フブキバナ 吹雪花

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Flora of Mikawa

シソ科 Lamiaceae テトラデニア属

英 名 misty plume bush , misty plume bush, ginger bush
中国名 麝香木 she xiang mu
学 名 Tetradenia riparia (Hochst.) Codd
フブキバナの花序
フブキバナの花序2
フブキバナ花
フブキバナの幹
フブキバナ
フブキバナの葉
花 期 1~3月
高 さ 2~3m
生活型 落葉低木
生育場所 栽培種
分 布 外来種 南アフリカ、ナミビア、アンゴラ、ボツワナ原産
撮 影 浜松フラワーパーク   20.2.17
フブキバナはシソ科の落葉低木。芳香があり、薬用にも使われるが、日本では観賞用に栽培される。
雌雄異株、落葉低木、高さ2~3m、芳香があり、密毛で覆われ、毛は長(0.8~1.5㎜)く、腺の無い毛及び、短~中(0.1~0.5㎜)の腺毛である。若枝は断面が明瞭な四角形。茎は半多肉質、平滑、まばらに剛毛があり、主の腺毛(ルビー色)に腺の無い毛が散在し、節に長い腺の無い毛がある。葉は三角形~卵形、明るい緑色、葉身は長さ35~80(~100)㎜×幅75㎜以下、基部まで鋸歯があり、歯は不規則で鈍く、斜めの三角形、±長さ5×幅6㎜、葉先は鋭形、葉の基部は心形~切形、初め剛毛があるが、剛毛がまばら又は無毛近くになり、上面に短い腺毛と長い腺の無い毛をもち、下面は似るが、中肋、脈、縁に密にあり、ときに蜂蜜色の無柄の腺がまばらにある。葉は触るとわずかに粘り、もむとショウガの香りがする。葉柄は長さが葉身の長さの約1/2、茎と同じように剛毛がある。花序はしばしば非常に大きくなり、特に雄花序が大きくなり、枝には茎と同じような剛毛がある。苞はやや宿存性、約長さ2㎜×幅1㎜、まばらに外面と縁に細かい、腺のある剛毛をもつ。穂状花序は非常に疎く(雄花序)又は密(雌花序)、頂生の穂状花序(よく発達した花序)は普通長さ8㎝(雄花序)以上又は約1.5㎝(雌花序)、節間は長さ4㎜以上(雄花序)又は約1㎜(雌花序)。雄花は花柄が長く(>0.7㎜)、雌花は花柄が短い(<0.3㎜)。咢は長さ約0.7㎜(雄花)又は約0.6㎜(雌花)、まばらに細かい剛毛があり、ときに淡黄色や蜂蜜色の無柄の腺が散在し、裂片はしばしば、白色~紫色を帯びる。果時の咢は長さ2.2㎜以下、咢片は長さ0.7㎜。花冠は広漏斗形、普通、淡ライラック色、モーブ色(藤色)、たまに白色外面にまばらに細かい軟毛がある。花冠筒部は基部が細く、咢の口部を超えて急に広がり、長さ約1.6㎜(雄花)又は1.1㎜(雌花)、のど部の内側に長毛の輪をもつ。花冠裂片はわずかに広がり、内側は無毛、外側はまばらに軟毛があり、ときに無柄の腺が散在する。下側の裂片は長さ1.8㎜(雄花)、又は0.8㎜(雌花)。側裂片は短い。雄しべは葯が紫色。花柱の枝は紫色。小堅果は楕円形、約長さ0.75㎜×幅0.35㎜。花期は5~8月(日本では1~3月)。

テトラデニア属

  family Lamiaceae - genus Tetradenia
 
 低木、芳香があり、雌雄異株。茎は太く、若い時に普通、肉質、各節に明瞭な4個の硬点(callosities)をもつ。葉は葉柄があり、歯があり、落葉性。中肋と主な脈は肉質、下面で目立つ。花序は大きな円錐花序状の密穂花序、乾期には葉の無い株にしばしば生じる。枝は多数の穂状花序をつけ、穂状花序は多くの無柄の小さな花の普通3花の集散花序から構成される。花は機能的に単性、輪散花序に花が4~10個つく。最も下部の苞は葉状、輪生の苞は小さく、宿存又は早落性、緑色。咢は小さく、筒形~鐘形、2唇形、5裂し、後ろ側の裂片は普通、円く、沿下しない。側と前側の裂片は小さく、ほぼ等長、鋭形、深い基部の切れ込みにより分かれ、2個の凹形の側裂片のように見える。果時の咢はわずかに大きくなる。側と前の裂片は小堅果の周りにつく。後ろ側の裂片は普通、開いている。花冠は白色又は淡ピンク色~モーブ色~紫色、トランペット形~漏斗形、弱い2唇形。後ろ側の唇1個は2裂し又は凹形で、斜上する。側裂片2個は広がる。前側の唇は1個の幅が広くて長い水平又は後屈する裂片であり、5裂片のように見える。花冠筒部は±真っすぐ、内側に絨毛がある。雄しべは4本(又は雌花は0)、ほぼ等長、突き出し、のど部につく。花糸は真っすぐ、無毛。葯はsynthecous(the thecae are fused near the apex and the insertion at the connective)、丸い。雌花には仮雄しべがあり、しばしば小さい。花盤は4裂、肉質。子房は無毛、深く4裂する。花柱は子房基部着生、糸状、無毛、突き出し、先は2裂。未発達の雌しべ群は雄花に退化した2裂の花柱をもつ。小堅果は卵形~長円形、褐色、湿ったときに粘らない。
 世界に9種あり、熱帯アフリカとマダガスカルに分布する。

