ヒスイカズラ 翡翠葛

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Flora of Mikawa

マメ科 Fabaceae  ヒスイカズラ属

別名] ジェイド・バイン
中国名 绿玉藤 lu yu teng , 翡翠葛san fang jue ming
英 名 jade vine, emerald vine, emerald creeper, turquoise jade vine
学 名 Strongylodon macrobotrys A. Gray
ヒスイカズラの花序
ヒスイカズラの花2
ヒスイカズラの花3
ヒスイカズラの若葉
ヒスイカズラ
ヒスイカズラの花
ヒスイカズラの蕾
ヒスイカズラの葉
花 期 3~4月
高 さ 長さ9~15(~18)m
生活型 蔓性木
生育場所 栽培種
分 布 帰化種 フィリピン原産
撮 影 豊橋市    15.3.24
ヒスイカズラはマメ科ヒスイカズラ属の観賞用の栽培種。花が青緑色で目立つ。フィリピンの熱帯雨林の破壊がこの種を脅かしている。淡緑色の葉のキャノピーの下に、半透明の翡翠緑色(jade-green)の花が長く垂れ下がり、ヒスイカズラは熱帯の蔓性植物の中で最も美しく、優雅な1つである。フィリピンのルソン島、ミンドロ島、カタンドゥアネス島に分布する。
 蔓性木、茎は丈夫で捻じれ、長さ9~15(~18)m、直径2.5㎝以下になる。葉は互生し、短柄があり、3小葉、長さ25㎝以下、初めピンクブロンズ色、淡緑色になり、やがて成熟すると濃緑色になる。小葉は全縁、頂小葉は楕円形~卵状楕円形、長さ12~15.5㎝×幅5.5~7.3㎝、全縁。側小葉は卵形、長さ9~15㎝×幅3.5~8㎝。花序は頂生又は腋生、長さ0.5~1.5(~3)m、花序軸は長さ50㎝以上、垂れ下がったブドウの房状の総状花序、5~8個の花が束生して、多段に多数(75個又はそれ以上)の花をつける。短枝(brachyblast)には疣がある。小花柄は長さ1.8~4㎝。萼は鐘形、帯紫色(灰色)。花は爪形、羽根を閉じた蝶に似た蝶形花、輝く青緑色(翡翠色)、又はアクアマリン色(aquamarine)、青緑ネオン色(neon blue green)、 海緑色のトルコ石色(seagreen-turquoise)ともいわれ、長さ7.5㎝以下、幅6㎝以下。旗弁は卵形、反曲し、長さ3.7~4.8㎝×幅1.7~2.5㎝。翼弁は長楕円状楕円形、長さ20~24㎜×幅8~10㎜。竜骨弁は長さ45~48㎜×幅11~13㎜。花はオオコウモリが受粉を媒介する。花期は春~初夏。果実の莢(さや)は長さ8.5~13㎝×幅約6㎝、楕円形、膨れ、しわがある。

ヒスイカズラ属

  family Fabaceae - genus Strongylodon
 
 木質の蔓性植物で、常に林冠の最上部までよじ登る。古い枝は無毛、溝があり、ときに皮目があり、若い枝は無毛または有毛、条線があり、一部の枝は巻きひげに変化する。(Polhill、1972)。托葉は披針形、卵形または三角形、盾形または底着、無毛、条線があり、早落性、脱落すると独特の脱落痕を残す。葉は羽状3小葉、托葉がある。頂小葉は披針形、卵形または円形、3脈は有または無、先は鋭形または尖鋭形、または尖頭傾、基部は円形、切形またはわずかに心形、下面は無毛またはまばらに毛がある。側小葉は頂小葉と形が似ており、サイズがわずかに小さく、基部がわずかにまたは強く斜めになる。小葉柄は常に溝があり、しわがある。小托葉は剛毛状または線形。花序は腋生の偽総状花序または偽円錐花序で、2~5本の枝分かれがあり、多数花がつき、ときに2~3本の偽総状花序が腋生で束生する。花序柄は無毛またはまばらに毛がある。花序軸は無毛または毛があり、節は膨らみ。短枝(brachyblast)は疣があり、または円筒形で、(1~)3~約15個の花がつく。苞は卵形で、節と小花柄の基部に生じる。小苞は萼筒の基部に2個あり、卵形、条線があり、縁に縁毛がある。小花柄は無毛または毛がある。花は橙赤色、赤色、紫青色または青緑色。萼は鐘形で5裂し、上部の2萼片はわずかに合着または先端で合着する。萼片は切形または微凹形。旗弁は無毛で、反り返り、先が鋭形、爪部の上に2個の付属体があり、先端に向かって通常質が厚くなる。翼弁は無毛で、基部で竜骨弁に付着し、旗弁の長さの約半分の長さである。竜骨弁は合着し、先に嘴があり、旗弁とほぼ同長である。雄しべは10本、2体雄しべであり、1本の旗弁の雄しべは自由、花糸は無毛、葯は均一で背着し、縦に切れ目がある。雌しべは基部に円盤形の蜜腺を持ち、柄がある。子房は無毛または有毛で、1~12 個の胚珠がある。花柱は長く、無毛または下部は有毛である。柱頭は頂生。莢は網状脈またはシワがあり、種子間は膨張またはくびれ、連続または半隔壁で、ゆっくりと裂開する。種子は黒色または褐色で、円形または不規則、平滑またはシワがある。へそは線形または円周に沿い(circum-ferential)、短~種子の円周の3/4まで、海綿状の組織の厚膜(epihilum)を持つ。
 世界に17種があり、マレーシア、フィリピン、太平洋諸島、オーストラリア、マダガスカルなどの北回帰線と南回帰線の間の熱帯地域に分布する。マダガスカルと比較して、フィリピン、インドネシア東部でより豊富な種の多様性が見られ、西部(ボルネオ、ジャワ、スマトラ、マレー半島など)には生息していない。

