ホンアマリリス 

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Flora of Mikawa

ヒガンバナ科 Amaryllidaceae ホンアマリリス属

別 名 ベラドンナリリー
英 名 true amaryllis , belladonna lily . Jersey lily , easter-lily , naked lady
学 名 Amaryllis belladonna L.
ホンアマリリスの花
ホンアマリリスの花2
ホンアマリリスの蕾
ホンアマリリス
ホンアマリリス雄しべ
花 期 8~10月
高 さ 30~70(80)㎝
生活型 多年草
生育場所 栽培種
分 布 外来種  南アフリカ原産
撮 影 浜名湖ガーデンパーク 19.9.19
ホンアマリリスはヒガンバナ科ホンアマリリス属(Amaryllis)の秋咲黄の栽培種。春に咲くアマリリスはアマリリス属(Hippeastrum)である。ホンアマリリス属の学名がAmaryllisであるため、本当のアマリリスという意味でホンアマリリスという和名がつけられている。  球茎はタマネギ状、広卵形~球形、直径6~12㎝。葉は花後に生じ、2列に6~10枚つき、線形~帯状、無毛、全縁、樋状になり、主に長さ(20~)30~45㎝×幅15~30mm。花茎は丈夫、直立し、赤色を帯び、やや扁平、高さ30~70(80)㎝又はそれ以上、直径8~12mm。仏縁苞のバルブは宿存する。小苞は糸状、長さ3~5.5㎝。花柄は花時に長さ(1.5~)3~6㎝。散形花序に花が(2~)5~10(~12)個つく。花は漏斗形、大きく長さ約10㎝、直径約7㎝、芳香があり、淡~濃ピンク色でのど部がより淡色、まれに全体が白色に近くなる。花被片は長さ5~10㎝、基部で8~14㎜が合着、統合し短い筒になり、上部は幅広く、広がり、花被片の先は鋭形。雄しべは花被片よりわずかに短く、長雄しべと短雄しべが互生する。葯は三日月形、長さ5~6mm。柱頭は頭状。子房は長円形。蒴果はほぼ球形、直径1~2㎝。種子は多数、球形、肉質、緑色。花期は夏下旬~秋。多数の園芸品種がある。

ホンアマリリス属

  family Amaryllidaceae - genus Amaryllis

 球茎をもつ多年草。葉は1年生、数個つき、広線形、二列生、花期には無い。花序は散形花序、葉の無い花茎に頂生する。蕾は2個の広い紙質の苞(bract 又はspathe-valves)の仏炎苞(spathe)に包まれる。小苞は線形。花は両性、漏斗形、しばしばわずかに左右相称になり、花柄があり、芳香がある。花被片は基部が融合する。雄しべは6本、花糸は糸状、葯は背着、内向きに裂開する。子房は下位、3室。胚珠は各室に多数。花柱は糸状。柱頭は3裂。果実は不規則に裂開する肉質の蒴果。種子は少数、卵形、緑色~ピンク色。
 世界に2種あり、南アフリカに分布する。

ホンアマリリス属の種と園芸品種

1 Amaryllis belladonna L.  ホンアマリリス
 南アフリカ原産。英名はtrue amaryllis , belladonna lily . Jersey lily , easter-lily , naked lady。湿り気のある場所に生える。
 球茎はタマネギ状、広卵形~球形、直径6~12㎝。葉は花後に生じ、2列に6~10枚つき、線形~帯状、無毛、全縁、樋状になり、主に長さ(20~)30~45㎝×幅15~30mm。花茎は丈夫、直立し、赤色を帯び、やや扁平、高さ30~70(80)㎝又はそれ以上、直径8~12mm。仏縁苞のバルブは宿存する。小苞は糸状、長さ3~5.5㎝。花柄は花時に長さ(1.5~)3~6㎝。散形花序に花が(2~)5~10(~12)個つく。花は漏斗形、大きく長さ約10㎝、直径約7㎝、芳香があり、淡~濃ピンク色でのど部がより淡色、まれに全体が白色に近くなる。花被片は長さ5~10㎝、基部で8~14㎜が合着、統合し短い筒になり、上部は幅広く、広がり、花被片の先は鋭形。雄しべは花被片よりわずかに短く、長雄しべと短雄しべが互生する。葯は三日月形、長さ5~6mm。柱頭は頭状。子房は長円形。蒴果はほぼ球形、直径1~2㎝。種子は少数、球形、肉質、白色~ピンク色。花期は夏下旬~秋。2n=22。
品種) 'Alba' , 'Amputo' (PBR) , 'Barberton' , 'Blanda' , 'Bloemfontein' , 'Cape of Good Hope' , 'Cape Town' , 'Durban' , 'Elata' , 'Hathor' , 'Jagersfontein' , 'Johannesburg' , 'Kewensis' , 'Kimberley' , 'Linnaei' , 'Major' , 'Maxima' , 'New Zealand Red' , 'Nymph' (PBR) , 'Pallida' , 'Parkeri Alba' , 'Purpurea' , 'Purpurea Major' , 'Rosea' , 'Rosea Perfecta' , 'Rubra' , 'Safari' , Sander's form , 'Spectabilis' , Spectabilis Tricolor = 'Spectabilis' , 'Windhoek'

2 Amaryllis paradisicola Snijman アマリリス・パラディシコーラ
 南アフリカ原産。乾いた、涼しい山地に生える。
 葉は根生し、ホンアマリリスより幅が広く、舌状、両面に短毛が開出する。花はスイセンのような芳香がある。花を輪状に10~21個つけ、紫ピンク色、時間が経つと暗色になる。内側の雄しべがホンアマリリスより長く、外側の雄しべは内側の雄しべより15㎜長い。柱頭は深く3裂する。花期は秋(南半球では3~4月)
 1972年に収集され、開花の誘発方法がうまくいく1995年まで栽培では花が咲くことがなかった。1998年に 南アフリカのナマクアランドのリフタスフェルト(砂漠地帯)でSnijmanが発見し、新しい種として記載した。山火事の後にだけ開花すると考えられている。花は4月に開花し、10~21個、リング状に束生し、スイセンのような香りがある。花色は初め、紫ピンク色(純粋種は淡ピンク色)、古くなると暗色になる。葉は幅がベラドンナより広い。雄しべはベラドンナより長く、柱頭はベラドンナより深く3裂する。パラディシコーラとベラドンナにはいくつかの形態学的差異があるが、最も目に見える違いはパラディシコーラの葉は幅が広く、舌状(6~9枚の葉は花後に出る hysteranthousで2列生)。成長するとロゼット状になり、幅が広く、樋状、葉の両面に短毛が開出する。内側の雄しべはベラドンナより長く、外側の雄しべは内側の雄しべより15㎜長い。柱頭はベラドンナより明瞭に3裂する。花はスイセンのような芳香があり、10~21個がリング形につき、均一な紫ピンク色、古くなると暗色になる。ベラドンナはケープのより湿った場所で見つかり、パラディシコーラは比較的、涼しい山地の乾燥した場所に適合し、珪岩の崖や狭い岩棚に生える。花期は秋中旬、長い乾期の後の降雨のある秋の初めから始まる。

参考

1) Flora of New Zealand
 Amaryllis belladonna L.
http://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Amaryllis-belladonna.html
2) Flora of Victoria
 Amaryllis
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/fba2dfeb-ec13-4f67-9450-3f354f5611aa
3) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE
 Amaryllis belladonna L.
https://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Amaryllis~belladonna
4) Pacific Bulb Society
 Amaryllis paradisicola
https://www.pacificbulbsociety.org/pbslist/2006-October/oc9ha0m426ffltb9lun53j83a0.html