ホタルカズラ 蛍葛
Flora of Mikawa
ムラサキ科 Boraginaceae イヌムラサキ属
中国名 | 梓木草 zi mu chao ,地仙桃 di xian tao |
学 名 | Lithospermum zollingeri A.DC Buglossoides zollingeri (A. DC.) I. M. Johnst |
花 期 | 4~6月 |
高 さ | 5~25㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 日当たりのよい草原 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾 |
撮 影 | 豊橋市 15.5.11 |
イヌムラサキ属 Lithospermum とする見解と、ムラサキ属 Buglossoides に入れるという見解がある。和名は青い花の中央に隆起した白い星形を蛍の光になぞらえたもの。
根茎は這い、長いものは30㎝ほどになる。花後に長い走出枝(ランナー)を出し、翌年には新株になる。根は褐色、紫色の色素を含む。茎は横に這う基部から直立する。根生葉はまばらにつき、短い葉柄があり、倒披針形~へら形、長さ3~6㎝、幅0.8~1.8㎝、全縁、基部が膨らむ短剛毛があり、葉裏には密生する。茎葉は互生し、ほぼ無柄、根生葉と同形で小さい。苞は葉状。小花柄は短い。萼は長さ約6.5㎜、裂片は線状披針形、両面に毛がある。花冠は鮮やかな青色~青紫色、長さ15~18㎜、外面にまばらに毛があり、先は深く5裂して平開し、直径約15㎜。筒部と 舷部の境界は不明瞭、喉部から筒部の内部に向かって長さ約4㎜の5個の縦の隆起線がある。隆起線は白色、星形に見え、わずかに厚くなり、パピラがある。舷部は幅約1㎝。裂片は長さ5~6㎜、広倒卵形、全縁、脈は無い。雄しべは5個、隆起線の下につき、花糸に腺毛が多い。葯は淡黄色、長さ1.5~2㎜。花柱は長さ約4㎜、柱頭は頭状。子房は深く4裂。 堅果は4分果、分果は白色~淡黄褐色、長さ(2.5)3~3.5㎜の傾いた卵形、平滑、光沢があり、腹面は凹面、中央に縦溝がある。2n=16。
ムラサキLithospermum erythrorhizon は根を紫色の染料としたためムラサキという。花は白色、直径約6㎜。花冠裂片は円形、基部に2個ずつ円形の鱗片(横突起)がある。葉は質が厚く、側脈が2~3対明瞭にある。
イヌムラサキ Lithospermum arvense は花が白色、直径3~4㎜。葉が細く、果実にこぶのようなしわが多い。
ミヤマホタルカズラ Lithospermum diffusum はヨーロッパ原産の低木の園芸種。花は青色、直径12~15㎜、星形がない。
1年草又は多年草、短剛毛がある。葉は互生する。集散花序は頂生又は花が単生し、苞がある。咢は基部近くまで5深裂し、果時にわずかに大きくなる。花冠は白色、黄色、又は青紫色、放射相称、漏斗形又は高杯形(たかつき) 、のど部は付属体又は毛の帯をもち、又は縦に縮れる。拡大部は普通、鐘形、5深裂し、裂片は広がる。雄しべは突き出ない。花糸はごく短い。葯は長円状線形、先は鈍形、微突形。花柱は糸状、突き出ない。柱頭は全縁又は2裂、頭状。花托は平ら。小堅果は白色又は灰色、平滑、こうたくがあり、又はこぶがある。付着痕は内側の基部にある。
世界に約75種あり、世界中に分布し、普通、温帯や山地にある。しばしば、約4種が、ムラサキ属 Buglossoidesに入れられる( Lithospermum arvense , Lithospermum purpurocaeruleum ,Lithospermum tenuiflorum , Lithospermum zollingeri)。
synonyms Buglossoides arvensis (L.) I.M.Johnst.
