ハシカグサ 麻疹草
Flora of Mikawa
アカネ科 Rubiaceae ハシカグサ属
中国名 | 薄叶新耳草 bao ye xin er cao |
学 名 | Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis var. hirsuta synonym Hedyotis hirsuta (L.f.) Forsyth f. synonym Hedyotis lindleyana var. hirsuta (L.f.) H.Hara synonym Neanotis hirsuta var. glabrior (Miq.) W.H.Lewis |
花 期 | 8~9月 |
高 さ | 地をはう 長さ20~40㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 山野の木陰、川辺や森林の湿地 |
分 布 | 在来種 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、インド、バングラデシュ、ブータン、ネパール、ブータン、パキスタン、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、ビスマルク諸島 |
撮 影 | 三ヶ根山 06.9.23 |
ハシカグサはアカネ科ハシカグサ属の雑草。
1年草、茎は下部で傾伏~地を這って広がり、上部では明らかに斜上し、長さ20~40㎝。茎は柔らかく、円柱形~4角(かど)があり、無毛~線状にまたは全体に微細剛毛があり、ときに角が厚くなる。葉は対生し、葉柄は長さ1~5㎜、無毛~微細剛毛または剛毛がある。葉身は乾くと紙質、卵形、披針形、楕円形または広卵形、長さ1~6㎝×幅0.5~2㎝、上面は無毛または疎~中程度に小剛毛(strigillose)、微細なザラつきがあり(scaberulous)、または微細剛毛(hirtellous)があり、下面は密に微細剛毛があるかまたは主脈上にまばらに小剛毛または微細剛毛があり、基部は円形~楔形、先は鋭形、二次脈は3~5対ある。托葉は合着して膜質になり、円形~三角形、長さ1~2㎜、無毛~微細剛毛~不規則な切れ込み~剛毛があり、裂片または剛毛は3~7本、長さ0.5~5㎜、無毛~縁毛がある。花序は頂生および/または偽腋生で、緩い集散花序を形成し、2~3次まで、しばしば非対称に分枝し、花は小さく、直径約2㎜、葉腋につき、離れてまたは2~5個の団散花序(glomerules)になり、無毛または微細剛毛がある。花序柄は長さ0.8~3㎝。苞は不規則な切れ込みまたは托葉形、長さ0.5~2㎜。小花柄は無またはほぼ無、花の生態(floral biology)は不明。萼は無毛~密に微細剛毛があり、花托筒部分(萼筒)は倒円錐形、長さ約1㎜、拡大部は基部までほぼ分裂し、萼片は線状披針形、長さ1~2㎜。花冠は白色、筒状漏斗形、先が4裂し、外側は無毛。花冠筒部は長さ3.5~4㎜、内側には微軟毛またはおそらく軟毛がある。花冠裂片は卵形~三角形、長さ2.2~3㎜。雄しべ4本、花冠の内面につき、花糸が短い。雌しべの花柱は2個。蒴果は扁平な球形、長さ2~2.5㎜×幅2.5~3㎜、無毛~微細剛毛がある。花期は(6)8~9(10)月。
日本海側に分布する萼片に毛がないものは別種のオオハシカグサ。
1年草又は多年草、刺は無く、しばしば平伏し、傷つけるとしばしば悪臭を出し、しばしば肉質、しばしば乾くと黒色になる。束晶(raphide)がある。葉は対生、ダニ室は無い。托葉は有り、葉柄間で、普通、葉柄に融合し、切形~三角形、縁が不規則に切れ込み~剛毛があり、ときに腺がある。花序は腋生、及び/又は頂生と偽腋生、苞は有又は無。花は花柄が無又は有、両性、少なくとも、ときに、2花柱形。萼の拡大部は4(~5)深裂する。花冠は白色、ピンク色、又は紫色、漏斗形~筒形、内側は無毛又は筒部やのど部に絨毛がある。花冠裂片は4(~5)個、蕾では敷石状。雄しべは4(~5)本、普通、花冠ののど部につき、突き出すか又は突き出ない。花糸は短~発達する。葯は基部近くに背着する。子房は2[~4]室、胚珠は各室に数個又はまれに多数又は1個、基部近くに斜上する中軸胎座の上につく。柱頭は2(~4)個、線形、突き出ないか又は突き出る。果実は蒴果、又はまれに非裂開、ほぼ球形、こま形、倒円錐形、卵形、又は2小堅果(dicoccous)、しばしば側部が扁平、上部全体が胞背裂開し、この部分は平坦又はときに短く持ち上がり、嘴になり、革質~膜質、萼の拡大部は宿存する。種子は少数~多数、小さく、円盤形~平凸面形、丸く又はまれに翼があり、ザラつき、凹点がある。胚乳は角質。胚はこん棒形。
