ヒトツボクロ 一黒子
Flora of Mikawa
ラン科 Orchidaceae ヒトツボクロ属
学 名 | Tipularia japonica Matsum. |
花 期 | 5~6月 |
高 さ | 20~30㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 林内 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、朝鮮に分布する。 |
撮 影 | 設楽町 05.6.19 |
多年草。高さ20~30㎝。地下の偽球茎は狭卵形、汚白色、2~3個が数珠状に連なり、先端の偽球茎の基部から1枚の葉を出し、上部から1本の花茎を出す。葉は長い葉柄があり、葉柄は長さ3~7㎝。葉身は卵形~卵状楕円形~狭披針形、長さ3.5~7㎝×幅1.5~3cm、上面は光沢のある暗緑色、白色の斑点があり、下面は紫色、葉縁に波状鋸歯があり、先は尖鋭形。葉の幅が広いものはホテイランの葉に似ている。秋に新葉を1枚展開し、越冬するが、花後の夏には枯れる。細くて長い花茎の先の総状花序に小さな花を5~10個まばらに下向きにつける。花は紫褐色を帯びた淡黄緑色、直径5~7㎜。萼片および側花弁は狭倒披針形、長さ約4mm、先は鈍形。ずい柱は長さ約3㎜。唇弁は倒卵形、長さ約3mm、3裂し、中裂片は広線形、縁は全縁、先は円形、紫褐色の斑紋がある。側裂片は小さく、縁に細かな歯牙がある。距は淡紅紫色、細く、長さ約5㎜、垂れ下がる。花期は5~6月。
多年草、地上生、細い。偽鱗茎(Pseudobulbs)は、球茎状(cormlike)で、卵形または狭円筒形、1~4節があり、ときに、宿存する細い根茎によって前年の成長につながる。葉は単生、偽鱗茎の先から生じ、広卵形~卵形楕円形、ときに上面に紫色の斑点があり、下面が紫色になり、基部は急に狭くなり、長い葉柄のような茎状になる。花序は緩い総状花序、偽鱗茎の頂点または基部近くから側部から生じ、直立し、細く、通常、基部が少数の鞘状の苞で囲まれる。花序軸は緩く多数の花がつく。花の苞は非常に小さい。花は逆さまになり(resupinate)、小さい。小花柄と子房は円筒状紡錘形、細い。萼片と花弁は似ているが、花弁はわずかに小さく、離生で、広がり、長円形~楕円形。唇弁は卵形または長円状倒卵形、全縁または3裂し、基部に距がある。距は後方に広がりまたは斜上し、短い袋状または長く、細い。ずい柱は直立し、丈夫。葯は頂生、横たわる(incumbent)。花粉塊は4個、2対につき、ろう質(waxy)、明瞭な柄は有または無、粘着体は不明瞭。嘴状体(rostellum)は短く、目立たない。蒴果は垂れ下がり、短い楕円形~ほぼ球形。
世界に約5種があり、東アジア、北アメリカに分布する。
北アメリカ原産。英名はcranefly orchid , crippled crane-fly。
2 Tipularia japonica Matsum. ヒトツボクロ 一黒子
日本(本州、四国、九州)、朝鮮に分布する。落葉広葉樹林やアカマツ林のやや乾いた林床に生える。
多年草。高さ20~30㎝。地下の偽球茎は狭卵形、汚白色、2~3個が数珠状に連なり、先端の偽球茎の基部から1枚の葉を出し、上部から1本の花茎を出す。葉は長い葉柄があり、葉柄は長さ3~7㎝。葉身は卵形~卵状楕円形~狭披針形、長さ3.5~7㎝×幅1.5~3cm、上面は光沢のある暗緑色、白色の斑点があり、下面は紫色、葉縁に波状鋸歯があり、先は尖鋭形。葉の幅が広いものはホテイランの葉に似ている。秋に新葉を1枚展開し、越冬するが、花後の夏には枯れる。細くて長い花茎の先の総状花序に小さな花を5~10個まばらに下向きにつける。花は紫褐色を帯びた淡黄緑色、直径5~7㎜。萼片および側花弁は狭倒披針形、長さ約4mm、先は鈍形。ずい柱は長さ約3㎜。唇弁は倒卵形、長さ約3mm、3裂し、中裂片は広線形、縁は全縁、先は円形、紫褐色の斑紋がある。側裂片は小さく、縁に細かな歯牙がある。距は淡紅紫色、細く、長さ約5㎜、垂れ下がる。花期は5~6月。
2-1 Tipularia japonica Matsum. f. harae (S.C.Chen) Suetsugu ヒトツボクロモドキ
synonym Tipularia kyushuensis Bo Li
synonym Tipularia japonica Matsum. var. harae (S.C.Chen) F.Maek. ex K.Inoue
synonym Tipularia harae S.C.Chen
長崎県と佐賀県の県境の山に分布する。唇弁が花弁と同形となり、距が無い。Peloric Form。
3 Tipularia josephi Rchb.f. ex Lindl.
インド(東ヒマラヤ、西ヒマラヤ)、チベット、ミャンマー、ネパール、台湾原産。
3-1 Tipularia josephi f. cunninghamii (King & Prain)