日本、朝鮮、中国、ロシア、インド、カシミール、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタンタジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は田紫草 tian zi cao 。英名はcorn gromwell , field gromwell , pigeonweed , take-all-weed , white ironweed , corn gromwell
1年草。根は紫色の色素をもつ。茎は普通、1本、基部から分枝又は上部だけで分枝し、高さ15~30㎝、短剛毛がある。葉身は倒披針形~線形、長さ2~4㎝×幅3~7㎜、淡剛毛があり、先は鋭形。 集散花序は頂生、長さ10㎝以下。苞は葉と同形だが、小さい。花はまばら、花柄は短い。咢片は普通、直立し、線形、長さ4~5.5㎜、果時に1.1㎝以下になり、両面に短剛毛があり、基部はわずかに硬くなる。花冠は白色、ときに青色又は薄青色、高杯形。花冠筒部は長さ約4㎜、外側にまばらに軟毛がある。のど部は毛の5本の帯をもち、筒部まで延びる。拡大部は筒部の長さの約1/2.花冠裂片はやや不等長」、直立~わずかに広がり、卵形又は長円形、長さ約1.5㎜。雄しべは筒部の中間の下につく。葯は長さ約1㎜。花柱は長さ1.5~2㎜。柱頭は頭状。小堅果は灰褐色、三角状卵形、長さ約3㎜、細かいこぶがある。花期と果期は4~8月。2n = 14, 28, 36, 42。
2 Lithospermum murasaki Siebold ムラサキ 紫
synonyms Lithospermum erythrorhizon Siebold et Zucc.
synonyms Lithospermum officinale L. var. japonicum Miq.
synonyms Lithospermum officinale L. subsp. erythrorhizon (Siebold et Zucc.) Hand.-Mazz.
日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は紫草 zi cao 。英名はpurple gromwell , red gromwell , red-root gromwell , redroot lithospermum。生薬名は紫根(しこん)。
多年草。根は太く、暗赤色、豊富な紫色の色素をもつ。茎は普通、1~3本、直立し、伏せ又は広がり、上部で分枝し、高さ40~90㎝、短剛毛がある。枝は斜上し、しわしばわずかに曲がる。葉は無柄、卵状披針形~広披針形、長さ3~8㎝×幅0.7~1.7㎝、淡剛毛があり、基部は漸尖形、先は尖鋭形、脈は下面で目立ち、さらに密に毛がある。花序は頂生、長さ2~6㎝、果時に長くなる。 苞は葉に似るが小さい。咢片は線形、長さ約4㎜、果時に長さ9㎜以下、外側に短剛毛がある。花冠は白色、長さ7~9㎜、外側にまばらに軟毛がある。花冠筒部は長さ約4㎜。のどの付属体は半球形、無毛。花冠の拡大部は筒部と同長、裂片は広がり、広卵形、長さ2.5~3㎜、縁は全縁又は類波打ち、先はときに小凹形。雄しべは花冠筒部の中間のわずかに上につく。花糸は間がさ約0.4㎜。葯は長さ1~1.2㎜。花柱は長さ2.2~2.5㎜。小堅果は白色又は淡黄褐色、卵形、長さ約3.5㎜、平滑、光沢があり、内側は凹面形で中央の線は縦の溝になる。花期と果期は6~9月。2n = 28.。
3 Lithospermum officinale L. セイヨウムラサキ 西洋紫
中国、ロシア、インド、ブータン、ネパール、アフガニスタン、西アジア、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は小花紫草 xiao hua zi cao 。英名はcommon gromwell , gromwell , pearl gromwell , pearl gromwell
多年草、ほとんどの部分に短剛毛がある。根は若い時に少し紫色の色素をもつ。茎は普通、1本、直立、高さ1m以下、上部で頻繁に多数、分枝する。葉は無柄、披針形~卵状披針形、長さ3~8㎝×幅0.5~1.5㎝、基部は楔形~漸尖形、先は短い尖鋭形、脈は下面で目立ち、脈に密に剛毛がある。花序は茎上部と枝につき、果時に長さ15㎝以下。苞は葉に似るが、小さい。咢片は線形、果時に長さ約5~7㎜。花冠は白色又は淡黄色、長さ4~6㎜。花冠筒部は拡大部の長さの約2倍。 のど部には密に短軟毛のある長さ約0.4㎜の台形の付属体が5個ある。花冠裂片は直立し、長円状卵形、長さ約1.5㎜、縁は波打つ。雄しべは花冠筒部の中間につく。花糸は長さ約0.4㎜。葯は長さ約1.2㎜。柱頭は頭状。小堅果は白色又は黄褐色、卵形、長さ約3㎜、平滑、光沢があり、内側が凹面形、中央の線は縦の溝になる。花期と果期は6~8月。2n = 28, 56。
4 Lithospermum zollingeri A.DC. ホタルカズラ 蛍葛
synonyms Buglossoides zollingeri (A. DC.) I. M. Johnst.