世界に約34種があり、主に熱帯アジア、オーストラリアに分布する。
日本、台湾、マレーシア原産。中国名は台湾新耳草 tai wan xin er cao。標高 1100~1700mの山の斜面、道端に生える。
おそらく多年草、茎は基部近くで傾伏し、上部で斜上し、高さ30㎝まで。茎は円柱形~角張り、ときに溝があり、無毛。葉はほぼ無柄または葉柄があり、葉柄は長さ3㎜まで、まばらに微細剛毛があるかまたは無毛。葉身は乾くと紙質または膜質、卵形、卵状長円形、または披針形、長さ1~3㎝×幅0.5~1.6㎝、上面には疎~中程度に微細剛毛、微細なザラつきまたは剛毛があり、下面は無毛または主脈に沿って疎~中程度に微細剛毛があり、基部は鈍形~ほぼ円形、先は鋭形、二次脈は 3~4対ある。托葉は三角形、長さ1~2㎜、微細剛毛があり、ギザギザ~櫛形または3~5本の剛毛または裂片が長さ1~5㎜となり、ときに腺毛がある。花序は頂生またはまれに偽腋生、集散花序で緩く、2~5個の花が集まって 2~3次まで分枝し、無毛。花序柄は長さ0.8~2.5㎝。苞は不規則な切れ込みまたは托葉形、長さ0.5~2㎜。小花柄は長さ0.5~1.5㎜。萼は無毛、花托筒部分(萼筒)はほぼ杯形~倒円錐形、拡大部は基部まで分裂し、萼片は三角形、長さ1.5~2㎜、鋭形。花冠は白色、漏斗形、外側は無毛。花冠筒部は長さ4~5.5㎜、花冠裂片は三角形、長さ3~3.2㎜。蒴果は球形、長さ2~2.5㎜×幅3~3.5㎜、無毛。花期は4~7月。果期は6~7月。
2 Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis ハシカグサ 麻疹草
synonym Anotis hirsuta (L.f.) Miq. ex Backer & Slooten
synonym Hedyotis hirsuta (L.f.) Forsyth f.
synonym Hedyotis lindleyana var. hirsuta (L.f.) H.Hara
synonym Neanotis hirsuta var. glabrior (Miq.) W.H.Lewis
synonym Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis var. yakusimensis (Masam.) W.H.Lewis ヤクシマハシカグサ
日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国(広東省、海南省、江蘇省、江西省、雲南省、浙江省)、台湾、インド、バングラデシュ、ブータン、ネパール、ブータン、パキスタン、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、ビスマルク諸島原産。中国名は薄叶新耳草 bao ye xin er cao。山野の木陰、川辺や森林の湿地に生える。