ヒスイカズラ属の主な種と園芸品種

1 Strongylodon lucidus (G. Forst.) Seem. ストロンギロドン・ルシドゥス
  synonym Senna angustifolia (Vahl) Batka 
 インド(アンダマン諸島)、フィリピン、ニューギニア、ビスマルク諸島、太平洋諸島(マリアナ諸島、カロリン諸島、ソロモン諸島、フィジー、ニューカレドニア、ソシエテ諸島、トンガ、バヌアツ)、オーストラリア(クイーンズランド州、クリスマス諸島)原産。英名はAlexandrian senna , Indian senna , senna , Tinnevelly senna , true senna , pink strongylodon。中国名は亮叶翡翠葛。標高0~1500の発達した低地の熱帯雨林に生えるが、再生した木の上や植林地の脇など、より露出した場所に生えることもある。2019年に愛知県田原市大草海岸に種子が漂着したと報告された。
 蔓性木、蔓は直径3cmまで。樹皮の外側には縦の肋がある。樹皮の滲出液は水っぽいピンク色。小葉は長さ10.5~13.5cm×幅5~8cm、側小葉は非対称で、中脈は一方が他方よりも近い。3小葉は同じ大きさで、質は薄い。頂小葉の小葉柄は側小葉の小葉柄より長い。側小葉の小葉柄は横しわがあり、中脈の両側に約5本の側脈がある。托葉は長さ約6mm、縦の脈がある。小托葉は長さ4~5mm。総状花序は長さ25cmまで。小花柄は長さ15~20mm。萼は杯形、長さ7~8mm、萼片は長さ約1mm、小さく目立たない。花弁は爪部がある。旗弁は長さ約25mm×幅13~15mm。翼弁は竜骨弁の約半分の長さ。竜骨弁は長さ約25mm、雄しべ筒をほぼ取り囲む。雄しべは10本で、9本の雄しべの花糸が融合して片側に開いた筒を形成する。1本の雄しべは自由である。花盤は不規則、高さ0.8~1mm、子房の基部を取り囲む。子房は無毛、長さ3~4mm、柄は長さ6~7mm。胚珠は1個または2個。果実は長円形~楕円形、長さ5~8cm×幅2.5~3.5cm。種子は楕円形、長さ約2cm×幅1.6~1.8cm、種皮は非常に硬く、火打ち石状(flint-like)。厚膜(epihilum)は種子の円周の約3分の1に及ぶ。種子のへそは種子の半分以上に及ぶ。子葉は互いに融合し、分化せず、きめが細かく、乾くと粉状になる。幼根は目立たず、子葉よりもはるかに短く細い。花期はインド洋では4月、6月、9月~12月、太平洋では1月~11月。果期はインド洋では2月、3月、6月、9月、太平洋では1月~11月。