synonym Tipularia cunninghamii (King & Prain) S.C.Chen, S.W.Gale & P.J.Cribb
インド(東ヒマラヤ、西ヒマラヤ)、台湾原産。中国名は软叶筒距兰 ruan ye tong ju lan。
4 Tipularia odorata Fukuy. タイワンヒトツボクロ 台湾一黒子
台湾原産。中国名は台湾筒距兰 tai wan tong ju lan。
5 Tipularia szechuanica Schltr.
中国原産中国名は筒距兰 tong ju lan。
Tipularia
Tipularia
Tipularia
Tipularia
Tipularia
Tipularia japonica f. harae and T. josephi f. cunninghamii:
New Combinations and New Status for Tipularia harae and
Didiciea cunninghamii (Orchidaceae
ヒトツボクロ属
family Orchidaceae - genus Tipularia多年草、地上生、細い。偽鱗茎(Pseudobulbs)は、球茎状(cormlike)で、卵形または狭円筒形、1~4節があり、ときに、宿存する細い根茎によって前年の成長につながる。葉は単生、偽鱗茎の先から生じ、広卵形~卵形楕円形、ときに上面に紫色の斑点があり、下面が紫色になり、基部は急に狭くなり、長い葉柄のような茎状になる。花序は緩い総状花序、偽鱗茎の頂点または基部近くから側部から生じ、直立し、細く、通常、基部が少数の鞘状の苞で囲まれる。花序軸は緩く多数の花がつく。花の苞は非常に小さい。花は逆さまになり(resupinate)、小さい。小花柄と子房は円筒状紡錘形、細い。萼片と花弁は似ているが、花弁はわずかに小さく、離生で、広がり、長円形~楕円形。唇弁は卵形または長円状倒卵形、全縁または3裂し、基部に距がある。距は後方に広がりまたは斜上し、短い袋状または長く、細い。ずい柱は直立し、丈夫。葯は頂生、横たわる(incumbent)。花粉塊は4個、2対につき、ろう質(waxy)、明瞭な柄は有または無、粘着体は不明瞭。嘴状体(rostellum)は短く、目立たない。蒴果は垂れ下がり、短い楕円形~ほぼ球形。
世界に約5種があり、東アジア、北アメリカに分布する。
ヒトツボクロ属の主な種と園芸品種
1 Tipularia discolor (Pursh) Nuttall北アメリカ原産。英名はcranefly orchid , crippled crane-fly。
2 Tipularia japonica Matsum. ヒトツボクロ 一黒子
日本(本州、四国、九州)、朝鮮に分布する。落葉広葉樹林やアカマツ林のやや乾いた林床に生える。
多年草。高さ20~30㎝。地下の偽球茎は狭卵形、汚白色、2~3個が数珠状に連なり、先端の偽球茎の基部から1枚の葉を出し、上部から1本の花茎を出す。葉は長い葉柄があり、葉柄は長さ3~7㎝。葉身は卵形~卵状楕円形~狭披針形、長さ3.5~7㎝×幅1.5~3cm、上面は光沢のある暗緑色、白色の斑点があり、下面は紫色、葉縁に波状鋸歯があり、先は尖鋭形。葉の幅が広いものはホテイランの葉に似ている。秋に新葉を1枚展開し、越冬するが、花後の夏には枯れる。細くて長い花茎の先の総状花序に小さな花を5~10個まばらに下向きにつける。花は紫褐色を帯びた淡黄緑色、直径5~7㎜。萼片および側花弁は狭倒披針形、長さ約4mm、先は鈍形。ずい柱は長さ約3㎜。唇弁は倒卵形、長さ約3mm、3裂し、中裂片は広線形、縁は全縁、先は円形、紫褐色の斑紋がある。側裂片は小さく、縁に細かな歯牙がある。距は淡紅紫色、細く、長さ約5㎜、垂れ下がる。花期は5~6月。
2-1 Tipularia japonica Matsum. f. harae (S.C.Chen) Suetsugu ヒトツボクロモドキ
synonym Tipularia kyushuensis Bo Li
synonym Tipularia japonica Matsum. var. harae (S.C.Chen) F.Maek. ex K.Inoue
synonym Tipularia harae S.C.Chen
長崎県と佐賀県の県境の山に分布する。唇弁が花弁と同形となり、距が無い。Peloric Form。
3 Tipularia josephi Rchb.f. ex Lindl.
インド(東ヒマラヤ、西ヒマラヤ)、チベット、ミャンマー、ネパール、台湾原産。
3-1 Tipularia josephi f. cunninghamii (King & Prain)
synonym Tipularia cunninghamii (King & Prain) S.C.Chen, S.W.Gale & P.J.Cribb
インド(東ヒマラヤ、西ヒマラヤ)、台湾原産。中国名は软叶筒距兰 ruan ye tong ju lan。
4 Tipularia odorata Fukuy. タイワンヒトツボクロ 台湾一黒子
台湾原産。中国名は台湾筒距兰 tai wan tong ju lan。
5 Tipularia szechuanica Schltr.
中国原産中国名は筒距兰 tong ju lan。
参考
1) Flora of ChinaTipularia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30081415-2
2) Plants of the World Online| KewscienceTipularia
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:60452048-2
3) World Flora OnlineTipularia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000038467;jsessionid=99BFEF6C1A9C4717BF6E95485CAC4D25
4) World Checklist of Vascular PlantsTipularia
https://wcvp.science.kew.org/
5) Flora of North America @ efloras.orgTipularia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=133044
6) Acta Phytotax. Geobot. 70 (3): 183–188 (2019)Tipularia japonica f. harae and T. josephi f. cunninghamii:
New Combinations and New Status for Tipularia harae and
Didiciea cunninghamii (Orchidaceae
https://www.jstage.jst.go.jp/article/apg/70/3/70_201909/_pdf