1年草、茎は下部で傾伏~地を這って広がり、上部では明らかに斜上し、長さ20~40㎝。茎は柔らかく、円柱形~4角(かど)があり、無毛~線状にまたは全体に微細剛毛があり、ときに角が厚くなる。葉は対生し、葉柄は長さ1~5㎜、無毛~微細剛毛または剛毛がある。葉身は乾くと紙質、卵形、披針形、楕円形または広卵形、長さ1~6㎝×幅0.5~2㎝、上面は無毛または疎~中程度に小剛毛(strigillose)、微細なザラつきがあり(scaberulous)、または微細剛毛(hirtellous)があり、下面は密に微細剛毛があるかまたは主脈上にまばらに小剛毛または微細剛毛があり、基部は円形~楔形、先は鋭形、二次脈は3~5対ある。托葉は合着して膜質になり、円形~三角形、長さ1~2㎜、無毛~微細剛毛~不規則な切れ込み~剛毛があり、裂片または剛毛は3~7本、長さ0.5~5㎜、無毛~縁毛がある。花序は頂生および/または偽腋生で、緩い集散花序を形成し、2~3次まで、しばしば非対称に分枝し、花は小さく、直径約2㎜、葉腋につき、離れてまたは2~5個の団散花序(glomerules)になり、無毛または微細剛毛がある。花序柄は長さ0.8~3㎝。苞は不規則な切れ込みまたは托葉形、長さ0.5~2㎜。小花柄は無またはほぼ無、花の生態(floral biology)は不明。萼は無毛~密に微細剛毛があり、花托筒部分(萼筒)は倒円錐形、長さ約1㎜、拡大部は基部までほぼ分裂し、萼片は線状披針形、長さ1~2㎜。花冠は白色、筒状漏斗形、先が4裂し、外側は無毛。花冠筒部は長さ3.5~4㎜、内側には微軟毛またはおそらく軟毛がある。花冠裂片は卵形~三角形、長さ2.2~3㎜。雄しべ4本、花冠の内面につき、花糸が短い。雌しべの花柱は2個。蒴果は扁平な球形、長さ2~2.5㎜×幅2.5~3㎜、無毛~微細剛毛がある。花期は(6)8~9(10)月。
日本固有種。近畿地方~中部地方の日本海側~東北地方、九州(長崎県)に分布する。山野の道端に生える。
ハシカグサの変種ともされ、ハシカグサに似ているが全体にがっしりして、ほとんど毛がなく、萼は無毛。
1年草。茎は柔らかく、枝分かれして地に広がり、長さ20~40㎝、各節から根を出し、先の方はしばしば斜めに立ち上がる。葉は対生し、卵形~狭卵形、柔らかく、長さ約4㎝(ハシカグサは約2㎝)、ほとんど無毛で光沢がある。托葉は半円形、櫛の歯状に3~5裂する。茎の先や葉腋に小さな白い花を数個束生する。萼筒が無毛(ハシカグサはルーペで見ると萼筒に毛がある)。花期は8~9月。
synonym Oldenlandia hirsuta var. glabricalycina Honda
おそらく多年草、上部が平伏または斜上する。茎はほぼ円柱形~角張り、または扁平、平滑~うねおよび/または溝があり、無毛。葉はほぼ無柄または葉柄があり、葉柄は長さ10㎜まで、無毛。葉身は楕円形、披針形、または卵形、長さ1~5㎝×幅0.5~2㎝、無毛または上面には少なくとも縁付近にまばらに伏した小剛毛(strigillose)または微細なザラつきがあり(scaberulous)、下面は無毛またはときに主脈上に微軟毛があり、基部は鋭形~鈍形、先は尖鋭形~鋭形、二次脈は 3~9対ある。托葉鞘は円形~広三角形、長さ0.8~1.5㎜、無毛~微軟毛があり、長さ0.3~3㎜の剛毛または線状の裂片が2~7本あり、無毛で、しばしば腺がある。花序は頂生および/または主茎と短い腋生茎の上部の節に偽腋生し、頭状~密集した集散花序で、1~通常数個の花があり、無毛、無柄または長さ3㎜までの花序柄がある。苞は小さくなり、托葉形で長さ0.5㎜まで。小花柄は長さ2㎜まで。花はほぼ無柄~小花柄がある。萼は無毛、花托筒部分は杯形~こま形、長さ0.8~1.2美鈴、拡大部分は基部まで深裂し、萼裂は三角形または舌形、長さ1.5~2.5㎜。花冠は白色、短い筒形~車形、外側は無毛または微軟毛がある。花冠筒部は長さ1~1.5㎜、喉部は明らかに無毛。花冠裂片は狭三角状長円形~舌形、長さ1.5~2㎜。蒴果は扁平なほぼ球形~倒卵形、約・長さ3㎜×幅4㎜、わずかに双小果状(dicoccous)、無毛、平滑。花期は7~10月。
Neanotis
Neanotis
オオハシカグサ(アカネ科)九州に産す;中西弘樹