日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は梓木草 zi mu chao
多年草。高さ5~25㎝。根茎は這い、長いものは30㎝ほどになる。花後に長い走出枝(ランナー)を出し、翌年には新株になる。根は褐色、紫色の色素を含む。茎は横に這う基部から直立する。根生葉はまばらにつき、短い葉柄があり、倒披針形~へら形、長さ3~6㎝、幅0.8~1.8㎝、全縁、基部が膨らむ短剛毛があり、葉裏には密生する。茎葉は互生し、ほぼ無柄、根生葉と同形で小さい。苞は葉状。小花柄は短い。萼は長さ約6.5㎜、裂片は線状披針形、両面に毛がある。花冠は鮮やかな青色~青紫色、長さ15~18㎜、外面にまばらに毛があり、先は深く5裂して平開し、直径約15㎜。筒部と 舷部の境界は不明瞭、喉部から筒部の内部に向かって長さ約4㎜の5個の縦の隆起線がある。隆起線は白色、星形に見え、わずかに厚くなり、パピラがある。舷部は幅約1㎝。裂片は長さ5~6㎜、広倒卵形、全縁、脈は無い。雄しべは5個、隆起線の下につき、花糸に腺毛が多い。葯は淡黄色、長さ1.5~2㎜。花柱は長さ約4㎜、柱頭は頭状。子房は深く4裂。 堅果は4分果、分果は白色~淡黄褐色、長さ(2.5)3~3.5㎜の傾いた卵形、平滑、光沢があり、腹面は凹面、中央に縦溝がある。2n=16。花期は4~6月。
4-1 Lithospermum zollingeri A.DC. f. albidum (Honda) H.Hara シロバナホタルカズラ
白花品種。
3 その他ハイブリッド
品種) 'Grace Ward' , 'Heavenly Blue'
Lithospermum
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:325901-2
2) Flora of New Zealand
Lithospermum
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Lithospermum.html
3) GRIN
Lithospermum
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=9189
4)The Jepson Herbarium
Lithospermum
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=10475
5)Flora of China
Lithospermum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=118745
根茎は這い、長いものは30㎝ほどになる。花後に長い走出枝(ランナー)を出し、翌年には新株になる。根は褐色、紫色の色素を含む。茎は横に這う基部から直立する。根生葉はまばらにつき、短い葉柄があり、倒披針形~へら形、長さ3~6㎝、幅0.8~1.8㎝、全縁、基部が膨らむ短剛毛があり、葉裏には密生する。茎葉は互生し、ほぼ無柄、根生葉と同形で小さい。苞は葉状。小花柄は短い。萼は長さ約6.5㎜、裂片は線状披針形、両面に毛がある。花冠は鮮やかな青色~青紫色、長さ15~18㎜、外面にまばらに毛があり、先は深く5裂して平開し、直径約15㎜。筒部と 舷部の境界は不明瞭、喉部から筒部の内部に向かって長さ約4㎜の5個の縦の隆起線がある。隆起線は白色、星形に見え、わずかに厚くなり、パピラがある。舷部は幅約1㎝。裂片は長さ5~6㎜、広倒卵形、全縁、脈は無い。雄しべは5個、隆起線の下につき、花糸に腺毛が多い。葯は淡黄色、長さ1.5~2㎜。花柱は長さ約4㎜、柱頭は頭状。子房は深く4裂。 堅果は4分果、分果は白色~淡黄褐色、長さ(2.5)3~3.5㎜の傾いた卵形、平滑、光沢があり、腹面は凹面、中央に縦溝がある。2n=16。
