3対の苞がある。頂部が平らな2出集散花序は密に花がつく。花冠は長さ2.5㎜以下、筒状、基部が0.5㎜融合し、クリーム色~白色。花弁は長さ2㎜以下、楕円形~倒披針形、先は鈍い鋭形、やや反曲し、しばしば、明瞭な背側のうねがある。葯は褐色。花期は真夏~秋。2n=48。
35 Crassula tomentosa Thunb. クラッスラ・トメントサ
南アフリカ、ナミビア原産。英名はwoolly crassula。
品種) 'Variegata' (v)
2変種がある。
35-1 Crassula tomentosa var. tomentosa
南アフリカ、ナミビア原産。海岸沿いの砂地や砂利の多い斜面に生え、ときに大きな岩石に生える。
多年草または2年草、開花時の高さは20~)30~60㎝。ロゼットは1~数個あり、葉は最初は密集しているが、花後に伸びてやや緩く並ぶ。葉は無柄、長さ2~8(~10)㎝×幅1~2.5㎝、長円形~倒披針形、まれに倒卵形、先は鈍形または鋭形、背腹が平らでほとんど凸状ではなく、次第に狭くなり、密に毛があり、まれにほとんど無毛、縁毛は細く、直立または反り返り、緑色~灰色、古い葉は宿存する。花序は頂生の穂状花序状の密錘花序で、多数の小花無の無い花が密に束生する。花序柄は高さ15㎝までで、しばしば栄養枝と区別できず、しばしば分枝または、下部の腋生の2出集散花序の柄があり、密に毛がある。苞は多数あり、上部ほど小さくなる。花は無柄、萼片は広三角形、長さ2.5~3㎜、先は円形、開出または反り返った毛と不規則な縁毛で覆われ、肉質、緑色。花弁は長円状倒披針形バイオリン形、長さ3~5.5㎜、先に嘴があり溝と背側の隆起があり、先端はわずかに反曲し、オフホワイト色~淡黄色。葯は黒色。蜜鱗片は長円形で基部に向かってわずかに細くなる。花期は11~12月。2n=14。
35-2 Crassula tomentosa var. interupta (E.Mey. ex Harv.) Toelken
synonym Crassula glabrifolia Harv.
synonym Crassula glabrifolia (Harvey) G.D.Rowley
南アフリカ、ナミビア原産。保護区域の岩の割れ目や張り出した岩の下に生える。
var. tomentosa との違いはより小型で、高さ30㎝まで(花序を含む)。ロゼットは密に枝分かれし、密集する。葉は長さ15㎜未満、広倒卵形、先は切形。花序は分枝せず、穂状花序状の密錘花序で、下部に花序柄のある2出集散花序がある。花時は10~12月。2n=14。
36 Crassula umbella Jacq.
南アフリカ原産。英名はwinw cup。南オーストラリア州 (北ケープ州、西ケープ州)の高山Succulent Karooに生える。
直立した枝分かれのない茎を持つ地生植物、茎は長さ15(~25)㎝まで伸びる。塊茎は球形、繊維状の不定根がある。葉は長さ1~9㎝×幅2~15㎝、対になって生え、横方向に窪んだ倒卵形または茎の周囲でほぼ融合して丸みを帯びた傘のような構造になり、縁は全縁または円鋸歯状、上面は無毛で、通常は黄緑色。花序は頂生の長い密錘花序、まれにほぼ散形花序であり、花序柄は長さ10㎝まで。萼片は三角状披針形、長さ2㎜まで、先が鋭形~鈍形、黄緑色。花冠は星形で、直径1㎝まで、白色またはピンク色、花弁は披針形~卵形、長さ4.5㎜まで。葯は黄色。花期は冬~春。2n=16。
品種) 'Wine Cup'
37 Crassula undulata Haw. テングノマイ 天狗の舞
synonym Crassula dejecta Jacq.