2 Strongylodon macrobotrys A. Gray ヒスイカズラ 翡翠葛
  synonym Cassia alata L.
  synonym Strongylodon megaphyllus Merr.
 フィリピン原産。英名はjade vine, emerald vine, emerald creeper, turquoise jade vine。インド、マレーシア、ニューギニア、トリニダード・トバゴに帰化している。標高110~1000mの湿った森林、小川沿い、渓谷。
 蔓性木、茎は丈夫で捻じれ、長さ9~15(~18)m、直径2.5㎝以下になる。葉は互生し、短柄があり、3小葉、長さ25㎝以下、初めピンクブロンズ色、淡緑色になり、やがて成熟すると濃緑色になる。小葉は全縁、頂小葉は楕円形~卵状楕円形、長さ12~15.5㎝×幅5.5~7.3㎝、全縁。側小葉は卵形、長さ9~15㎝×幅3.5~8㎝。花序は頂生又は腋生、長さ0.5~1.5(~3)m、花序軸は長さ50㎝以上、垂れ下がったブドウの房状の総状花序、5~8個の花が束生して、多段に多数(75個又はそれ以上)の花をつける。短枝(brachyblast)は疣がある。小花柄は長さ1.8~4㎝。萼は鐘形、帯紫色(灰色)。花は爪形、羽根を閉じた蝶に似た蝶形花、輝く青緑色(翡翠色)、又はアクアマリン色(aquamarine)、青緑ネオン色(neon blue green)、 海緑色のトルコ石色(seagreen-turquoise)ともいわれ、長さ7.5㎝以下、幅6㎝以下。旗弁は卵形、反曲し、長さ3.7~4.8㎝×幅1.7~2.5㎝。翼弁は長楕円状楕円形、長さ20~24㎜×幅8~10㎜。竜骨弁は長さ45~48㎜×幅11~13㎜。花はオオコウモリが受粉を媒介する。果実の莢(さや)は長さ8.5~13㎝×幅約6㎝、楕円形、膨れ、しわがある。花期は1月~6月、11月、12月。果期は5月、9月。

3 Strongylodon madagascariensis Baker ストロンギロドン・マダガスカリエンシス

  synonym Strongylodon catati Drake
  synonym Strongylodon lantzianus (Baill.) Drake
  synonym Strongylodon lastellianus Baill.
 マダガスカル固有種。英名はMadagascar Strongylodon, Madagascariensis Strongylodon, Madagascariensis Strongylodon Vine。別名はマダガスカルヒスイカズラ。標高400~1400mの森林の樹冠によじ登る。
 木質の蔓性植物。若い枝は無毛で条線があり、古い枝は灰色。托葉は卵状形三角形または三角形、底着、無毛で条線があり、長さ3~4 mm×幅2~3 mm、早落性。葉は羽状3小葉で、托葉がある。葉軸は無毛で、最上部の対小葉の下部(subjuagal part)は長さ2~4.5 cm、最下部の対小葉の下部は(suprajugal part)は長さ0.5~1.5cm。頂小葉は長円形、楕円形、披針形または狭倒卵形で、先は鈍形~尖頭形、基部は円形、長さ3~10.5cm×幅1.2~5.5cm、6~9対の互生の側脈がある。側小葉は披針形または長円形、基部はわずかに斜めで、長さ3~11cm×幅1.5~5cm。花序は長さ7.5~28.5cm、花序柄にはまばらに毛がある。花序軸には短く硬い毛がある。花のつく短枝(brachyblast)は疣があり、長さ1~2mm×幅1~2mm、花は2~3個つく。苞は三角形または卵状三角形、底着し、基部に耳があり、条線があり、縁に縁毛があり、長さ1.6~2mm×幅約2mm、早落性である。小苞は苞に似ており、長さ1.6~2.5mm×幅1~2mm。小花柄は無毛、長さ1.5~3cm。花は赤色、長さ28~43mm。萼は鐘形、長さ7~10mm、5裂し、内側の上部に毛があり、外側は無毛。上側の2萼片は合着し、長さ1.2mm。下側の3萼片は重なり、広卵形、長さ1.2~1.5mm。旗弁は卵形、長さ28~35mm×幅12~14mm、爪部は長さ5mm、爪部の上に2個の付属体がある。翼弁は狭倒卵形または長円形、基部にわずかに耳があり、長さ16~21mm×幅4~8mm、爪部は長さ9~11mm。竜骨弁は披針形、長円形、長さ27~40mm×幅5~9mm、爪部は長さ9~10mm。雄しべは長さ32~52mm、花糸は無毛、葯は背着する。雌しべは基部に円盤形の蜜腺を持つ。柄は無毛またはまばらに毛があり、長さ8~10mm。子房は長円形または楕円形で、2~5個の胚珠があり、長毛またはまばらに毛がある。花柱は扁平、無毛、長さ25~37mm。柱頭は頂生する。豆果(莢)は長円形でわずかにくびれ、長さ5.5~10cm×幅2.5~3.5cm、種子は2個。種子は不明。花期は2月、5月、6月、8月~11月。果期は2月、10月。

