1・2年草、高さ10～80㎝。茎は直立、類4稜形、条線があり、単純又は基部や基部の上から分枝する。根生葉は普通、花時に枯れ、葉柄は扁平、長さ1～1.5㎝、葉身は楕円形～倒卵形、長さ1～3㎝×幅5～8mm、基部はくさび形、先は円形。茎葉は無柄又は短柄、葉身は楕円状披針形～卵形、長さ3～8㎝×幅1～1.5㎝、若い時に密にパピラがあり、下面は脈沿いに小剛毛があり、上面は平滑になり、基部は鈍形～ほぼ円形、先は尖鋭形、脈は3本。花は頂生の散形花序に束生し、4個の輪生の葉が基部につく。花柄は長さ0.5～3㎝。花柄は線状披針形、長さ5～8㎜×幅1～1.5mm、縁毛は租毛、先は尖鋭形。花冠は黄色、鐘形、距を含めて直径1.1～1.4㎝。筒部は4～5mm、基部に長さ4～8㎜の距がある。花冠裂片は楕円形～卵形、長さ5～7mm×幅3～5mm、先は鈍形で小突起がある。花糸は長さ2～3mm。葯はほぼ球形、直径約0.8mm。種子は褐色、長さ1～1.4mm×幅約1mm。花期と果期は7～9(10)月。2n=22。

ハナイカリ属

　 family　Gentianaceae － genus Halenia

　1年草 [又は多年草]。根は細く、ひげ根。ときに、長い根茎をもつ。葉は対生[又は輪生]。花序は頂生及び腋生、束生又はときに集散花序からなる円錐花序につく。花は頂生の散形花序に束生し、4個の輪生の葉が基部につく。しばしば短い腋生の枝上につく。花は4数性。咢は基部近くまで分裂する。花冠は鐘形、中間の下まで分裂し、花冠筒部の基部近くに距をもつ。雄しべは花冠筒部につく。花柱はごく短い。子房は1室。柱頭は2裂。蒴果は卵形、2バルブ、長さ1.1～1.3㎝、種子は多数。種子は楕円形～ほぼ休憩、種皮はほとんど平滑。
　世界に約100種があり、主にアメリカに分布し、少数がアジアとヨーロッパに分布する。

ハナイカリ属の主な種と園芸品種

1 Halenia corniculata (L.) Cornaz　 ハナイカリ　花碇
　日本（北海道、本州、四国、九州）、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は花锚 hua mao。山地の草原に生える。
　1・2年草、高さ10～80㎝。茎は直立、類4稜形、条線があり、単純又は基部や基部の上から分枝する。根生葉は普通、花時に枯れ、葉柄は扁平、長さ1～1.5㎝、葉身は楕円形～倒卵形、長さ1～3㎝×幅5～8mm、基部はくさび形、先は円形。茎葉は無柄又は短柄、葉身は楕円状披針形～卵形、長さ3～8㎝×幅1～1.5㎝、若い時に密にパピラがあり、下面は脈沿いに小剛毛があり、上面は平滑になり、基部は鈍形～ほぼ円形、先は尖鋭形、脈は3本。花は頂生の散形花序に束生し、4個の輪生の葉が基部につく。花柄は長さ0.5～3㎝。花柄は線状披針形、長さ5～8㎜×幅1～1.5mm、縁毛は租毛、先は尖鋭形。花冠は黄色、鐘形、距を含めて直径1.1～1.4㎝。筒部は4～5mm、基部に長さ4～8㎜の距がある。花冠裂片は楕円形～卵形、長さ5～7mm×幅3～5mm、先は鈍形で小突起がある。花糸は長さ2～3mm。葯はほぼ球形、直径約0.8mm。種子は褐色、長さ1～1.4mm×幅約1mm。花期と果期は7～9(10)月。2n=22。
1-1 Halenia corniculata (L.) Cornaz f. purpurea T.Shimizu　 ムラサキハナイカリ　紫花碇
　花が赤紫色を帯びる品種。

2 Halenia elliptica D. Don　ハレニア・エリプティカ
　中国、ブータン、インド、キルギスタン、ミャンマー、ネパール、シッキム原産。中国名は椭圆叶花锚 tuo yuan ye hua mao。英名はspurred gentian
　高さ(7～)15～90㎝。茎は直立、類4稜形、条線があり、単純又は基部や基部の上から分枝する。根生葉は短柄が長さ1～1.5(～3)㎝。葉身はへら形、楕円形、又はややほぼ円形、長さ2～3㎝× 0.5～1.5㎝、基部は狭くなりくさび形、先は鋭形～円形、脈は3～5本。茎葉は無柄又は短柄がある。葉身は長円形、楕円形、卵状披針形、又は卵形、長さ1.5～7㎝×幅0.5～3.5㎝、基部は円形～切形、先は鋭形～円形、脈は5本。花柄は長さ 0.5～3.5㎝。咢片は楕円形～卵形、先は尖鋭形。花冠は青色～紫色、鐘形、長さ1～2.5㎝。基部の距は長さ5～10(～14)㎜。花冠裂片は楕円形～卵形、先は鈍形で小突形。花糸は長さ3～5㎜。葯は卵形、長さ約1㎜。種子は薄褐色、約・長さ2㎜×幅1㎜。花期と果期は7～9月。

参考

1) Flora of China
　Halenia 2) Plants of the World Online | Kew Science
　Halenia