1年草、茎は下部で傾伏~地を這って広がり、上部では明らかに斜上し、長さ20~40㎝。茎は柔らかく、円柱形~4角(かど)があり、無毛~線状にまたは全体に微細剛毛があり、ときに角が厚くなる。葉は対生し、葉柄は長さ1~5㎜、無毛~微細剛毛または剛毛がある。葉身は乾くと紙質、卵形、披針形、楕円形または広卵形、長さ1~6㎝×幅0.5~2㎝、上面は無毛または疎~中程度に小剛毛(strigillose)、微細なザラつきがあり(scaberulous)、または微細剛毛(hirtellous)があり、下面は密に微細剛毛があるかまたは主脈上にまばらに小剛毛または微細剛毛があり、基部は円形~楔形、先は鋭形、二次脈は3~5対ある。托葉は合着して膜質になり、円形~三角形、長さ1~2㎜、無毛~微細剛毛~不規則な切れ込み~剛毛があり、裂片または剛毛は3~7本、長さ0.5~5㎜、無毛~縁毛がある。花序は頂生および/または偽腋生で、緩い集散花序を形成し、2~3次まで、しばしば非対称に分枝し、花は小さく、直径約2㎜、葉腋につき、離れてまたは2~5個の団散花序(glomerules)になり、無毛または微細剛毛がある。花序柄は長さ0.8~3㎝。苞は不規則な切れ込みまたは托葉形、長さ0.5~2㎜。小花柄は無またはほぼ無、花の生態(floral biology)は不明。萼は無毛~密に微細剛毛があり、花托筒部分(萼筒)は倒円錐形、長さ約1㎜、拡大部は基部までほぼ分裂し、萼片は線状披針形、長さ1~2㎜。花冠は白色、筒状漏斗形、先が4裂し、外側は無毛。花冠筒部は長さ3.5~4㎜、内側には微軟毛またはおそらく軟毛がある。花冠裂片は卵形~三角形、長さ2.2~3㎜。雄しべ4本、花冠の内面につき、花糸が短い。雌しべの花柱は2個。蒴果は扁平な球形、長さ2~2.5㎜×幅2.5~3㎜、無毛~微細剛毛がある。花期は(6)8~9(10)月。
日本海側に分布する萼片に毛がないものは別種のオオハシカグサ。
ハシカグサ属
family Rubiaceae - genus Neanotis1年草又は多年草、刺は無く、しばしば平伏し、傷つけるとしばしば悪臭を出し、しばしば肉質、しばしば乾くと黒色になる。束晶(raphide)がある。葉は対生、ダニ室は無い。托葉は有り、葉柄間で、普通、葉柄に融合し、切形~三角形、縁が不規則に切れ込み~剛毛があり、ときに腺がある。花序は腋生、及び/又は頂生と偽腋生、苞は有又は無。花は花柄が無又は有、両性、少なくとも、ときに、2花柱形。萼の拡大部は4(~5)深裂する。花冠は白色、ピンク色、又は紫色、漏斗形~筒形、内側は無毛又は筒部やのど部に絨毛がある。花冠裂片は4(~5)個、蕾では敷石状。雄しべは4(~5)本、普通、花冠ののど部につき、突き出すか又は突き出ない。花糸は短~発達する。葯は基部近くに背着する。子房は2[~4]室、胚珠は各室に数個又はまれに多数又は1個、基部近くに斜上する中軸胎座の上につく。柱頭は2(~4)個、線形、突き出ないか又は突き出る。果実は蒴果、又はまれに非裂開、ほぼ球形、こま形、倒円錐形、卵形、又は2小堅果(dicoccous)、しばしば側部が扁平、上部全体が胞背裂開し、この部分は平坦又はときに短く持ち上がり、嘴になり、革質~膜質、萼の拡大部は宿存する。種子は少数~多数、小さく、円盤形~平凸面形、丸く又はまれに翼があり、ザラつき、凹点がある。胚乳は角質。胚はこん棒形。
世界に約34種があり、主に熱帯アジア、オーストラリアに分布する。
ハシカグサ属の主な種
1 Neanotis formosana (Hayata) W.H.Lewis タイワンハシカグサ 台湾麻疹草
synonym Anotis formosana Hayata日本、台湾、マレーシア原産。中国名は台湾新耳草 tai wan xin er cao。標高 1100~1700mの山の斜面、道端に生える。
おそらく多年草、茎は基部近くで傾伏し、上部で斜上し、高さ30㎝まで。茎は円柱形~角張り、ときに溝があり、無毛。葉はほぼ無柄または葉柄があり、葉柄は長さ3㎜まで、まばらに微細剛毛があるかまたは無毛。葉身は乾くと紙質または膜質、卵形、卵状長円形、または披針形、長さ1~3㎝×幅0.5~1.6㎝、上面には疎~中程度に微細剛毛、微細なザラつきまたは剛毛があり、下面は無毛または主脈に沿って疎~中程度に微細剛毛があり、基部は鈍形~ほぼ円形、先は鋭形、二次脈は 3~4対ある。托葉は三角形、長さ1~2㎜、微細剛毛があり、ギザギザ~櫛形または3~5本の剛毛または裂片が長さ1~5㎜となり、ときに腺毛がある。花序は頂生またはまれに偽腋生、集散花序で緩く、2~5個の花が集まって 2~3次まで分枝し、無毛。花序柄は長さ0.8~2.5㎝。苞は不規則な切れ込みまたは托葉形、長さ0.5~2㎜。小花柄は長さ0.5~1.5㎜。萼は無毛、花托筒部分(萼筒)はほぼ杯形~倒円錐形、拡大部は基部まで分裂し、萼片は三角形、長さ1.5~2㎜、鋭形。花冠は白色、漏斗形、外側は無毛。花冠筒部は長さ4~5.5㎜、花冠裂片は三角形、長さ3~3.2㎜。蒴果は球形、長さ2~2.5㎜×幅3~3.5㎜、無毛。花期は4~7月。果期は6~7月。