テトラデニア属の主な種

1 Tetradenia riparia (Hochst.) Codd  フブキバナ 吹雪花
  synonym Iboza riparia (Hochst.) N. E. Br.
  synonym Moschosma riparium Hochst.
  synonym Moschosma myriostachyum Benth. & Hook.f.
 南アフリカ、ナミビア、アンゴラ、ボツワナ原産。英名はmisty plume bush , misty plume bush, ginger bush。川岸、渓谷や丘の乾いた林縁に生える。
 雌雄異株、落葉低木、高さ2~3m、芳香があり、密毛で覆われ、毛は長(0.8~1.5㎜)く、腺の無い毛及び、短~中(0.1~0.5㎜)の腺毛である。若枝は断面が明瞭な四角形。茎は半多肉質、平滑、まばらに剛毛があり、主の腺毛(ルビー色)に腺の無い毛が散在し、節に長い腺の無い毛がある。葉は三角形~卵形、明るい緑色、葉身は長さ35~80(~100)㎜×幅75㎜以下、基部まで鋸歯があり、歯は不規則で鈍く、斜めの三角形、±長さ5×幅6㎜、葉先は鋭形、葉の基部は心形~切形、初め剛毛があるが、剛毛がまばら又は無毛近くになり、上面に短い腺毛と長い腺の無い毛をもち、下面は似るが、中肋、脈、縁に密にあり、ときに蜂蜜色の無柄の腺がまばらにある。葉は触るとわずかに粘り、もむとショウガの香りがする。葉柄は長さが葉身の長さの約1/2、茎と同じように剛毛がある。花序はしばしば非常に大きくなり、特に雄花序が大きくなり、枝には茎と同じような剛毛がある。苞はやや宿存性、約長さ2㎜×幅1㎜、まばらに外面と縁に細かい、腺のある剛毛をもつ。穂状花序は非常に疎く(雄花序)又は密(雌花序)、頂生の穂状花序(よく発達した花序)は普通長さ8㎝(雄花序)以上又は約1.5㎝(雌花序)、節間は長さ4㎜以上(雄花序)又は約1㎜(雌花序)。雄花は花柄が長く(>0.7㎜)、雌花は花柄が短い(<0.3㎜)。咢は長さ約0.7㎜(雄花)又は約0.6㎜(雌花)、まばらに細かい剛毛があり、ときに淡黄色や蜂蜜色の無柄の腺が散在し、裂片はしばしば、白色~紫色を帯びる。果時の咢は長さ2.2㎜以下、咢片は長さ0.7㎜。花冠は広漏斗形、普通、淡ライラック色、モーブ色(藤色)、たまに白色外面にまばらに細かい軟毛がある。花冠筒部は基部が細く、咢の口部を超えて急に広がり、長さ約1.6㎜(雄花)又は1.1㎜(雌花)、のど部の内側に長毛の輪をもつ。花冠裂片はわずかに広がり、内側は無毛、外側はまばらに軟毛があり、ときに無柄の腺が散在する。下側の裂片は長さ1.8㎜(雄花)、又は0.8㎜(雌花)。側裂片は短い。雄しべは葯が紫色。花柱の枝は紫色。小堅果は楕円形、約長さ0.75㎜×幅0.35㎜。花期は5~8月(日本では1~3月)。

参考

1) Tetradenia riparia | PlantZAfrica
 Tetradenia riparia (Hochst.)Codd  
http://pza.sanbi.org/tetradenia-riparia
2) GRIN
 Tetradenia  
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11967
3)Plants of the World Online | Kewscience
 Tetradenia  
http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:21261-1
4) Genus page: Tetradenia - Flora of Zimbabwe
 Tetradenia  
https://www.zimbabweflora.co.zw/speciesdata/genus.php?genus_id=1225
5)Flora of Zambia
 Tetradenia riparia (Hochst.) Codd  
https://www.zambiaflora.com/speciesdata/species.php?species_id=149530
6)The Genus Tetradenia (Lamiaceae): A Review of Its Ethnomedicinal, Botanical,
 Chemical and Pharmacological Activities  
https://www.researchgate.net/publication/320088780_The_Genus_Tetradenia_Lamiaceae_A_Review_of_Its_Ethnomedicinal_Botanical_Chemical_and_Pharmacological_Activities
7) Tetradenia (Lamiaceae) in Africa:new species and new combinations
 Adansonia, sér. 3, 30 (1) : 177-196.Phillipson P. B. & Steyn C. F. 2008.  
http://sciencepress.mnhn.fr/sites/default/files/articles/pdf/a2008n1a13.pdf