synonym Crassula albiflora Sims
南アフリカ原産。英名はdoily crassula。
多年生亜低木、高さ40㎝、枝分かれすることが多く、枝は少なくとも若いうちは反り返った毛で覆われ、古い葉は落葉しない。葉は長円状楕円形~まれに卵形、長さ(5~)8~15(~35)㎜×幅4~13(~15)㎜、鈍形で、背腹が平らかまたは下面がわずかに凸状で、球形に近い縁毛以外は無毛、緑色~黄緑色、ときに帯赤色。花序は平ら~丸い頂部の密錘花序で、少数~多数の2出集散花序があり、明確な花序柄はない。萼片は三角形~披針形、長さ3~4㎜、鋭い鋭形で、しばしば先端が尖り、通常は無毛、肉質、緑色。花冠は筒状で、基部で1~1.3㎜融合し、白色、しばしば赤色やピンク色を帯びる。花弁は倒状長円形、長さ6~8㎜、鋭形、背側に付属体があり、強く反曲するか、または後屈する。葯は褐色。2n=14。この種は、特に葉の形と大きさにおいて、非常に変異が多い。
38 その他ハイブリッド
品種) 'Baby Jade' , 'Baby's Necklace' [C.rupestris x C.perforata]. 数珠星・数珠姫 , 'Baby Surprise' , 'Blue Bird' , 'Blue Waves' , 'Buddha's Temple'[C. perfoliate x C. pyramidalis ] , 'Calico Kitten' , 'Candy Cane' , 'Carnival' , 'Devil's Horns' , 'Dorothy' , 'Emerald' , 'Estagnol' , 'Green Pagoda , 'High Voltage' , 'Imperialis' , 'Ivory Pagoda' , 'Jade Necklace' , 'Kimnatii' , 'Magical' (PBR) , 'Moonglow'紀ノ川(キノカワ) , 'Morgan's Beauty'呂千絵(ロチエ) , 'Morgan's Pink' , 'Morgan's Pride' , 'Murielle' , 'Pagoda , 'Pink Pagoda' , 'Red Edge' , 'Springtime' , 'Tom Thumb' , 'Tres Bon' , 'Tresco Seaspray'
ポーチュラカリア属
family Crassulaceae - genus Portulacaria多肉質で軟木質の低木または小高木。枝が太い。葉は対生し、十字対生、肉質、倒卵形。花序は上部の枝に腋生、または1本の長い茎に腋せいする。花は密に束生し、小花柄があり、それぞれに小さな鱗片状の苞がある。萼片は2個、広卵形、宿存する。花弁は4~5個、基部で合着する。子房は上位。果実は裂開せず、壁が薄く、3角(かど)または3翼がある。
世界に7種あり、アフリカ南部に分布する。
ポーチュラカリア属の主な種と品種
1 Portulacaria afra Jacq. ポーチュラカリア・アフラsynonym Crassula afra Jacq. クラッスラ・アフラ
南アフリカ(ケープ州、クワズール・ナタール州、北部州)、ケニア、モザンビーク、スワジランド原産。英名はelephant bush , dwarf jade plant , porkbush , spekboom。
低木、高さ2~4m、枝が密集する。茎は赤色になることが多い。上部の枝は直立する。葉は広卵形、光沢があり、あまり硬くなく多肉質、小さく、長さ1~2.5㎝。花序は長さ3~7㎝、短い花序軸に多数、花が束生する。花はピンク色または藤色、長さ約2㎜。果実は楕円形、翼がある。花期は9~11月。 品種) 'Variegata'
参考
1) Flora of MozambiqueCrassula
https://www.mozambiqueflora.com/speciesdata/genus.php?genus_id=645
Crassula ovata
https://www.mozambiqueflora.com/speciesdata/species.php?species_id=174460s
2)Plant Finder - Missouri Botanical GardenEucharis amazonica
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid=275747
3)GRINCrassula
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=3039
4) Plants of the World Online | Kew ScienceCrassula
http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30014394-2
5) (PDF) Systematics of the Amazon Lilies, Eucharis and ...Systematics of the Amazon Lilies, Eucharis and Caliphruria (Amaryllidaceae)
https://www.researchgate.net/publication/271806130_Systematics_of_the_Amazon_Lilies_Eucharis_and_Caliphruria_Amaryllidaceae
6) Succulents Crassula - Nature's wonders - Succulents.us
http://www.succulents.us/crassula.html
7) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINECrassula tetragona L.
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Crassula~tetragona
8) Global Plants on JSTORRochea coccinea
https://plants.jstor.org/compilation/Rochea.coccinea
9) Taxon Profile | Crassula coccinea - Flora of New ZealandCrassula coccinea L.
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Crassula-coccinea.html
10) International Crassulaceae NetworkCrassula
https://www.crassulaceae.ch/de/artikel?akID=31&aaID=2
11) LLIFLE The Encyclopedia of SUCCULENTSCrassula perfoliata L.
http://www.llifle.com/Encyclopedia/SUCCULENTS/Family/Crassulaceae/11170/Crassula_perfoliata