2 Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis ハシカグサ 麻疹草
synonym Anotis hirsuta (L.f.) Miq. ex Backer & Slooten
synonym Hedyotis hirsuta (L.f.) Forsyth f.
synonym Hedyotis lindleyana var. hirsuta (L.f.) H.Hara
synonym Neanotis hirsuta var. glabrior (Miq.) W.H.Lewis
synonym Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis var. yakusimensis (Masam.) W.H.Lewis ヤクシマハシカグサ
日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国(広東省、海南省、江蘇省、江西省、雲南省、浙江省)、台湾、インド、バングラデシュ、ブータン、ネパール、ブータン、パキスタン、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、ビスマルク諸島原産。中国名は薄叶新耳草 bao ye xin er cao。山野の木陰、川辺や森林の湿地に生える。
1年草、茎は下部で傾伏~地を這って広がり、上部では明らかに斜上し、長さ20~40㎝。茎は柔らかく、円柱形~4角(かど)があり、無毛~線状にまたは全体に微細剛毛があり、ときに角が厚くなる。葉は対生し、葉柄は長さ1~5㎜、無毛~微細剛毛または剛毛がある。葉身は乾くと紙質、卵形、披針形、楕円形または広卵形、長さ1~6㎝×幅0.5~2㎝、上面は無毛または疎~中程度に小剛毛(strigillose)、微細なザラつきがあり(scaberulous)、または微細剛毛(hirtellous)があり、下面は密に微細剛毛があるかまたは主脈上にまばらに小剛毛または微細剛毛があり、基部は円形~楔形、先は鋭形、二次脈は3~5対ある。托葉は合着して膜質になり、円形~三角形、長さ1~2㎜、無毛~微細剛毛~不規則な切れ込み~剛毛があり、裂片または剛毛は3~7本、長さ0.5~5㎜、無毛~縁毛がある。花序は頂生および/または偽腋生で、緩い集散花序を形成し、2~3次まで、しばしば非対称に分枝し、花は小さく、直径約2㎜、葉腋につき、離れてまたは2~5個の団散花序(glomerules)になり、無毛または微細剛毛がある。花序柄は長さ0.8~3㎝。苞は不規則な切れ込みまたは托葉形、長さ0.5~2㎜。小花柄は無またはほぼ無、花の生態(floral biology)は不明。萼は無毛~密に微細剛毛があり、花托筒部分(萼筒)は倒円錐形、長さ約1㎜、拡大部は基部までほぼ分裂し、萼片は線状披針形、長さ1~2㎜。花冠は白色、筒状漏斗形、先が4裂し、外側は無毛。花冠筒部は長さ3.5~4㎜、内側には微軟毛またはおそらく軟毛がある。花冠裂片は卵形~三角形、長さ2.2~3㎜。雄しべ4本、花冠の内面につき、花糸が短い。雌しべの花柱は2個。蒴果は扁平な球形、長さ2~2.5㎜×幅2.5~3㎜、無毛~微細剛毛がある。花期は(6)8~9(10)月。
3 Neanotis hondae (H.Hara) W.H.Lewis オオハシカグサ 大麻疹草
synonym Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis var. glabra (Honda) H.Hara日本固有種。近畿地方~中部地方の日本海側~東北地方、九州(長崎県)に分布する。山野の道端に生える。