ムラサキLithospermum erythrorhizon は根を紫色の染料としたためムラサキという。花は白色、直径約6㎜。花冠裂片は円形、基部に2個ずつ円形の鱗片(横突起)がある。葉は質が厚く、側脈が2~3対明瞭にある。
イヌムラサキ Lithospermum arvense は花が白色、直径3~4㎜。葉が細く、果実にこぶのようなしわが多い。
ミヤマホタルカズラ Lithospermum diffusum はヨーロッパ原産の低木の園芸種。花は青色、直径12~15㎜、星形がない。
イヌムラサキ属
family: Boraginaceae - genus Lithospermum1年草又は多年草、短剛毛がある。葉は互生する。集散花序は頂生又は花が単生し、苞がある。咢は基部近くまで5深裂し、果時にわずかに大きくなる。花冠は白色、黄色、又は青紫色、放射相称、漏斗形又は高杯形(たかつき) 、のど部は付属体又は毛の帯をもち、又は縦に縮れる。拡大部は普通、鐘形、5深裂し、裂片は広がる。雄しべは突き出ない。花糸はごく短い。葯は長円状線形、先は鈍形、微突形。花柱は糸状、突き出ない。柱頭は全縁又は2裂、頭状。花托は平ら。小堅果は白色又は灰色、平滑、こうたくがあり、又はこぶがある。付着痕は内側の基部にある。
世界に約75種あり、世界中に分布し、普通、温帯や山地にある。しばしば、約4種が、ムラサキ属 Buglossoidesに入れられる( Lithospermum arvense , Lithospermum purpurocaeruleum ,Lithospermum tenuiflorum , Lithospermum zollingeri)。
イヌムラサキ属の主な種と園芸品種
1 Lithospermum arvense L. イヌムラサキ 犬紫synonyms Buglossoides arvensis (L.) I.M.Johnst.
日本、朝鮮、中国、ロシア、インド、カシミール、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタンタジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は田紫草 tian zi cao 。英名はcorn gromwell , field gromwell , pigeonweed , take-all-weed , white ironweed , corn gromwell
1年草。根は紫色の色素をもつ。茎は普通、1本、基部から分枝又は上部だけで分枝し、高さ15~30㎝、短剛毛がある。葉身は倒披針形~線形、長さ2~4㎝×幅3~7㎜、淡剛毛があり、先は鋭形。 集散花序は頂生、長さ10㎝以下。苞は葉と同形だが、小さい。花はまばら、花柄は短い。咢片は普通、直立し、線形、長さ4~5.5㎜、果時に1.1㎝以下になり、両面に短剛毛があり、基部はわずかに硬くなる。花冠は白色、ときに青色又は薄青色、高杯形。花冠筒部は長さ約4㎜、外側にまばらに軟毛がある。のど部は毛の5本の帯をもち、筒部まで延びる。拡大部は筒部の長さの約1/2.花冠裂片はやや不等長」、直立~わずかに広がり、卵形又は長円形、長さ約1.5㎜。雄しべは筒部の中間の下につく。葯は長さ約1㎜。花柱は長さ1.5~2㎜。柱頭は頭状。小堅果は灰褐色、三角状卵形、長さ約3㎜、細かいこぶがある。花期と果期は4~8月。2n = 14, 28, 36, 42。
2 Lithospermum murasaki Siebold ムラサキ 紫
synonyms Lithospermum erythrorhizon Siebold et Zucc.
synonyms Lithospermum officinale L. var. japonicum Miq.
synonyms Lithospermum officinale L. subsp. erythrorhizon (Siebold et Zucc.) Hand.-Mazz.