4 Strongylodon ruber Vogel ストロンギロドン・ルーバー
 ハワイ原産。英名はnuku ʻiʻiwi, kā ʻiʻiwi, nuku, Hawaii jadevine。中国名は红花翡翠葛。別名はヌク・イイウィ。花が長く湾曲した嘴を持つ赤いミツスイの一種、イイウィの嘴に似ていることに由来する。標高180~825mの湿潤な森林に生息する。世界的に知られている。
 多年生の無毛の蔓性植物、長さ10~14m、枝幅は5mに達する。葉は羽状三出複葉、互生し、落葉は遅い。小葉は広卵形~広菱状卵形または卵形、小葉は円形~広卵形、先は尖鋭形~尖頭形。側小葉は通常非対称、長さ6.5~12.5cm×幅3.8~10.5cm。先は短い尾形または長い尾形、表面は無毛。小葉は膜質、乾くと紙質になり、縁は全縁、3脈があり、さらに数対の側脈があり、3次脈は網状脈、脈は平行である。葉柄は長さ6~10cm。小花柄は長さ(15~)20~36mm。托葉があり、托葉は卵形または三角形、長さ2~5mm、宿存し、目立つ。小葉の小托葉は線形で、長さ2~6mm。花は通常2~3個束生し、長さ25~45cmの腋生の偽総状花序に垂れ下がる。花は紅色、約長さ25~32(37)mm、蝶形で、鳥やコウモリによる受粉のために細長くなっている。苞は小さい。小苞は円形または卵形で小さく、早脱性。小花柄は長さ15~45mm。萼は鐘形、長さ6~9(10)mm、5裂する。上側の2萼片は先が凹形の唇弁に合着し、その他の萼片は長さ1.5~2.2mm、縁は基部で重なり合う。花冠は鮮やかな緋色。旗弁は卵形~長円形、爪部より上に2つの付属体があり、反り返り、長さ33~37mm。翼弁は長さ15~20mm、旗弁よりかなり短く、竜骨弁に付着する。竜骨弁は長さ30~36mm。雄しべは10本。上部の雄しべ1本は明瞭に分かれ、他の9本は筒状に合着する。子房は上位、柄がある。胚珠は通常2個。花柱は糸状で、先は無毛。柱頭は小さく、頂生する。豆果(莢)は柄があり、斜めの卵形~楕円形~長円形。しばしばS状になり、長さ3~12cm×幅(4)4.5~6cm、非裂開性で、バルブには強い脈がある。種子は1~2個。黒色、ほぼ球形で、扁平、直径2.3~3.3cm。種子のへその長さは種子の円周の1/3~1/2である[参考9, 10]。

参考

1) Flora of Zimbabwe: Cultivated plants: genus page: Strongylodon
 Strongylodon
https://www.zimbabweflora.co.zw/cult/genus.php?genus_id=1813
2)Strongylodon macrobotrys A.Gray | Plants of the World Online | Kew ...
  Strongylodon macrobotrys A.Gray
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:519595-1
3) Plant Finder - Missouri Botanical Garden
 Strongylodon macrobotrys
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid=280642&isprofile=0&
4) GRIN
 Strongylodon
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11670
5) PhytoKeys 73: 1–12 (2016)doi: 10.3897/phytokeys.73.10055
http://phytokeys.pensoft.net
 Strongylodon juangonzalezii, a remarkable new species of Strongylodon
 (Fabaceae) from Mulanay, Quezon Province, Philippines
PK_article_100500.pdf
6) Australian Tropical Rainforest Plants
 Strongylodon lucidus (G.Forst.) Seem.
https://apps.lucidcentral.org/rainforest/text/entities/strongylodon_lucidus.htm
7) 漂着物学会誌 17巻 p.19-20(2019)
 Strongylodon lucidus (G.Forst.) Seem.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/driftological/17/0/17_19/_article/-char/ja/
8) Shing-Fan Huang Department of Plant Taxonomy
 Wageningen Agric. Univ.Papers90-8 (1991)The Netherland
 Strongylodon(Leguminosae-Erythrininae),a revision of the genus
https://edepot.wur.nl/282649
9) Hawai'i Plant Conservation Network
 Strongylodon ruber
https://plantsofhawaii.org/detail/%7B164E6584-F5B0-448C-A86E-FD3268453986%7D
10) Seeds Of Hawaii | LION ARBORETUM University of Hawai
 Strongylodon ruber
https://seedsofhawaii.org/plant/strongylodon-ruber/
11) e-Flora of Thailand
 43. Strongylodon Vogel
https://botany.dnp.go.th/eflora/floragenus.html?factsheet=Strongylodon