ハシカグサの変種ともされ、ハシカグサに似ているが全体にがっしりして、ほとんど毛がなく、萼は無毛。
1年草。茎は柔らかく、枝分かれして地に広がり、長さ20~40㎝、各節から根を出し、先の方はしばしば斜めに立ち上がる。葉は対生し、卵形~狭卵形、柔らかく、長さ約4㎝(ハシカグサは約2㎝)、ほとんど無毛で光沢がある。托葉は半円形、櫛の歯状に3~5裂する。茎の先や葉腋に小さな白い花を数個束生する。萼筒が無毛(ハシカグサはルーペで見ると萼筒に毛がある)。花期は8~9月。
4 Neanotis kwangtungensis (Merr. & F.P.Metcalf) W.H.Lewis マルミノハシカグサ 丸実の麻疹草
synonym Neanotis hirsuta var. glabricalycina (Honda) W.H.Lewissynonym Oldenlandia hirsuta var. glabricalycina Honda
synonym Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis var. glabricalycina (Honda) W.H.Lewis
synonym Neanotis hirsuta (L.f.) W.H.Lewis var. hirsuta f. glabricalycina (Honda) H.Hara
日本(熊本県)、中国(広東省、広西チワン族自治区、江西省、四川省)、台湾、タイ原産。中国名は广东新耳草 guang dong xin er cao。標高200~800mの緩やかな斜面または川岸の森林に生える。おそらく多年草、上部が平伏または斜上する。茎はほぼ円柱形~角張り、または扁平、平滑~うねおよび/または溝があり、無毛。葉はほぼ無柄または葉柄があり、葉柄は長さ10㎜まで、無毛。葉身は楕円形、披針形、または卵形、長さ1~5㎝×幅0.5~2㎝、無毛または上面には少なくとも縁付近にまばらに伏した小剛毛(strigillose)または微細なザラつきがあり(scaberulous)、下面は無毛またはときに主脈上に微軟毛があり、基部は鋭形~鈍形、先は尖鋭形~鋭形、二次脈は 3~9対ある。托葉鞘は円形~広三角形、長さ0.8~1.5㎜、無毛~微軟毛があり、長さ0.3~3㎜の剛毛または線状の裂片が2~7本あり、無毛で、しばしば腺がある。花序は頂生および/または主茎と短い腋生茎の上部の節に偽腋生し、頭状~密集した集散花序で、1~通常数個の花があり、無毛、無柄または長さ3㎜までの花序柄がある。苞は小さくなり、托葉形で長さ0.5㎜まで。小花柄は長さ2㎜まで。花はほぼ無柄~小花柄がある。萼は無毛、花托筒部分は杯形~こま形、長さ0.8~1.2美鈴、拡大部分は基部まで深裂し、萼裂は三角形または舌形、長さ1.5~2.5㎜。花冠は白色、短い筒形~車形、外側は無毛または微軟毛がある。花冠筒部は長さ1~1.5㎜、喉部は明らかに無毛。花冠裂片は狭三角状長円形~舌形、長さ1.5~2㎜。蒴果は扁平なほぼ球形~倒卵形、約・長さ3㎜×幅4㎜、わずかに双小果状(dicoccous)、無毛、平滑。花期は7~10月。
参考
1) Flora of ChinaNeanotis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=121733
2) )Plants of the World Online | Kew ScienceNeanotis
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:34968-1
3) )植物地理・分類研究 71(2): 153-156 (2023)オオハシカグサ(アカネ科)九州に産す;中西弘樹
https://www.jstage.jst.go.jp/article/chiribunrui/71/2/71_0712-08/_pdf/-char/en