日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は紫草 zi cao 。英名はpurple gromwell , red gromwell , red-root gromwell , redroot lithospermum。生薬名は紫根(しこん)。
多年草。根は太く、暗赤色、豊富な紫色の色素をもつ。茎は普通、1~3本、直立し、伏せ又は広がり、上部で分枝し、高さ40~90㎝、短剛毛がある。枝は斜上し、しわしばわずかに曲がる。葉は無柄、卵状披針形~広披針形、長さ3~8㎝×幅0.7~1.7㎝、淡剛毛があり、基部は漸尖形、先は尖鋭形、脈は下面で目立ち、さらに密に毛がある。花序は頂生、長さ2~6㎝、果時に長くなる。 苞は葉に似るが小さい。咢片は線形、長さ約4㎜、果時に長さ9㎜以下、外側に短剛毛がある。花冠は白色、長さ7~9㎜、外側にまばらに軟毛がある。花冠筒部は長さ約4㎜。のどの付属体は半球形、無毛。花冠の拡大部は筒部と同長、裂片は広がり、広卵形、長さ2.5~3㎜、縁は全縁又は類波打ち、先はときに小凹形。雄しべは花冠筒部の中間のわずかに上につく。花糸は間がさ約0.4㎜。葯は長さ1~1.2㎜。花柱は長さ2.2~2.5㎜。小堅果は白色又は淡黄褐色、卵形、長さ約3.5㎜、平滑、光沢があり、内側は凹面形で中央の線は縦の溝になる。花期と果期は6~9月。2n = 28.。
3 Lithospermum officinale L. セイヨウムラサキ 西洋紫
中国、ロシア、インド、ブータン、ネパール、アフガニスタン、西アジア、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は小花紫草 xiao hua zi cao 。英名はcommon gromwell , gromwell , pearl gromwell , pearl gromwell
多年草、ほとんどの部分に短剛毛がある。根は若い時に少し紫色の色素をもつ。茎は普通、1本、直立、高さ1m以下、上部で頻繁に多数、分枝する。葉は無柄、披針形~卵状披針形、長さ3~8㎝×幅0.5~1.5㎝、基部は楔形~漸尖形、先は短い尖鋭形、脈は下面で目立ち、脈に密に剛毛がある。花序は茎上部と枝につき、果時に長さ15㎝以下。苞は葉に似るが、小さい。咢片は線形、果時に長さ約5~7㎜。花冠は白色又は淡黄色、長さ4~6㎜。花冠筒部は拡大部の長さの約2倍。 のど部には密に短軟毛のある長さ約0.4㎜の台形の付属体が5個ある。花冠裂片は直立し、長円状卵形、長さ約1.5㎜、縁は波打つ。雄しべは花冠筒部の中間につく。花糸は長さ約0.4㎜。葯は長さ約1.2㎜。柱頭は頭状。小堅果は白色又は黄褐色、卵形、長さ約3㎜、平滑、光沢があり、内側が凹面形、中央の線は縦の溝になる。花期と果期は6~8月。2n = 28, 56。
4 Lithospermum zollingeri A.DC. ホタルカズラ 蛍葛
synonyms Buglossoides zollingeri (A. DC.) I. M. Johnst.
日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は梓木草 zi mu chao
多年草。高さ5~25㎝。根茎は這い、長いものは30㎝ほどになる。花後に長い走出枝(ランナー)を出し、翌年には新株になる。根は褐色、紫色の色素を含む。茎は横に這う基部から直立する。根生葉はまばらにつき、短い葉柄があり、倒披針形~へら形、長さ3~6㎝、幅0.8~1.8㎝、全縁、基部が膨らむ短剛毛があり、葉裏には密生する。茎葉は互生し、ほぼ無柄、根生葉と同形で小さい。苞は葉状。小花柄は短い。萼は長さ約6.5㎜、裂片は線状披針形、両面に毛がある。花冠は鮮やかな青色~青紫色、長さ15~18㎜、外面にまばらに毛があり、先は深く5裂して平開し、直径約15㎜。筒部と 舷部の境界は不明瞭、喉部から筒部の内部に向かって長さ約4㎜の5個の縦の隆起線がある。隆起線は白色、星形に見え、わずかに厚くなり、パピラがある。舷部は幅約1㎝。裂片は長さ5~6㎜、広倒卵形、全縁、脈は無い。雄しべは5個、隆起線の下につき、花糸に腺毛が多い。葯は淡黄色、長さ1.5~2㎜。花柱は長さ約4㎜、柱頭は頭状。子房は深く4裂。 堅果は4分果、分果は白色~淡黄褐色、長さ(2.5)3~3.5㎜の傾いた卵形、平滑、光沢があり、腹面は凹面、中央に縦溝がある。2n=16。花期は4~6月。
4-1 Lithospermum zollingeri A.DC. f. albidum (Honda) H.Hara シロバナホタルカズラ
白花品種。
3 その他ハイブリッド
品種) 'Grace Ward' , 'Heavenly Blue'
参考
1) Plants of the World Online | Kew ScienceLithospermum
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:325901-2
2) Flora of New Zealand
Lithospermum
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Lithospermum.html
3) GRIN
Lithospermum
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=9189
4)The Jepson Herbarium
Lithospermum
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=10475
5)Flora of China
Lithospermum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=118745